2026年9月9日23時に配信されたNintendo Direct(ニンテンドーダイレクト)にて、藤崎竜氏が手掛ける『封神演義』の新作ゲーム『封神演義 逆命承天』が発表された。リリースは2027年予定。対応プラットフォームは、Nintendo Switch 2、プレイステーション5、Steam。開発はラストワンダー、発売は集英社ゲームズが担当する。 本作は、今年で連載30周年を迎えたマンガ『封神演義』の、その後の物語が描かれる作品。ジャンルは見下ろし視点を採用したアクションゲームで、原作に登場したさまざまな宝貝(パオペエ)を駆使して戦うことができる。
藤崎竜氏によるオリジナルキャラクターが主人公として登場するなど、原作者が深くゲーム開発に関わることも魅力のひとつだ。



ファミ通.comでは、本作の開発中のバージョンをプレイすることができた。本稿では、詳細なゲーム紹介とともに本作のプレイレビューを掲載。さらに、開発のキーマンである2名へのインタビューもお届けする。
現段階で紹介できることを徹底網羅。原作の『封神演義』ファン、ローグライトゲームのファンは要チェックの内容だ。

藤崎竜氏描き下ろしのオリジナル主人公が活躍する新たな『封神演義』
本作では、オリジナルの主人公で、太公望(タイコウボウ)の弟子である桃辰(トウシン)と、相棒霊獣である朱雀童子(チュウチュエどうじ)を操作してプレイする。桃辰は太公望の指示のもと、とある目的のためにさまざまな宝貝を使用しながら敵や原作に登場したキャラクターたちと戦う、というのが物語の大筋となっている。

主人公の桃辰。

霊獣の朱雀童子。

太公望と四不象(スープーシャン)も登場。
続いて、本作の基本的なゲームシステムを解説しよう。
ゲームは、“ローグライト(※1)”と“ハック・アンド・スラッシュ(※2)”の要素を内包しているのが特徴。プレイヤーは、敵と戦いながらパワーアップアイテムを取得してスキルビルドを行い、複数のフロアで構成されるステージを攻略していく。
※1. ローグライト:倒れるといちからやり直しとなる“ローグライク”から派生したゲームジャンル。プレイするたびにマップが変化するなどの“ローグライク”の魅力は踏襲しつつ、倒れたときのペナルティーが弱めに設定されており、周回を前提としたプレイを楽しむことができる。
※2. ハック・アンド・スラッシュ:多くの敵を倒しながらレベルアップをくり返し、キャラクターの育成とバトルを楽しむゲームジャンル。
ひとつのフロアに登場する敵を全員倒すと、プレイヤーはパワーアップアイテムを獲得。パワーアップアイテムには新規に宝貝を獲得できるもの、宝貝に新しい能力を付与できるもの、桃辰や朱雀童子の能力をアップさせるものなど、さまざまなものが登場する。

パワーアップアイテムを拾うと複数の効果が表示される。どれかひとつを選ぶ形式だ。
パワーアップアイテムを取得したら、つぎに進むフロアを選択。複数のフロアを攻略するとボスキャラクターが出現。最後に待つボスを倒すとステージクリアーとなる。

つぎのフロアは自分で選択可能。入口のアイコンは、つぎのフロアに出現するパワーアップアイテムによって変化するので、どんな種類のアイテムがほしいかで選べる仕様だ。
今回プレイした範囲では、本作はアクション性が高く、難度も高めだと感じた。
体力がゼロになるとゲームオーバーとなり拠点に戻される。体力は道中のショップやパワーアップアイテムでしか回復できないため、いかにダメージを抑えて立ち回るのかが重要になりそうだ。

ボス戦前の会話はフルボイス。

ボスの攻撃を覚え、回避してカウンターを叩き込むような戦略が重要となる。

原作の人気キャラクターたちも登場。
宝貝を駆使して戦うアクション
桃辰は、さまざまな種類の宝貝を扱うことができるキャラクターで、メインとサブを使い分けて戦う。今回のテストプレイで確認できたメイン宝貝は、打神鞭、乾坤圏、莫邪の宝剣の3種類。サブに装備できる宝貝は、敵を一箇所に吸い寄せる“混元金斗”や攻撃範囲を燃やす“火竜鏢”など、かなりの種類が登場するようだ。


メイン宝貝は使い放題。サブ宝貝は使用後にクールタイム(リロード)が必要だ。
メインとサブともに、同時に2種類をセットできる。ステージ開始直後はメイン宝貝を1種類しか持ち込むことはできず、ほかのメイン宝貝とサブ宝貝は道中で拾ったものでやりくりすることになる。

拠点ではメイン宝貝のみ入れ換えが可能。
メイン宝貝は、通常攻撃やチャージ攻撃、ダッシュ攻撃などさまざまな種類のアクションが登場し、これらを使い分けて敵と戦っていく。
打神鞭は飛び道具を放つ遠距離攻撃が可能。乾坤圏は近接攻撃によるラッシュが強力。莫邪の宝剣は斬撃による範囲攻撃が可能で、今回のテストプレイではいちばん扱いやすかった。

また、メイン宝貝をふたつ持っている場合、キャンセル攻撃も使用可能。たとえば、打神鞭から乾坤圏の攻撃を出すなど、ふたつの宝貝をコンボに組み込める。攻撃をキャンセルすることで出せる専用アクションも用意されており、これがかなり強力だった。コンボの後半にしか出せないので連発はできないが、コンボの締めや雑魚敵を一掃するときなどに使うのがよさそうだ。


キャンセルすれば、もう一方のメイン宝貝による攻撃に素早く切り換えられる。
もうひとつ注目したいのが、ダッシュ(回避)中にメイン宝貝を使用したときに出せるダッシュ攻撃だ。
敵との距離を調整しながら、流れるようなアクションがくり出せる。今回のゲームプレイでは、打神鞭のダッシュ攻撃に使い勝手のよさと強さ、そして気持ちよさを覚えた。
打神鞭のダッシュ攻撃はプレイヤーの前方に竜巻の弾のような飛び道具を発生させる技で、ヒットさせると敵を吹き飛ばすことができる。吹き飛ばした敵を壁やほかの敵にぶつけると衝突ダメージも発生するので、非常に強力。何よりヒットさせたときのヒットストップやエフェクト、SEがド派手で、かなりの爽快さを感じるものになっていた。
ヒットさせると敵を吹き飛ばせるので反撃を受けにくくなるのもポイント。前述のとおり道中ではなるべく体力の消耗を控えたいので、連発したくなる魅力を秘めている。

バシュン! バシュン! というSEがかなり気持ちいい! とはいえ、今回は全体的な試遊をしないといけないので、ほかの武器にも切り換えつつプレイ。
強力な“ライドアクション”は切り換えがノーストレスでこちらも爽快
太公望の霊獣“四不象”(スープーシャン)のように桃辰は霊獣の“朱雀童子”を相棒にしており、ステージ攻略中のおともとしてついてきてくれる。
朱雀童子はライドしていないときに、敵を攻撃する、デコイを出して敵の攻撃を引き付ける、プレイヤーにバフを与えてくれるなど、さまざまな支援をしてくれる頼れる存在。指示はボタンひとつで行えるので、状況に合わせて的確な指示を出すことがゲームを攻略するうえで重要になりそうだ。

また、本作では“ライドアクション”の存在にも注目したい。
ステージ攻略中にボタンを押すと、朱雀童子に乗って戦えるようになる。ライド中は通常時とは異なるアクションが使用できるほか、空中も移動できるようになるのがポイント。

今回の試遊では、人間界の浮島がメインの舞台となっており、ここから落ちてしまうと大ダメージを受けるが、ライド中はその心配がないので安心だ。
ただし、ライド状態でダメージを受けると朱雀童子のゲージが減少していく。ゼロになるとライド状態が解除されるので、地面がない場所で解除されるとかなり危険だ。ゲージ回復方法は限られているので、体力ゲージとともにこちらのゲージ管理も重要だ。

通常とライドの切り換えはボタンひとつでいつでも行えるほか、操作自体がかなりスムーズでノーストレス。搭乗した瞬間に時間停止などはなく、任意の方向への移動を止めずにライドできる仕組みに気持ちよさを感じた。
敵からの攻撃が避けられそうにないので逃げながらライドしたい、といったときにも思ったように操作できる。乗って降りて乗って降りてといった操作をくり返しても移動が止まることがないので、気持ちよくプレイできた。
本作ではこのライドアクションがゲームプレイのキモになるのだろう。ライドアクションをいっぱい使ってほしいという開発チームの意図が感じられる調整になっていた。

バトル中に敵から距離を取りたいときなどにもライドは活躍。
ゲームバランスとしては難しめだが、攻撃アクションとライドアクションが非常に爽快。今回のテストプレイでは自分が気づいていないアクションやゲームの仕組みなどもまだまだありそうだが、アクションの奥深さを十分に感じることができた。
やり込めばやり込むほどキャラクターを自由に操作できるようになり、どんどん先のフロアへと進んでいけるような、まさに“ハクスラ”系アクションの真髄を体験できるゲームとなりそうだ。アクションの種類も豊富で、いずれも攻撃を出したとき、ヒットさせたときの“気持ちよさ”を感じるバランス調整がされているので、今後アップされるであろう動画などでその一端を感じ取っていただけると幸いだ。
もちろん、『封神演義』としても久々の新規コンテンツとなり、ファンなら注目をしたくなるタイトル。自分のお気に入りのキャラクターは果たして登場するのかなども気になるところ。
関係ないが、筆者は作中では申公豹がお気に入り。申公豹は作中でもトップクラスの実力を持つキャラクターなので、隠しボスあたりで登場してくれるとうれしいなぁ、とかプレイしていてぼんやりと考えている。

哪吒の宝貝人間っぷりも健在で、その派手さにちょっと懐かしさを感じる。
【インタビュー】多彩な宝貝を駆使した歯ごたえのあるバトルを目指す。藤崎竜ワールドを楽しめる新作ローグライトアクション
試遊後には、本作のプロデューサーを務める砂川和紀氏(集英社ゲームズ)とディレクターの浅野祥氏(ラストワンダー)に話をうかがう機会を得た。
宝貝や霊獣といった原作の魅力となる要素をゲームプレイにどう落とし込んだのか。そして原作完結から長い時を経て新世代のゲームファンへ届けようとする狙いとは何か。開発のキーマン2名へのインタビューで、本作の魅力に迫る。

砂川和紀氏(写真左)と浅野祥氏(写真右)
砂川和紀(すなかわかずのり)
集英社ゲームズ所属。『封神演義 逆命承天』ではプロデューサーを務め、プロジェクト全般を統括する。
浅野 祥(あさのしょう)
開発を手掛けるラストワンダー所属。本作ではディレクターを担当するゲーム開発のキーマン。
――『封神演義』をゲーム化しようと思われたのには、どういった理由があったのでしょうか。
砂川
大前提として、自分が藤崎竜先生の『封神演義』が好きだからです。そのうえで『週刊少年ジャンプ』で連載されていた往年の名作を、改めていまのお客さまにお届けしたいという想いがあり、いくつかの候補の中から『封神演義』を選んで、新作のゲームを開発させていただくことになりました。
ちょうど連載30周年という記念すべき節目の年に重なりまして、30周年記念プロジェクトのひとつという立ち位置にもなります。
――すでにゲームは拝見したのですが、ゲームシステムに原作の要素がうまくミックスされているように感じました。
砂川
最終的に『封神演義』のゲームを作ろうと決めた大きな要因は、まさに宝貝(パオペエ)や霊獣というキーワードの存在です。ゲームとして表現すると魅力的なものになる要素があったというところが大きいです。
――さまざまなセールスポイントがある本作ですが、いちばんの売りとなる要素を教えてください。
砂川
やはり、原作を手掛ける藤崎竜先生のご協力を得られているのが非常に大きいです。主人公となるオリジナルキャラクターのデザインやキービジュアルのイラストを描き下ろしていただいたり、シナリオに関しても相談に乗っていただいたりと、本当に多大なご協力いただいています。また、原作の太公望や四不象といった人気キャラクターもしっかりと登場して、プレイヤーとコミュニケーションが取れるので、原作のファンの方なら、必ず喜んでいただけると考えています。


――原作には人気のキャラクターが多いですが、どのくらいの人数がゲームに登場するのか、全体のゲームボリュームについても教えていただきたいです。
砂川
キャラクターに関しては、原作キャラクターとオリジナルキャラクターを合わせて20人以上が登場します。プレイヤーは本作オリジナルキャラクターの桃辰を操作し、一部の原作キャラクターたちと戦うことができるようになっています。本作のジャンルをひと言で言うと“ハック・アンド・スラッシュ”に該当しますが、“ハクスラ”ゲームの中でもボス戦が多めのバランスになっています。

浅野
宝貝は、メインウェポンとなるものが原作から3種類、オリジナルで3種類の計6種類が登場します。さらに、サブウェポンとなる宝貝が数十種類、強力なスーパー宝貝も登場するので、全部で30種類前後の宝貝を実装する予定です。

砂川
今回紹介しているのはほんの一部ですが、原作に登場する大半の宝貝が登場すると思っていただいて問題ありません。
浅野
十天君(じゅってんくん)の宝貝や精神干渉系の宝貝など、ゲーム的に再現するのが難しいものもありますが、できる限り実装をしたく、チームで検討しているところです。直接攻撃しないタイプの宝貝も多いので、原作のイメージを損なわない形でどうアクションに落とし込むかが、開発の腕の見せどころだと思っています。
――スーパー宝貝は、原作での活躍を考えると、相当の威力になりそうですね。

砂川
いわゆる必殺技的な存在です。原作に登場した7種類の実装を予定しています。
浅野
いいずれも強力な性能を持っているので、原作での強さをゲームバランスに落とし込むのがたいへんですが、こだわって再現したいと考えています。
――主人公はそれらの宝貝をすべて使用できる存在のようですが、ゲームの舞台設定についてもお聞かせいただけますでしょうか。
砂川
本作は、原作の物語のその後が描かれるものになっています。それまで千年の眠りについていたはずの脅威が復活し、それに立ち向かうという物語です。ステージに登場する雑魚敵は、その脅威の眷属(けんぞく)のような存在となっています。

――その要所にオリジナルのキャラクターや原作のキャラクターがボスとして登場するという形ですね。
浅野
そうです。ボス戦はけっこう歯ごたえのあるバランスになっていて、ボスの動きを覚えたり、ビルドを見直したりして、何度もプレイしていくような、まさに“ハクスラ”です。
――いわゆるクリアーまでのボリュームは、プレイ時間にするとどれくらいですか?
浅野
全体のボリュームについては未定ですが、ふつうにプレイすれば1時間くらいで1ステージはクリアーできると思っています。ビルドによって前後すると思いますが、慣れた人がプレイするとどうなるかは、これから検証と調整をしていく予定です。ただ、くり返しプレイを想定しているので、トータルのプレイ時間で見るとかなり遊べるゲームになると考えています。
――やはり“ハクスラ”ファンに向けたゲームバランスに?
浅野
序盤は遊びやすくも歯ごたえを感じるバランスに調整したいと考えています。本作は『封神演義』のファンの方はもちろんですが、欧米やアジアのゲームファンにも届けたいと思っていて、そちらの市場では“ハクスラ”はかなりコアなゲームファンに愛されているジャンルです。そういった方々にも楽しんでいただきたいので、遊びごたえのある方向性で調整しようと考えています。

砂川
宝貝も含めてビルドの幅が広く、育てて進化させていく奥深さも相当なものになっています。自分好みにカスタマイズしたキャラクターでステージを攻略するやり応えは、アクションゲームファンの方にも刺さる魅力だと考えています。
また、アクション面で言うと、霊獣に乗る“ライドアクション”はほかのローグライト系のアクションゲームではあまり見ない要素だと思っていて、それが本作の大きな特徴のひとつです。
――先にゲームプレイをさせていただきましたが、おっしゃる通り難度はけっこう高めだと感じました。
浅野
1プレイでクリアーまで進める人は、相当コアなアクションゲームファンだと思います。バランスは難しめですが、拠点を強化することで、キャラクターのベースアップができるようになっています。また、スーパー宝貝が救済措置のような役割も果たせるよう、バランスをうまく取っていきたいと考えています。

――拠点の強化要素について、具体的にどういったことを強化できるのか教えてください。
砂川
拠点を強化することで、大きく分けて3つの要素を強化できます。
- プレイヤーキャラクター自体の能力値を底上げする要素
- 霊獣の行動の幅を広げる要素
- 宝貝の成長の方向性を選ぶ要素
砂川
3つ目について少し説明すると、宝貝をステージ中にどのように強化するのかをある程度拠点で選べるようになります。たとえば、純粋な攻撃力に特化する型、バフ・デバフ系に特化する型など、自分のプレイスタイルやステージに合わせて選択できます。
――キャラクターボイスがどうなるのかも気になるところです。

砂川
アクション時のボイスに加えて、シナリオに関わる部分は基本的にフルボイスを考えています。ゲームのメインのオリジナルキャラクターもボイスをつける予定なので、具体的なキャスト情報は、続報をお待ちください。
――最後に、『封神演義』のファンと、ハクスラゲームのファンに向けて、本作のアピールをお願いできればと思います。
砂川
先ほどもお話したとおり、本作は藤崎先生に多大にご協力いただいている作品となります。
私自身、ファンのひとりとして、とても楽しみな作品になっております。この気持ちをそのままファンの方々にも体験していただきたいという思いで制作していますので、発売まで楽しみにお待ちいただければと思います。
浅野
藤崎竜先生の不朽の名作『封神演義』をゲーム化する機会をいただきとても光栄です。その反面大きなプレッシャーも感じていますが、原作のコアなファンであるスタッフたちといっしょに楽しいゲームを作り上げしますので、期待してお待ちください!
