『学マス』とSCRAPがコラボしたリアル脱出ゲームは“プロデューサー”の視点に立てる。謎解きに込められた、“アイドルの望むステージを作る”実体験をリポート

『学マス』とSCRAPがコラボしたリアル脱出ゲームは“プロデューサー”の視点に立てる。謎解きに込められた、“アイドルの望むステージを作る”実体験をリポート
「あの“プロデューサー”っていつもこんなことしてるの……?」

 2026年2月27日より、新宿・東京ミステリーサーカスにてSCRAPによる『
学園アイドルマスター』(以下、『学マス』)初のリアル脱出ゲーム“人狼潜む文化祭からの脱出”が開催されている(※)。
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※東京ミステリーサーカスでの開催は2026年2月27日~5月10日まで。リアル脱出ゲーム大阪南堀江店にて5月14日~6月21日、リアル脱出ゲーム名古屋店にて7月16日~9月6日までそれぞれ開催予定となっている。
 筆者は開催に先駆け、一足先に本イベントを体験させていただいたのだが、その感想は冒頭に書いた通り。本イベントにおける特徴のひとつでもある、“自分がプロデューサーとしてアイドルをアシストする”という体験を経て、少しだけ『学マス』の彼がどこまでがんばっているのかがわかった気がした。
※本記事では、極力体験を阻害しないよう表現を調整しておりますが、“人狼潜む文化祭からの脱出”に関するネタバレが含まれます。
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初星学園に通う“プロデューサー”になれる。『学マス』世界の再現度がうれしいイベント

 このイベントの舞台は初星学園。アイドルたちが文化祭で体験型のステージイベント“初星村からの脱出”を実施し、その公演に呼ばれたプロデューサーは一般客として参加することに。

 しかし裏ではとある事件が起こっており……そんな事態を聞いたプロデューサーは、彼女たちをアシストしながらライブの成功のため暗躍する。謎を解く“参加者”でありつつ彼女たちを導く“プロデューサー”という二重構造が楽しめるものになっている。

 この設定の通り、実際に謎解きを終えた後はアイドルたちによる3Dライブがある。リアル脱出ゲームとライブを同時に楽しめる欲張りなイベントだ。
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簡単なあらすじは、配られる資料にも書かれている。
 受付では、参加者それぞれが当日のパフォーマンスメンバー5名の中から担当アイドルを選ぶ。複数人で参加している場合でもひとりひとりが担当アイドルを選べるため、仲間うちで揉める心配はない。

 今回のパフォーマンスメンバーは咲季、麻央、清夏、広、莉波。筆者は広、同行していた編集者は咲季を選択し、受付の方から名刺入りの名札を受け取る。名刺には二次元コードが書いてあるため、こちらをスマートフォンで読み込んで、謎解き開始前のセッティングを行っていく。
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名刺は名札として首にかけられるようになっている。
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表は“初星村からの脱出”における参加者の証。プロデューサーは村を救う“旅人(ワンダラー)”として参加している。
 なんのためのセッティングかというと、このリアル脱出ゲームではスマートフォンを使って担当のアイドルたちと会話をするパートがあるのだ。ときにチャットで連絡し、ときに通話越しに相談、ときに直接会話を行いながら、謎解きを進めていく。

 もちろん、会話の内容はアイドルごとにまったく違う。個人的に「いいな」と思ったのが、アイドルの応答だけじゃなく、しっかりプロデューサー自身の返答も異なる部分だ。

 (原文は載せられないので少しばかりボカすが)広の場合はたいへんな事態に陥ったことを告げる彼女に対し「そちらのほうが燃えるでしょう?」といったような言葉で返す。逆境を喜ぶ彼女に振り回されてきた“あのプロデューサー”が書いていることがはっきりとわかるような表現がとてもいい。
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自分のスマートフォンでチャットが展開されると、なんというか実在感がすごい。
 もちろん小道具などの再現性も抜かりない。冒頭ではスマートフォンのセッティングが終わり次第、がんばるアイドルたちに向けて“差し入れを送る”という流れがあるのだが、これはプロデュースシナリオ“N.I.A”内にできる行動のひとつ“差し入れ”を再現しているように感じて、筆者は大興奮。
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名刺とともに、入場時にバインダーやペンなど、脱出ゲームで使う道具一式が配られる。画面奥にあるのがアイドルへの差し入れだ。
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わざわざリボンを付けた袋にしているのは、ゲーム内にあるアイコンなどの再現だと思う。
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差し入れが入れてある箱もしっかり再現されているように感じた。
 今回は広と咲季の内容しか確認できていないが、差し入れの内容もアイドルごとに違うものとなっているようだ。なにを送ったかに関しては、ぜひとも実際にリアル脱出ゲームを体験したうえで、メッセージを確認してほしい。
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咲季の画面。こちらも詳細は語れないが、咲季といえばの某ドリンクの話題が出たり、会話の内容が大きく違う。
 その後は司会のスタッフさんより挨拶と案内。かなり丁寧に“初星学園とはどういうものか”という内容を説明してくれるので、『学マス』について詳しくなくても安心。「謎解きに興味はあるけど……」、「『学マス』は好きだが、ゲームはそこまでやれてない」といった方でも問題なく楽しめるはずだ。
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 個人的にうれしかったのが、十王邦夫学園長とあさり先生による挨拶があったこと。ライブなどのリアルイベントに参加するのが好きな筆者としては、「やっぱ前説といえばこのふたりだよね!」という気持ちがある。

 それ以外にも、(参加する日やスタッフの方によるだろうが)いろいろな『
アイドルマスター』シリーズの現場っぽい文脈を拾った司会進行やアナウンスをしてくれるため、いろいろなイベントに参加している方は「おっ」となるポイントも多いはず。
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ライブを含むイベントなので、よく聞く「イスの上に立つ、ジャンプする、などの過激な~」といった諸注意も。いつもと違う環境で聞けるのがなんだかうれしい。
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オープニングでは、実際にアイドルたちが“初星村からの脱出”を演じている様子も確認できる。

謎は簡単~難しいまでが適度に混ざる。ただしすべては“ひらめき”次第

 というあたりで前説も終わり、ここからは謎解きへ。

 ……しかしながら、当然ながら謎については全面的にネタバレNGである。なので、ここはざっくりとした総評のみお伝えしておこう。ちなみに筆者は、SCRAPの他作品とのコラボ脱出ゲームにも参加したことがある経験者。

 まず前提として、このイベントは“謎解き”なので基礎知識などは必要ない。重要なのは観察力と、ある程度の記憶力。そしてそれらを統合して正解を導き出す、いわゆるひらめきだ。
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 という前提をお伝えしたうえで改めて難易度についての自己見解だが、かなり適当な位置に収まっているように感じる。とはいえちょっと複雑で、“簡単すぎもせず、さりとて難しすぎもせず……”みたいなことではなく、その両方がちょうどいい形に混ぜられているような塩梅だ。

 前半はかなり簡単。そこから中盤にかけて徐々に難度が上がっていき、後半で急に上がる……というのが大まかな流れだろうか。「なーんだ、こんなもんか」と思って解いていると痛い目を見る。というか実際に筆者は痛い目を見て、最後の回答は制限時間ぎりぎり(かつ近くにいた方からぽろっと助言をいただいて)のゴールとなった。

 なかでも終盤の謎は、どこまでリアル脱出ゲームに慣れているかによって難しさの解釈は大きくわかれるだろう。もし迷ったら、周囲の慣れていそうな人がどういう動きをしているか見ると、ひらめきのヒントになるかもしれない。
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会場内には怪しそうなスポットがたくさん。これらを巡って謎を解いていく。
 謎解きの最中、新しい問題をもらうために部屋の中のとあるスペースに通されることが何度かある。スペースに定員がある関係上、少々並ぶ時間があるため、答えがわかったらとにかくすぐに行動するのが望ましい。

 先ほども書いたが、後半になるほど難度は上がる。わからなければどんどんヒントを読むことをおすすめする。
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とくに“願いの間”に関する謎はちょっとだけ混んでいた印象。並んでいるあいだに会場を見渡したり、いままでの流れを整理したりしておくといいかも。
 注意点としては、スペースの関係で音声が再生されるタイプの演出が音漏れし、近くにいるだけで聞こえてしまうことがある。無心になれば聞き流せないことはないが、列に並ぶ際はイヤホンをつけておくなど自衛しておくのも手。もちろんその際は、スタッフさんの誘導や指示を聞き逃したりしないよう気を付けておこう。

 このあたりはイベントや会場の性質上どうしようもない部分である。謎に関するネタバレが流れてくることはないので、「そういうもの」として割り切るのもありだ。
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アイドルたちと会話できる“村人の家”は周囲にけっこう音が響く。忙しいのでそれどころではないかもしれないが、気になる人は気になるかも。
 謎解きパートが終われば無事ライブ。その前に「ここまでどんな事件が起こって、どういう形で解決されたのか」を司会の方が解説してくれるため、謎解きに時間がかかって流れに乗り遅れても置いてきぼりにはならないのでそこは安心だ(悔しさはあるかもしれないが)。
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制限時間は65分(※制限時間は会場により異なる場合がある)。時間に余裕があるように見えるかもしれないが、詰まると本当にギリッギリになる。
 ライブは『学マス』史上初の5人同時3DCGライブ。制作チームはYouTubeにて生誕ミニライブを作っているチームと同じだそうで、その品質も折り紙付きだ。キャスト陣ではなくアイドルたちに対して集団でコンサートライトを振ること自体も『学マス』ではなかなかない経験で、筆者としては非常に楽しめた。

 なお、演出の関係でコンサートライトは備え付けのもののみとなっている。間違ってもウルトラなオレンジを折ったり自前の担当色ライトを持って行ったりはしないよう気を付けよう。謎解きに必要なものはスマホとイヤホンぐらいなので、ジャマな荷物は施設内のクロークやコインロッカーに預けてしまうのもアリ。
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こちらが備え付けのコンサートライト。劇中では“導きの杖”と呼ばれる小道具でもある。
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会場自体、そこまでスペースに余裕がないため、大きな荷物はかなりジャマになる。
 謎解きではかなりいろいろな場所へ動かなければならない。教会へ行き、とある木に行き、初星村に住む村人(アイドルたち)に話を聞きに行き……。会場内を右往左往することになるため、動きとしてはかなり忙しい。

 だからこそ、それを越えた先にあるライブを見られたときの達成感はかなりのもの。“度重なる苦労を経て、アイドルたちをステージに導く”そんな『学マス』のプロデューサーらしい感覚が身をもって味わえるのは、唯一無二の体験だろう。

 「いつもこんなにたいへんなことしてるの……?」みたいな心地はありつつも、このイベントを通じてゲーム内の彼と改めて同じような視点になれた気がする。とても楽しいひと時だった。
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たいへんだったが、その分成功して見るライブはとても楽しい。助言をいただけたことに改めて御礼を申し上げたい。

『学マス』の実在性を感じさせる設定の妙。あの日の自分は、確かに担当アイドルを“導いた”

 というわけで早足ではあるが、以上が“人狼潜む文化祭からの脱出”についての参加リポートとなる。いや、正直ぜんぜん書き足りなくはあるのだが、極力ネタバレに配慮するとどうしても……。

 個人的には、謎解きを楽しむ体験型イベント参加者でありつつ、“プロデューサー”としてライブを成功に導くため暗躍するという二重構造がおもしろいなと感じた。

 最後まで自分を“『学マス』世界のプロデューサー”と重ねて行動できるよう、初星学園という舞台をうまく使った設定だといえる。
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スタッフの方々による世界観を壊さないような立ち居振る舞いも見事。五感すべてで“初星学園”を楽しめるイベントだった。
 担当アイドルとの個別コミュがちゃんと練られたものであるのもいい。演出の一環として、アイドルからの電話に出たりチャットを送ったり、脱出ゲームを運営中のアイドルと出会って少しだけ会話したり、アイドル自身と触れ合う機会は非常に多いのだが、そのどれもが『学マス』内のコミュを思い起こさせるようなやり取りで、進めていてとても楽しい。

 パフォーマンスメンバー全体での掛け合いも、「このメンバーだとこういうことしゃべるよな」という納得感がある。筆者が体験した回は咲季、麻央、清夏、広、莉波の5人だったが、麻央と清夏の距離感や広のはしゃぎかた、莉波や咲季がまとめ役として一歩引いて見る感じなど、全体的に雰囲気は筆者の解釈通り。もちろん人によって差異がある部分だとは思うが、多くのプロデューサーにとっては満足のいくものになっているはずだ。
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 ……ただ、あまりにもしっかりしすぎているため、逆に咲季を担当するプロデューサーは少々たいへんかもしれない。咲季は全パフォーマンスメンバーにいるため、もし本イベントに登場するすべての会話を聞きたいならば、3パターンのイベント全部に足を運ぶ必要がある。

 ただ、アイドルによって会話の内容が大きく異なるため、リピート参加でも問題なく楽しめるはず。会話内容が気になるなら、思い切って3パターンのイベントすべてに参加するのも案外おもしろいかもしれない。
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リピート参加をすることでチケットホルダーももらえる。謎は同じなので、ササっと解いてライブやアイドルとの会話に集中するのもいいだろう。
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このイベントに合わせたグッズも多数。缶バッジがとても綺麗だった。
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それとこのパスケースが超かわいかった。ほしい。
 担当アイドルと1対1で会話をしつつ、彼女たちを助けてライブを成功に導く。体験自体はとても『学マス』らしく、いちプロデューサーとして存分に楽しめるものだった。別途実施させていただいたインタビューによれば、ストーリー自体や大元の設定(初星学園の生徒会が作った脚本であることなど)はほぼ“正史”とのことなので、『学マス』に興味があればきっと楽しい体験になるはず。

 “人狼潜む文化祭からの脱出”は、新宿の東京ミステリーサーカスにて2026年2月27日~5月10日まで、リアル脱出ゲーム大阪南堀江店にて5月14日~6月21日、リアル脱出ゲーム名古屋店にて7月16日~9月6日までそれぞれ開催予定。“リアル”で感じられるアイドルとのひとときを、ぜひ一度体感してみてほしい。
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