2025年7月31日に配信された、“Nintendo Direct ソフトメーカーラインナップ 2025.7.31”(以下、ニンテンドーダイレクト)で発表されるやいなや、注目を集めた『ほの暮しの庭』。本作は、日本一ソフトウェアが2026年7月30日に発売する生活シミュレーションゲーム。人気タイトル『夜廻』シリーズの開発スタッフが贈る完全新作で、対応プラットフォームはNintendo Switch 2、Nintendo Switch、PS5、Steam。
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『ほの暮しの庭』は、郷愁あふれる田舎の村を舞台にした生活シミュレーションで、農作や畜産に勤しみながら、釣りや狩りを楽しんだり、村人と交流を深めたり、どこか懐かしい、ほのぼのとした田舎暮らしを楽しめる。
だが、ニンテンドーダイレクト公開されたティザームービーや、9月19日に新たに公開されたプロモーションムービーにはホラー要素も……。『夜廻』シリーズの開発スタッフが手掛けるだけに、どのようなホラー体験ができるのか、ファンは気になるところだろう。
今回は本作を手掛ける日本一ソフトウェアの溝上侑氏と勝又美桜氏にインタビューする機会をいただいたので、新作で生活シミュレーションを開発することになった経緯やとくにこだわって制作しているところ、気になるホラー要素に関してうかがった。
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溝上侑氏(みぞかみ ゆう)
日本一ソフトウェア 執行役員。『夜廻』シリーズのディレクター、『マッドラットデッド』ディレクターなどを歴任し、2025年3月21日に執行役員に就任。本作では企画・ゲームデザインを担当している。
(文中は溝上)
勝又美桜氏(かつまた みお)
本作の開発責任者。過去には『探偵撲滅』や『BAR ステラアビス』などのタイトルも担当。
(文中は勝又)
暗い雰囲気のゲームではなく明るいゲームを作ってみたい!
――『ほの暮しの庭』におけるおふたりの役割を教えてください。
溝上
私は企画とゲームデザイン、あとはシナリオとデモの演出などを担当しています。
勝又
開発責任者としてプロジェクトの進行を管理しています。あとは一部グラフィックも担当しています。
溝上
ふたりともデザイナーですので、お互いに連携を取りながらグラフィックをチェックするような開発の進めかたをしています。
――本作は2025年7月31日に配信されたニンテンドーダイレクトで発表されましたが、ユーザーの反響はいかがでしたか?
勝又
私たちが思っていた以上にリアクションをいただいたと思っておりまして、かなり驚いています。大きな反応をいただけて、開発スタッフ一同、ものすごくうれしく思っている反面、皆様のご期待に添えるタイトルにしようと、気を引き締めて開発を進めているところです。
溝上
私もこんなに反応をいただけると思っておりませんでしたので、やはりうれしい気持ちでいっぱいですね。本来であれば、発売1年前のタイミングでお客様の声がこれだけ見える機会は少ないので。多くの方たちに期待されていると実感していますし、開発スタッフとも「期待に添えるようにますますがんばらないとね」っていう話はよくしますね。
――多くのユーザーに注目されている本作ですが、開発はいつごろ、どういった経緯でスタートしたのでしょうか?
溝上
企画を考えたのは、『夜廻三』(2022年4月21日発売)を開発しているときでした。私と勝又はどちらも『夜廻三』の開発に携わっていたのですが、当時は毎晩のように“夜回り”すると言いますか、深夜まで喫茶店とかでおしゃべりすることが多かったんですね。
そこで「『夜廻』シリーズで得たノウハウを使って、別のゲームを作りたいよね」と話し合っているときに生まれたのが、『ほの暮しの庭』の企画でした。私が暗い雰囲気のゲームを作ることが多かったので(苦笑)、明るいゲームを作ってみたいという願望があって。新たにほのぼのとした生活シミュレーションに挑戦したいと思ったのが、本作が生まれたきっかけになります。
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勝又
最初は雑談ベースで始まった企画でしたよね。
――ティザームービーを見たときに、『夜廻』シリーズのグラフィックと生活シミュレーションは親和性が高いなと感じました。親和性があることは最初から計算されていましたか?
溝上
そうですね、計算には入れていました。『夜廻』シリーズのような2Dのクォータービューのゲームは、生活シミュレーションと相性がいいのではないかという想定で作りはじめました。
勝又
『夜廻』シリーズのグラフィックが好きなユーザーに喜んでほしいと思っていましたし、生活シミュレーションが好きな方にも響くんじゃないかと考えました。当社のファンの多くは、ゲーム性を求めて購入してくれていると思いますが、生活シミュレーションにしたことで、これまで当社のタイトルを購入したことがない方からもリアクションをいただけていると感じています。
――うれしい反響が届いていると。『ほの暮しの庭』というタイトルには、どのような意味が込められているのでしょうか?
溝上
“ほの暮し”は聞き慣れない言葉だと思います。これは“ほのぼのとした生活”から考えた造語で、タイトルからもそういった印象を与えたいなと。プラス開拓していくことを表現するために“庭”をつけて、『ほの暮しの庭』というタイトルに決めました。
リアル志向で細部まで作りこまれた田舎の村暮らし
――舞台となる彼ヶ津(カガツ)村がどのような場所なのか教えてください。
勝又
彼ヶ津村は日本の山間部にある限界集落をイメージしています。小さい村ながら四季折々の行事だったり、風習だったりを守っている、昔ながらの暮らしを続けている村をイメージしてもらえたら。住人も少ないので、村人どうしはすごく仲がいいのですが、この村に迷い込んできた主人公のことを最初は警戒しています。村に来たばかりのころは戸惑うかもしれませんが、村人との交流を経て村の一員になっていく過程を楽しんでいただければと思っています。
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――四季折々の行事があるとのことですが、四季の変化によってどのようなことが体験できるのか教えてください。
溝上
四季ごとにお祭りなどのイベントが楽しめますし、季節によって育てられる農作物が変化します。あとは釣れる魚なども変わるので、一年を通して飽きずに楽しんでいただけると思います。
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――四季はどのように変化するのでしょうか? 時間経過ですか? それともストーリーの進行?
溝上
ゲーム内の時間経過です。ストーリーの進行とは関係なく、四季の変化やイベントをお楽しみいただけます。
――なるほど。ジャンルが生活シミュレーションということで、彼ヶ津村でどのような体験ができるのか教えてください。
溝上
本作にはいろいろな要素を詰め込んでいますが、カスタマイズできる土地……私たちは庭と呼んでいますが、広大な庭を用意していて、農作や家畜の飼育、加工が行えるほか、稲作、養蜂、釣った魚の養殖といったことにもチャレンジできます。
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あとは、作品のモチーフとして田舎暮らしを強調していて、周囲の山で山菜採りや狩り、石切り場で採掘も行えます。村人との交流も用意しているので、季節のイベントや買い物を通して住人たちの好感度を上げることができ、親しくなると料理のレシピをもらっていろいろな料理を作れるようになったりします。好感度を上げると発生するイベントも用意しているので、ご期待ください。
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――農作と家畜の飼育に関して、具体体なシステムを教えてください。
溝上
農作では野菜に肥料や水、家畜の飼育では餌などを与えて育てられるのですが、野菜や肉などの品質が上がると高く売れるようになります。特徴的なのは品評会を再現しているところで、品評会で優勝するとブランド化できるんですよ。
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勝又
いわゆるコシヒカリや松阪牛といったように、自分が作ったものにブランドの名前を付けて出荷できるようになります。
――リアルな農業や畜産の体験ができると。
溝上
本作はリアル志向をものすごく意識しています。そこが作っていておもしろい部分でもあるので、こだわりのポイントではありますね。
――最初からリアル志向にしようと考えられていた?
溝上
そうですね。ただ、リアル志向なのは本作だけではありません。『夜廻』シリーズも細かいところも意識して作っていて、ユーザーの皆さんに気づいていただけたらうれしいような小ネタをたくさん用意するようにしています。
――リアルさを追求するうえでとくにたいへんだったこと、苦労したところは?
溝上
どこまでリアルさを追求するのか、線引きを考えることでしょうか。たとえばトイレシステムがわかりやすいと思いますが、人によってはわずらわしく感じるのかなと。リアルさを追求しながらも、多くのプレイヤーが不快に感じる要素は落とす必要があるので、その線引きは難しかったですね。
――先ほど、親しくなった住人から料理のレシピをもらえるとうかがいましたが、本作には空腹の要素はありますか?
勝又
料理のレシピを入手して食事をすることはできますが、満腹になるといった要素はありません。料理は食べることで一時的に何らかの恩恵を得られる……いわゆる体力増加やバフの効果を付与できるほか、自宅に配置して生活感を出す家具のようなものとしても使えます。
――なるほど。これらの要素は、村を訪れたときからすべて解放されているんですか?
溝上
ゲームを進めると徐々に解放されていきますが、条件のハードルは高くないので、ある程度プレイしていただければ体験してもらえると思います。
――カスタマイズできる土地も徐々に広くなっていく?
溝上
そうですね、エリアが拡張されていくイメージをしていただくといいのかなと。かなり自由度は高く作っていますので、それぞれ理想の田舎暮らしを体験してもらえたら。
――村人との交流では、恋愛要素はあるのでしょうか?
勝又
好感度を上げられる村人は10名以上登場しますが、老若男女いる関係で恋愛に結びつくことはありません。ただ、好感度を最大まで上げていただくと、特別なイベントも用意しています。
――ゲームのボリュームはかなりありそうですね。
溝上
『夜廻』シリーズと比較すると、ボリュームはかなりありますね。
勝又
メインで体験できる要素のほかにも、なくなった本を集める収集要素なども用意しています。そういったサブイベントもすべてクリアーしようとすると、長い時間お楽しみいただけるかなと。
――プレイ時間はどの程度を想定していますか?
溝上
ストーリーをクリアーするまで、60時間から80時間くらいかなと考えています。クリアー後も村での暮らしを楽しめるので、やり込み要素を全部達成しようとすると、おそらく100時間以上はかかるのではないでしょうか。
――ハードによってはトロフィーや実績もあるのでしょうか?
溝上
用意する予定です。コンプリートするまでやり込んでもらえるとうれしいですね。
――ゲームのボリュームは想定通りでしたか? それとも開発が進むうちに、どんどん増えていきましたか?
溝上
部分的に増えていきましたね。『夜廻』シリーズのようなホラーゲームは、長時間プレイするのがしんどいじゃないですか。怖いから。でも本作は生活シミュレーションなので、プレイ時間を増やしたいとは考えていましたが、これまでやったことのないジャンルだったことともあって、開発するのが新鮮で楽しくて(笑)。「こういうのも入れたいよね」といった感じで、どんどん増えていくことは多かったです。
勝又
私たちのやりたいことをたくさん詰めていますが、ゲーム性としてはすべてやらないといけないわけではありません。プレイヤーが体験して好きなものを中心に楽しんでもらえたらいいなと思っています。
――どんどん増えた要素の中で、とくに印象に残っているものは?
溝上
すごくこだわったなという意味で印象的だったのは、野生動物の動きを細部まで表現しているところ。鳥が魚をくわえる様子など、眺めていると見応えがあるんですよ。家畜などの動きもかなりのバリエーションを作っていて、“牛の背中に鶏が乗っかる”といったかわいい仕草も用意しています。ゲームに直接関わることではないんですけど、細部までこだわって作っています。
――狩りもこだわりが強そうですね。どのようなシステムなのか教えてください。
溝上
主人公は子どもなので銃を使うことはできません。弓と罠を使って野生動物を狩ることができますが、狩猟には対象に応じた免許が必要になります。
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勝又
狩猟免許はお店で購入できるようにしています。あと、その弓と罠の違いとしては、罠は放置してほかの作業を進められますが、獲物が必ずかかるわけではありません。すぐに野生動物の素材がほしいときは、弓を持って山に向かわなければいけません。
――狩りもリアル志向。
溝上
そうなんです。ゲームデザインとしては、狩りはハイリスク・ハイリターンにしたいなと考えています。
――ただ、仕草がかわいいと、野生動物を狩りづらくなりそうです……。
溝上
そうなんですよね(苦笑)。
勝又
社内のスタッフからも「かわいそう」といった意見が出ているので、その問題は何かしら対策しようと考えています。
溝上
絶賛開発中なので、気になる箇所はちょっとずつ手を入れて調整しています。
――釣りに関するこだわりもお聞きしたいです。
溝上
川の流れがすごくきれいなのと、浮きの表現にもこだわっています。針をポイントに投げて浮きを流す、渓流釣りを再現したかったので。
勝又
ただ、当初は浮きの流れを再現するのが難しいと言われました。それでも優秀なプログラマーががんばってくれたので、2Dで現実の川の流れに即した浮きの動きを再現できるようになっています。場所によって釣れる魚や釣れやすさが異なる調整も行っていますので、いろいろな場所で釣りを楽しんでもらえるとうれしいです。
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――そういった動物や浮きなどの細部へのこだわりは、自然と強くなったんですか?
勝又
そうですね、このクオリティーに仕上げようというのは明確に決めていなくて。村全体ができあがっていくにつれて、ここまで作り込んだほうがいいよねと、開発スタッフひとりひとりが判断して全体的に細部のクオリティーも上がりました。
溝上
これもあったほうがいいよねって、どんどん増えていったよね。野菜もすごい量になりました。
勝又
四季ごとに収穫できるものも変わるので、最終的に80種類くらいに増えました。
――やり込みが好きな日本一ソフトウェアのファンも堪能できそうですね。
溝上
日本一ソフトウェアのタイトルは、やり込み要素が求められるじゃないですか。生活シミュレーションとやり込みは相性がいいこともあったので、意識をしていて妥協せずに作っています。
勝又
ふつうの生活シミュレーションでは体験できないような要素もどんどん取り入れていて、本作では蕎麦を作ることもできますよ。
溝上
醤油や味噌、豆腐なども作ることもできます。日本の田舎暮らしなら、これも体験したいという要素はできるだけ取り入れました。
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夜になると村の雰囲気が一変。ファン注目のホラー要素は……
――本作は、発売日が2026年7月30日予定と発表されています。現在の開発状況を教えてください。
溝上
まだまだ絶賛開発中でございます。開発はこれから佳境に入っていくところで、細かい調整がゲームのおもしろさを左右するところだと思うので、引き続きがんばって制作を進めていき、皆様のご期待に応えたいです。
――開発状況をパーセントで表すと?
勝又
65%くらいだと思います。
溝上
そうですね。素材はかなり揃っていますので。
――開発はこれから佳境を迎えるとのことですが、これまでとくに苦労したこと、印象に残っているエピソードなどがあれば教えてください。
勝又
これまで作ったことのない物量のものを、期間内にちゃんと用意できるのかという不安は大きかったです。あと苦労したところで言うと、夜が舞台の『夜廻』シリーズは背景が暗くて描かなくてもよかったところが多かったのに対して、昼がメインの本作は描かなくてよかったところもしっかり仕上げなければいけません。その違いを最初に検証するときにちょっと苦労したところはありました。
溝上
いまでは作業に慣れてきたこともあって、全体を通してどこまで描くべきか、しっかり見えているので迷うことはほとんどありませんが、最初は相談しながら進めていきました。
――生活シミュレーションのタイトルを手掛けるのは初めてということで、いろいろ苦労もあったのかなと思いますが……。
溝上
生活シミュレーションを開発する苦労はこれから感じるのかなと。いままでは素材を用意する期間である程度動くところまで開発していますが、生活シミュレーションは全体のバランスを見ながらいろいろ調整していくところがいちばんたいへんだと思うので。本作は素材数が多いだけに、けっこうドキドキしています(苦笑)。
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――『夜廻』シリーズとは素材の作りかたが違うということで、新しい発見ですとか、作業をしていて楽しかったことはありましたか?
勝又
『夜廻』シリーズは、細部を描き込んでも画面に映らないこともありましたが、本作はすべて画面に映ります。ユーザーにちゃんと見てもらえるので、景色のいいロケーションをたくさん作ることができたのは楽しかったですね。
――まだ先の話ですが、プレイしたときはぜひ訪れてほしいお気に入りのロケーションを教えてください。
溝上
全部です! どこももれなく見て回ってほしいですね。あと、本作ならではの要素としては、キャラクターのバストアップが用意されているのは『夜廻』シリーズの大きな違いになります。バストアップを表示しながらストーリーが展開していくので、『夜廻』シリーズとは異なる雰囲気の会話劇を楽しんでいただけると手応えを感じています。
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――好感度を上げられる村人は10人以上だとうかがいました。バストアップの表情差分もかなりの枚数を用意しているのでは?
溝上
表情差分もたくさん用意していますし、フィールドを歩くミニキャラクターのアニメーションも素材をふんだんに使っています。村人たちは時間帯によってそれぞれ異なる生活を送っていて、村人たちの日常をそれぞれきちんと作ることでも、リアルな田舎暮らしが体験できると考えました。お気に入りの村人の動いている姿を観察するのも楽しいと思います。
勝又
村人たちのアニメーションは、見栄えをよくしようとみんなでがんばったところです。素材の数が多くてたいへんでしたが、力を入れたぶんだけちゃんと画面に表れてくれるので、作っていて楽しかったですね。
――ほかにこだわったポイントをお聞きしたいです。
勝又
ユーザーがそれぞれ田舎暮らしをアレンジできるところです。とくに私がお気に入りなのは、庭の水田を自由にレイアウトできるところで、水田の土手に彼岸花が咲いてとってもきれいなんですよ。ノスタルジックな風景を、ユーザーがある程度自由に作り出すことができるので、自分の理想とする田舎暮らしにアレンジしてもらいたいですね。
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――庭のほかにアレンジできる要素が気になりますが……。
勝又
田舎暮らしというテーマの中で、家も何パターンか用意していて、内装や壁紙、家具などをアレンジして自分だけの家を作ることができます。個性的なレイアウトの家や庭を作って楽しんでもらえるとうれしいですね。
――自慢の家や庭は、ほかのプレイヤーに見てもらいたいと思います。発売後に、ユーザーが作った家や庭を公開できる施策は考えていますか?
勝又
いまのところ考えていませんが、おもしろそうですね。私もユーザーが作った家や庭を見たいですし、ぜひ投稿してほしいなと思うので、検討したいと思います。
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――ファンの力作の投稿は楽しみですね。ほかに注目してほしい要素があれば教えてください。
勝又
親しくなった住人の家に入れるところです。どの家も住人たちの性格に合わせて個性的な作りになっていますよ。
溝上
住人たちの家に遊びに行って、部屋を見るのも楽しいと思います。彼らの生活を垣間見ることができるので。
――住人たちの家の内装は、スタッフ全員でアイデアを出し合って考えたのですか?
勝又
そうですね。「この住人の家にはこういった家具があったらおもしろいよね」とアイデアを出し合いました。植物を育てるのが好きなキャラクターはジョウロで水をまくシーンを作りたいから、「ここに植物の植木鉢を置いてほしい」といった感じです。
溝上
あとからでも追加できるのは、2Dの強みだと思います。3Dだとひとつの素材を追加するのにも時間がかかりますが、2Dだと比較的簡単に追加できるので。
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――日本一ソフトウェアといえば、2Dに強いというイメージがありますよね。
勝又
2D慣れしている人間は多いと思います。
溝上
それに私たちがグラフィッカーなので、グラフィックの部分はほかの作品と比べて自由が利きやすいと思います。追加するにしても、できるかできないかの正確な判断が行えるので、失敗することがほとんどないのかもしれません。
――なるほど。本作はリアル志向で作っているとのことですが、田舎町の取材などは行いましたか?
溝上
当社は岐阜にあるので、都会に暮らしている方たちからすると、毎日の生活が取材に近いかもしれません。
勝又
岐阜に住んでいると、田舎暮らしが自然とインプットされているというのはありますね。
溝上
というのも、『夜廻』でも会社の周囲を取材していて、地方都市をイメージして物語の舞台を作ったのですが、田舎が舞台といわれることが多くて(苦笑)。でも私たちからすると、会社の周囲は田舎という認識はありませんでした。だから本作ではより田舎の空気感を感じてもらえるように、山間の集落などを取材しています。そのかいもあって、渓流などの風景もきれいに表現できました。
――取材をもとに再現された田舎の村でほのぼのとした暮らしが楽しめる一方で、ティザームービーでは不気味な夜のシーンも公開されています。『夜廻』シリーズを手掛けたスタッフの新作ということで、ホラー要素に期待しているファンも多いと思いますが……。
勝又
ニンテンドーダイレクトで公開したティザームービーには、『夜廻』シリーズのファンが喜んでくれるかなと考えて、懐中電灯のシーンを入れました。でも、それ以外にホラー要素を入れた記憶がなくて……。
溝上
そうなんですよね。SNSなどでもホラー要素に期待しているファンがいることは把握していますが、私たちは何のことだかわかりません……。
――え!? そうなんですか?
勝又
はい。SNSはなぜホラー要素で盛り上がっているのかなって。
溝上
そもそも私たちは、暗いゲームではなく、明るいゲームを作りたくて本作を企画したので。
――ホラー要素があるわけない……と。わ、わかりました。ホラー要素が本当にあるかどうかは、続報に注目するということで! 『ほの暮しの庭』は、東京ゲームショウ2025に出展されるとうかがっています。どのような施策を計画しているのですか?
溝上
『ほの暮しの庭』の舞台となる彼ヶ津村の雰囲気を味わえるノベルティの配布や新グッズの販売を行う予定です。ノベルティ配布はハピネットブース(ホール7/07-N12)で行い、彼ヶ津村の見どころをまとめて誘致を進めるリーフレットやステッカー、なでしこの種を配布します。ノベルティがなくなり次第配布終了となるので、興味のある方はお早めにお越しください! また、物販はトイズ・プランニングブース(ホール11/11-W16)で行います。
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リーフレット
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ステッカー
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なでしこの種
――発売を楽しみにしているファンは要チェックですね。プレミアム限定版に期待しているファンも多いと思いますが、こちらの見どころは?
勝又
プレミアム限定版は、特典すべてを並べて飾りたくなるような、統一感を意識してデザインを考えました。『ほの暮しの庭』の世界観を堪能できる、マストバイセットになっています。
溝上
中身の見どころを紹介すると、アートブックには私たちが細部までこだわってデザインしたグラフィックを、テキスト情報と併せて掲載する予定です。また、CD2枚組のサウンドトラックも付いていますが、ティザームービーで流れているメインテーマにピンときた方は、ぜひプレミアム限定版を予約してサウンドトラックをゲットしてください。
このサウンドトラックは、いまのところプレミアム限定版でしか入手することができません。今後、CDを発売しない可能性もあるので、ちょっとでもいいなと思ったら、購入しておいて損はないと思います。メインテーマのほかにも、日常的な曲や感傷的な曲など、バラエティー豊かなラインアップになる予定です。
――ちなみに、公式サイトのプレミアム限定版の画像は、一部が赤く塗りつぶされていますよね? この塗りつぶしからも、ホラー的な要素を感じますが……。
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勝又
考えすぎです(苦笑)。あれは単なる主人公の落書きですよ。
溝上
落書きが消されたら、なにか情報が追加されるかもしれません。いまの段階ではどうなるのかわかりませんが……。
――わかりました。主人公の落書きがどうなるかも、今後のお楽しみということで。最後に本作の発売を楽しみにしているファンや読者にメッセージをお願いします。
溝上
本作は、細かいところまで小さなこだわりみたいなのを詰め込んだタイトルになっています。ユーザーが思い思いの田舎暮らしを堪能する中で、さまざまな発見を楽しめるゲームになっていますので、彼ヶ津村で暮らしながら村のことを知ってもらい、好きになってもらえるとうれしいです。発売はまだ先ですが、これからも精一杯開発していきますので、彼ヶ津村での暮らしを楽しみにお待ちください。
勝又
私自身、つぎは何をしようと楽しみながらテストプレイができていて、皆様にも満足いただけるゲームになると手応えを感じています。それぞれのプレイスタイルで村での生活を堪能してもらえるように開発を進めますので、今後も応援をよろしくお願いいたします。
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