『サイレントヒルf』主人公・深水雛子役 加藤小夏さんインタビュー「あんな世界に入ってしまったら、 私は1秒で消えてなくなりたいです」

『サイレントヒルf』主人公・深水雛子役 加藤小夏さんインタビュー「あんな世界に入ってしまったら、 私は1秒で消えてなくなりたいです」
 2025年9月25日(木)に発売された『SILENT HILL f』(サイレントヒルf)。KONAMIが贈るサイコロジカルホラーシリーズ最新作だ。

 本作では舞台を初めて昭和日本とし、シリーズで珍しい女性主人公となっている。発売からわずか2日で全世界累計出荷本数が100万本(※)を突破するなど、日本のみならず海外でも人気を高めている本作。発売を記念して、主人公・深水雛子のモデル、フェイシャル&モーションアクターも担った加藤小夏さんにインタビューを実施した。

 公式サイトのコメントでは「(本作の収録で)気が触れそうな日もあった」とも語っていた加藤小夏さんが、深水雛子に思うこととは……?
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※数字はメーカー発表。
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深水雛子。

加藤小夏 さんかとう こなつ

1999年6月26日生まれ。東京都出身。2019年、桂正和原作のコミックを実写化した『I’’s』にて、4人目のヒロイン・麻生藍子を演じて注目を浴びる。その後も数多くの映画やドラマに出演。代表作に映画『身代わり忠臣蔵』、NHK大河ドラマ『鎌倉殿の13人』、テレビドラマ『ウイングマン』、『ススキノ・インターン』などがある。『サイレントヒルf』で主人公・深水雛子のモデル、モーションキャプチャーを行う。(文中は加藤)

――加藤さんは今回、主人公の深水雛子を演じられましたが、それ以前から『サイレントヒル』シリーズのプレイ経験はあったのでしょうか?

加藤 
タイトル名は存じ上げていました。ただ、ゲームをプレイした経験はなかったです。

――ホラー作品の主人公役を務める、といった中で、加藤さんはホラーゲームやホラー映画など、ホラー系の作品はお好きですか?

加藤 
基本的にホラー全般が苦手です。幽霊など、そういうものを信じすぎているので……。

――では苦手なホラー作品に出演することになり、今回深水雛子役に抜擢されたときは、どのようなお気持ちだったのでしょうか?

加藤 
まず、「どうして私なのだろう……」と思いました。そして、「とんでもない世界に入り込むことになるのだろう……」と。これを言ってしまうとネガティブな言葉に聞こえるかもしれませんが、ポジティブな意味として捉えてくださいね? …… 気が重くなりました。
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――雛子の声のみならず、3Dモデルとしての出演など、これまでの俳優業とは異なる演じかただったと思いますが、いかがでしたか?

加藤 
スタジオの何もないところで“ここに家があると仮定してドアを開ける”、“橋があると仮定して渡る”などのお芝居をさせていただきました。ふだん、役を演じるうえではありえないことばかりだったなと、印象に残ってます。

――公式サイト掲載のコメントでは、長く本作に関わり続けて「気が触れてしまいそうな日もありました」と言っていましたよね。具体的には、どのようなエピソードや理由から、そういった感情になってしまったのでしょうか?

加藤 
収録は、最初のほうは問題なく進められていたと思います。

 ただ、収録が進むにつれて、徐々に物語の分岐が増えていって。さまざまな展開を収録しているうちに、「さっきも同じようなシーンなのに、言葉も感情も違う……。あれ……いま私は、いま雛子は、どこで何をしているんだっけ?」となってしまいました。

 また、私も雛子なのに、相手も雛子で、自分が誰なのか、役でも現実でも混乱してわからなくなってしまったりして。当時は、何も考えてないのに涙が出てきたこともあります。“向き合う時間”に比例して、混乱も増えていったため、気が触れてしまいそうな日もあったことを覚えています。
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――演じられた雛子を加藤さん自身から見て、どのような印象を持っていますか? 実際に会えるとしたら、会ってみたいですか?
加藤 
まだ高校生なのに、いろいろな視点を持っていて感心します。でも、“私の前には絶対に現れないでほしい”です。会ったことを想像しただけで、正気を失いそうになります。

――実際にゲーム画面で動く雛子を見て、加藤さんはどう感じられましたか?

加藤 
雛子が自分であることがまだ信じられないのですが、実際に形になった雛子を見たことで、ようやく皆さんに作品を遊んでもらえるんだなと、ゲームになった実感が湧きました。

――本作の物語の感想を教えてください。

加藤 
ネガティブな発言に聞こえてしまうかもしれませんが、じつは不思議なことに、本作の企画が始まってから終わるまで、私がどう本作に関わったのか、どんな取り組みかたをしたのか、記憶があまりないんです。

 強烈に覚えているのが、先ほどお話した、自分がどこにいるのか、誰なのかわからなかったことだけで。それ以外の記憶は、アフレコなどの断片的な部分だけしか思い出せません。今回お話した内容も、その記憶の断片から絞り出したもので……。ですからすみません、脚本を読んだ記憶もじつはなくて(笑)。なので、物語の詳細な内容についても、すみません、覚えていないんです。

――もし『サイレントヒルf』の世界に入ってしまったら、加藤さんはどう生き延びていくのでしょうか?

加藤 
うーん、正直に言いますと、生き延びたくないです。あんな世界に入ってしまったら、私は1秒で消えてなくなりたいです。
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