『ROMEO IS A DEAD MAN』カツカレーを食べ、ゾンビを斬り、恋人を捜し出す! 血みどろアクションはシンプルながら好き勝手やり放題。濃厚な須田ゲー最新作をレビュー

『ROMEO IS A DEAD MAN』カツカレーを食べ、ゾンビを斬り、恋人を捜し出す! 血みどろアクションはシンプルながら好き勝手やり放題。濃厚な須田ゲー最新作をレビュー
 2026年2月11日にグラスホッパー・マニファクチュアより発売されたアクションゲーム『ROMEO IS A DEAD MAN』。対応ハードは、プレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、PC(Steam)。

 ここでは、本作のレビューをお届けする。
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濃厚な須田ゲー最新作!

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デデデーン デデデデーン ロミオ!
 めっちゃ笑った。ガ〇ダムやんけ! とまぁ、それは置いといて、最初にひとことで本作をまとめると“やりたい放題に見える、けど丁寧なアクションゲーム”といったタイトルだ。

 『ROMEO IS A DEAD MAN』は、須田剛一(SUDA51)氏率いるグラスホッパー・マニファクチュアの5年以上ぶりの完全新規タイトル。須田氏なのか、グラスホッパーのスタッフ陣の影響なのか。何の味かもはや分からないが、ユニークなアートスタイルや演出などが盛り込まれているのが特徴で、全部ひっくるめて“須田ゲー”と呼ばれたりすることも。
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タイトルメニュー。
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ゲームを始めるとワイヤーフレームの演出が。このあたりに“らしさ”を感じる。
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ちなみにオプション画面はVHS的というか、レトロなメニュー。
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序盤ジオラマのシーンがあるが、これは開発初期の名残。当初は巨大な街を自由に探索するゲームを目指していたという。
 『ROMEO IS A DEAD MAN』も"須田ゲー"要素をたっぷりと盛り込んだ1本。テイストは尖りまくっているものの、ゲーム部分は丁寧に作られているので、須田ゲーをまったく遊んだことがない人にもおすすめしやすい。“ウルトラ・バイオレント・サイエンス・フィクション”と銘打たれた本作だが、もっとかみ砕くと“宇宙を舞台にしたSFゾンビもの”といった感じ。
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 物語は主人公・ロミオの顔と腕が、怪物に食われてしまうところから始まる。そこに祖父のベンジャミンが時空を越えて現れ、ロミオを緊急改造。メカアームとマスクをかぶった半死半生の“デッドマン”として復活し、なぜかFBIの時空警察捜査官となって戦うことになる。
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主人公のロミオ
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天才博士・ベンジャミン
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よくわからんがFBIのスーパー戦隊、アベンジャーズみたいなものに加入する。
 このあたりの前日譚はゲーム進行とともに明かされていくのだが、保安官だったロミオは、事件で助けた女性・ジュリエットに惚れていて、ロミオはジュリエットを助けるため、再会するために宇宙を旅していくといった内容になっている。
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ジュリエット
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注射で何かが覚醒して、ロミオはデッドマンとして蘇る。
 だいぶざっくりとしたストーリー展開なので、何も知らないまま設定のすべてを飲み込むのは難しいと思う。しかしゲーム進行とともにロミオがどんな人物なのか、ジュリエットとはどんな存在なのかが語られるので、クソ真面目に悩む必要はない。アクションゲームとして、とにかく変身した姿のロミオを早く出したかったんだなと感じた。
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 なお、血がドバドバと出る作品ではあるが、ゴア表現は薄め。グロテスクなゲームではないので苦手な人もご安心を。ただ、一部ボスや演出はややグロく、首が飛んだりもするので苦手な人は苦手かも。少なくとも、アクション部分についてはかなりマイルドな印象だった。(※対象年齢はCERO:Z)。
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パトカーに搭載されたカメラで怪物に襲われる映像など、ゾンビ映画らしさが散りばめられたりしている。
 ちなみに、有名なシェイクスピアの悲劇『ロミオとジュリエット』とはまったく関係ない(笑)。まじで名前だけで、中身はまったく関連性がない。いないとは思うが、期待している人はご注意を。
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難易度選択はチョコレートを選ぶというユニークな仕様。“ほどよい甘さ”とあるので甘いのかなと思っていたら、そんなことはなかった。いわゆる“ノーマル”に相当する難度っぽい。

やりすぎストーリー演出

 ストーリーはカットシーンも多少あるものの、基本的にはコミックのようなムービーで進んでいく。また、宇宙船“ラストナイト号”内はドットグラフィックになっていて、少しレトロなRPGのような雰囲気。基本は宇宙船でブリーフィングをし、向かうべき時空へ訪れて、敵を倒していくといった内容になっている。
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ジュリエットは各時空でものすごい姿になっている。右の写真は巨大魔女ジュリエット。
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ゴリマッチョなコンバットジュリエット。
 目標はジュリエットを探すことなのだが、ジュリエットがいるかもしれない場所はいずれもロッター(本作の敵種)の巣窟となっており、それを殲滅しなければならない。どの舞台も“ゾンビ映画っぽい”作りになっていて、湿地や森林のほか、ショッピングモールや病院なども登場。シティホールが舞台になったのは、個人的にはニヤリ。なんでシティホールってゾンビの印象があるんだろう。
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当初はゾンビ映画が歩んできた歴史、その代表的な各時代へ飛ぶゲームだったそうで、その名残か舞台にそれぞれ年代が付いている。
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 ストーリー自体はいたってマジメだが、その演出や展開はグラスホッパーらしさに満ち溢れていて、驚いたり笑ったりできるポイントが盛りだくさん。ツッコミ切れないくらい盛り込まれているので、パロディなどに気づいた人ほど楽しめる作品だろう。
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武器が使えない、ホラーゲーム要素の強いステージもある。
 ロミオはパッと見、『チェンソーマン』っぽさを感じるが(武器はチェーンソー刀だし)全体的には特撮ヒーローの味があり、『仮面ライダー』っぽく描かれているような印象。物語が進むとマスクデザインが変わったりするのだが、なぜか“面割れ”版などもあるので、その印象のせいだろうか。でもBGMで"ワンダバダ"と流れたりするので『帰ってきたウルトラマン』要素か? と感じられたことも。筆者は世代じゃないのでわからん。
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重要なバトル前などに、ボタンを押して武器を構えるのはグラスホッパータイトルらしい仕様。装備している武器で演出が変わるのが細かい。
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セーブ&チェックポイント画面。超レトロなPCゲームを彷彿とさせる(ハ◯ソンの『野◯拳』かな)
 とくに宇宙船まわりの演出はものすごく、ロミオのバフアイテムとなるカツカレーを作るミニゲームは、なぜかアニメのアイキャッチ風(究極VS至高の)。医務室でワーストピンクに話しかけると、謎のギャルゲー風問診ミニゲームが楽しめたり、ロミオの強化要素がドットイート系のドライブゲーム(1980年代前半ごろのアーケード風)になっているなど、なんかもう紹介しきれないくらいにすごい。
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ワーストピンクの会話は、要は覚えゲー。“海外の人が真似た日本の画風”みたいな感じになっているのがイイ。
 時空を調べるときには、超レトロなテニスゲーム(『PONG』的な)をクリアーしないといけなかったり、アイテム屋の演出がもろに『シルバー事件』だったりと、この細かな演出こそ個人的には本作でいちばん楽しめた要素だった。『シルバー事件』演出は、声出ちゃったね。
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 ちなみに、ロミオの服装の雰囲気や、天才科学者の爺ちゃんがいる、時空を超えて旅するといったところで『バック・トゥ・ザ・フューチャー』要素もあった。バイクで時空超えるとき、炎のラインを描きながら飛んだりするし。噂ではロミオのジャケットはマイケル・ジャクソンが『スリラー』のPVで着ていたものから着想を受けているとのこと。

 怪物に殺されたのだが、自身の発明でロミオの背中に貼り付いた爺ちゃん・ベンジャミン。破天荒だがサポート役として活躍し、ステージ中で話しかけてくれることもあってか、ゲームは全体的に明るい。事件を解決すると祝勝会みたいなものを開いたりするのだが、しれっと生身の爺ちゃんが登場したりするのも笑ったポイント。別の時空から祝勝しに来ているらしい。納得。
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ベンジャミンはもはや2次元の存在といった感じで、背中でアニメのように動き回る。根性根性ド根性。
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ふつうに生身でも登場。何人もいるらしい。ま、いいや!
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 須田ゲーと言えばプロレス要素が強かったりするが、須田氏いわく本作はあえて排除しているそうだ。とはいえ漏れ出ているのでは、と思う部分やシーンもある。“エメラルド・フロウジョン”って、ねぇ? 時空の扉が“ドラゴンゲート”なのは何? みたいな(笑)。極楽テレビのチャンネルや、ボスのフィニッシュムービーでも漏れ出てるし(笑)。
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シンプルなバトルアクション!

 ユニークなアートや演出が盛り込まれているが、メインとなるバトルアクションはシンプル。近接武器と遠距離武器を使い分けながら戦うアクションで、ロッターたちをなぎ倒しながらゲームを進めていく。ガードはなく、ディフェンスは回避のみに絞られているのもわかりやすい。
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 必殺攻撃の“ブラッディーサマー”は特徴的なシステムで、ロミオが敵の返り血を浴びるとゲージが溜まっていき、ゲージが最大になると発動可能。敵に大ダメージを与えながら、ロミオの体力を回復できる。これがズバっと決まると気持ちがよく、ボス戦を突破する糸口にもなっている。
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ブラッディーサマーの性能は武器によって少しだけ異なるが、基本は周囲一刀両断といった感じ。
 近接武器、遠距離武器それぞれ4種、計8種の武器を使い分けながら戦うゲームになっているのもポイント。武器は戦闘などで得たポイントで解放できるので、序盤からすべての武器を使用できる贅沢な仕様。いきなり解放できるので各武器の使いどころを見つけるのは難しいと思うが、いろいろ試して自分好みの一振りを探してみよう。
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 近接武器はバランス型の刀、一撃の重みが特徴の大剣、手数に優れた拳、性能を使い分けられる攻撃範囲の広いツインランスの4種。ツインランスは通常攻撃時に2本に分かれて攻撃する二刀武器であり、強攻撃時に合体して1本の槍になるという仕組み。近接武器については、そこまで性能差があるわけではないので、好きな武器で戦うといいだろう。
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 遠距離武器はバランス型のハンドガン、近距離特化のショットガン、連射力に長けたミニガン、1発の威力に長けたロケットランチャーの4種。とくにロケットランチャーは「これ序盤から使えていいの!?」と思えるくらいに強いが、いずれも一長一短の性能となっているので、遠距離武器は敵によって使い分ける必要がある。
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敵には弱点ポイントがあり、遠距離武器ならばそこを狙い撃ちできる(近接武器でも当たったら弱点ヒットにはなる)。
 武器変更はコマンドがちょっと難しく、さらに変更時には大きな隙があったりとクセがあって使いにくいが、次第に慣れていくだろう。なお、“ブラッディーサマー”ゲージを溜めるには返り血が必要なので、遠距離武器で遠くから攻撃しているだけでは溜められない(敵の近くで撃てば溜まる)。
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アイテムボックスには、消費アイテムなどが入っている。
 難度的には適度な手ごたえを感じた。油断していると一気に体力がゼロになってしまうだろう。ロッターに囲まれたらあっという間にロミオは死んでしまうが、ディフェンスアクションは回避しかない。そのため、囲まれる前に敵を倒すことこそがディフェンスといったゲーム性になっている。
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 ただ“半死半生のデッドマン”なのでロミオが死ぬことはなく、体力がゼロになるとチェックポイントから復活する。さらに、謎のルーレットでバフが貰えたり、その場で復活することも可能だ。「シヌワケネーダロー!」というサウンドとともに復活するのが、なんかイイ。
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死ぬと謎のルーレットでボーナスが貰えたりする。
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状態異常時には、自分でコマンド入力して解除するなど、ロミオのメカっぽさが出たりも。
 ロッターを育成するゾンビ栽培要素もおもしろポイント。ロミオの成長要素として、ポイントとアイテムを使った育成、ボスを倒すと装備枠が増えるなどの成長要素が用意されているが、アクション自体はそこまで劇的に発展しない。それを補えるのが、ゾンビ栽培要素。
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 ロッターを倒すとロッターの種がドロップすることがあり、それを宇宙船の畑に植えると味方ロッター“バスターズ”になる。バスターズは装備型の召喚スキルで、そのバスターズごとにさまざまな攻撃・効果をもたらしてくれる。
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名前はスロットで決まる。意味はないが、たまにクスっとできたり。
 バスターズは合成(正しくはバスターズどうしを食わせる)すると強化できる点や、ロミオに新たな攻撃アクションを追加するような仕組みもあって、攻略の重要なポイントになっている。敵の狙いがバスターズに向かうので、ボス攻略でも役立つ。
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 とはいえ、すべてのアクションを使わないと攻略できないような仕様ではなく、プレイヤーの好きな立ち回りで戦えるようになっている。バスターズも放置したって問題なし。
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たとえば自爆するバスターズをくり出すと、ドカーンとボスをダウンさせてくれる。めっちゃ便利。

豊富な育成要素

 アクションの立ち回りも重要ではあるが、どちらかというとロミオの育成要素のほうが重視されている印象。各種育成を進めるとグッと攻略しやすくなるゲームになっている。
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『山のぼりゲーム』や『ジャンケンマン』みたいなエレメカか? これはステージ移動の際のシューティング風ミニゲームで集めたスペースデブリを別のものに変換できるマシン。
 経験値的なポイント“エメラルド・フロウジョン”は敵を倒したり、探索で入手可能。消費してミニゲーム風のユニークなステータス強化“デッドギア・キャノンボール”を進めると、ロミオのパラメータをアップできる。
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 また、探索などで手に入る“バッヂ”は装備アイテムで、何かしらのデメリットはあったりするが、ロミオの個性を伸ばせる。武器は“セントレイ”という素材を消費して、攻撃力やブラッディーサマーの威力などを上げられる。
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ピンズは、メインステージの達成で次第に解放されていく、ロミオのシステム拡張といった感じ。
 いずれもメインステージを進めるだけで手に入るが、しっかり育成してこの世界をより堪能したいのであれば、サブステージ“パレス・アテネ”という次元がおすすめ。ステージ構成はランダムのようだが、奥に進むとバッヂやセントレイなどが手に入る。
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パレス・アテネの中身はほどよく終われるダンジョン。
 ちなみに、メインステージは敵を倒すだけでなく、“亜空間”というパズル的な要素が存在。戦闘は起きないが、ちょっとした謎解きが散りばめられている。ゲームが進むたびに複雑になるので、道に迷いやすい要素ではあるが、道案内ナビ要素もある(出現する条件はよくわからないが)。
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謎解きパズルが“悟りを開く”という意味不明さもイイ。「ロミオ、理解したんだな!」と危なげなセリフを言われて笑ってしまった。

見た目は尖ってるけど、中身は丁寧!

 アクションゲーム部分に目新しい要素はないが、通常の敵(いわゆる雑魚)との戦闘もボス戦もそこそこ骨太な難度になっており、そこにブラッディーサマーの爽快感が加わって、純粋におもしろい。操作感の部分で磨かれていない部分もあると感じながらも、リニアに進むオーソドックスなアクションゲームとして楽しめた。
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チュートリアルは充実していて、読み進めると理解できるシステムもあるだろう。
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 あまりにも血の量が多いので最初は「邪魔やろ!」と思っていたのだが、そんなに細かいアクションがあるわけではないので、次第に気持ちよさにつながっていった。
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 それを支えているのが、多彩すぎ&強烈すぎる、アクション以外での演出の数々。もう好き放題やりすぎて毎回笑っていたし、何の説明もなく『ノーモア☆ヒーローズ3』などに登場したキャラクター“ミドリカワミドリ”に酷似した人物が出演しているなど、須田ゲーファンだからこそ楽しめる要素もある。
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細かな設定が書かれたアーカイブを読むと、世界観への理解が深まるかもしれないし、逆に「つまりどういうこと!?」ってなるかもしれない。
 尖ったゲームに見えるかもしれないが、サブコンテンツ部分でふざけている(いい意味でね?)のであって、じつのところは丁寧に作られたアクションゲームになっている。竜のクエストだの、極まった龍だの、地獄に行く死にゲーだの、大作に囲まれた発売日ではあるが、間違いなく本作でしか得られない成分はあるので、気になる人はぜひ遊んでみてほしい。
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ストーリーは毎回そうなっているわけではないが、一段落するたびにエンディング的なスタッフロールが入る。すごい関連会社の多さ。ス、スタジオカラー!? みたいな驚きもまた楽しさ。
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