エインシャントの新作横スクロールシューティングゲーム『Earthion』(アーシオン)。パッケージ版(Nintendo Switch/プレイステーション5(PS5))はSUPERDELUXE GAMESから2025年10月30日(木)に発売予定で、ダウンロード版は2025年9月、PC(Steam)版は2025年7月31日にそれぞれ発売予定だ。さらに2026年には、MD/MD互換機用パッケージ版のリリースも予定されている。
MD版が発売されることからもわかるように、本作はMDという16bitのハードウェアでもネイティブに動作する。つまり、令和の最新ハードでも遊べるMDの新作横シューということだ。
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この通り、MD実機とブラウン管モニターでもプレイ可能。2025年とは信じがたい光景だ。
取材時はMD、ならびにNintendo Switchの両機で、いち早く本作をプレイ。株式会社エインシャントの代表取締役社長である古代祐三氏と、同社の制作ディレクターである和田誠氏にお話をうかがいつつ、3面までプレイ可能な本作の試遊バージョンを体験させていただいた。
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見た目はレトロながら、中身はしっかりと新作。16bit機の限界まで、現代ならではの技術や奥深いシステムを盛り込んでいる。
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今回は実際にプレイしつつ、エインシャントの和田誠氏(写真左)と古代祐三氏(写真右)からお話をうかがった。
演出と敵が絶え間なく押し寄せる
筆者はMDとブラウン管モニターでプレイさせていただいたが、まずタイトル画面からして雰囲気が現代のゲームとは違う。走査線に違和感なくなじむドットグラフィックと、FM音源ならではの“ひずみ”があるサウンドは、まさに1990年代当時の思い出そのままだ。
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記事内の画面写真はNintendo Switch版で撮影したもの。取材時はMD実機でもプレイした。
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開始時に難易度を4段階から選択できる。今回は“NORMAL”でプレイ。
ゲームは母艦から出撃するシーンからスタート。この時点で自機が滑らかにロール(回転)する演出など、16bit機とは思えない凝った演出が見られる。和田氏いわく、真横ではなく少し斜め、俯瞰視点にすることで情報量が増えているとのことで、たしかにこの時点でカッコよさが限界突破している。
随所で武器名などのボイスが豊富に入っているのも意外だった。16bit機の音源でも、PCM音源に使用できるチャンネルを活用すればここまでボイスを入れることができるそうだ。なお、音源については古代氏いわく、最新のドライバーのおかげでPCM音源が3音確保できているとのこと。
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一度ポリゴンで作成した画像を処理して落としこむといった、現代ならではの技術を活用。音源やグラフィックなどあらゆる面で、MDの限界以上の性能を引き出している。
攻撃に使用するボタンはふたつ。ひとつは最初から使用できるメインショットを連射するボタンで、まずはこのショットで敵機を撃ち落としていく。撃破した敵機から出現する緑色のアイテムを集めることで、メインショットは強化されていく。
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本作は残機制ではなくシールド制のため、一撃でやられることはない。緑色のアイテムを集めることでショットが強化されるだけでなく、シールドの回復も早くなる。
もうひとつのボタンはサブウェポンを発射するもので、サブウェポンはアイテムを拾うことで装備される。サブウェポンは初期状態だとふたつまで装備でき、いつでも切り替えボタンで入れ替えることができる。
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メインとサブのショットでかなりの弾幕が張れるようになった自機に対して、敵機が絶え間なく襲いかかってくる。画面手前や奥から飛んでくる敵もおり、横シューティングながらかなり立体的なプレイ感覚が味わえた。
和田氏いわく、自身が十字キーでのシューティングゲームの操作が苦手ということもあってシールド制を推したとのこと。実際に1990年代のシューティングゲームを知る世代の筆者には、1発でやられるシステムよりこちらのほうがありがたい。いろいろ衰えているので……。
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画面奥で自軍の母艦がやられ、その破片が画面奥からつぎつぎと飛んでくるシーン。このように、奥行きを活用した攻撃や演出が豊富だった。
とくにプレイしていて印象的なのは、背景の多重スクロールをはじめとした凝りに凝った演出面。ついついそちらに目を奪われて、回避がおそろかになることもあったほどだ。
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ステージ2の背景では、高速で流れていく雲が多重スクロールで描かれている。
新機軸も光る、本作独自の強化システム
激しい攻撃のなかで被弾してしまうと、シールドが減るだけでなくショットレベルも下がってしまう。また、サブウェポンにも武器レベルがあって被弾で下がり、ゼロになるとその武器は失われる。一発でやられることはないが武器は弱くなっていくわけで、シューティング特有の緊張感は損なわれていなかった。
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画面右上、武器表示の左にある数字が武器レベル。上の緑色のゲージがなくなるとレベルが下がる。このゲージも緑色のアイテムを回収すると回復する。
すでにふたつ装備している状態で新たなサブウェポンを取得すると、いま装備しているサブウェポンがアイテム化して、自機前方に放出される。これを繰り返すと、見た目的にはサッカーのドリブルのようになるのがユニークだ。
道中で入手できる“アダプテーションポッド”も、この装備スロットに入る。これを装備した状態でステージをクリアーすると、自機を強化できる。
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アダプテーションポットを持ってステージクリアーすれば、装備スロットの増加や武器レベルの上限増加といったさまざまな強化が選択可能に。
道中は緑色のアイテムで回復が可能なことを差し引いても、なかなかに敵機のラッシュが激しい。とはいえ、いわゆる“弾幕シューティング”のような回避を要求されるものではなく、一度パターンを覚えれば位置の調整だけで回避できるようになる。このあたりは、横スクロールシューティングならではの伝統をしっかり踏襲しているように感じた。
とくに各ステージのボス戦では、その傾向が顕著。最初はつい被弾してしまう激しい攻撃に見えるが、パターンを理解すれば余裕で回避できる。こうしてボスを完封できるようになると、非常に気持ちいい。
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とくに今回プレイしていて楽しかったのが、ステージ3だ。序盤は爆弾を起動して邪魔な障害物を撤去していくギミックステージとなっており、中盤には縦スクロールする画面のなかで、中ボスと戦うことになる。
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地形のギミックや縦スクロールなど、変化に飛んでいる。“これぞ横シューティング”というギミックが満載だった。
さらに終盤のボス戦の舞台は奥行きのある戦場で、ボスが障害物を設置してくる。この俯瞰視点の感覚は新鮮であると同時に懐かしく、『マグマックス』(1985年、日本物産)を思い出した。
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障害物や弾を避けつつ、露出したコアを攻撃しないとダメージが通らない。こういうギミックボスもまた横スクロールシューティングの華と言える。
懐かしさと新しさを両立した完全新作
今回は試遊バージョンということで、ステージ3をクリアーしたところで終了となった。なお、ゲームプレイ後にはパスワードが表示され、次回以降はこのパスワードを入力することで、アダプテーションポッドで強化した項目を引き継げる。
何度もプレイして強化を重ねていくことで、シューティングが苦手な人でもかなり楽にプレイできるようになるはず。筆者としても、最初からド派手な攻撃で敵を圧倒できる気持ちよさを想像すると、楽しみでならない。
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自機の成長要素があるのがうれしいが、パスワード入力形式というのもまた懐かしい。
実際にステージ3までプレイしてみての総合的な感想としては、まずは懐かしさがすさまじい。音楽については非常にかっこよく、90年代シューティングを思い出させてくれた。古代氏いわく、氏も90年代、とくにKONAMIのシューティングが好きとのことで、そのフレーバーがたしかに感じられた。
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ちなみに本作が縦ではなく横シューなのは、古代氏が「横シューが好きだから」とのこと。家庭用ゲームならモニターも横向きなのが自然なので、理にかなってもいる。
ちなみに以前、秋葉原のゲーセンHeyに設置されていた本作のアーケード版は、exA-Arcadiaがアーケード向けに調整した独自のバージョンで、今回プレイしたMD版とは別モノだ。
アーケード版にあったスコア倍率システムは家庭用版にはないが、高難度のモードはそれでも歯ごたえ十分の模様。パスワードシステムのおかげで自機の強化段階を調整して段階的に挑戦することもできるので、やりごたえはかなりのものになりそうだ。
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強化周りはシューティング初心者だけでなく、上級者も活用できそう。ハクスラタイトルのような、現代的な感覚でプレイできるのがいい。
古代氏いわく、MDは登場当時から「コアゲーマー向け」なところがあったと思うとのこと。任天堂ハードのように普及性を重視したハードとは異なり、当時最先端だったアーケードゲームに並ぶというプライドが感じられるハードに感じたという。
実際に本作を通してプレイしてみると、そのハードの精神をしっかりと感じられる。随所の凝った演出や、和田氏がこだわったという敵を破壊したときのそう快感は、いまプレイしてみても古さを感じなかった。
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40年近くまえのハードなのに“最先端”を感じる。この不思議な感覚とおもしろさは、実際にプレイしてみればすぐに伝わってくるはず。
懐かしさと新しさを同時に感じられる、いまどき貴重となった横スクロールシューティングの完全新作である『アーシオン』。本作ではMD世代のプレイヤーはもちろん、いまどきのゲーマー諸兄にも古いものではなく真新しい体験を感じてもらえると思う。