『チェイサーゲーム』は社内にマンガ家や写植作業を担当を用意しゲーム会社がイチから全力で制作。実際の資料を交えて制作過程を公開

『チェイサーゲーム』は社内にマンガ家や写植作業を担当を用意しゲーム会社がイチから全力で制作。実際の資料を交えて制作過程を公開
 本日は、マンガ家・松島幸太朗先生が『チェイサーゲーム』の単行本作業のため、特別企画をお送りします。

 隔週月曜日にファミ通.comで連載中の『チェイサーゲーム』は、ゲーム開発会社サイバーコネクトツ―によって制作されています。なんと社内にマンガ家や写植作業を担当するスタッフがいて、外部のアシスタントさんとチームを組んで背景作業などを進めています。そんな『チェイサーゲーム』が実際どのような工程を経て制作されているのか気になりませんか?

 今回は、実際の資料などもご紹介しながら、『チェイサーゲーム』ができるまでをお届けします。

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ゲーム会社がマンガを制作

 『チェイサーゲーム』のマンガ制作の特徴は、制作までの作業を各担当に細かく分担させることで、個人ではなく会社が主導してチームで制作・進行する点です。

 ゲーム会社”内”でマンガを作るという例の少ない試みですが、その制作方法を紹介します。

1)シナリオ作成

 はじめに原作者・松山洋社長(@PIROSHI_CC2)が単行本ごとの話数を目安にシナリオを制作します。
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 ここでは例として、『チェイサーゲーム』シーズンの第34話を全文公開しています

 セリフの流れを中心に印象的なシーンや補足情報を記載して、作画担当に渡します。しかし、この段階ではまだ、キャラクターの見た目などの詳細事項は決まっていないため、作画担当とキャラクターデザインをすりあわせつつ進行していきます。

2)松島幸太朗先生のネーム作業

 上記のシナリオから、15ページに収まるようマンガ家・松島幸太朗先生(@matsushima_cc2)がネームを起こします。
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 過去素材を挿入するなどして、各担当を意識してネーム状態でも情報が伝わりやすいよう制作を行っています。

3)原作者・松山洋社長によるチェックバック

 ネーム段階で修正が必要な個所があれば、原作者松山社長がアカを入れます。
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 ペン入れ後にイメージの相違が出てこないよう、背景や資料にも細かく確認をし、ネームと同時にアシスタントが背景作業や必要な資料準備を進めていきます。まさにチームプレイですね。

4)進捗確認

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 毎日原稿の進捗報告と、週に2回の頻度で原作者や、マンガ家、背景アシスタント、制作進行、写植担当者を交えた定例MTGをします。

 線画→トーン処理→仕上げの順に作画をしますが、早い段階で修正できるよう、脚本の意図する表現になっているか、都度すり合わせをします。

5)初稿完成

 サイバーコネクトツ―の独自の体制特徴のひとつでもある、社内スタッフ数名によるデバッグ作業です。
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 また、社内規定のフォントルールに沿ったチェックもこの段階でしています。誤字脱字はもちろんですが、シナリオの矛盾やキャラクターの立ち位置に不備があれば、この段階でも修正を加えます。
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6)修正&最終チェックからの完成

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 デバッグの反映と最終チェックを行った後、ファミ通.comに入稿します。1話あたりネームから完成まで、だいたい9~14営業日の期間で制作しています(会社員なので土日祝はお休みです)。

7)単行本ではここからさらに加筆修正も


 連載原稿の作業はここまでですが、この後単行本に向けてさらに加筆修正をしています(まさにいま、14巻単行本に向けて作業中です。お楽しみに!)。

 連載時とどこが変わっているのか、気になる方はぜひお手に取ってチェックしてみてください。

松島先生描き下ろし予告カット

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 予告カットには石井がでかでかと。現在、旅館の寝室で蓮実とふたりっきりですが、果たしてどのような展開になるのでしょうか。石井に天誅を……。

 来週、11月10日のマンガ更新は単行本の作業のためお休みです。次回の『チェイサーゲーム』は、2025年11月17日に公開予定です。お楽しみに。




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