『真・三國無双2』は2001年にプレイステーション2にて発売された、三国志を題材にしたアクションゲーム。シリーズでも人気の高い1作で、その拡張コンテンツである『真・三國無双2 猛将伝』とまとめて1本にし、現代向けにリマスターされたのが本作だ。
本記事では、製品版を遊んでのプレイレビューをお届けしよう。

これリメイクでは?

画面比率は4:3から16:9へと変わり、グラフィックもプレイステーション2時代のものと比べると格段にきれい。とくにステージ背景はかなり作り込まれ、若干オリジナル版の面影はありつつも、ほとんど別モノなくらい雰囲気が違う。


オリジナル版は遠景に霧がかって見え、おそらく描画処理を軽くするために遠景を映さないようになっていたが、本作では遠景もバッチリ表示されているので、ステージそれぞれの印象はかなり違うだろう。


武将たちのグラフィックはリファインされつつも、デザインは当時そのまま。三国志という世界観は、まさにゲーム『三國志』のようなシブい印象がかなり強かったが、『真・三國無双』シリーズはかなりカジュアルで、デフォルメされたキャラクター像になっていた。



が、なんだか時代が進みすぎたのか、いま見るともはや『真・三國無双2』のデザインはシブく、そしてオーソドックスにまとまっていて、シュッとしたカッコよさがある。いまでは三国志をテーマにしたゲーム、武将をデフォルメしまくったタイトルは世にたくさん出ており、何なら三国志の武将が女の子になるのは当然の時代なので、当時と感じかたがぜんぜん違うかな、と(それでも魏延だけはとがりまくっているが)。



自由度が高まった無双アクション
通常攻撃とチャージ攻撃、そしていわゆる必殺技の“無双乱舞”で戦うオーソドックスなスタイルは、その後のシリーズ作にも受け継がれていった要素。そこに新アクション“回避”が加わったことで、立ち回りに幅が生まれた。

“回避”はディフェンスアクションとしてはシンプルなものだが、通常攻撃やチャージ攻撃中にも動作を中断(いわゆるキャンセル)して出せるので、連撃をくり出すチャージ攻撃をキャンセルして別の行動をするなど、アクションがより自由になった。
そのため、攻撃の終わり際をキャンセル、初段のみキャンセル、などなどキャラクターごとにやれることが増え、アクションゲームとしてさらに楽しくなった。敵武将との戦いでは“相手が倒れるまでずっとコンボする”のがある意味基本なのだが、それがやりやすく、かつワンパターンで終わらなくなったのが楽しい。
そして地味に、馬を呼べる“馬呼び”も戦いで活躍できる。馬呼び自体も新システムで、オリジナル版にはなかった要素。オリジナル版では馬を長距離移動に使うこともあったのだが、もはや走りでいいやと馬を使わないこともしばしば。しかし、本作の馬は『真・三國無双 ORIGINS』のようなシステムで、かなり使い勝手がいい。戦闘面では相変わらず頼りない場面もあるのだが、移動手段としてはしっかりと使えるようになっている。
馬呼びすると自動で馬に乗り込むのだが、その初速がかなり速く、長距離ダッシュのような使いかたができるので、集団戦から抜け出す、敵の遠距離兵が並んでいる場面を突破するなど、ここぞというときの緊急脱出装置のように使用できた。
敵のガードが硬すぎるのを、チャージ1攻撃や裏回りで崩すという攻防もあるものの、全体的にはかなりシンプルなやり取りが多く、敵にコンボを当て続けることに終始している。それはそれで楽しいのだが、その後の進化を見ると若干味気なさを感じる部分も。
とはいえ、アクションとしての難易度はそこまで下がっておらず、何なら難易度を下げてもステージによってはけっこう難しいという、往年のゲームらしい部分も残っていた。むしろプレイヤー側のとれる行動が増えたので、容赦のないところもちゃんと存在する。従来は遊びにくい部分が骨太さにつながっていたが、それがなくなってもなお骨太、といった感じ。


一般兵の強さは健在
本作は敵表示数が大幅に増えたうえでアグレッシブに。もともと一般兵を倒すメリットはじつはあまりなく、とにかく武将に向かっていけばいいのだが、一般兵のジャマ具合がかなり増しているため、適度に倒したり、味方と攻め込んだりといったことも重要になる。

うまく対処してしまえば、いきなり総大将を倒してステージクリアーできるのも相変わらず。だが、そこを一般兵の強さで補い「自軍が優勢になるように戦ってくださいね」と、総大将を倒すという最終目標を目指すだけではないゲーム性に仕上げているようにも感じた。
とくに難易度“難しい”以降はそれが感じられる。“普通”難度なら基本サクサク進められるので、ただクリアーを目指すだけならばそこまで難しくはない。



オリジナル版の弓兵・弩兵はものすごく強く、並んでいるだけで吹き飛ばされるわダメージはデカいわで、もうとにかく厄介な存在だった。本作は、厄介度が異なる形でメチャクチャ強くなっている(とくに弩兵)。
遠距離攻撃を食らっても基本ひるむことがないので、アクションのジャマにはならない。ただし、集団での連射力がものすごく高いので、ただ攻撃しているだけなのに、気づいたら全弾ヒットして体力が大幅に削られてしまうことも。三国マシンガンかの如く、放たれる矢を全部食らってしまうとダメージがデカい、という厄介さになっている。
メリハリの付いた武将戦

敵が黄色く光ったら、ガード不能のチャージ攻撃の合図(近距離型と、弓を撃つ遠距離型がある)。敵のチャージ中にこちらがチャージ攻撃などを当てると、相手の行動をストップさせたうえで、与えるダメージが増加するチャンスタイムに。間に合わないと思ったら距離を離して逃げることもできるので、理不尽さがなくなった。
敵が赤く光ると無双乱舞の合図なのだが、自身も同じタイミングで無双乱舞を放つことで、前兆中ならば専用アクションで止めることができる。また、無双乱舞どうしがかち合うと、つばぜり合いになる。つばぜり合いの部分は、オリジナル版からあった要素だ。
敵の無双ゲージの溜まり具合も見られるので、無双乱舞を放ってきそうだなという予測もできるし、かなり回避しやすくなった。敵の無双ゲージはメチャクチャすぐ溜まるので、保険として無双乱舞を放たずに持っておくことの価値が生まれた。このあたりで、オリジナル版から続く“無双乱舞はピンチのときの緊急回避”といった使いかただけでなく、別の使い道も生まれる結果に。
といった攻防はありつつも、やはり基本はオリジナル版同様、とにかく敵にコンボを叩きこむことがメインになっているのはさほど変わらない。追加アクションに“ジャスト回避”からのカウンター、弾き返しができる“ジャストパワーガード”があるが、立ち回りの中で狙って活用するのは難しく(ジャスト回避はそれなりに簡単)、たまたま回避やガードをしていたときに発動できればいいかな、くらいの立ち位置になっている。

やりやすくなった育成
武将や拠点兵長など、名前の付いた敵を倒すとステータスアイテムを落とすことがあり、それを拾うと武将が強化されていく。上昇数値の平均値は難易度・ステージ難度で変わり、難しいほどにステータスを上げやすい。
上がり幅もオリジナル版と変わらないので、究極系まで育成するとなるとたいへんなのは相変わらず。ただ、副将など名前ありの敵も増えており、ステータスアップの機会も積極的に狙えるため、実際にかかる時間はオリジナル版よりも短いだろう。
新要素としては“黄龍丹”が追加された。これは、無双モードをクリアーすると3個もらえるステータスアイテムで、無双モードを遊び始めるときに使用すると、ステータスを全体的に上げられる。ただし、各武将の初回クリアー時にしかもらえないので、個数には限りがある。

本作は多数の武将で無双モードをクリアーしていくゲームなので、おもに「クリアーしたつぎの武将で使うと、最初から少しだけ強くなれるよ」と提案されているアイテムだと思われる。いずれの武将もステータスは低く、武器も弱い状態から始まるので、もう一度無双モードを遊ぶのはちょっとしんどい。そこを緩和するためのものだろう。
手持ちの黄龍丹であれば使う個数は自由なので、戦略的に使わないという選択も可能。もし、ひとりの武将をとにかく強くしたいならば、1キャラクターに集中させて使っちゃってもいいかも。
一部の装備品は隠しアイテムとなっているが、全ステージで解放条件がゲーム中で見られるようになったのもうれしい。アイテムの中にはやたらと条件がきびしいものもあるが、そこは当時の味わいとして楽しめるだろう。



いちばんうれしかったのが、武器を合成できること。武器には基礎値のほか、攻撃力アップなどの副効果が付いている。この副ステータスを厳選する、いまでいうハクスラ要素が当時からあったのだが、武器をとにかく拾うしか方法がなかった。
本作では副ステータス部分、もしくは属性を、素材として合成することでほかの武器に付与できるようになった。自分好みの使いやすい、強い武器が簡単に作れるようになったのはうれしいところ。また、最終的にはいずれのキャラクターも第4~5武器の装備を目指すことになるのだが、それまでの道のりでも武器の変更や、強くなった武器の楽しさが味わえるようになったのがいちばん大きい。

意外と静かだった『2』
『真・三國無双2』もそれなりにしゃべっていた記憶だったが、それはシリーズ作での印象であったためか、そこまでしゃべっていなかった。劣勢になっても優勢になってもたまにしゃべるくらいで、戦場の行く末が変わってもセリフがある場合とない場合がある。


ほぼ確定で聞くものには、体力が減りすぎたときに聞く言葉(「自重せよ」とか)や、100人斬りなどを達成したときに言われるお褒めの言葉(「お前こそ万夫不当の豪傑よ」とか)が多い。だからこそ、そういったセリフやアクション時の掛け声の印象が強かったのだなと改めて感じた。

そのためいま遊ぶと、キャラクター性の部分で少し物足りなさも感じられる。が、オリジナル版の音声をそのまま使用し、リマスターしているのだから、まあ仕方のない部分だろう。
ステージ中には状況に応じてさまざまな展開も用意されているが、カットシーンが含まれていないステージでは、単にメッセージだけで展開が済まされることも。「せっかくここまでやったのに」と思わなくもないが、当時としてはそこまで盛り込むのが精いっぱいだったのかなと。


細かな新要素のあれこれ



もととなる動きを令和のアクションゲームから引っ張ってきていることもあり、ひとりだけ前進距離などが全体的に長くスピーディーで、慣れるまでやや戦いにくさもあるが、慣れてしまうとクセのない武将として扱えるだろう。というかめっちゃ強い。
各種イベントシーンでの出演には対応しており、本編では見られない活躍も多々あるのでぜひお試しあれ。


とくに追加で重要だったのが、コンティニュー要素。オリジナル版はゲームオーバーになると、ステージを再開することができず、またイチから挑むしかなかった。だが本作では『ORIGINS』と同じく、チェックポイントからの再開も可能となっているので、敵に倒されてしまってもポイントから復活できるように。


“難しい”、“最強”難度はいきなり殴られてほぼ一撃死、みたいなことが起きやすい。どんなに気を付けても、敵集団がコンボをうまく決めてくるとお手玉されてゲームオーバーになることもしょっちゅう。そういった要素は残しつつ、コンティニューできるようになってはいるので、敵の猛攻撃もそれなりに許せるはず。

シリーズファンは本作をどう見る?
ゲーム中ではまだデザインのない、いわゆる顔なし武将を多数見かけることになるのが、なんだか感慨深い。魏を相手にしていれば「あぁ、曹仁って『3』だから1歩先だね」、「李典ってだいぶ先だよなぁ」と思うことも。
ほかにも懐かしい部分がたくさんあり、たとえばオープニング編集機能は単なるお遊び要素だが、当時も笑いながら楽しめたものだ。

「そういえば」という感じで懐かしかったのが、エンディング。各陣営のヒロインポジションの人が踊りつつ、ほかの武将のシーンが流れる(蜀はヒロインポジがいないので、貂蝉が引っ張り出される)。ちなみにエンディング曲『生路~CIRCUIT~』を歌唱しているのは、プロとして初めての仕事だったという、一青窈さん。1stシングルを出す前から抜擢されていたのだから驚きだ。



ちなみにヒットすれば別のリマスター作品にもつながるかもしれないとのことなので、そういった面でも気になる!













