『OPUS: Prism Peak』くたびれおじさんと少女の自分探し旅アドベンチャーのすべてが筆者の心にぶっ刺さりすぎて泣ける。けど最後には前向きになれたよ【レビュー】

『OPUS: Prism Peak』くたびれおじさんと少女の自分探し旅アドベンチャーのすべてが筆者の心にぶっ刺さりすぎて泣ける。けど最後には前向きになれたよ【レビュー】
 集英社ゲームズより、2026年4月16日に新作『OPUS: Prism Peak』が発売される。
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 記憶をなくした少女とともに異世界からの脱出を目指すアドベンチャー。動物の姿をしたキャラクターたちが登場するほか、カメラ・写真を使って謎を解き、ストーリーを紐解いていく点が特徴となっている。

 発表時には、“おっさん・ミーツ・ガール”な作品として、おもにおじさんたちから注目を集めていた。そんな本作を、おじさん代表としてレビューする。

とにかくストーリーがいい! おじさんなら主人公に感情移入して泣けること間違いなし

 いましがたエンディングまでプレイしたところだが、めっちゃ良作

 ざっくりストーリーをまとめると
“傷つき、敗れ、諦め、忘れ、いろいろなことを過去に捨ててきたおじさんが少女と異世界を旅する物語”といった感じ。ただここからレビューを進めていくにあたり、ネタバレの要素はいっさい省きたい。ぜひプレイヤー自身の目でストーリーを追ってほしいので、ストーリーに関してはふんわりした点も多く出てくるかと思うが、ご了承願いたい。

 さてストーリーの紹介に戻ろう。主人公のユージンはとにかく不幸で、カメラマンを目指して上京するも、初恋の人と仲違いし、都会で務めた会社は倒産、妻とは離婚し、心機一転始めたカフェも潰れてしまうという始末。ストーリーを終えたいま、不幸の原因を探ると単純に不運というわけではなく、ユージンにも原因はあるのだが、まぁとにかく不幸だ。
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冒頭から暗い身の上話が続く。
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祖父の葬儀に出席するため、大切にしていたカメラも売り払ってしまう。
 そんな中、ユージンは"ボウの地"と呼ばれる異世界へと迷い込んでしまう。そこは、動物たちの姿をした"神霊"が生きる地。この世界では、人から忘れられてしまうと“ボウ”と呼ばれる脅威に襲われ、消えてしまうのだという。
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トンネル内で事故を起こしてしまい、そこからユージンはボウの地へ迷い込んでしまう。
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ボウの地にはさまざまな神霊が集う。大きな牛や
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老いたヤギ
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精悍なイノシシなどなど。
 ユージンはそんな世界で出会った少女“レン”と、彼女を家に送り届けるため、そして自身がもといた世界に帰るためにこの世界の“王”を探す旅に出る。
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 ここまでが導入だ。不幸をスタートラインとしているものの、異世界で少女と出会い、旅をともにするというワクワクする展開から物語は始まっていく。

 ただここから展開していくストーリーは、すべてがワクワクするようなものではない。さまざまな神霊を救いながら、ユージンは過去の不幸や自身の過ちなど、苦い想い出を振り返っていくことになる。これが刺さるんだわ。
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 またストーリーの合間合間には、色褪せた謎の世界で妄想のようなものを見ることもある。ここでもまた、辛い記憶と邂逅することになる。ユージンがなぜいまのような状態になっていくのかは、この世界で紐解かれていく。
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 言ってしまえばユージンは基本的にはいい人なんだけど、何かから逃げるために別方向への努力を始めてしまうタイプ。

 たとえば初恋から一歩踏み出す勇気がなく、そこから逃げるように夢を追いかけ始めたり、はたまた家庭から逃げるために仕事に精を出したり。本来正面から受け止めるべきものから逃げているため、逃げた先でがんばってそれなりの成功をしても、幸せにはならんわな。
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「付いてきてくれ」。その一言を言う勇気がなく、自分にも嘘をついて上京するユージン。
 正直、そんな話は自分に思い当たるフシがないわけでもなく、気が付いたらユージンと自分を重ねてストーリーを見てしまい、どっぷり溺れるように感情移入。同年代のおっさんとして、ユージンの気持ちが痛いほどわかるし、セリフもシチュも刺さる刺さる。
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 このゲームのいいところは、ただつらい過去を、忘れたい過去を呼び起こすだけでなく、ちゃんと救いを用意してくれていることだ。自分の周りには支えてくれる人がいる、わかってくれる人がいると教えてくれること。
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 人間誰しもひとりでは生きていけず、ひとりではどうにもならないこともある。そういったメッセージをちゃんと届けてくれるので、ユージンに感情移入をしていっしょに自責の念を感じても、ちゃんと救ってくれる。優しい。

 途中心が苦しくなる瞬間もあったが、エンディングまで走り抜けたいまとしては、「いまのままではいけない」、「もっとしっかり生きないとな」と、清々しく前向きになれている気がする。

 たぶんだけど、世の中のおじさんでユージンのように諦めや後悔、逃避を経験した人は多いはず。むしろ、そういった経験なく過ごしてきた人のほうが少ないはずだ(少なくあれ)。きっとそういったおじさんフレンズならば、本作に感情を揺り動かされつつも、最終的には前向きな反省ができると思う。

 ユージンに自己を投影せず、ユージンの人生をよりよく導こうとプレイヤー目線でプレイをした場合であっても、得られるものはあるはずだ。それくらい
本作のストーリーはいい!

ファインダー越しに世界を紐解くシステム。カメラへのこだわりもすごい

 ゲームシステムは、カメラ・写真を使ってストーリーのヒントを得たり、神霊たちの悩みを解決していくアドベンチャー。

 パズル的思考が求められるような謎解きギミックは存在しない。しかし言葉の裏にある気持ちを汲み取る読解力、共感力、想像力は求められる。神霊たちの悩みを解決するには、写真撮影時に表示されるテキストや会話をヒントに“相手が何を望んでいるのか”を察して求められる写真を撮り、それを“神の火鉢”に捧げなければならないのだ。
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神の火鉢はあちこちにある。ストーリーはおよそここを起点に進んでいく。
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神霊たちは名前を忘れられてしまうと消えてしまう運命にある。ただし、写真を撮って見せてあげれば、自分の名前を思い出して消滅を回避できる。
 ちなみに写真を撮るべき場所をハッキリ指定されることは非常にマレ。誰もハッキリと「この写真を撮ってきて!」なんて言ってくれないのだ。基本的には「あの日の想い出がなぁ」みたいな匂わせで徹底されている。そのため、ストーリーを適当に流し読みしていたら混乱することも出てきそうだ。ただ、しっかりストーリーを理解しながら追っていれば難しいものではないのでご安心を。
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神の火鉢からのリクエストは基本的にすべて抽象的。しかしストーリー進行にまつわるものは、調べられるところを撮影していけば問題なく進めていける。
 神の火鉢は、ストーリーを進めるためだけの道具ではない。写真やストーリー中に手に入る“花の種”を投げ入れると、キャラクターの背景や世界の謎を紐解く情報が手に入るのだ。

 ストーリーをクリアーするだけであれば、神の火鉢への奉納は最小限でいいのだが……。本作のストーリーは、神霊たちの過去や想い、悩みなどを理解すればするほどストーリーの奥行きを感じられるようになる。せっかく本作をプレイするのであれば、この奥行きをぜひとも感じてほしい! 多くを理解していけば「あの会話は、そういう過去があってのことだったのか!」と発見できることもある。本作のストーリーは、それほど深く作られているのだ。
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世界を理解しようといろいろな写真を撮っていないと要求に応えられないことも。
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ちゃんと要求に応えられれば、世界を深く知るための情報や過去回想ムービーなどが手に入る。
 この神霊たちのバックグラウンドもまた感動的ですばらしいんだ。ネタバレを避けるため明言はしないが、神霊たちと主人公・ユージンは無関係という間柄ではない。むしろ超密接。だからこそ、彼らの過去を知ることでユージンの過去も見えてくるし、ストーリーはより深く理解できるようになる。そんな作りになっているのだ。ほんとよくできてる。

 カメラで撮影するというアクション自体もおもしろい。ただ対象を画角に捉えてシャッターを押すだけではなく、ちゃんとピントを合わせ、シャッタースピードを調整して撮らなければならない。このカメラというガジェットへのこだわりがすごい! F値やらホワイトバランスやらといった複雑すぎる要素を排しつつも、ちゃんと撮影にこだわっている雰囲気が味わえるように作られているのだ。カメラ好きにはもちろん、カメラはあまり使わないけれど興味がある人もカメラいじりの感覚を楽しめるだろう。
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神の火鉢からシャッターダイヤルを入手すると、シャッタースピードが切り換えられるように。
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暗い場所を撮影する際にはスピードを落とさないと暗い写真になり、明るい場所ではスピードを上げないと白飛びしてしまう。芸が細かい。
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オートフォーカス機能も搭載!
 またこの世界の情報をいろいろと書き込んでいく手帳があるのだが、ここもおもしろい。手帳に情報を書き加えていくことで、神霊や世界のことを自分の中で咀嚼しながら理解していけるようになっている。
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手帳の最後には、ボウの地で使われている謎文字による手記も記されている。気になる……。
 神霊はどんな存在なのか、何を求めているのか、そしてそもそも何なのか? たくさんの写真を撮り、神霊や神の火鉢を対話を重ねるごとに情報が埋められていき、その全容が見えるといった具合だ。
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手帳の穴は選択して埋めていき、正解すれば記録として保存される。保存に成功した際に出る「ちゃんと見ていたのだろうか?」というポイントが100点になれば、その要素を完全に理解したということになる。この「ちゃんと見ていたのだろうか?」という言葉は、本作遊べば遊ぶほど胸に突き刺さるので、その点もお楽しみに。
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手帳を使い、この世界で使われている謎文字を解読していくことも可能。
 そんなこんなでクリアーまでがっつり楽しんだわけだが、これはぜひ世のおじさんたちにもプレイしてもらいたい。

 爽快感なんてないし、自分のダメなところを指摘されているような気分にもなる。しかしそれを差し置いても、ストーリーがおもしろく、途中から前向きな気分にさせてくれる。おじさんだからこそ得られるものがあるゲームだと感じた。気になる人はぜひ。
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カメラを使ってボウと対峙するアクションシーンもある。ほんの少しだけど。

      担当者プロフィール

      • ヒゲメガネ長谷部

        ヒゲメガネ長谷部

        Steam歴15年のPCゲーマー。イラストにはヒゲがなく、現実では(ほぼ)メガネをかけていないため、ペンネーム詐欺と言われている。好きなゲームジャンルはFPS、シミュレーション、サバイバルクラフト。

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