『インフェルノカフェ』自分を喰わせて人外メイドを育てるダークラブコメ。「なぜ食べられるのか?」の答えは、ヒロインと直接交流できるから【デジゲー博2025】

byトニオ國崎

『インフェルノカフェ』自分を喰わせて人外メイドを育てるダークラブコメ。「なぜ食べられるのか?」の答えは、ヒロインと直接交流できるから【デジゲー博2025】
 主人公(プレイヤー)は"生きるケーキ"。自分自身を喰わせて人外メイドたちを育てる『Inferno Cafe』(インフェルノカフェ)。2025年11月9日に開催された同人・インディーゲーム展示即売会“デジゲー博2025”にて、PV出展が行われていた。

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ヒロインに喰われるとはこれまたぶっ飛んだコンセプトな……。作品が発表された当時はそう思った。でも、どうして食べられるのか。そもそもなんでプレイヤーがケーキなのか。せっかく制作者がイベントに来ているのなら訊いてみよう。

 先に言っておくと、その理由は「描いたビジュアルをゲームとして落とし込むためにそうなった」という。なかなかロックな案ですねと思ったが、詳しい話を聞くと一本通った筋になるほどと感心せざるを得なかった。

ブラックジョークとコミカルさの両立

 そもそも自分が喰われるシチュはどういうことなのか。現時点での本作の内容を説明すると、"生きるケーキ"として魔界に転生した主人公は、“自分を食べさせた相手を成長させる力”を授かり、ひょんなことから魔界のメイドカフェで雇われることに。1日に一度、メイドに喰われて成長させていこう……という流れだ。ヒロインたちは6人。悪魔、狼人間、スライムなどいろいろな種族がおり、しかも問題児ばかり。

 ジャンルは育成ローグライト×ダークラブコメ。ちなみに主人公は新しく焼けば生き返るので何度喰われても大丈夫。ケーキなので。
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 少人数のチームで現在開発中であり、「最初にこのビジュアルが出来上がったんですよね」と語るのは、制作チームのひとりであるイラストレーターの
ピーディー氏

 そもそもの始まりはこのキービジュアルから。描いたときにはケーキとヒロインは誕生しており、後からどういうゲームにするか考えていたとのこと。企画自体は数年前から考えていて、完成に向けて本格的に動き出したのは2025年春からだそうだ。
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 ダークでコミカルな作風を表現するため、ブラックジョーク的なアイデアを作品に入れたい。はじめは“プレイヤーがケーキを動物のように育てて出荷する”という案を検討していたそうだ。だが、「それはかわいそうなのでは……」とやさしさが勝ってしまった。コミカルさが両立しにくい。

 そして何より、主人公(プレイヤー)がケーキを育てて出荷するだけでは、物語がプレイヤーとケーキ中心になってしまい、肝心のヒロイン(メイド)たちと直接関わることがあまりない。

 ヒロインたちも関わらせたい。でも、余計な仕組みを入れるとゲームとしてややこしくなりそう。

 それならば、

 「ケーキは食べられるもの……じゃあこいつ(ケーキ)を主人公にしてしまおう」

 「このビジュアルをもとにゲームにするなら、自分が食べられる仕組みがちょうどいい」

 という、アイデアの引き算からいまの案に決定した。

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 「私は食べられてみたいんです」というトンデモ話が飛び出すことも想定していたが、こうして理由を改めて訊いていくと「ああ、なるほど」と腑に落ちるものがあった。シチュエーションだけ拾うとちょっとグロいけど、ポップな絵柄であればかわいくなるだろう。まずはビジュアル優先、好きなものを推してゲーム化するにはどうすればいいか? 目的がハッキリと決まっている開発経緯だった。

 本作の開発進行度は40%ほど。まずはPC(Steam)向けに発売予定で、配信時期はまだわからない。2026年になにかやりたいという話もしていたので、今後の動きが気になるところだ。

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