2026年1月24日、25日に、日本武道館での単独公演“OathONE”を控える、765プロダクション所属のアイドル・如月千早。彼女は、バンダイナムコエンターテインメントが手掛ける『アイドルマスター』(以下、『アイマス』)シリーズで活躍するアイドルのひとりで、歌を愛し、つねに高みを目指してストイックに音楽に向き合う姿勢と、卓越した歌声は多くのファンを魅了している。
そんな千早の単独公演を記念して、千早を演じる声優の今井麻美さんのインタビューをお届け。単独公演に懸ける思いはもちろん、千早との関係性、彼女の存在の大きさなどについてもうかがった。
※今井麻美さんと森由里子さんの対談記事も要チェック。今井麻美さん(いまいあさみ)
5月16日生まれ。山口県出身。声優としてはもちろん、歌手やVTuber・詩趣ミンゴスなど、多岐にわたって活躍。出演作は『シュタインズ・ゲート』(牧瀬紅莉栖役)、『グランブルーファンタジー』(ヴィーラ・リーリエ役)、『超次元ゲイム ネプテューヌ』シリーズ(ノワール)など多数。文中は今井。
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夢だと思って信じられなかった武道館での千早単独公演
――日本武道館単独公演を開催すると聞いたときはいかがでしたか?
今井
2025年1月の終わりに、マネージャーから「如月千早武道館単独公演について、バンダイナムコさんから説明させてほしいと連絡があったので、空いている日を教えてください」というメールが来たんですよ。そのときはちょっと意味がわからなくて、「何を言ってるんだろう?」という気持ちが強かったです(笑)。私の勘違いかもしれないから、とにかくぬか喜びをしないように、冷静さを保ちながら空いている日をマネージャーに連絡しました。
ただ、なかなかスケジュールが合わなくて、具体的な説明を聞くことができたのは、2月に入ってからでしたね。遊びに行くと伝えていた961プロダクションライブ“Re:FLAME”追加公演の楽屋で、「武道館で千早が歌うことになりました。ぜひご協力をお願いします」と言われて。それでも、私は夢なんじゃないかと思っていたんです。「千早が武道館で歌ってどういうこと? ゲームの中で歌うのかな」という気持ちもあって。このときもぬか喜びはしないように、冷静さを保ちながら説明を聞いていたのが印象に残っています。いまにして思うと、スタッフの皆さんも冷静さを保とうとしていたような気がします。全員、あまり浮かれないように、みたいな感じで進めて準備を進めていました。
――『アイマス』シリーズでは、これまでに現実世界と仮想世界のアイドル(キャラクター)を融合させたxRライブを実施してきましたが、会場が武道館ともなると、これまでと規模感が違って現実味を感じられなかったのもわかります。
今井
それに今回は如月千早の単独公演というのもありました。過去に行われた同様のライブでは、ふたり以上のアイドルがステージに立っていたので、千早ひとりで大丈夫かなという思いもあって……。千早のソロ曲はたくさんあるものの、xRライブの見せ場のひとつであるダンスが目立つ楽曲は少ないので、「ソロだけど大丈夫?」って。
――心境としては、ワクワクよりもドキドキが大きかった感じですか?
今井
正直、ずっとドキドキしていました。2025年の年末までは。このタイミングで、私が関われることはすべて終わったので、そこからはワクワクが強くなりました。
――開催が直前に迫ったタイミングですが、いまの心境はいかがですか?
今井
くり返しになりますが、私ができることはすべて終わりました。あとは1月24日と25日の2日間、プロデューサーのみんなといっしょに千早のライブを楽しみたいなとワクワクしています。その一方で、スタッフの方たちがライブを成功させるためにがんばっている姿を近くで見ているので、スタッフの皆さんが健康で何事もなく、2日間を乗り切っていただけたらいいなという気持ちもあります。
――以前、今井さんにインタビューした際、先にxRライブに参加したほかのキャストさんのことを羨ましいとお話されていましたよね。千早の単独公演でいよいよ自分の番となるわけですが、感動もひとしおなのでは?
今井
そうですね。xRライブを経験したメンバーからは、レコーディングや掛け合いのセリフの収録があったと聞いていて、興奮して話す姿が印象に残っていました。興奮する気持ちはよくわかるんです。ここ数年は、セリフの収録があっても掛け合いでしゃべることは少なくて、ひとりでキャラクターやスタッフの方たちと向き合うことが多かった中で、共演したメンバーといつも以上に熱をこめながら演じるのは楽しいだろうなって想像できるので。
それが羨ましいと思いましたし、20年以上携わってきて、経験できることはひと通りできたと思っていた『アイマス』で、まだ経験したことのない未知の世界があることに喜びも感じました。わけがわからないまま、初めてライブに参加したときの感覚にも似ていて。ただ、ついに自分が経験できる一方で、ほかのメンバーと喜びを分かち合えないのは、ちょっぴり残念だなっていう気持ちもあります。
――今回は千早の単独公演ですからね。
今井
でも、ほかのメンバーと共演できない分、千早と1対1で向き合うことができましたし、(ふだん関わることの少ない)ライブを作っているスタッフさんとの交流も楽しめました。初めての経験をいっぱいさせていただきましたし、今後、xRライブでほかのメンバーと共演する楽しみがあると考えれば、これからもワクワクする経験ができてラッキーだなと思っています。
――少し気は早いですが、7月に開催されるアイドル越境ライブ“IDOL WORLD SUPER FESTIVAL 2026”では、千早とほかのアイドルとの共演が楽しめそうですよね。
今井
そうですね。ライブに参加するメンバーの中には、まだあまりお話したことがない子もいて、「千早ちゃんといっしょに歌える曲があったらうれしいです」と声をかけてくれたこともありました。どのようなライブになるかはまだわかりませんが、すごくワクワクしています。xRライブのように、自分たちが生み出したものをお客さんとして見られる機会は少ないので、もっと機会が増えて、『アイマス』シリーズに関わっている仲間の多くが経験できると、よりおもしろくなっていくんだろなと期待しています。
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20年以上もともに歩んできた如月千早の存在
――如月千早として歌を歌うときに意識していることはありますか?
今井
昔といまとでは考えかたが変化しました。いまとくに意識しているのは、しゃべり声と歌声が同じ人であるということを、誰しもが聞いてわかるような歌に仕上げるということです。しゃべっている声と歌声が違う方もいらっしゃいますし、それがダメというつもりはまったくないですし、正直なところ何が正解なのかはわかりません。
それでも私は、キャラクターを演じさせていただいている人間として、今井麻美ではなく如月千早であることを意識するために、セリフを少しだけ話してからレコーディングに臨んでいます。作り出した千早の声と歌声がマッチするように、いつもチューニングはしていますね。
――なるほど。
今井
あと、20年の経験でスキルが増えたことで、以前、スキルがないせいで千早に歌わせてあげられなかった表現などもできるようになりました。スキルの中には、今井麻美の色が強くなってしまうので、千早の歌では使わないほうがいいものもありますが、自分の中で自然と歌い分けができていると思いますし、悩んだときも千早の歌として聴こえるかどうか、注意できるようになったと感じています。
――千早は作品によって性格やほかのアイドルとの関係性などが変化しますが、歌うときにはそのあたりも意識されるのでしょうか?
今井
新規のレコーディングは、『アイドルマスター ミリオンライブ!』関連のことが多いので、それに準拠した歌いかたを意識することが多いです。ただ、今回の単独公演のレコーディングでは、いろいろな引き出しを見せることができたなと思います。
――今回の公演は、レコーディングし直した楽曲もあるとうかがっています。たとえば『蒼い鳥』について、いまの千早と当時の千早では、歌詞の捉えかたや歌うときの心境なども変わってくると思います。そういった変化について、今回の収録ではどのような意識で臨まれたのでしょうか?
今井
今回の公演にあたって新たに収録した楽曲は、それぞれテーマをしっかりと考えました。スタッフさんと何度も話し合い、この曲を歌う千早の気持ちなどを全員が認識したうえで収録しています。曲によっては、孤独感が少し増しているなど、いろいろなアプローチを考えているので、ぜひそういったところまで聴いてほしいですね。どちらか1日だけ参加するというプロデューサーもいると思いますが、参加できない日は配信チケットの購入も検討していただけると。スタッフの皆さんと命を懸けて作り上げたライブなので、隅から隅まで堪能してほしいです。
――楽しみにしています! 今回の公演にあたって楽曲なども聴き直されたりもしたかと思います。そんな中で如月千早のソロ曲で、とくに好きだと感じた曲はありましたか?
今井
う~ん、答えられないですね……。単独公演に向けて多くの楽曲を収録し直したのですが、時間が限られていたこともあって、どの曲が好きかを考えている余裕はありませんでした。そんな中でも印象に残ったものを挙げるなら、曲名は言えませんが、収録が終わって確認しているときに、子どもみたいに号泣してしまった曲があって……。いろいろと自分の中から感情が溢れてきて、思わず泣いてしまったのですが、その楽曲は音源をもらって家で何度も聴いています。
――それほど印象的だったんですね。
今井
あと、これも曲名は言えないのですが、こんな風にやってみたいと提案したアイデアを採用していただけた曲があって、それもとくに印象に残っています。この楽曲も音源をもらって家で何度も聴いてはニヤニヤしていますね。この曲に関しては、千早と20年以上いっしょに歩いてきて、未知の世界があることや、経験したことのない感情に触れる喜びを教えてくれたのが印象的でした。
――「この曲のことかな?」と想像しながら、ライブを楽しんでもらいたいですね。そして、いつか答えも聞かせてください。続いて、これまでの如月千早のソロ曲の収録などで、とくに印象に残っているエピソードなどはありますか?
今井
『蒼い鳥』ですね。いまでこそ『蒼い鳥』は千早のソロ曲として知られていますが、ゲームでは千早の持ち歌ではあるものの765プロのアイドル全員が歌っていましたし、CDで最初に収録された“M@STER VERSION”は、あずさ、千早、(菊地)真の3人で歌ったものでした。
だから、千早のソロの“M@STER VERSION”が最初に収録されたのは、智秋ちゃん(三浦あずさ役のたかはし智秋さん)とやっていたラジオのCD(『THE IDOLM@STER RADIO 〜歌姫楽園〜』)なんですよ。
千早のソロの『蒼い鳥』がCDに収録されていなかったので、当時のレコード会社の担当者と『アイマス』のスタッフの方を説得して実現しました。なので、もともと印象に残っていましたが、最近そのとき収録した『蒼い鳥』を聴き直す機会があり、真っ先に思い浮かびました。自分から収録したいとお願いしたにも関わらず、いざひとりで『蒼い鳥』を歌うことになると、緊張してうまく歌えるかなと不安になったのもいまではいい思い出です。
――『蒼い鳥』は『アイマス』シリーズの中でも難しい楽曲なので、当時はいまよりも歌うのがたいへんだったと思います。
今井
そうでしたね。“GAME VERSION”と“M@STER VERSION”では、イメージやテンポがガラッと変わるのも難しくて、当時はどう歌えばいいのか正解なのかわかりませんでした。数撃ちゃ当たるではありませんが、とにかく時間をかけてレコーディングを行ったのを覚えています。たしか7時間くらい歌っていたのかな。自分の喉が強いことに、これほど感謝したことはなかったです。
――武道館単独公演のための新曲『輝夜』を初めて聴いたときの印象をうかがえますか?
今井
スタッフさんから「アコースティックな楽曲を作りたい」と事前にうかがっていたので、歌唱にスポットが当たった曲になるんだろうなとある程度は覚悟していましたが、想像以上だったので、心の中で「おい!」とツッコミを入れました(笑)。
スタッフの方たちもわかっていて、「いい曲になるかどうかは今井さん次第です」とニヤニヤしながらプレッシャーをかけてくるんですよね。私ならできると信じてくれているスタッフさんの気持ちがうれしくもあり、挑戦状を叩きつけられたような感覚もあったので、千早といっしょに乗り越えて、皆さんの心に響く歌になるようにしようと思って収録に臨みました。
――『輝夜』の収録はたいへんでしたか?
今井
それがただただ楽しくて。『輝夜』は私の得意なジャンルの楽曲ではあったので、私から千早に歌いかたを教えてあげやすかったと思います。歌詞のひとつひとつまで、千早で歌う意味や、どんな気持ちを込めて歌えばいいかを考えることに集中しやすくて、創作の楽しみも味わいながら歌うことができました。
――『輝夜』の聴きどころや、注目ポイントを教えてください。
今井
2番に私がとくに好きな歌詞と展開があるので、そこに注目してほしいですね。お気に入りのところになると、涙が止まらなくなるんです。詩の内容が千早に合っていると思いますし、彼女がふだん考えていることを詩的に表現すると、2番の歌詞のようになるんだろうなとイメージできて、涙が出てしまいます。それくらいお気に入りなので、ぜひ武道館で『輝夜』を聴いてほしいですね。
――『輝夜』にも期待しています! 今後、今井さんが千早としてやってみたいことはありますか?
今井
xRライブには、声優として経験したことがないことや、新たな表現方法といったお宝がまだまだ眠っていると可能性を感じています。今後、さらに技術革新が起これば、新しいライブも実現できると思うので、私も参加できるように感覚を研ぎ澄ましていきたいですね。千早には、これからもライブの最前線で活躍してほしいですから。
――改めてにはなりますが、この機会に今井さんにとって如月千早はどのような存在なのかもお聞きしたいです。
今井
20年以上、千早に向き合い、いっしょに歩いてくる中で、彼女の存在は変化してきました。出会った当時は、不思議な存在だったんですよね。『アイマス』のアイドルは、キャラクターの設定に声優のエッセンスも取り入れているので、自分とはまったく違う人間なのに、私のエッセンスを持った不思議な存在として、自分の中で少しずつ大きくなっていくのを感じていました。
それがあるときに、私よりも千早がとてつもなく大きな存在になり、ひとりで羽ばたいていったと感じて、自分は千早を支える側に回ることができたと安堵したんです。これからは千早に声を吹きこむ声優として、できることをがんばればいいと思って。
でも、今回の武道館公演に向けて、千早と改めて向き合ったときに、昔だったら他人に絶対見せなかった弱さみたいなものを、ふとした瞬間に千早が吐露しているような感覚を受けることがあって……。千早が経験してきたいろいろな思い出の中に、たくさんのプロデューサーの方たちがいて、その中に私もいるんだということを感じました。
私は一生、千早のファンであり、仲間であり、プロデュースする立場でもある。これらの思いが強くなり、千早はゲームのキャラクターではなく、実在する人間だと思うようになりました。そんな千早やスタッフの方たちと作り上げた公演を楽しんでいただけるとうれしいです。
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1月22日発売の週刊ファミ通では如月千早を大特集
2026年1月22日(木)発売の週刊ファミ通2026年2月5日号(No.1932)では、如月千早を18ページにわたって大特集。特集では、公演の準備に密着した取材の様子や、彼女の楽曲に数多くの歌詞を提供している作詞家の森由里子さんへのインタビューなどを掲載しています。
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