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『BrokenLore: UNFOLLOW』許しかフォロワー数か……SNSの闇を突き付けられる。恐怖に慣れさせないのが魅力のサバイバルホラーをレビュー

『BrokenLore: UNFOLLOW』許しかフォロワー数か……SNSの闇を突き付けられる。恐怖に慣れさせないのが魅力のサバイバルホラーをレビュー
 Serafini Productionsより、サバイバルホラー『BrokenLore: UNFOLLOW』(ブロークンロア:アンフォロー)がプレイステーション5(PS5)、Xbox Series X|S、Steam向けに2026年1月16日に発売された。

 本作は、多彩なホラー表現や独特な世界観で展開される『
BrokenLore』シリーズの最新作。今回はSNSの暗い影に焦点を当てたタイトルとなっており、YouTubeやTikTokなどで活躍する有名インフルエンサーのAkidearest氏やKnite氏などが出演している。

 シリーズ作をプレイしているとニヤリと笑える場面はあるものの、ストーリー自体は独立しているのでシリーズ初見でも問題なく楽しめるだろう。
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シリーズプレイヤーなら見覚えのあるピザが……。
 実際にプレイしてみると先に進むのをためらうホラー演出の数々、チャプターごとにテイストが変わりマンネリ化しない作りがユニークで、遊び応えのある作品に仕上がっていた。本記事では、1回エンディングに到達するまでプレイした時点でのレビューをお届けしていこう。

暗い過去と向き合い、脱出を目指す物語

 本作でプレイヤーが操作するのは、アンという女性。冒頭にムービーなどがなくいきなり操作可能になるため最初は驚いたが、すぐにキャラクターの置かれた状況や境遇などは把握できるようになった。

 舞台は静寂に包まれた家の中。人の気配はなく、目的もわからないまま家の中を探索することになる。

 この家は3階建てで特段変わった点はないのだが、なんとも不気味な雰囲気だ。物音が聞こえたり、怪しい影が見えるわけでもないのに、なぜだか恐ろしい。この辺りはホラーゲームを開発し続けているSerafini Productionsならではの雰囲気作りなのだろう。
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 家を探索していくと、アンが以前に書いたであろう日記であったり、メールのやり取りなどを見つけることができる。自身のコンプレックスやルッキズムに苦しんだ過去、学校やSNS、友人との関係。アーカイブやセリフを通じて語られるアンの過去は、理不尽なものから自身が招いた不幸までさまざまだ。
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 そして、先に進むと過去のトラウマが具現化したような恐ろしい追跡者も登場。探索、謎解き、そして逃亡をしながら物語は進行していく。

 追跡者は見た目のインパクトだけでなく、ステージの雰囲気も相まって登場すると背筋が凍り緊張感が走る。通路の角で突然鉢合わせたときは心臓が止まりかけた。
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 追跡者や過去のトラウマと対峙をしながら、家からの脱出を目指すというのがストーリーの目標だ。先へ進むにつれ、少しずつアンの過去や性格、周囲との関係性などが明らかになっていく。

 かわいそうな過去はありつつも、すべての出来事において純粋な被害者とも言いにくい。そんな現実的な人間らしさがあるアンがどのような結末を迎えるのかを気にしつつ、先に進めることになる。
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家の中だけでなく、学校や病院などさまざまなステージが登場。

安全圏が存在しないホラー演出が魅力の探索パート

 プレイ中は先に進むためのキーアイテムを見つけたり、鍵のパスワードを探したりするなど謎を解きながらステージを探索することになる。

 家の中には懐中電灯なども置かれており、早い段階で暗い場所を照らせるようになるのがありがたい。もっとも、肝心な場面で役に立たなかったりもするが……。
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序盤の目標は絵画の欠けた部分を探すこと。
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行きたくないけど地下室にも足を運ぶことになる。
 そして、探索の最中には追跡者が現れてプレイヤーに襲いかかってくることがある。一部ステージを除きプレイヤーに迎撃手段はなく、逃げるか隠れるかの2択を迫られることに。

 物陰に隠れながら追跡者が通り過ぎるのを待ち、気づかれないように先へ進めるのが基本的なサイクル。ちなみに捕まっても1回でゲームオーバーにはならず、数回は逃げるチャンスが与えられるのでゲーム自体の難度はさほど高くない。なお、筆者は難度は気にならなかったが、怖さのほうでメンタルが折れかけた。
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 なお、一部のチャプターでは攻撃手段も手に入るものの、弱い敵を撃破できるだけで追跡者に対しては足止めにしかならない。攻撃手段を手に入れても安心にはつながらず、恐怖は持続する。
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敵を倒すライトで追跡者を照らしても、少し足が遅くなる効果しかない。
 探索や追跡者とのチェイスなど、王道の要素が多い本作でとくに魅力的だと感じたのは、自然な流れでのエリアの変化だ。

 薄暗い家を探索している最中、突然ドアが開かなくなったり、さっきまであったはずの道が消えたりすることがある。派手な効果音や演出もなく、突然ドアや道が消えるので心臓に悪い。
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定期的に最悪なリフォームが施される家。
 このエリア変化の何が恐ろしいかと言えば、頭に描いた地図が意味をなさず、自分の立ち位置が不明瞭になることだ。筆者はホラーは好きだが怖いのが苦手なタイプなので、できれば壁に背をつけていたいし、ドアはしっかり閉めて安全は確保しておきたい。

 ところが本作は「追跡者がきたらこっちに逃げよう」、「キーアイテムを取ったからあそこに戻ろう」と思っても、頭に描いた安全ルートが潰されている。

 追跡者から逃げきったと思ったら、さっきまで安全だった場所が消失しているので「ここは絶対に安全」と思える場所がほぼないのだ。直接的なホラー演出よりもよほど恐ろしい。
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安心安全を潰すのに余念がない。
 ホラーゲームでもセーブポイントや商人がいる場所は安全なことが多いが、本作に限ってはそういうお約束が通用しない。

 探索をするなかでくり返し家の中などを歩き回っても、場所に慣れることがないので適度な緊張感がずっと続いていく。恐怖への慣れを起こさせない、ホラーゲームとして非常に魅力的な演出だ。

承認欲求、無責任な悪意がゲームプレイを彩る

 SNSの闇をゲームシステムに組み込んだ表現も本作の見どころだ。

 主人公のアンがインフルエンサーに憧れていた背景もあってか、プレイ中画面左下にはフォロワー数が表示される。このフォロワー数は、プレイヤーの行動次第で増減するのが特徴で、謎解きの場面で何度も間違えたり、時間をかけるとフォロワー数が減ってしまう。
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 フォロワー数が減っても不利になる要素はないのだが、「おもしろくない」、「早く謎を解け」と言われている気分になって微妙に焦る。命がけで脱出を目指しているはずが、ゲーム配信を見られているような気分にもなる、奇妙な感覚だ。

 謎を解いてフォロー数が増えると何となくうれしいのも、疑似的に承認欲求を刺激されているのかもしれない。
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 このフォロワー数は通常時は大した増減はないのだが、物語における重要な局面では爆増することがあり闇が垣間見える。ストーリーの途中ではアンと関わりのあった人物に対して復讐をするか、許すかを選べるのだが、過激な復讐をするとフォロワー数が爆増、逆に許す場合は激減してしまう。

 スッキリしない許しよりも過激な復讐でフォロー数が爆増するのは、人の悪性が垣間見えて絶妙に嫌な気分が襲ってきた。
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 とあるチャプターでは、アンの動向を見守るように画面左下にコメントが現れる場面もある。他人事だと思って無責任なコメントをする人や、応援する人もいたりと、疑似的に配信者の追体験をするような演出だ。
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 セリフなどで事細かに語ってSNSの嫌な部分を突き付けるのではなく、プレイを通じてダイレクトに悪意を体験させてくるのは見事だ。説教臭さがないままに、人の醜悪を見せつけてくれる。昨今のSNSとリンクしている部分もあり、このシステムはより印象に残った。
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 本作はマルチエンディングとなっており、プレイヤーの選択次第で物語の結末が分岐していく。復讐か、許しか……自分にとって何を優先するのが正しいのかを考えながら、エンディングを目指してみてほしい。

 ちなみに一度クリアーするとチャプター選択もできるようになるため、全エンディングを回収する周回プレイもやりやすい。
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 1周クリアーするまでにかかった時間はおおよそ4時間程度で、やろうと思えば通しでプレイしてすっきりと終われるボリュームになっている。多彩なホラー演出で飽きや慣れがないままプレイできるので、ホラーゲーム好きにはおすすめしたい一作だ。

『BrokenLore: UNFOLLOW』製品情報

  • 発売日:2026年1月16日
  • 対応プラットフォーム:プレイステーション5、Xbox Series X|S、Steam
  • 発売元:Serafini Productions、松竹ゲームズ
  • 開発元:Serafini Productions
  • 価格:プレイステーション5版とSteam版は3080円[税込]、Xbox Series X|S版は2350円[税込]、プレイステーション5版『DELUXE Edition』は3850円[税込]、Steam版『Complete Pack』は3294円[税込]
  • 対象年齢:IARC 12歳以上対象
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