アワードでは大賞のほか、ホラーナラティブ・演出賞、ベストホラークリーチャー賞など、9つ+αの賞が選出される。
本稿ではその中から大賞のノミネート作を紹介しよう。
投票受付が開始された各賞を解説!!『日本ホラーゲーム大賞』【大賞】ノミネート作解説!
【大賞】ノミネート作一覧
・零 〜紅い蝶〜 REMAKE(Koei Tecmo / Team NINJA / Koei Tecmo Games)
・No Players Online(Beeswax Games / Black Lantern Collective)
・バイオハザード レクイエム(CAPCOM / CAPCOM)
・ミメシス(ReLU Games, Inc. / ReLU Games, Inc. / KRAFTON, Inc.)
・REANIMAL(Tarsier Studios / THQ Nordic)
・ROUTINE(Lunar Software / Raw Fury)
『サイレントヒル f』

リリース:2025年9月25日
開発:NeoBards Entertainment
販売:KONAMI
ハード:PC、PS5、Xbox Series X│S
自由を奪われる不安と悪夢
土着信仰、家族、婚姻、狐、そして身体変容といったモチーフを通じて、現実と幻覚、因習と個人のアイデンティティーが崩れていく物語が重層的なマルチエンディングで展開し、雛子の抱える思春期の不安を不条理に描き出す物語は、登場人物の心理をおぞましい映像として描くシリーズ作品だからこそ実現できたもの。周回を重ねることで万華鏡のように変化して見える物語構造はシナリオを担当した『ひぐらしのなく頃に』の竜騎士07氏ならではの魅惑に満ちている。
『零 〜紅い蝶〜 REMAKE』

リリース:2026年3月12日
開発:Koei Tecmo / Team NINJA
販売:Koei Tecmo Games
ハード:PC、PS5、Xbox Series X│S、Nintendo Switch 2
再構成されて蘇る、皆神村と双子の悪夢
双子の姉妹・澪と繭が迷い込んだ廃村・皆神村を舞台に、射影機で霊を撮影しながら探索を進める。怖いものから目を背けるのではなく、霊を画面中央に収め、見つめ、撮影しなければならないというシリーズ独自のシステムが、リメイクによって視覚や音響といった美しい映像表現による空間演出、そして、夢幻のような恐ろしい皆神村を歩き、怨霊を祓うためのアクションの両面から、圧倒的な深化を遂げた。
実際の霊体験をゲームに落とし込んで制作されてきているシリーズ作品にしかなしえない、唯一無二の空間や、間、そして幽霊の出現する際の音響といった、心霊現象の気配が閉じ込められたかのような恐るべき表現が、現代に蘇ることに。
『No Players Online』

リリース:2025年11月6日
開発:Beeswax Games
販売:Black Lantern Collective
ハード:PC
オンライン文化の幽霊屋敷
レトロFPSのサーバーだが、誰もいないために、銃を持っているが打つ相手が不在という独自の恐怖感を持った、デジタルの幽霊屋敷を創出するかのような作品といえよう。
『バイオハザード レクイエム』

リリース:2026年2月27日
開発:CAPCOM
販売:CAPCOM
ハード:PC、PS5、Xbox Series X│S、Nintendo Switch 2
恐怖と戦闘のアドレナリン
無力な主人公として探索・逃走・資源管理に向き合うパートと、歴戦のキャラクターとして敵に立ち向かうパートを対比させることで、『バイオハザード』が持ってきた“恐怖”と“突破力”の両方を再配置したことで生まれる圧倒的サバイバルホラーのスリルを生み出す。いまだ秘密が眠る朽ちたラクーンシティへレオンが舞い戻るといった、長い歴史を持つ作品だからこそ描ける“鎮魂“の舞台は、どこか亡霊譚のような趣さえ醸し出す。
『ミメシス』

リリース:2025年10月27日
開発:ReLU Games, Inc.
販売:ReLU Games, Inc. / KRAFTON, Inc.
ハード:PC
だまされるな
しかし、雨が降ると“Mimesis”と呼ばれる存在が現れ、仲間の姿、行動、声を真似てプレイヤーたちに近づいてくる。外見だけでなく、協力プレイに不可欠なコミュニケーションそのものまで擬態するので、大いに混乱した状況で生存しなくてはならなくなる遊びは、唯一無二のもの。
『REANIMAL』

リリース:2026年2月13日
開発:Tarsier Studios
販売:THQ Nordic
ハード:PC、PS5、Xbox Series X│S、Nintendo Switch 2
世界に産み落とされたもの
本作はまるで生まれ落ちたこと自体が忌まわしいことかのように、荒涼として戦争の気配を感じる絶望的な世界の空気感や、「群生」しなくては生きられない動物が巨大化した忌まわしい獣たちをを、陰鬱だが美しく描きだす。それは、プレイヤーの心に存在そのものの恐怖を醸し出すものとなる。協力プレイも可能だが、お互いを導きながら進んでいくにつれて、いいしれぬ不穏さを募らせることに。
『ROUTINE』

リリース:2025年12月4日
開発:Lunar Software
販売:Raw Fury
ハード:PC、Xbox Series X│S、Xbox One
HUDのないSFホラー
大きな特徴は、画面上のHUDを極力排し、情報をゲーム内の装置や環境そのものから読み取らせる設計にある。自分の五感で状況を把握するため、いつしか「本当にそこにいる」かのように身体化されていくプレイフィールは、やがて無人となった月面基地を探索する孤独を際立たせ、プレイヤーの不安を積み上げていくことに。
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