『アサシン クリード シャドウズ』拡張コンテンツ“淡路の罠”は100時間遊んだ人も新鮮にプレイできる。奈緒江がぶん回す“棒”がめちゃつよ!

by坂本ビス太

『アサシン クリード シャドウズ』拡張コンテンツ“淡路の罠”は100時間遊んだ人も新鮮にプレイできる。奈緒江がぶん回す“棒”がめちゃつよ!
 日本の安土桃山時代を舞台にしたシリーズ最新作『アサシン クリード シャドウズ』。初の拡張コンテンツとなる“淡路の罠”が2025年9月16日に配信される。

 配信に先立って実施されたメディア向けプレビューで明らかになった情報をお伝えするとともに、開発者へのインタビューで“淡路の罠”の魅力に迫っていく。
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奈緒江の母を追う新たな物語

 “淡路の罠”ではメインゲームのエンディングから物語が始まり、弥助と奈緒江の新たな冒険が描かれる。奈緒江は母の“つゆ”が生きているかもしれないという噂を追い、淡路島へ向かう。弥助も彼女を支えながら、日本中のテンプル騎士団を排除するという目的を継続。母と娘の再会、そしてつゆの過去が物語の重要な核として語られることに。

 舞台となる淡路島は、瀬戸内海に浮かぶ島。この島は、神秘的で広大な景色、自然に満ちた環境、そして孤立感による緊張感と危機感に満ちた独特の雰囲気を持っている。人形浄瑠璃が有名で、この拡張コンテンツでも人形芝居がストーリー上の重要な要素のひとつとして機能する。

 淡路島ではつねに海が視界に入り、海が持つ強力な存在感を感じられる。プレイヤーは漁村や港など、海と密接に関わる人々の暮らしにも触れられるだろう。一方で、神秘的な雰囲気をあわせ持ち、霧や影、ダイナミックな天候の変化が緊張感を高める。木々が人間のシルエットに見えたり、植生自体が敵意を感じさせるようなユニークな環境デザインも特徴のひとつ。
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新たな土地で出会う脅威

 この土地で、奈緒江と弥助は新たな敵“夜叉一派”と相まみえることに。彼らは、暗殺のスペシャリスト、残忍な侍、幽霊のような密偵など、それぞれ異なる特徴を持っており、プレイヤーに絶え間ない脅威を与える。そして、それぞれのボス戦では、これまでにない環境や独自のメカニクスを有した戦いが待っている。
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 奈緒江には、新しい武器カテゴリである“棒”が追加。アクロバティックな動きが特徴で、上段・中段・下段の3つの構えを切り替えながら戦う。上段ではスタン、中段では押し戻し、下段ではノックダウンが可能で、それぞれ敵の動きを制限したり、コントロールしたりできるため集団戦にも強い。

 弥助には、既存の武器に新たなスキルが加わり、刀による広範囲への溜め攻撃や、金棒を投げて敵の装備を破壊する攻撃、鉄砲から炎を放つといった能力が追加されている。

開発者インタビュー

ソフィー・ゴールドスタイン氏

『アサシン クリード シャドウズ』 “淡路の罠”プロデューサー

――『淡路の罠』はどれくらいのプレイ時間を想定していますか?

ソフィー
 メインとなる物語のプレイ時間は8時間ほどですが、寺社、城など他のアクティビティーを含めた場合は、プレイヤーのスキルにもよりますが10~15時間を想定しています。

――舞台となる淡路島のマップの広さはどれくらいですか?

ソフィー
 そうですね。本州(ゲーム本編)のひとつの地域くらいです。面積は播磨や大和よりも小さく、6平方キロメートルですが、重要なのはゲーム本編と同様に、アクティビティーを完了するには多くの場所に何度も足を運ぶ必要があり、非常に密度の高いマップになっているということです。本編を50、70、100時間と長くプレイした後でも、拡張コンテンツでは何かユニークなものを提供する必要があると考えました。

――当時の淡路島の研究はどのように行ったのでしょうか? 現地取材も実施しましたか?

ソフィー
 プロジェクトの発案時には、これまでに何年もかけて本作の開発を行ってきたUbisoft Quebecのチームと会いました。彼らは現地にも行っていますし、地理的、歴史的な研究を行なっていて、多くの資料を持っています。

 私たちは淡路島とその特徴に焦点を当てたいと思いましたので、チームのアート・ディレクター、コンテント・ディレクター、デザイン・ディレクターが研究を行い、淡路島特有の何かをゲームに活かせるのではないかと考えました。そこから人形劇のアイディアが生まれたのです。そこに海とのつながりやミステリーの要素、緊張感、そしてゲームの舞台としてのタッチを加えました。
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ソフィー
 研究という点では、アート・ディレクターも私も多くの書籍を交換しながら読みました。拡張コンテンツ開発チームのメンバーには、チームに加わった段階で織田信長についてのドキュメンタリーを観るように勧めました。開発中の時期にはドラマ『SHOGUN 将軍』も配信されました。フィクションですがビジュアルやキャラクターについて大いにインスパイアされました。ちなみに夜叉一派の“木村邦”は、この作品に登場する女性に影響されています。

 現地取材についてですが、レベルデザイン・アソシエートディレクターは日本に10年以上住んでいたことがあり、日本語が堪能です。彼の妻の家族は淡路島出身なので、プロジェクトの序盤には彼に実際に淡路島に足を運んでもらいました。写真をたくさん撮り、音声を録音し、メモを作り、博物館を訪問して写真撮影とインタビューも行いました。舞台を作りやすくなりましたし、また、さまざまな建築物の現在の姿を知ることにより、ゲームの時代設定に則して再現するよう心がけました。
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――“淡路の罠”では、エンディング後の奈緒江のストーリーが語られるのですね。

ソフィー
 メインストーリーでの奈緒江にとっての目的は父の仇討ちであり、彼女は百鬼衆を倒すために裏刀衆とともに動いてこの目的を達成しようとします。一方、弥助は母とテンプル騎士団の因縁から、あらゆる場所にいるテンプル騎士団を倒すと誓っています。

 メインストーリーの最後のクエストで、奈緒江の母つゆが生きているかもしれないことが明らかになります。ここから拡張コンテンツで物語を継続することにしました。ゲーム本編ではふたりの物語は完結を迎え、拡張コンテンツでは奈緒江の母との物語、弥助のテンプル騎士団狩りの継続をベースとした新しい目的が設定されています。そして、もちろん3つ目の神器についてもです。

 “淡路の罠”は最初から本編の拡張コンテンツとして計画していました。従って、決して切り離されたものではなく、ゲーム本編が完結した後のつぎのエピソードとしてケベックスタジオが最初から予定していたものです。
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――弥助の物語は、この“淡路の罠”で進展がありますでしょうか?

ソフィー
 弥助のストーリーは奈緒江の母娘関係において彼女を助けることに大きく関わっています。彼自身、母親を失っているので奈緒江に共感できますし、このテーマは彼にとっても非常に大切なものだからです。もうひとつはテンプル騎士団を見つけて倒すことです。淡路島にはテンプル騎士団の何人かが残っています。

――つゆをどんな人物像として描きたいと思いましたか?

ソフィー
 開発段階で、つゆというキャラクターは時間とともに変化してきました。最初は彼女を非常に冷酷なアサシンとして、テンプル騎士団の手から神器を取り戻すことに注力する人物として設定していました。その後、母娘関係の部分をより強調するため、見直すことにしました。ふたりの再会はメインストーリーで長く待たれてきたイベントです。そこで、母の立場としてのつゆを描きたいと思いました。実際につゆが任務を優先するのか、家族を優先するのかは言えませんが、両方大切なのだと思います。

――奈緒江に棒が追加されたことで、奈緒江の肉弾戦能力が飛躍的に向上したと感じました。とくに集団戦に強くなったと思いますが、どのような意図から棒を追加したのでしょうか?

ソフィー
 棒という武器についてはごく初期の段階、プロジェクトが確定する以前から考えて研究していました。鈍器でありながら、あらゆる表現において非常に洗練された武器だと言えます。本編で使える武器セットはすでにすばらしいですが、何か違うものを追加したいと思いました。

 棒は、薙刀のように両手で持ちますが、より戦略的で多用途、そしてアクロバットのような所作が可能です。ゲームデザイン、テクニカルチーム、アニメーション、そしてチーム全体がこの武器に熱心に取り組みました。そこには多くの可能性があると考え、3つの構えを研究しました。プレイヤーの皆さんがこれをゲームの中でどのように活用するのかを見るのが楽しみです。

――弥助にもスキルの追加がありました。

ソフィー
 5つの武器それぞれにアクティブスキルを追加し、そのいくつかは劇的にすばらしいものになっていますよ。奈緒江の新しい武器に比べると見劣りするように思えるかもしれませんが、鉄砲では、花火のように拡散するスキルが使えてとてもクールです。薙刀では多くの敵を壊滅させることができ、非常に満足感がありますので、ぜひ弥助のスキルを試していただきたいと思います。

――奈緒江の棒や弥助の新スキルは、拡張コンテンツでのみ使用可能なのでしょうか?

ソフィー
 『シャドウズ』の本編単体でも使えるようになります。

――夜叉一派のような特徴的な敵キャラクターを作るうえで気を付けた点やこだわったポイントはどこでしょうか?

ソフィー
 ヴィランとして、それぞれがお互いに異なる、非常に強力な特徴と外見を持つキャラクターを目指しました。もっとも重要な点のひとつは、プレイヤーが敵対するボスたちと淡路島の関係性でした。それぞれのボスは島に特定の影響力を持っています。
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ソフィー
 留次(とめじ)の周囲には隙間なく手下がいますが、これは古典的と言えます。一方、隠れて不意打ちをする野分(のわき)は、ワイヤートラップなどを巧みに使います。私たちは、ボスたちにはこの島と融合した存在であってほしいと思いました。ゲームの中で、淡路島はそれ自体がひとりのキャラクターのような役割を果たしています。

 そしてボスは、それぞれがゲームプレイに大きな影響を与えるという点も重要でした。ボスを倒すと島の警戒度が上がってほかの者たちが強くなるので、敵が減ったとしてもオープンワールドの中でプレイヤーはつねに同じレベルの危険に晒されます。
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