ユービーアイソフトから2026年7月9日に発売予定のプレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC (Ubisoft Store / Steam / Epic Games Store)用ソフト『アサシン クリード ブラック フラッグ Re:シンクロ』。 本作はシリーズでも屈指の人気を誇る『アサシン クリード IV ブラック フラッグ』のリメイク作。人気作をリメイクするうえで開発陣がとくに力を入れたことは何か。本作のプロデューサーを務めるJustin Ng氏と、クリエイティブディレクターのPaul Fu氏にお話をうかがった。
なお取材当日には開発中ビルドの先行プレイも体験できた。レビュー記事もご用意したので、こちらもぜひチェックしてほしい。
Justin Ng
『アサシン クリード ブラック フラッグ Re:シンクロ』プロデューサー
Paul Fu
『アサシン クリード ブラック フラッグ Re:シンクロ』クリエイティブディレクター
オリジナル版の精神性を引き継ぎながらより魅力的なゲームに
――プロジェクトは何年前から動いていたのですか?
Justin
開発が始まったのは2023年です。
――3年前ですか、開発期間はもっと長いと思っていました。
Justin
Anvilエンジンのおかげです。『アサシン クリード シャドウズ』の開発を経て、開発チームがこのエンジンを使うのに慣れたというのが大きな要因だと思います。それから、オリジナル版の完成度がもとから高かったことも理由のひとつですね。
じつはシンガポールスタジオが本格的に『アサシン クリード』シリーズの開発をリードするのは今回が初めてでした。でも、オリジナル版の開発メンバーや、ユービーアイソフトでの開発経験が長いメンバーが多いので、スムーズに開発を進められています。

Anvilエンジンによりグラフィックは美麗に進化。
――4月の情報公開では大きな反響がありました。現在のご心境はいかがですか?
Justin
皆さんからのフィードバックには目を通しています。さまざまなポジティブな反応をいただいていて、うれしい限りです。それと同時に、ゲームへの期待が高まっているとも感じます。いまはチーム一同、ゲームを最高なものに仕上げることに集中しています。すべては、2026年7月9日に皆さんのもとへベストな体験をお届けするためです。

――今日プレイした環境ではロード時間は気になりませんでしたが、家庭用機版のロード時間はどうでしょうか?
Justin
今回はもっとも高いスペックのPCでご体験いただきましたが、公開しているスペック表をご覧いただければわかるように、家庭用機のユーザーの皆さんもベストな体験を味わっていただけるようになっているのでご安心ください!

――リメイクにおいてもっとも力を入れたポイントは?
Justin
開発チームとして力を入れたのは、オリジナル版の精神性を失わないようにすることです。魅力はそのままに、さらに進化させてお届けすることに力を注いでいます。
そのために、私たちにとって何がこのゲームを形作るものなのか、何がこのゲームの魂なのか、何度も話し合いながら重要な要素を洗い出して、Anvilエンジンでアップデートしていきました。
――今年は『アサシン クリード ブラック フラッグ Re:シンクロ』以外にも海賊がモチーフのゲームが多くリリースされますが、自信のほどはいかがですか?
Justin
もちろん自信はあります! 海賊ものというジャンルの人気の高まりを感じていますが、それは本作にとってもすごくいいことだと思います。
具体的に、本作で自信を持って楽しんでいただけると思うところはストーリーです。主人公のエドワードが海賊からアサシンとして成長していく姿や、『アサシン クリード』シリーズが持つ、自由でありながらも束縛されている独自の世界設定、アサシン教団とテンプル騎士団の対立といった、シリーズとしての個性も我々の強みだと思っています。

格闘ゲームが戦闘システムのヒントに
――オリジナルの要素を忠実に再現しつつ現代的な要素も取り入れているとのことですが、オリジナル版の要素のなかでもっとも重視したものは?
Paul
ストーリーです。新しい要素を加えつつも、オリジナル版からなるべく変えないように意識しています。本作の開発が始まった3年前にもう一度オリジナル版をプレイしたうえで、スタジオに残っているオリジナル版の100ページを超える資料を読み直して、何がもっとも大切かを考えた結果、やはりこのストーリーは変えてはならないなと。

――では、現代的にブラッシュアップした要素の中でとくに気に入っているものはなんでしょうか?
Paul
もっとも誇りに思っている進化は戦闘システムです。シンガポールスタジオの全力を注いでいます。
急に別のゲームの話になってしまいますが、『ストリートファイター6』は個人的に大好きなゲームで、A.K.I.とザンギエフでマスターランクになるくらい遊んでいます。もちろん、『アサシン クリード ブラック フラッグ Re:シンクロ』と『ストリートファイター6』はまったく違うゲームです。なぜ話題に出したのかというと、本作の戦闘システムは格闘ゲームのフローチャートからインスパイアを受けているからです。

パリィを例に挙げると、パーフェクトパリィを発動させるとテイクダウンを連続で行えるようになります。一方、通常のパリィを決めると連続攻撃のコンボに移行します。こうした、戦闘の中での流動的なアクション選択のフローチャートは格闘ゲームから影響を受けました。
もうひとつ格闘ゲームから得ている開発のヒントのひとつが“読み”でした。たとえば、プレイヤーが蹴りで敵の攻撃を崩す行動を頻繁に行ったとします。すると、敵はそれを学習して、こちらの行動を読んで蹴りを避けるようになっています。これらの戦闘システムは本作の大きな特徴です。
――たしかに、先行プレイ時にパーフェクトパリィを連発していたら、敵がパリィできない攻撃をくり出してくることが増えました。

パーフェクトパリィはアクションとして強力なうえに、エフェクトも音も気持ちいいので、つい連発したくなる。
Paul
AIがプレイヤーの行動を学習するんです。もうひとつ付け加えるとしたら、連続してテイクダウンを行おうとすると、周囲の敵がテイクダウンをジャマしてくるようになる場合もあります。プレイヤーはそれをさらに読んでテイクダウンのボタンを押しつつも、いつでもパリィできるように準備しておく、といったこともできます。
――まさに格闘ゲームの読み合いみたいですね。ちなみにシンガポールスタジオには格闘ゲームファンはどのくらいいるのですか?
Paul
40人くらいいると思います。『ストリートファイター』と『鉄拳』のファンが多いですね。ときどきスタジオ内で大会を開いたりしていますし、たまにユービーアイソフト上海との交流大会を実施することもあります(笑)。

シンガポールスタジオには格闘ゲーム用コントローラがズラリとならんだ一角も。
――開発中にはファンコミュニティーからのフィードバックを受けたそうですが、その中からゲームに取り入れた要素はありますか?
Paul
たくさんあります。多くの要素はコミュニティーから得たフィードバックを参考にしながら開発しましたが、なかでも、キャラクターの表情はコミュニティーの声を受けてかなりこだわって作りました。プレイする際はぜひよく見てみてください。

こちらはとあるクエストでのエドワード。うれしさで自然と口角が上がっているような人間らしい表情だ。
――猫やサルなどのペットを船に乗せられるとのことですが、街で見かけた猫は船に連れていけませんでした。どういう条件でペットにできるのでしょうか。
Paul
18世紀当時は海賊船ではネズミ対策として猫を海賊船に乗せていたという背景を取り入れて、本作でもペットとして猫の“スス”を船に乗せられるようにしました。あまりネタバレはしたくないのですが、サイドミッションで猫に出会うものがあるので、それをクリアーすれば船に乗せられるようになります。同じく、サルの“アルバート”も同様にサイドミッションをクリアーするとペットにできるので、カリブ海を旅して見つけてください。