推理小説のジャンルに、殺人などの事件が発生せず、日常の中で生じる謎を解き明かす“日常ミステリー”と呼ばれるものがあります。
アニメ化された『氷菓』の原作である『〈古典部〉シリーズ』や、『〈小市民〉シリーズ』など、米澤穂信氏の作品はその代表例。“日常ミステリー”と聞けば、これらの作品を思い浮かべる方は多いのではないでしょうか?
韓国・ソウルを拠点とする開発チーム・LOTSが開発中の『502号室:寄宿学校青春ミステリー』は、まさにそんな『氷菓』をはじめとした米澤穂信作品などから影響を受けたという学園×日常×ミステリーの推理アドベンチャーゲームです。
京都・みやこめっせで2025年7月18日~20日に開催された“BitSummit the 13th”にて、本作のデモ版を体験することができました。また、製品版も日本語ローカライズされる予定となっています。

画像はLOTS公式X(Twitter)アカウントより引用。
本作の主人公はミョンソ高校に入学したばかりの現実主義者の女性・ヘウン。デモ版では、彼女がこれから暮らすことになる寮の“502号室”に向かうところから始まります。
新たな生活に少し冷めた気持ちで臨もうとしていたヘウンですが、502号室に入った途端、取り乱したルームメイトのセリンから「ダヒが消えたの!!!」と告げられるのです。


4人部屋である502号室のまだ見ぬルームメイトのひとりであるダヒ。彼女はセリンのすぐ前をキャリーケースを持って歩いていたはずなのに、502号室に入ると、玄関にキャリーケースは雑に放置されたまま。それなのに短い間に荷物はすべて整理された状態で、ダヒ自身だけが忽然と姿を消していたと言います。
セリンの証言を複数の“手掛かり”として切り分け、ヘウンは消えたダヒの行方を“推理”し始めます。いくつかの手掛かりを組み合わせて“仮説”を立てるヘウン。これらに“疑問”が生じたときは、これを解消するための新たな“手掛かり”を選び取ることで、“推論”が導き出されます。


推理時のインターフェースは、画面左にある何重にも重なったリングに“手掛かり”や“推論”が表示されており、この中から画面右に表示される“いま解き明かすべき問題”に対応するものを選ぶというもの。状況によっては複数ある仮説のうち正解はひとつだけで、提示すべき“手掛かり”も複数が必要な場合もあり、ある程度しっかり推理しないとなかなか先に進めない局面もありました。
ところどころつまづきながらも、推理が進展するたびに新たな“推論”は中心のほうにある小さなリングに表示されるようになるため、徐々に真実へと近づいている実感が湧いてきます。



ストーリーの進展で新たな事実が明らかになり、これにより推理が進むこともある模様。
デモ版では途中で最後のひとりとなるルームメイトが現れて、新たな証言を得ることになりました。



周囲の人の証言と、状況が指し示す事実から、いくつかの仮説を立てる。その中から現実的にあり得るものを見極めて、地道に真実へと迫っていく……。
プレイしていて、「これ、折木奉太郎(※1)や小鳩常悟朗(※2)がやってることと同じだ!」と感じて開発チームに話をうかがったところ、『氷菓』をはじめとした米澤氏の作品から影響を受けていることを教えてくれたのでした。
※1……『〈古典部〉シリーズ』の探偵役
※2……『〈小市民〉シリーズ』の探偵役 プレイヤー自身の思考を試されるミステリーアドベンチャーゲームが好き。けれど、血生臭い殺人や犯罪を求めているワケじゃない……。そういったニーズって、けっこうあるんじゃないかと思うんです。
『502号室:寄宿学校青春ミステリー』は、そういった方々にとって、心のスキマに優しく入り込んでくれるゲームになるかもしれません。