2026年3月24日に配信されたスマートフォン向けゲーム『ディシディア デュエルム ファイナルファンタジー』(以下『DDFF』)は、歴代『ファイナルファンタジー』シリーズのキャラクターがシリーズの垣根を超えて集結するクロスオーバー作品『ディシディア ファイナルファンタジー』(以下『ディシディア』、『ファイナルファンタジー』は『FF』)シリーズの最新作。 本作プロデューサーである松本直也氏、過去『ディシディア』シリーズに携わってきた水野雄貴氏、そして『FF』シリーズのクリエイティブプロデューサーを務める野村哲也氏の3名に、本作の企画誕生の経緯や今後の展開などを語っていただいた。
野村哲也氏(ノムラテツヤ)
本作クリエイティブプロデューサー。歴代『FF』シリーズに携わり、『DDFF』ではクリエイティブやキャラクターのデザインおよび監修を担当する。文中は野村。
松本直也氏(マツモトナオヤ)
本作プロデューサー。『キングダム ハーツ ユニオン クロス ダークロード』のプロデューサーを務めた。文中は松本。
水野雄貴氏(ミズノユウキ)
本作プランナー。『ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー』のデバッグ経験を経て、アーケード版『ディシディア』と『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』の運営をはじめ、歴代の『ディシディア』シリーズに携わった。文中は水野。
アクションゲームの定義を巡り議論が白熱化
――まずは、皆さんの役割から教えてもらえますか。
松本
プロデューサーを務めています。このプロジェクト自体、僕がNHN PlayArtさんに声をかけたのがきっかけで始まっています。
――今回水野さんはどういう立場になるのでしょうか。
水野
私はプランナーで、ひと言で言うと“なんでも屋”という感じです。『ディシディア』シリーズにずっと携わってきた身として、『FF』の要素をどうお客さまに届ければ喜んでもらえるかを考える人ですね。
もう少し具体的な話をしますと、キャラクターごとのバトルコンセプトやアビリティ、モーション、演出、ボイス、テーマBGMなどがあるのですが、その案出しや、監修がメインです。あとはアビリティのイラストやシナリオのカットシーンなどの制作進行ですね。私自身が曲や絵を描けるわけではないので、共同開発のNHN PlayArtの皆さまをはじめとして、各クリエイターさまと密に話し、形にしていただいています。
――がっつり関わっているのですね。
水野
そうですね。初期から携わっています。
――松本さんが開発会社であるNHN PlayArtに声をかけようと思ったのはなぜでしょう?
松本
スマートフォンで対戦ゲームを作りたいと考えていました。多種多様なジャンルのゲームがある中で、スマートフォンゲームとして、可能性のあるジャンルはないかとずっと探していて。当時のセールスランキングを眺めていたとき、スマートフォンに最適化されたカジュアルな対戦ゲームって意外と少ないなと気づいたのがきっかけです。
そこでモバイルで成功しているタイトルを運営している会社として、長く実績を積んでいたNHN PlayArtさんに声をかけることにしました。
――そこから『ディシディア』と結びついた経緯を教えてください。
松本
話が進み概要レベルの企画書ができてきた段階で、しっかり売るためにスクウェア・エニックスのIPを使いたいと考えました。
僕の経歴を話しますとブラウザゲームの『KINGDOM HEARTS χ(キングダム ハーツ キー)』の運営に携わり、『キングダム ハーツ ユニオン クロス ダークロード』ではプロデューサーを務めていたのですが、その縁で野村のところへ相談に行ったのが始まりです。
野村
『ダークロード』以降まったく見なかったよね?(笑)
松本
はい。潜伏期間で企画を練っていました(笑)。
野村
松本が相談にきたときは「アクションゲームで対戦をやりたい」という話でした。最初は『ストレンジャー オブ パラダイス ファイナルファンタジー オリジン』のIPを使わせてほしいと言われたのですが、あの世界観はけっこう独特なので、対戦ものとして運営を続けていくうえでキャラクターの数にも限りがあるし、それなら『ディシディア』のほうが向いているのではないかと伝えました。で、僕と松本の間に“アクション”に関する相違が生じて(笑)。
――え!?(笑)
野村
話が進むうちに自分としては、「これアクションじゃなくない?」ということになって(笑)。僕はずっとアクションを作っていると思って会話していたんですけど。
松本
ご迷惑をおかけしました(笑)。具体的には伝えていなかったので、従来のディシディアのハイスピードアクションと野村さんは認識されていて。でもスマートフォンだと本作のようなジャンルは他のゲームも含め”アクション”と謳っているじゃないですか。その認識にズレがあって、大きな議論になりました。
野村
それはもう、長い議論で(笑)。
――具体的にはどういうところで議論が白熱したのでしょうか?
野村
回避問題が大きな岐路でしたね。
松本
はい。回避を入れるか、入れないかという問題ですね。
野村
僕がアクションなら回避が必要だと主張していたら、松本や開発チーム的には「回避は不要」という主張が強く、ずっと揉めていました(笑)。
松本
コンセプトとして“アクションが苦手な人でも勝てるゲーム”にするという大前提がありました。回避を誰でも使えるベーシックなシステムにしてしまうと、それを使いこなせるかどうかで有利不利が出てしまう。でも野村の言うとおり、回避にはシュッとよける快感があるんですよね。
水野
最終的にはショートダッシュというどのキャラでも使用可能なアビリティとして実装する形に着地しました。使いたい人は使用できる。ただ必須にはならない。という形です。
――ほかにはどんな議論が起こったのですか?
松本
どうでしたっけ。もういろいろな議論をしすぎて……。
野村
移動距離かな。
松本
そうでした。皆さまに公開する前の段階では移動がいまよりもっさりしていました。でも僕はもっさりが悪と言っているわけではなく、このジャンルには合うスピード感だと考えておりました。PSPやアーケード版の『ディシディア』のようにハイスピードリアルタイムアクションというわけにはいかないので。
水野
スマートフォンで遊ぶのに最適なマップに対し移動が速すぎるとバランスが取れなくなりますし、速いほど操作テクニックが勝敗を左右しやすくなると考えておりました。
松本
でも爽快感がないとダメなのもわかっていたので、そこはNHN PlayArtさんも前向きに対応してくださり、移動速度は上げないままでモーションスピードを調整したり、速く見える演出を加えたりなどで工夫してくれました。
コンセプトとしては、アクションが苦手な人でも勝てるゲームにするというのが大前提でしたので、そことの折り合いをどうつけていくかっていうのが、序盤の課題でしたね。
水野
さまざまな改善をした結果、アクションの技能よりも、戦略的な工夫で勝てる形をとれるようになったと思います。


本作では相手チームより早く巨大ボスの討伐を目指す、PvPvEのボス討伐型チームバトルを採用。
半分冗談から実装されたブレイブ9999バーストシステム
――3対3のPvPvEという形式はどのように決まっていったのでしょうか。
松本
形はけっこう変わりましたが3対3の形は早い段階から決まっていました。ボスを倒すという形も最初からあって、「『FF』らしく3人パーティーでモンスターやボスと戦うのはどうか」とNHN PlayArtさんから提案をいただきました。
水野
じつはPvP要素のないゲームシステムも検証をしたこともありました。歴代『FF』キャラが出るスマートフォンのゲームなので、アーケード版や『ディシディア ファイナルファンタジー NT 』(以下『NT』)とは違うお客さまにも楽しんでいただきたい。そのときにガツガツ人を倒すゲームだとRPGファンには入りづらいのではないかという意見もありまして。
松本
いちばん初めに、その形もテストしましたね。
水野
最初は相手プレイヤーに干渉できない形から始めて、でもやっぱり戦士たちが戦うというのも『ディシディア』のコンセプトですし、相手プレイヤーを攻撃できないのも、それはそれで物足りないという意見も出たところでPvPを解禁し、いろいろなルールを試しながら現在の形に落ち着いていったという感じです。
松本
PvPは入れたり抜いたりしましたよね。
水野
はい。あとはブレイブの使いかたもころころ変わりました。最初はMPもあり、アビリティごとに必要なMPが違うなど、かなり複雑なシステムになってしまった時期もありました。
――ブレイブを9999まで溜めないとバーストできないという仕様もユニークですが、あれはどういう経緯でそうなったのでしょうか?
水野
3000でも5000でもブレイブバーストを発動できていた時期もありました。数値が高いほど、ダメージも上がるといった仕組みですね。いくつ溜めてぶつけるかを見極めて戦うのが『ディシディア』の醍醐味という考えからだったのですが、スマートフォンのゲームとしては判断することが多すぎて複雑になってしまっていました。
松本
「複雑だよね」と話していたときに、僕が半分冗談で「いっそ9999限定にしてしまっては」と言ったら、後日NHN PlayArtさんが「これやってみたほうがいいかもしれない」と。実際にやってみたら目的がすごくわかりやすくなって、直感的に遊べるようになっていました。
水野
私は正直、もうその時点でこれまでの『ディシディア』から相当変わっていたので、これでブレイブまで変えてしまったら、ファンの方に怒られるのではないかとも思い。
野村
『ディシディア』を昔から知っているスタッフからは「これは『ディシディア』じゃなくなるんじゃないか」みたいなことを言われるようなブレイブの使いかたなので。
水野
怖かったです、本当に。ただ実際に遊んでみるとわかりやすいしとっつきやすい。社内テストでも「こっちのほうがいい」という意見が多くなっていきました。であれば、遊ぶお客さまのためには変わっていかなきゃいけないところなのかなと。社内でも話し合い、この形を採用しました。


9999のブレイブを溜めて一気にブレイブバーストを叩き込もう。
世界観は『ディシディア』の流れを汲むもの
――タイトルの“デュエルム”という名称はどのように決まったのでしょうか。
松本
勢力の争いみたいな意味があります。タイトル名の議論も長かったですよね。いろいろな候補があり、これになりました。
野村
当時まだ『ディシディア ファイナルファンタジー オペラオムニア』(以下『オペラオムニア』)が稼働しており、差別化したかったのと、バトルが主軸になるというのを打ち出したかったので、このタイトルになったんですが、“DD”という略称が『ディシディア デュオデシム ファイナルファンタジー』(以下『デュオデシム』)と被ってるという(笑)。
――合わせてきたのかと思っていました(笑)。コンセプトから生まれた名前だったのですね。
野村
僕の中では『デュオデシム』の略称は“012”の認識だったので(笑)。
――ユーザーの皆さんが「『デュオデシム』は小文字のd、『デュエルム』は大文字のD」と解釈して区別してくれているようですね(笑)。
野村
あまり長くしたくなかったので、単語ひとつで終わるようにしたかったというのもあります。
――『ディシディア』といえば、カオスとコスモスや、スピリタスとマーテリアの戦いなど、それこそふたつの勢力が戦いましたが、今回もそういう要素は入っていますか?
野村
設定としては、当然1作目からの『ディシディア』の流れで、“神々の闘争”の構造に入ったものになっています。なので繋がりがないわけではないです。
水野
ただ、現時点ではあえてその連続性を強くは見せていません。たとえば『NT』はPSPの13回目の戦いの後の時系列だったりしますが、さらにその続き……。となれば「以前の作品をやっていないとわからない」ということにもなってしまいます。今回は新しい方にも入ってきやすくするために、これまでの作品との直接的な繋がりは薄くしています。
本作は『ディシディア』シリーズとして兄弟関係にありますが、キャラクターたちは過去の『ディシディア』の記憶を持っているということではない、という形ですね。

――シナリオはどなたが担当されているのでしょうか?
野村
設定段階からプロットまで複数名に携わっていただきましたが、リリース版のメインシナリオは『オペラオムニア』でも活躍してくれた外部ライターの蔦町さんが担当しています。
『ディシディア』はいろいろなキャラクターがつぎつぎに参加してくるので、シナリオ構成がかなり大変なのですが、『オペラオムニア』のシナリオはかなり好評でしたので、『オペラオムニア』に続いてお願いすることにしました。
――フルボイスのカットシーンとショートストーリー(FINE)という2本立てのシナリオ形式はどういう経緯で決まったのでしょうか?
水野
対戦がメインのゲームなので、毎月骨太なRPG並みの分量のシナリオを作り続けるのは難しい、かといって『ディシディア』最新作としてストーリーの要素はどうしても捨てられないと考え、どういう立て付けにするかを検討していた時期が1年ほどありました。俗に言う紙芝居形式やサウンドノベル形式なども検討しましたが、私自身PSPの『ディシディア』を見て育ってきており、キャラがしゃべって動くシーンがないのは嫌だという最後のわがままを通す形でカットシーンは残しました。
ただ、そうなるとそこまでの量は用意できないので、足りない部分をどう補うかという話になり「現代が舞台なので、チャットベースのコミュニケーションアプリみたいなやり取りを入れたら楽しいんじゃないか」というアイデアがチーム内から自然と出てきて採用に至りました。


LINEならぬFINEが、この世界での会話ツールとなっている。
松本
どうしてもカットシーンはコンシューマーなどに比べて量は少なくなってしまうのですが、チャット形式なら量産しやすいという利点もあります。このショートストーリーにはボイスが入っていないのですが、むしろボイスがあるのが違和感になりますしね。
野村
シナリオに関してはアーケードや『NT』のときに、ボリュームが課題となり、どうしても初代PSP版に比べると少なくなるので、もっとシナリオを厚くするほうがいいのではないかと、そういう話はずっとありました。
『オペラオムニア』のシナリオがかなり好評でしたので、やはりシナリオは重要だよねという流れになり、外せない要素だなと思っています。
――『FF』のキャラクターがシリーズの垣根を超えて絡み合うのが『ディシディア』の醍醐味ですものね。
水野
まさにおっしゃるとおりで本来出会うことのないキャラどうしが掛け合うという部分は絶対やらなきゃいけない、たとえ大ボリュームは無理でも、楽しんでいただくために、できる限り掛け合いをさせましょうという話をしました。
私個人の話になりますが、たまたま運よくこのシリーズに携わらせていただく時間が長かったので、各世代のファンを見てきました。たとえばアーケードのときは対戦として白熱するし、友だちもできたし、毎日ゲームセンターに行って楽しかったという思い出がある一方、シナリオ要素が薄く寂しかったと言う方もいらっしゃいました。
当時は本当に尊敬する先輩やスタッフの皆さんが全力で制作しており、きっとあの形がベストなんだという思いがありますが、私なりの挑戦というか、もう一度『ディシディア』に関わるなら、あのとき「これがあったらよかったな」という方にも楽しんでもらえるものを作りたいと思い、意見を言わせてもらっています。
――本作は音楽も好評ですが、アレンジはどなたが担当されているのでしょうか?
水野
おもに弊社サウンド部の今村が手掛けております。『FF14』や『FF16』を中心に担当しており、祖堅(祖堅正慶氏)の右腕的な人間です。
もうひとり、廣瀬というメンバーがおり、このふたりのタッグでさまざまなアレンジを担当しています。
――本作オリジナルの楽曲もあるのでしょうか?
松本
オープニングムービーに使われている曲は、完全新規で作成しております。
水野
今回は『DDFF』ならではの新しさを届けるために、僕ら企画チームとサウンドチームでがっつり話し合って、2曲をひとつに合体させるという変則的なアレンジを採用しています。懐かしさもあるけれど、新しさも感じてもらえるかと思います。
『FF』の楽曲はすでにあらゆる形でアレンジされ尽くしているので、そこで新しさを出すために工夫してもらいました。
――今回『ディシディア』シリーズでは初となる『FF16』のクライヴや『FF10』のリュックが登場しています。とくにリュックは『オペラオムニア』でも実装されなかったこともあって多くのファンから驚きの声がありました。新規ボイスもあるということですが。
松本
従来の『ディシディア』でも、『デュオデシム』でライトニング、アーケード版、『NT』でノクティスといった当時最新作の主人公を登場させていましたし、本作でも最新作『FF16』のクライヴの参戦は必須と考えておりました。
リュックに関しても、『オペラオムニア』で実装してほしいと多くの声が寄せられていたことを知っていたので、参戦させたい気持ちがありました。この初参戦のふたりの実装を実現するために、社内外さまざまな交渉がありましたが(笑)実現できてとてもうれしく思っています。もちろんふたりとも当時のキャストさまのまま、新規ボイスがありますよ。


『ディシディア』シリーズでは初となるクライヴやリュックが参戦。
――『FF』といえば召喚獣ですが、本作ではボスモンスター以外に登場することはあるのでしょうか。
水野
スマートフォンの描画負荷の問題もあり、アーケード版のように両チームが共通システムとして呼び出す形は、現時点のベースシステムには入れていません。
――新キャラ追加のペースはどのくらいでしょうか?
松本
すでに追加されたキャラクターはリリース記念の特別なペースとなります。それ以降の追加は気持ちとしては毎月お出ししたいのですが、対戦ゲームとしてのバランス調整も不可欠です。制作コストとしても、1体1体にデザイナーが手間をかけてクオリティを追求しているため、どうしてもお時間をいただく月は出てくるかと思います。
野村
キャラが増えるほど、既存キャラとの相性やバランスなど調整の工数は雪だるま式に増えていきますからね。とはいえ、何ヵ月も音沙汰がないというようなことにはならないようにします。
水野
このあたりのバランス調整については、スマートフォンにおける対戦ゲームの運営実績があるNHN PlayArtさんの経験と勘どころを全面的に信頼してお任せしています。我々スクウェア・エニックス側は、技の選定や「どう動けば『FF』として気持ちがいいか」という演出面に注力するという分担ですね。
対戦が苦手な方でも遊べるようなゲームを目指して
――RPGファンの中には対戦が苦手な方も多いですよね。
水野
そうですね。プレイいただいている皆さまは『FF』ファンの方も多く、対戦に不慣れな方もいらっしゃいますが、慣れている人もそうでない方も皆さま、温かくプレイいただいている印象です。「話しかけたら怒られるんじゃないか?」などと思ってしまう方もいらっしゃるかとは思いますが、少しでも抵抗を減らすためにチャットもかわいいスタンプを用意するなどで工夫をしていますので、ぜひゲーム内でも交流を楽しんでいただきたいです。
松本
僕もだいぶいろいろな対戦ゲームをやってきましたけど、いちばんギスギスしないゲームになっているかなと思います。
野村
けっこう前に『FF』と関係ないとあるオンラインゲームをプレイしていたことがあり、ほかのプレイヤーさんに「普段どういうゲームやるんですか」と聞いてみたことがありました。そのときに皆さんから『FF』の名前出てこないんですよ。
「『FF』とかはやらないですか」と聞いてみたら、「難しい」と言うんですよ、皆さん。
――『FF』好きの身からすると不思議な感覚ですね?
野村
やはり覚えなきゃいけないことが多く、システムも作品ごとに異なるじゃないですか。初めてプレイして直感的に遊べる感じになっていなくて、ルールを覚えないといけないことが難しいといった様子でした。
そういう観点からも、『DDFF』はわかりやすいルールになっており、普段難しいと言われている『FF』に慣れ親しんでいる方は比較的直ぐにプレイいただけるのではないかと思います。あとは、気持ちの問題でしょうか。
松本
世間的にもランクバトルという言葉がひとり歩きしている認識なのですが、このモードは本来、同じランクの人と対戦が楽しめるモードという意味もあります。初心者の方は同じ初心者の人しか当たらないので、ぜひ気負いなく遊んでいただきたいですね
――気負いと言うと、バトルの後の貢献度表示は、負けた側には少し辛い要素にも思えます。
水野
じつは、開発段階で一時期、負けたときのネガティブな感情をなくしたかったため、それを完全に消したこともありました。本作は敗北演出も入れず、あくまで「勝った人おめでとう!」としているくらいなので。しかし、消してみると、今度は「自分のプレイが正しかったのかわからない」、「上達の手がかりがない」、「勝っても手ごたえがない」などという不満が出てしまいました。
野村
プレイが短いゲームなので、指標が何もないと「自分は何をくり返しているんだ」となり、モチベーション維持しにくくなるんですね。
水野
ほかにも「今回は何度も倒されて、スコアも低かったから、つぎは味方についていこう」といった振り返りのための材料としての側面もあり、あえていまの形に戻しました。スコアの評価軸も、NHN PlayArtさんが検証や調整を図ってくださっています。
松本
振り返りということですと、本作にはリプレイ機能もあるので、ポイントが低かった原因を見直したり復習することもできます。少しずつ、自分のペースで強くなっていく過程を楽しんでいただければうれしいですね。
――ちなみに本作はアクション性の高い作品ですが、推奨端末はいかがでしょう?
松本
じつはiPhone 6sで動きます。
――それはかなり驚きですね。
松本
いま、iPhone 6sを使っている方は決して多くはないと思いますが、海外市場やAndroidユーザーの方も含め、少々古めの端末で楽しんでいらっしゃる方は確実に存在します。「可能な限り多くの人に遊んでもらいたい」という想いがあり、NHN PlayArtさんの技術力によって、その世代の端末でも動作するレベルまで最適化していただきました。
ただ、どうしても端末が古すぎるとカクつきが発生するなどの可能性があるため、iOSでしたら推奨はiPhone 12以降としています。それでも、対応の幅としては6s以降と、かなり広く取っています。
――コントローラにも対応されていますよね。
松本
はい。PS5のDualSenseやNintendo SwitchのProコントローラなど、主要なものには基本的に対応しています。
接続環境による細かな仕様の差はありますが、スマートフォンで手軽に遊ぶには問題ありません。大規模オフライン大会などでは混信対策が必要になることは認識しているので対応を検討しておりますが、まずは「コントローラで快適に遊べる」という環境を優先して構築しました。
――大会といえば、先日はオンライン大会練習会が開催されていましたね。
松本
大会練習会について、ありがたいことに想定を上回るたくさんのご応募をいただき、当初の参加枠を倍にして開催させていただきました。1回戦から決勝まで拝見させていただきましたが、チームごとのさまざまな戦略や連携を見ることができてとても楽しかったですし、私自身1プレイヤーとして学びになることがたくさんありました。多くの素晴らしい試合があり、大会を通して皆さまに盛り上がっていただけたことを、たいへんうれしく思っています。
水野
私も現地スタッフとして入っていましたが、さまざまなランク帯の方が、それぞれの戦法やキャラクターで奮闘しているのを見て、うれしく思いました。選手の方の中には、前日にマッチングした方もいたりして(笑)。私自身も本作をよく遊ぶので、プレイヤーの皆さまを勝手に身近な存在に感じており、応援にも熱が入りました。
――5月23日に開催される公式オフラインβテスト大会も、とても楽しみですね。
松本
プレイヤーの皆さまに直接お会いできること、そして実際にゲームをプレイしている姿を見れることも、とても楽しみにしています。今回はテスト大会という位置づけですが、初の生配信もあるオフライン大会ということで、運営チームもかなり気合いを入れて準備を進めております。我々チームの体制や進行などを含めた今後の大会運営に向けてのテストも兼ねておりますので、本イベントの経験をぜひ今後にも活かしていきたいですね。
――ゆくゆくは公式の大会、世界大会といったことも考えているのでしょうか。
松本
将来的にはぜひ検討したいですね! 今回のテスト大会も、1位を決めるイベントではありますが、予選などはなく抽選制で募集しています。まずはこのテストを踏まえて、今後の大会運営の方針を検討していきたいと思っています。また、海外のX(Twitter)アカウントなどでも公開しておりますが、海外での大会実施も検討しております。
――ありがとうございます。では最後の皆さまからメッセージをお願いします。
水野
すでに本作を楽しんでくださっている皆さま。今後もさまざまなFFキャラが参戦いたしますので、ぜひご期待ください。戦士たちと過ごす時間が、皆さまの日々の彩りになれば本当に幸いです。
そして、『DDFF』を遊ぶか悩んでいらっしゃる方へ。設定や見た目が、これまでの『ディシディア』と大きく変わっていることへのさまざまな想いや、対戦ゲームに対する怖いイメージを持っておられる方もいるかと思います。でももし、お時間が許すなら一度、キャラクターたちに会いに来てみてください。原作で、PSPで、アーケードやNTで、『オペラオムニア』で彼らといっしょに駆け抜け、ともに戦ったあの日々を『DDFF』でもう一度、体験いただけると思います。どうぞよろしくお願いいたします。
松本
本作は、多くの『FF』クリエイターの協力・監修のもと、『FF』チームが一丸となって制作してきたタイトルです。各キャラクターの魅力を存分に感じていただけるとともに、バトルをはじめ、どなたでも楽しみやすい作品になっていると思います。コミュニティ機能にも力を入れており、世界に散らばる『FF』ファンの方々、そしてこれから初めて『FF』に触れる方々がみんな本作を通してつながり、プレイヤーの皆さんといっしょに『FF』ブランド全体をさらに盛り上げていけたらと思っています。
私自身、これからもすべての『FF』作品・キャラクターへのリスペクトを大切にしながら、継続的にクオリティアップに取り組んでまいります。ぜひ一度、本作をダウンロードして遊んでみてください。今後とも『DDFF』をよろしくお願いいたします!
野村
より快適に遊んでいただけるように、プレイヤーの皆さんのプレイデータや反応を確認しながら運営側でも連日議論をくり返しています。ひとまず、ナンバリング16作のキャラクターが揃い、練習会や大会を迎えるタイミングをひと区切りと考え、今後も楽しんでいただけるように改修を整理していきます。すでにそのタイミングでもろもろ発表が出来るように準備も進めていますし、当然ながらキャラクターも年単位で続々と準備中ですので楽しみにお待ちください。
現代を舞台とした世界観を発表したときにも多くの反響をいただきましたが、ストーリー的にも大きな展開が先々起こります。その内容がゲームプレイにも影響を及ぼす“デュエルム”の第二形態とも言えますので、そちらもぜひ期待してお待ちいただければと思います。
当初の想定よりチャレンジモードやカジュアルの需要も高く、対戦以外の強化も課題として取り組んでいきますので、これからの『DDFF』もぜひよろしくお願いします。