
本作は、俗に“ローグライト(ライトな風味の『ローグ』型ゲーム)”と言われるタイプのハックアンドスラッシュ系サバイバルアクションではあるものの、シリーズの持ち味である独特の雰囲気やクレイジーさにより、同系統のものとは一線を画した作品となっている。
そんな『LET IT DIE: INFERNO』は2025年9月25日から幕張メッセで開催されている東京ゲームショウ2025のガンホー・オンライン・エンターテイメントブースにて出展されている。短い時間ではあるが、いち早くその試遊バージョンである“アンクル・デスの接待版”を体験できたので、そのプレイリポートを動画とともにお届けする。なお、今回体験できたのはSteam版で、動画も同様。
伝説の激ムズゲームが“自称ライト”になって帰ってきた!
そんなタイトルの続編は、一転ローグライトになったらしい。「そんな甘言に騙される訳がねぇだろ!」と思いつつも、ゲームの醸す雰囲気がわりと好きだった筆者は、ホイホイ釣られてプレイすることになった……というのが本稿を執筆するまでの経緯だ。
今回遊んだ『LET IT DIE: INFERNO』の試遊版は、作品自体がローグライトになったうえ、東京ゲームショウ 2025向けに「メチャクチャ接待している」バージョンだという。そんな話を聞いたら、「女子でもキッズでも楽勝なのかしら?」とか、「もしかして、ノーダメージとかでイケちゃうかも?」なんて思っても仕方がないでしょう? 結論から言えば、「めちゃ楽勝なのは、『LET IT DIE』基準の話ですよね?」という感じ。たしかに道中こそ楽勝感はあるが、試遊版のボスには沈められてしまった。もちろん、筆者の腕前のせいなのは承知しているが、接待ってもっとアマアマだと思うじゃんね……。
そんなわけで、ボスを倒して気分よく……とはならなかったものの、プレイのなかで掴んだ本作の特徴や基本的なシステム、「製品版ではここがおもしろくなるんじゃないかなー」的な要素について、以下に記していこうと思う。
スキモノにはたまらない、作中から醸し出されるカオス感
探索の舞台となる地獄門の雰囲気もいい。たとえるなら、外国人が想像する間違った日本に退廃的な雰囲気を加え、サイケデリック感、サイバーパンク感、ホラー感などの各種エッセンスを足して自然と建造物で延ばし、グチャグチャに煮込んでアクといっしょにブチ撒いたような。平たく言えばカオス。人を選ぶが、コイツも刺さる人には刺さるヤツだ。
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舐めるように探索……なんてできない! すべてをパッパと決断して進め!
エスケープポッドで脱出する、あるいはボスが待ち受けるフロアに挑戦するには一定量のスピリチウムが必要になるので、ある程度の敵を倒すなり、特定のオブジェクトを破壊するなりして集めていかなければならない。
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制限時間がゼロになると、その瞬間からみるみる体力が減っていき、基本的にその場で死亡。集めた武器やアイテム、後述するボディも台無しになる。あー、なるほど。これはローグライトの“ライト”の意味の取り違いかも。製品版の難度はやっぱり高いけど、「あ、これ短時間で遊べるって意味のライトですから!」みたいなこと? 知らんけど。
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しかし本作の場合、制限時間のおかげで悠長に探索をしていられない。敵と戦うか逃げるか、このまま道を進むか戻るか、拾った装備品を持ち帰るか捨てていくかという決断、そして行動を素早く行わなければならないのだ。
とくに衝撃だったのが、装備品を吟味しているときすら刻一刻と制限時間が減っていくこと。マッハで取捨選択しないと、どんどん死のリスクが高まっていくというのは……もはや強迫じみたプレッシャー!
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さらに、下層へ進むにも拠点に戻るにも一定量のスピリチウムが必要という制限も効いてくる。「とりあえずボスのいるフロアまでマッハで進もう」とか、「潜ってすぐにいいアイテムが出たから、いますぐこれだけ持ち帰ろう」なんてことは許されない 。つまり、ちゃんと探索なり敵の討伐なりで、スピリチウムを手に入れておかなければ、進退窮まってしまう仕組みというわけ。
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1フロアの探索時間が長くなると倒せないような強い敵が出てくるからヤバイ! あるいは即死ゾーンがどんどん狭まってくるから先に進まないとヤバイ! みたいな形で探索に制限をかけてくるローグライク型ゲームはよく見る。ただ本作のように、数フロアにまたがる時間制限というのは(ほかにもあるのかもしれないが)筆者の経験では初。制限がフロア単位ではないため、自分で戦略的に探索や戦闘の時間配分を決められるのはおもしろいと素直に思った。でもこれ、思わぬ感じでボスに手間取って制限時間を迎えたりしたら発狂しそうな気も……。
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武器は両手に異なるものをセット可能。さらにボディとの組み合わせもあり、戦術性は大!
武器ごとに特徴はあるので、たとえば「右手はダメージこそ少なめだが振るのが速い武器で、左手は遅いけど強力な武器」みたいなセットをしてもいいし、近距離で強い武器と近距離で強い武器を組み合わせてもいい。このあたりは、個人の趣味が出てくるだろう。
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なお、武器には通常の攻撃に加え、ゲージを消費してくり出せるデスブロウ(必殺技)がある。
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さらに、両手の武器を交互にくり出す特殊技も発動可能。こちらは武器の組み合わせに応じてアクションが異なるようなので、特殊技を加味して両手に持つ武器を決めるというのもアリなのかもしれない。
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ほかの装備品としては防具があり、こちらも基本性能に加え、特殊な効果が付与されている場合がある。なお、回復アイテムなども含めた拾えるアイテムに共通して言えるのは、重量が設定されているということ。バックパックの所持重量を超えてしまった場合、走ることやステップによる回避ができなくなったり、エスケープポッドにもアクセスできなくなるなど、行動が制限されることは覚えておきたい。
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装備品以外にも強化要素はあり、そのひとつがボディだ。試遊版では攻撃向き、万能型のふたつが用意されており(製品版ではもっとあるらしい)、地獄門への出撃時にいずれかを選択する。
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このボディは生還時の見返りとしてランクが上昇し、ランク上昇の報酬として “コア”を獲得できる。コアを装備すると、体力や攻撃力、所持重量が引き上げられ、ものによってはデスブロウやステップの発動回数アップ、特定の壁を登るといった能力を習得できる。
そんな仕組みなので「手に入れた武器の効果とボディの特徴が噛み合えば、想像以上の能力を発揮してくれることがあるかも!? 戦術面の考察も捗るじゃない!」と興奮したが、死んだらこのコアも噛み合った武器ともどもロストしてしまうと知ってションボリ。とは言え、1ランク上げればボディの強さをかなり高められるので、リスクばかり考えているのも精神衛生上よろしくない。「死んだらしゃーない」の精神で育成していったほうがよさそうだ。
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なお、拠点に格納したアイテム以外は、基本的には死んだら全ロストな本作だが、ロストしない要素も用意されているそうだ。それが“ボディマスタリー”という要素。プレイを積み重ねることで得られるマスタリーポイントを消費し、死んでも失われない恒久的なスキルを獲得できるそう。今回のプレイではそれを体験するにはいたらなかったが、ヘタでもいずれ強くなれるという要素が収録されたことには、『LET IT DIE』のころにはなかった優しさを感じられた。「いや、それがふつうでしょ」という意見もあるだろうが……初めてデレの一面を見せてくれた感動みたいな? なんかそういう感じ。
総合的に本作を見ると、「あらゆる状況のなか、瞬間瞬間で下す判断が自身の命を左右する」ゲームではあるものの、シリーズ名からも察してもらえると思うが「判断を誤って死んでもあんまりクヨクヨするなよ。つぎやろ、つぎ!」というゲームでもある印象。さらに製品版では、地獄門探索中にほかのプレイヤーに出会うこともあるのだそう。もちろんそこでも「倒すの? 逃げるの?」といった判断を瞬時に下す必要が出てくるはずだ。
短い時間のプレイではあったが、本作の魅力の一端は垣間見られたし、たしかに『LET IT DIE』よりは遊びやすくなっているんだろうな、とも感じた。ただ、これはあくまで接待版。製品版では難度がグンと上がるのだろうが、「死んでイライラしつつも、ついくり返し遊んじゃう!」みたいな感じになっていることを期待している。
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