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PS Plus日本特有の人気は『ドラクエ』『龍が如く』『テイルズ オブ ヴェスペリア』『ルフランの地下迷宮』など。初代PS&PS2タイトルへのトロフィー機能追加など15周年の振り返りと今後の戦略を訊く

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PS Plus日本特有の人気は『ドラクエ』『龍が如く』『テイルズ オブ ヴェスペリア』『ルフランの地下迷宮』など。初代PS&PS2タイトルへのトロフィー機能追加など15周年の振り返りと今後の戦略を訊く
 2025年に15周年を迎えた“PlayStation Plus”(以下、PS Plus)は、プレイステーションハードで提供されているサブスクリプションサービス。プレイステーション3(PS3)の時代からスタートし、プレイステーションネットワーク(PSN)を通してネットワーク上でさまざまな特典やサービスを展開してきた。

 15年の間にサービスのアップデートも行われており、2022年には別サービスとして用意されていたクラウドゲーミングサービス“PlayStation Now(PS Now)”とPS Plusが併合する形で3つのプランが用意され、ユーザーはより利用しやすくなっている。

 本稿ではPS Plusの15周年を祝して、ソニー・インタラクティブエンタテインメント(以下、SIE) Global Services VPのNick Maguire氏にオンラインインタビューを実施。日本でPS Plusを愛用しているユーザーの特徴や、今後の展開などをうかがった。
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Nick Maguire氏ニック・マグワイア

ソニー・インタラクティブエンタテインメント Global Services VP(文中はMaguire)。

ファンの声に耳を傾けてPS Plusのサービスを展開

――PS Plusが15周年を迎えた感想を教えてください。

Maguire
 ファンの皆様とともに、15周年という重要な節目をお祝いできることをとてもうれしく思っています。

――PS Plusの現状をどのように感じられていますか? また、ほか地域と比べて日本のユーザーの特徴があれば教えてください。

Maguire
 PS Plusでは長年にわたり、皆様にさまざまなゲームへのアクセスを提供してきました。過去15年間で500本のゲームをフリープレイとして提供しており、2022年にサービスを刷新した際には、ゲームカタログのような新しいサービスを開始するなど、進化を遂げてきました。現在では、グローバルでPS Plusユーザーのうちの38%の方が上位のTier(PS PlusプレミアムおよびPS Plus エクストラ)に加入してくださっており、カタログのゲームにアクセスしています。過去1年間でみると、PS Plusのカタログを通じたゲームプレイの合計は全世界で20億時間を超えており、グローバルで非常に好調です。

 PS Plusのカタログでの人気タイトルを見ると、ファーストパーティのゲームはコンスタントに好調です。トップ10のうち4タイトル、トップ20のうち8タイトルがSIEのファーストパーティのタイトルであり、これは日本でも当てはまります。『
DEATH STRANDING』、『Ghost of Tsushima』、『Horizon Forbidden West』といったゲームは、世界中で好調を維持しており、日本でもトップ10にランクインしています。これは私たちにとっても喜ばしいことです。ファーストパーティゲームが世界市場だけでなく、日本市場でも好調であることをうれしく思っています。

――サードパーティのタイトルはいかがでしょうか?

Maguire
 サードパーティ製ゲームに関しては、『グランド・セフト・オートV』や『アサシン クリード ヴァルハラ』はグローバルで当然好調でしたが、日本でも非常に好調でした。どちらも日本でも世界でもトップ10に入っています。日本特有で好調なタイトルもいくつかあるのですが、これについては後ほど詳しく説明します。

 ほかの地域を比べると、日本特有で人気が高かったのは『
ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』や『ドラゴンクエストビルダーズ2 破壊神シドーとからっぽの島』など、従来から日本で人気の高い作品でした。

 また、『
ファイナルファンタジーVII リメイク』と『モンスターハンターライズ』も、当然日本において非常に好評で、日本のトップ10に入っています。ファーストパーティのタイトルとサードパーティのタイトルがいいバランスとなっており、さらに日本で非常に人気のあるタイトルたちがこうしてトップ10に入っているのをみるととてもうれしいです。

 ユーザーの皆様が、魅力的なタイトルをより見つけやすくするための改善も継続的に行っています。現在80種類の“コレクション”(※)を揃えており、今後もカタログを通じて新しいタイトルを発見していただけるよう、コレクションを増やしていく予定です。

※PS5でPS Plusのタブを開くと、特定のジャンルやキーワードごとにゲームをまとめた“コレクション”が表示される機能

――ということは、ほかの地域と比べて、日本のユーザーはより幅広いタイトルをプレイしているということでしょうか?

Maguire
 そう言えるかもしれませんね。日本を含めグローバル共通で人気のタイトルがいくつかあり、それに加えて日本では、ほかの地域ではトップに入ってこないものの、日本でとくに好調な成績を収めているタイトルがいくつかある、といった形です。しかし、日本だけではなくすべての市場においてエンゲージメントが高いといえると思います。

 ユーザーの皆様に喜んでいただいて、サービスを使い続けていただくために、何を継続して何を新しく取り入れるべきなのか、つねに皆様のフィードバックに耳を傾けながら学んでいます。そして、多くの方に満足していただけていると感じています。

――過去15年間で、とくに日本で人気があった、日本のユーザーに特化したタイトルはありますか?

Maguire
 発売と同時にPS Plusに入るタイトルのヒットにはいつも驚かされますが、『Stray』は世界的に好調で、日本でもたいへん好調でした。本当にすばらしいですね。また、クラシックゲームは日本でつねに好調な分野であり、その様子を見るのはいつもうれしいです。『龍が如く』シリーズ、そして多くのJRPGがクラシックで好調なのを見ると、いつも励みになります。これらはほかの市場のジャンルとは少し異なるかもしれません。

――日本の市場でとくに目立ったクラシックタイトルを教えてください。

Maguire
 先ほどお話した『龍が如く』シリーズに加えて、『テイルズ オブ ヴェスペリア』や『ルフランの地下迷宮と魔女ノ旅団』はどちらも本当に好評でした。クラシックタイトル以外にも、PS5でのクラウドストリーミング機能の導入と、PS Plusプレミアム加入者向けに追加した、PlayStation Portalを通じたクラウドストリーミングのベータ版の機能も日本で好評です。PS Plusを通じてより多くのコンテンツにアクセスしていただき、カタログのラインアップを掘り下げるきっかけにもなっています。

――日本のユーザーの中には、今後どのような名作がクラシックタイトルに追加されるのか、注目しているファンも多いと思います。

Maguire
 SIE社内には、エミュレーションに取り組んでいる素晴らしいチームが存在しています。彼らは初代PS やPS2タイトルに重点的に取り組んでおり、彼らとつねに協力しながらクラシックカタログにこれまで多くの作品を追加してきました。本日新しく発表できるゲームはありませんが、たとえば『レジェンド オブ ドラグーン』にトロフィー機能を追加してきたことからもおわかりいただけるように、ゲーム体験の向上に継続的に取り組んでいきたいと考えています。ぜひ今後もご期待ください。

――楽しみにしています! PS Plusで提供されるフリープレイの中で、日本市場でとくに人気だったタイトルも気になります。

Maguire
 長年提供しているサービスなので、たくさんあります! フリープレイを通じて、これまで本当にたくさんのゲームを提供してきましたが、その中でもとくにオンラインゲームは大きく成功する傾向があります。『Rocket League』や『Fall Guys』などです。提供するゲームは、グローバルとローカルのバランスが適切なものになるように、いつも皆様のフィードバックに耳を傾けています。

 社内で議論する中で、グローバルのユーザーに喜んでいただけるコンテンツを提供しながらも、それぞれの市場の嗜好に合わせたコンテンツを提供する方法を考えており、つねにちょうどいいバランスを追求するようにしています。グローバルとローカルの両方で大成功する『Fall Guys』のようなタイトルを見つけるのは簡単なことではありませんが、すべての市場で、できる限り多種多様なタイトルを揃えられるように努めています。

――『Rocket League』や『Fall Guys』がフリープレイで提供されたときは驚きました。これはどのようにして実現したのでしょうか。また、タイトルの選定はどのようにして行っているのですか?

Maguire
 すばらしい質問ですね! SIEの社内には優秀なチームがたくさんいて、さらに私たちは豊富なデータを持っています。また、あらゆるパートナーと話し合いながら、どういった機会があるのか、パートナー各社といつも相談しています。

 そのうえで最初に、大量にあるタイトルの候補を検討することから始めます。ゲームのジャンル、ライフサイクルのどの段階にあるか、ゲームの発売からどれくらい経っているか、などの点を考慮し、そこから各ゲームをどのTier(PS Plus プレミアム、エクストラ、エッセンシャル)に加えるべきか検討します。

 エッセンシャルプランは、より幅広い顧客ベースにアピールすることが求められるオンラインゲームと相性がいいです。1、2年以内にリリースされた比較的新しいゲームや、発売同時にカタログ入りするタイトルの場合は、上位2層のプラン(プレミアムおよびエクストラ)に加入しているお客様に向けて、ゲームカタログに追加することが多いです。

 最後に、それらのコンテンツを適切な時期で配信できるようにスケジュールを調整します。ユーザーを引き付けるのに最適な季節や時期にあわせて、コンテンツを配信できるように努めています。

――PS Plusの機能をさらに充実させる予定はありますか? 新作タイトルやサービスで利用できる新機能など、できる限り詳しくお答えください。

Maguire
 本日、具体的にご案内できることはありませんが、私たちはつねにサービスを進化させ、より多くの機能やサービスを追加していくことを目指しています。2022年にPS Plusを刷新してから、ソニー・ピクチャーズ・コアのような新サービスを追加したり、PS5のクラウドストリーミングや、 PS Portalでのクラウドストリーミング(ベータ)を追加したりしており、そういった実績を見ていただければ、私たちがつねに付加価値をお届けする方法を模索していることがおわかりいただけると思います。今後もそれを続けていきますし、皆様の体験をさらに向上させるために取り組んでいきますので、ぜひご期待ください。

――最後に日本のユーザーに向けてメッセージをお願いします。

Maguire
 この度のPS Plus 15周年を記念し、今後の数ヵ月はさらに多くのコンテンツをユーザーの皆様にお届けしていく予定です。日本のユーザーの皆様にはとにかく感謝をお伝えしたいです。皆様のご支援と、我々のサービスに加入していただいていることに心から感謝しています。昨年、PlayStationが誕生30周年を迎えましたが、皆様の熱量やノスタルジーの感情はPS Plusにも表れており、とくに過去6ヵ月間のPS Plusプレミアムやクラシックスタイトルを見てもそれを感じることができます。今後もPS Plusをさらに進化させ、価値を高め、よりよい体験を提供できるよう努めてまいりますので、ぜひご期待ください。
※既に配信が終了しているタイトルも含まれます。最新情報は、PS Plus公式ページもしくはPS4/PS5本体でご確認ください。[IMAGE]
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