そんな方におススメしたいのが、2026年2月にリリースされたダウンロード専用ソフト『パラノマサイト FILE38 伊勢人魚物語』(Nintendo Switch、Steam、iOS、Android)です。

“不老不死をもたらすという人魚の謎”、“夏の離島で繰り広げられる群像伝奇ミステリー”(※公式サイトより抜粋)。
思えば私、かつては図書室で『日本のこわい話』的なタイトルの本ばかり読んでいた小学生でした。人魚を食べて長命を得たという八百比丘尼伝説も当然ながら履修済み。夏休みの昼下がりにはテレビで実話怪談の再現ドラマを欠かさず見ていました。
ですからこういった文言だけでテンションが上がります。潮風感じる海辺を舞台にした伝奇ミステリー……ちょっと金田一耕助シリーズを感じるような舞台設定、暑い夏にぴったりだと思いませんか?
夏、そしてホラー! あのころのワクワクが胸に蘇ります。
いざ、物語の舞台である昭和時代の伊勢へ!
- レッツ素潜りチャレンジ!
- なめどり集めより夢中になった、魅惑のリップ
- 伊勢の光景 昭和の光景
- オカルト派? ヒトコワ派?
- 設定からほのかに見える前作の影。遊んでいたらより楽しい
- 「この夏――きみと生き残る 呪い」
レッツ素潜りチャレンジ!
そしてこちらが本作の主人公、水口勇佐くん。

いきなり妙ちきりんな名前を名乗りました。素茂栗漁太郎(すもぐり りょうたろう)。素潜り漁するからね。
公式サイトの人物紹介を見ると“真面目でマイペース”と書かれています。確かにマイペースな少年のようです。
よろしく、素茂栗漁太郎くん(ノッていくことにしました)。
そんなわけで素潜り漁の開始です。
『パラノマサイト』は、オカルト要素のあるミステリーアドベンチャーで、基本的にはテキストを読み、選択肢を選んで物語を進めていくゲームのはず。しかし本作では冒頭から素潜り漁をさせられ……もとい、素潜り漁に挑戦できるようになっています。
作りはけっこう本格的で、3D空間で描かれた海中を上下左右に移動しながらさまざまな獲物を集めて行くというもの。ステータスやレベルアップ要素もあります。で、やってみたらこれが……。

海の中を泳ぎながら、貝やウニを取って回ります。アクション操作が苦手なうえに方向音痴な私ですので、がんばっても10個取れるかどうかの腕前ですが、いつまでもやっていたくなります。水を掻いて進む音が心地よく、静かなBGMと相まって癒されるんですよね。
海中の光景も本当に涼やかで、淡くけぶるエメラルドグリーンの中を漂っていると、現実の暑さを忘れられるほどです。
じつのところ、最初のうちは貝を取るのに夢中になって、何度か溺れました。鳴り響く警告音で初めて酸素が残り少ないことに気付き、あっ、やば、上がらねば! もう少し! 海面が目の前に見えているのに、酸素がもう、あぁ……(ガボゴボ)。
しかしご安心ください。溺れてもゲームオーバーになることはありません。何度でもトライできますので、安心してのどかな海中遊泳を楽しみましょう。夏のバカンスらしさ全開でいいですね!
それに、貝を取っていくうちに勇佐くんも経験を積み、素潜りがじょうずになっていくんですよ。やり続けた結果……

“資料”によれば、“潜水力”はより長く水中での行動ができるようになり、“泳力”はより速く泳げるようになるそうです。
こんなのあったら、むきになってレベル上げしちゃうじゃないですか! ご覧の通り、チュートリアルの段階ですべての項目をMAXまで育てました。まるでどこかのラノベの慎重な勇者のようです。ちなみに海女ランクは99まで育てられるそうですが、さすがにそれは諦めました。いい加減、物語を進めたくなりましたので。
なお私は、ゲーム開始から2時間くらいずっとこれをやっていました。楽しかったです。

素潜り漁はやりたくなったら物語の最中いつでも遊べます。考えすぎて疲れた際のいい気分転換になりました。しかしこの何気ないワンシーンが後にあんな風になるとは……。
なめどり集めより夢中になった、魅惑のリップ


あーーーーっ!!
来たぁあああ!!
アザミくんのこの口の独特な形!
魅惑の唇!!
失礼いたしました、取り乱しました。
前作『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』でも登場人物がたびたび見せてくれた、この口先をぷにょっと尖らせた表情、なぜか好きなんですよね! しかもどうやら私以外にも、この口に魅了されている方はあちらこちらにおられるご様子。不思議と惹きつけられますよね、わかります!
いいものを見せてくれてありがとう、アザミくん。そんなことを思いながら浜へ上がると……。

いいね、マーメイド・チエ! その肉感的な唇最高だよ! 影のつきかた絶妙だよ! つやつやのぷるぷるだね!
ちなみに“マーメイド・チエ”とは、彼女の若かりしころのニックネームです。Xの公式アカウントで公開されたかつての彼女の姿は、まさに“マーメイド”でしたね。
それはさておき、この短時間でふたりも素敵なお口を見せてくれたんですよ。この先、期待しちゃうじゃないですか。



期待以上の唇祭りでした!!
“なめどり”と同じくらい、いやそれ以上の熱量でコレクションしてしまいましたよ、魅惑の唇! このように尖らせた唇が表示されるたびにNintendo Switchのキャプチャーボタンを押しまくっていたので、私のアルバムは楽しいことになっています。
だってどうしようもなく、このむにゅっとした造形に惹きつけられるんですもの!
伊勢の光景 昭和の光景
舞台の“亀島”は架空の島ですが実在の島がモデルになっており、また、実在の土地もちょくちょく登場するため、ちょっとした観光旅行気分を味わえます。

二見浦海岸なんて、“日本の渚・100選”にも選ばれている、観光スポットですよ。
あたりを360度見回すことができ、波の音やカモメの鳴き声が臨場感を高めてくれます。潮の匂いまで伝わってきそうですね。
雰囲気のある風景を眺めていると、実際に伊勢へ足を運びたくなります。ゲーム内の光景と見比べたい! 聖地巡りというやつですね。ついでに海鮮の網焼きなど食べたくなっちゃいます。
暑いから家の中で夏を感じたいと本作を始めたのに、まんまと伊勢へと心が誘われてしまいました。
また、この物語の舞台は昭和時代です。たとえばこういうものがさらりと置かれておりまして。

いまでもホームセンターの棚にマットが陳列されているのを見かけますが、肝心の本体が売られてなかったりします。けれどマットが販売されているってことは、現役で稼働しているご家庭があるってことですよね。う~ん、ノスタルジー。
そして昭和と言えば、この髪型!

つかさちゃんのこの髪型を見た瞬間、「あの時代のアイドル!!」と思わず拍手しました。つかさって名前も、それっぽく見えてきます。
ということは、つかさちゃんは当時の流行をしっかりファッションに取り入れている、ナウい……都会的でおしゃれな女の子なんですね!
観光旅行だけでなく、時間旅行までしている気分になってきました。
オカルト派? ヒトコワ派?
ヒトコワ方面は、この物語全体にじっとりと広がる“人の心の闇”ですね。過去の事件の責任を誰かに押し付けて責め立てたい、あるいは他人を犠牲にしてでも身勝手な欲望を遂げたい。そんな剥き出しの負の感情があちこちに散らばり、主人公たちを常にじわじわと締め付けます。
一方オカルト的なホラーは、一撃必殺の勢いで襲い掛かってきます。あっ、と気付いた時にはすでに敗北している理不尽なレベルの攻撃力。

こちらは人の力の及ばぬ領域を体感できます。
そして何より、表題になっている人魚伝説です。

この妖しくも切ない伝説の真実が見えた時、首筋が「そわっ」とするような恐怖を覚えました。
ジャンプスケアはないので、怖いもの好きのくせにビビリの私には安心でしたね。じわりと這い寄るタイプのホラーが好きな方にオススメです。
設定からほのかに見える前作の影。遊んでいたらより楽しい

前作にもいらっしゃった案内人さんの登場に、いきなりテンションが上がりました。この方が登場したことで、前作と世界がつながっている実感が湧いてきますね。
初めて触れる物語が、知っている場所から地続きのものとなった瞬間です。
ほかにも本編で触れられることはありませんが、こうして人物リストを見てみると……。

前作『本所七不思議』の愉快なイケオジ、津詰さんのお名前がこんなところに! 本作のとある人物は、津詰さんといっしょに捜査をしたこともあるようです。

また、この金髪の愛らしい少女、前作の登場人物である霊感少女ミヲちゃんの大ファンでありながらライバル心をバチバチに燃やしているそうで、いっしょに撮った記念写真を肌身離さず持ち歩いているとか。
かわいすぎる!!
その2ショット写真、私も見たい!
と、前作とのつながりをご紹介いたしましたが、『本所七不思議』をプレイしていなくても、本作は単体で存分におもしろい作品ですのでご安心ください。
「この夏――きみと生き残る 呪い」

物語をラストまで読むと、キャッチコピーの「この夏――きみと生き残る 呪い」という言葉が酷く切なく胸に染みます。
この夏、昭和時代の伊勢の潮風を、彼らとともに感じてみませんか?


















