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『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭氏インタビュー。ポケモン&持ち物の追加タイミングやシングルバトル公式大会の開催など新情報公開! 時間切れ時の引き分けについても言及

『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭氏インタビュー。ポケモン&持ち物の追加タイミングやシングルバトル公式大会の開催など新情報公開! 時間切れ時の引き分けについても言及
 2026年4月8日にNintendo Switch版がリリースされた『Pokémon Champions』(『ポケモンチャンピオンズ』)は、「ポケモンバトルをすべての人へ」をコンセプトに掲げる基本プレイ無料のゲーム。夏にはスマートフォン版のリリースも予定されている。
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 基本プレイ無料であることやポケモンバトルの育成が圧倒的に楽になったこと、対戦に特化したチュートリアルや細かな仕様説明など初めてポケモンバトルを遊ぶ人への手厚いサポートもあり、これまでとは比べ物にならないほど界隈が大盛り上がりを見せている。

 『
ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』のランクバトル・シーズン1の参加者数は公式のデータ(※)によれば122万人を超えていた。この時の最終1位達成者のレートは2415.819。
※『Pokémon HOME』のバトルデータを参照。
 レートの上がりかたは参加者数の多さと相関があるとされているが、原稿執筆時点での『ポケモンチャンピオンズ』における最高レートは2700に達しようとしている。厳密な数字は公表されていないのでわからないが、シンプルな計算で考えれば122万人を超える人口がいることになるはずだ。実際にプレイしていて「当然そうだろう」という実感がある。

 本作の発売タイミングで、ポケモンバトルの持つおもしろさが新たにアップデートされたかといえば、それは否だろう。ポケモンバトルはもともと非常に奥深い戦術性を持ったユニークなコンテンツである。

 ではなぜここまでのムーブメントを巻き起こすことになったのか。ファミ通.comでは本作の開発責任者・株式会社ポケモンの星野正昭プロデューサーにインタビューを実施。本作にかける思いや開発・運営に関する葛藤、今後の展望についても訊いた。

みずからが愛してやまないポケモンバトルを未来永劫残すため、専用タイトルを開発

――まずはリリースおめでとうございます! リリースから1ヵ月ほどが経過しましたが、プレイヤーの皆さんからの反響はいかがですか?

星野
 ありがとうございます。想定していた以上に大きな反響をいただいております。『ポケモンチャンピオンズ』で初めてポケモンバトルに触れてみたという方がたくさんいらっしゃることがとてもうれしいですね。開発メンバーのお子さんの小学校でもブームになっていると聞いていまして、その広がりには驚くばかりです。ただ現状に満足することなく、末永く継続して遊んでいただくために今後も気を引き締めて運営を行っていこうと思います。

――とくにうれしかった出来事はありましたか?

星野
 新規のプレイヤーさんだけでなく、久々にポケモンバトルをやってくれている方々もたくさんおり、個人的に昔よく見ていた配信者・動画投稿者の方がプレイしてくれているのを見るとうれしくなってしまいますね。自分以外の開発メンバーも、開発のための情報収集という建前で純粋に楽しませてもらっています(笑)。今回初めてポケモンバトルに触れてみたという方も多く、ポケモンバトルの楽しさが広まっていっているのが実感できてうれしいです。

――ユーザー目線でも、従来の比にならない数のプレイヤーがいることは日々実感しております。実際、現在のプレイヤー数はどれくらいなのでしょうか?

星野
 いま眼の瞬きを1回するまさにその“瞬間”にも100回以上の対戦が決着しています。もちろん進行中の対戦で言えばまったく桁違いの数が行われています。リリース直後に開催した公式大会“ウォームアップチャレンジ”には約72万人、5月頭に開催したばかりの公式大会“グローバルチャレンジ2026”には約48万人が参加されていましたが、予想をはるかに超える人数に驚かされてばかりいます。
『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭氏インタビュー。ポケモン&持ち物の追加タイミングやシングルバトル公式大会の開催など新情報公開! 時間切れ時の引き分けについても言及
――30周年を迎える2026年にリリースされたことには特別な意味があるのでしょうか。

星野
 リリースのタイミング自体はたまたまなのですが、30周年という大きな節目に本作を世に出せたことは、非常に幸運で意義深いことだと感じています。

――本作での目標は「ポケモンバトルを未来永劫残すこと」とのことですが、その想いはどこから生まれたのでしょうか。

星野
 『ポケットモンスター』シリーズは、『Pokémon LEGENDS アルセウス』や『Pokémon LEGENDS Z-A』を含め、つねに新しい挑戦を続けています。そうした流れの中で、私や森本さん(※)を筆頭に“ターン制バトル”という根幹の遊びを“永遠に残したい”という強い想いを抱く者たちもいました。そんなメンバーが集まって制作を始めたのが『ポケモンチャンピオンズ』なのです。
※株式会社ゲームフリーク・森本茂樹氏。『ポケットモンスター』シリーズに初期から関わるメンバーのひとり。『ポケットモンスター 赤・緑』では戦闘プログラムの開発を担当。『ポケットモンスター ルビー・サファイア』からはバトルディレクターを務めている。
――たとえば、2027年に発売予定の『ポケットモンスター ウインド・ウェーブ』以降は新たな形式のバトルにより積極的に挑戦していくということなのでしょうか。

星野
 いえ、直近の具体的なタイトルのお話ではなく、『ポケモンチャンピオンズ』はもっと先の未来を見据えています。実際に『ポケットモンスター ウインド・ウェーブ』がどのようなバトル形式であるかは、自分も存じません。たとえば数十年後には、現在の常識には縛られない新たなポケモンのバトルが生まれているかもしれないですよね。それはそれで楽しみにしていただきつつ、我々の愛するターン制のポケモンバトルも未来永劫楽しめるように専用のタイトルに切り離したというわけです。
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――星野さんがそれほどまでにポケモンバトルを愛することになったきっかけを教えてください。

星野
 『ポケットモンスター ピカチュウ』をプレイしたのがきっかけです。そのころは失礼ながら『ポケットモンスター』に対し“子ども向け”というイメージを持っていたのですが、実際に遊んでみると大人も夢中にさせるほどの魅力に気づかされました。前職は対戦格闘ゲームの開発に携わるプログラマーだったというのもあって、とくにバトルシステムが極めてすぐれていることに感動したんです。

 それ以来、すっかりポケモン対戦にハマってしまいました。これまでにどれだけフカマルのタマゴを孵したか見当もつきませんし、バトルが得意な能力のテラキオンを捕まえるのに丸3日かけたこともありました。いま考えると、3日はけっこう早かったのかも(笑)。ポケモンの育成に費やした時間だけでも、何千時間という単位では収まらないかもしれませんね。
――ポケモンバトルのどんなところに魅力を感じていますか?

星野
 とにかく「人と人との対戦のおもしろさに勝てるものはない」というのが持論です。その中で、徹底された公平性と幅広い戦略性が、対人戦ならではの駆け引きのおもしろさをより奥深いものにしてくれていると考えています。しかもポケモンの数はいまや1025種類と本当に多種多様になっている中で、どんなポケモンでも戦略次第で活躍できるというのがすごいところだと思っています。これは『ポケモンチャンピオンズ』でも、つねに重要視していることのひとつです。
『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭氏インタビュー。ポケモン&持ち物の追加タイミングやシングルバトル公式大会の開催など新情報公開! 時間切れ時の引き分けについても言及
――それだけ筋金入りのポケモンバトルファンが『ポケモンチャンピオンズ』を作っているというのはプレイヤーにとってもうれしい情報だと思います。星野さんは『ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT』、『ポケモンユナイト』、『ポケモンチャンピオンズ』の開発に携わっただけでなく、ポケモンカードゲームでも熱心なプレイヤーでもあり、ポケモンにかける情熱はすさまじいですよね。

星野
 そうですね(笑)。ポケモンバトルは『ポケットモンスター ルビー・サファイア』のころには社内大会を主催するようになっていましたし、『ポケカ』にもどっぷりとハマって、世界大会に出場したこともありました。
――“ポケモンジャパンチャンピオンシップス 2018”でDAY2に『ポッ拳』部門で出演予定があるにも関わらずDAY1にポケモンカード部門に選手として出場した結果、うっかり勝ち進んでDAY2進出してしまった話は聞いたことがありましたが、世界大会にも参加していたんですか!?

星野
 あのときのPJCSでは泣く泣く選手としてのDAY2出場を諦めて『ポッ拳』部門の解説をしていました……。

――そりゃそうです(笑)。

星野
 世界大会の方は、厳密には“ポケモンワールドチャンピオンシップス 2013”の現地で行われた“Last Chance Qualifier”と呼ばれる最終予選に参加したという話ですね。けっきょくその年に世界5位になった選手に負けて敗退したので、私は実質世界6位だったと言い張っています(笑)。

 それは冗談として、そこで世界大会に参加する選手や観客たちの熱量のすさまじさを目にした感動が原動力となって『
ポッ拳 POKKÉN TOURNAMENT』、『ポケモンユナイト』、そして『ポケモンチャンピオンズ』を開発してきたわけなので、とてもいい経験をさせてもらったと思っています。

――これまで競技性の高いポケモン関連タイトルを数多く手掛けてこられましたが、今後成し遂げたい構想はありますか?

星野
 いまは『ポケモンチャンピオンズ』の来年以降の構想を練っている最中です。何も決まっていない完全にアイデア段階ですが、複数競技での王者を決める大会もおもしろいかもしれませんね。じつはかつて関係者大会として、ゲームとポケモンカードと『ポッ拳』の3種目混合大会“ポケモントライアスロン”が開催されたのですが、これが非常に盛り上がりまして(笑)。ユーザーの皆様のあいだでも、そういった独自の大会を開いていただけたらうれしいですね。

時間切れ時“引き分けの”仕様変更の意図。シングルバトルプレイヤーに向けた公式大会が開催決定!!

――長期運用型のタイトルとしてバランス調整も適宜行うと話されていました。具体的にどのようなスパン・内容を想定しているか、教えてください。

星野
 リリース直後から不具合については発見次第、随時対応しております。環境の変化という面においては、まずはスマートフォン版のリリースに向けて注力しているところです。また、今後はおおよそ3ヵ月ごとにポケモンの追加を予定していますし、“持ち物”も一部解禁するつもりです。

 現状は多くのメガシンカポケモンが活躍できる環境になっており、ポケモンバトルに慣れていない方にもわかりやすい環境作りという点では、一定の成功を収めたと考えています。一部から「使えるポケモンや持ち物の種類が少ない」という声がある一方で、「これでも十分多い」という声も頂戴しており、まずは慎重に環境を進めていく方針です。スマホ版リリース時も、初心者の方が入りやすいわかりやすさを最優先にしていきます。
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――今後のポケモンや持ち物の追加も、あくまで一部ということですよね。

星野
 はい、そうなります。SNSなどでのプレイヤーの方の反応を見ていると、コアなプレイヤーの皆さんも「新規のプレイヤーがたくさん参入してきてほしい」という私たちと同じ思いを持ってくださっている方が多いと感じています。もちろん中には物足りないと感じていらっしゃる方もいるかと思いますが、現状でも初めてバトルに挑戦する方にとっては特性や持ち物、技の効果など分からないことがたくさんあって難しい部分もあると認識しています。

 スマホ版のリリース時には、Nintendo Switchを持っていない、これまでポケモンに触れてこなかった方々にも遊んでもらえることを期待しています。そういった面でもまずはわかりやすさを重視して、要素の追加に関しては緩やかなペースで進めていくつもりです。

――現状でも200種以上のポケモンたちが登場していて、それを1から覚えるとなると決して簡単ではないですよね。もちろんすべてを覚える必要はないわけですが。

星野
 そうなんです。たとえば将棋の駒は8種類ですけど、これが200種類あったら動かしかたを覚えるだけでもたいへんですからね(笑)。なのでまずは現在登場しているポケモンたちのことを少しずつ知ってもらうための期間をもうすこし設けてもいいのではないかと考えています。

――ゆるやかにではあるものの、3ヵ月を目途にポケモンの数も増えていく予定とのことですが、レギュレーション変更のタイミングなどで使用可能なポケモンが一新されることもあり得るのでしょうか?

星野
 決まっているわけではありませんが、可能性としてあり得ると思います。いまはメガシンカが使用可能なレギュレーションですが、これが別のシステムに切り替わるタイミングではそれに合わせたポケモンたちを登場させることになると思います。それこそ将来的には伝説のポケモンなども使用可能になるタイミングがあるかと思いますので、そういう意味でも1度登場させたらそのままずっと継続というわけにはいかないだろうと考えています。現時点で確定しているものではないので、今後も皆さんのご意見を参考にさせていただきつつ臨機応変に対応していきます。

――現状、プレイヤーから寄せられている意見で調整を検討しているものはありますか?

星野
 ユーザーの皆様からは非常に多くの声を寄せていただいております。UIの改善など、利便性の向上については適宜対応していく予定です。バトル面での調整については、いまのところは特定のポケモンが突出して強すぎるというご意見はほとんど見られないので、ポケモンに対する変更は予定しておりません。

――最初のPVで大きく取り上げられていたヘイラッシャを始め、ガチグマやメガメタグロスなどがリリース時点では登場しなかったり、ブリジュラスやガオガエンなど従来は覚えた技を覚えなくなったポケモンがいたりといった点は、バランス調整の賜物という印象です。改めてこうした調整の意図について教えてもらえますか?

星野
 多くのメガシンカポケモンをしっかりと活躍させられるように、そして初めてポケモンバトルをする人にとって複雑すぎる要素をなるべく入れないようにしようという判断でした。いま挙げてもらったポケモンたちの中だと、とくにヘイラッシャはシャリタツとの組み合わせも含めて難しい部分が多いだろうということでレギュレーションM-Aからは外れてもらいました。

――能力変化演出の短縮、連続技のアニメーション短縮、いつでも降参可能など、1試合あたりの時間を短くする工夫が数多く見られます。その理由やこだわりを教えてください。

星野
  “プレイ時間の短縮”は開発当初から掲げていた大きな目標のひとつでした。以前にプロデューサーとして開発を行った『Pokémon UNITE』では、類似ジャンルのタイトルが1戦につき約30分かかるところを10分に短縮しましたが、それでもまだ“長い”と感じる層が存在します。そこで本作では平均プレイ時間5分を目指し、勝っても負けてもサクサクと連戦できるよう、あらゆる処理を精査して短縮化を図りました。

 とはいえ、本作は単なるシミュレーターではなく、ポケモンたちが生き生きと活躍する姿を見せることも重要です。そのため、技の演出は豪華にしつつ冗長なものはカットし、ターンの合間の処理は文字が読める限界まで縮めました。ダブルバトルにおける“いかく”の同時発動や連続技の簡略化はその一環です。
『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭氏インタビュー。ポケモン&持ち物の追加タイミングやシングルバトル公式大会の開催など新情報公開! 時間切れ時の引き分けについても言及
 また “いつでも降参できる機能”は必須だと判断し、サーバーエンジニアには負担をかけつつも開発を進めました。その結果、現在の平均プレイ時間は約4分となり、目標よりもさらに短くすることができました。結果として「やめどきがわからない」といううれしい声もいただいており、確かな手応えを感じています。
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――1戦1戦が従来より素早く終わる実感はありましたが、平均が4分というのは驚きました。

星野
 かなり早いタイミングで降参となる試合も少なくないので、実感よりは短い数値になっているかもしれませんね。

――対戦時間の話に関連して、本作では対戦時間が切れたときの判定が変更されています。この仕様に至った経緯と現状の見解をお聞かせください。

星野
 時間切れによる判定勝ちを狙う戦術については、開発内で激しい議論を重ねました。サクサクと連戦を楽しんでほしいという本作のコンセプトに対し、この戦術は真逆の性質を持ちます。戦略のひとつとしては理解していますが、本作からバトルを始める方には大きな負担になると判断しました。それらを踏まえて議論を重ねた結果、ランクバトルでは“引き分け”、大会では“判定あり”という形でのリリースを決めました。

 リリース後のランクバトルのデータを見ると、引き分けの発生件数はダブルバトルでは全ランク帯でほぼ皆無(0.1%未満)、シングルバトルでも上位層では少し増えるものの、全体としては少数という結果になっています。おもにシングルバトルの上位層からはさまざまな意見が出ていること、その内容についても認識しておりますが、その一方でこの戦術に苦しめられてきた方々からは歓迎の声が多く届いているのも事実です。この状況は我々が望んでいた形でもあり、スマホ版で初心者が増える当面の間は現状を維持したいと考えています。

――初心者層を優先した現状の狙いについて理解も納得もできます。とはいえ一部で賛否が分かれていることについてはどうお考えでしょうか。

星野
 議論が巻き起こっている原因のひとつは、シングルバトルプレイヤーの方が打ち込める先がランクバトルしかないことにあると捉えています。今後はシングルバトルルールの大会も積極的に開催していく予定です。具体的には、“マンスリーチャレンジ”シリーズという大会を毎月開催します。これをまずはシングルバトルルールでの開催ということで考えています。大会では時間切れが起こった場合、従来通りの判定によって勝敗がつくことになります。

――シングルバトルの公式大会をやってほしいという声は以前から多くありましたから、この発表は大きな反響がありそうですね!

星野
 そうですね。また本件に対するご意見も見させていただきつつ、引き続き思索を続けていければと思います。

PPは本来“冒険”を前提にした数値設定。本作ではバトル向けにすべての技を見直し

――本作ではこれまでゲーム内では説明しきれていなかった技の効果などが詳細に記されています。これらを表に出す際、工夫や苦労はありましたか?

星野
 開発チーム内でも“数字をすべて出す方が親切”派と“情報過多で敬遠される”派で分かれていましたが、議論の末に全プレイヤーに読んでもらう必要はないという結論になり、すべての数値を出す方向に舵を切りました。タイプ相性についても、条件に応じてアイコン表示を変化させるなど、視覚的なわかりやすさには徹底的にこだわっています。
『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭氏インタビュー。ポケモン&持ち物の追加タイミングやシングルバトル公式大会の開催など新情報公開! 時間切れ時の引き分けについても言及『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭氏インタビュー。ポケモン&持ち物の追加タイミングやシングルバトル公式大会の開催など新情報公開! 時間切れ時の引き分けについても言及
――特性“フェアリースキン”のニンフィアでハイパーボイスを選択しようとして、タイプアイコンがフェアリータイプになっていることに気づいたときは感動がありました。

星野
 苦労という意味では、これまでの作品で築き上げた翻訳資産がそのまま使えず、日本語を除く9言語分の翻訳を新たにし直さなければならなかった点が非常に苦労しました。また、少し別の話ではありますが、メガメガニウムの特性“メガソーラー”の仕様は私の発案がもとになっているのですが、自分が技を使ったときだけ天気をにほんばれ状態にするせいでタイプ表示のバグを多発させ、スタッフには苦労をかけました(苦笑)。

――メガソーラーは星野さんのアイデアだったんですね! これまでにないユニークな効果を持った特性ですが、どういった発想から生まれたのでしょうか。

星野
 『Pokémon LEGENDS Z-A』の公式サイトに書かれている「4輪の花に蓄えた大量の太陽エネルギーの影響で、即座にソーラービームを放つことができるようになりました。」というテキストを特性の効果として落とし込んだ形です。
『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭氏インタビュー。ポケモン&持ち物の追加タイミングやシングルバトル公式大会の開催など新情報公開! 時間切れ時の引き分けについても言及
――本作での大きな変更点として、“生まれつきの強さ”の廃止があります。改めてその意図を教えてください。

星野
 前述の通り、ポケモンの育成を楽しんでいた自分からすると寂しさはありますが、対戦準備にそれだけの時間を強いるのはさすがに時代に合っていないと考えました。リリース前は一部懸念の声もありましたが、リリース後はこのわかりやすさが評価されていると感じています。何より、これまでの作品や『ポケモンGO』から連れてきた思い入れのあるポケモンたちが、すぐに最前線で活躍できるのはとても素敵なことだと思います。私自身も10年以上前にポケモンセンターでもらった、“てをつなぐ”を覚えた色違いのリザードンを連れてきて活躍させています。
※わざ“てをつなぐ”は『Pokémon Champions』では使えません。『Pokémon HOME』に戻すと預けた時の状態に戻ります。

――特別な思い出があるポケモンをすぐにバトルで使えるだけでなく、『ポケモンHOME』に戻せば特別な技を思い出させられるというのもうれしい配慮ですね。

星野
 そうなんです。また『ポケモンGO』ではさまざまなポケモンを捕まえられるので、そういう意味でも『Pokémon HOME』を介した『ポケモンGO』との連携は個人的にもうれしく思っています。いま私はニューラ(ヒスイのすがた)をオオニューラに進化させるために、相棒にしていっしょに7キロ歩いている途中です。

――生まれつきの強さと同時に、PPの数値にも大幅な変更がありました。こちらもお考えを聞かせてください。

星野
 PPについては本作には“ポイントアップ”や“ポイントマックス”がありませんので、数値の変更自体は必要だと考えていました。そしてポケモン対戦に熱中していると忘れがちなのですが、『ポケットモンスター』シリーズはそもそもRPGなんですよね。PPの数値は街から街への冒険を踏まえて設定されているんです。


 なので技によってはPPが30とかあったりするわけですが、対戦だけを考えればそんなに必要ないので森本さんと相談しながら、すべての技を見直してPPを設定し直しました。これもポケモンバトル専用のタイトルとして開発したからこそできたことですね。

――まさしくPPが冒険を考慮した数値になっているという視点は頭から抜けていました。

星野
 ですよね(笑)。なので対戦に必要な分に留めて、全体的に数値を抑えた調整になっています。

――マスターボール級のさらに上、“チャンピオン級”を設けた意図は何でしょうか。

星野
 従来のマスターボール級は、熟練のプレイヤーにとっては少し“やさしめの目標”になっていたかもしれません。毎シーズンすぐに到達することが当たり前になっている人も、そこで満足しておしまいにしてしまう人も少なくなかったと思います。

 そこで今回はより高みを目指せるチャンピオン級を用意し、真に称えられるべきクラスを目指していただきたいと考えました。ポケモンの“チャンピオン”を決めるゲームですからね。また、マスターボール級の中にもランクを細かく設けて、より上位を目指し続けて頂けるようにしています。
『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭氏インタビュー。ポケモン&持ち物の追加タイミングやシングルバトル公式大会の開催など新情報公開! 時間切れ時の引き分けについても言及
――本作は基本プレイ無料の一部アイテム課金制ですが、課金をする要素が限られており、一部コアなファンからは「もっと課金をしたい」という声もあります。課金要素の追加予定はありますか?

星野
 本作を「未来永劫続ける」と宣言している以上、プレイヤーに過度な負担を強いたくないというのが我々の基本スタンスです。一応、ユーザーからの要望があった場合を考えて個別販売する機能を用意はしてありますが、まだしばらくはバトルパスでの衣装や、メンバーシップで聴ける楽曲などを増やしていきますので、毎月継続して遊び続けていただければ、開発としてはそれだけでありがたいです。

――自分も当事者なので「もっと課金をしたい」という意図を自己流に翻訳すると、要は『ポケモンチャンピオンズ』がものすごく楽しいので、採算が取れなくてサービス終了なんてことになることがいちばん怖いのです。お金を払って安心したくて。

星野
 そういう方はぜひメンバーシップに加入していただけますと幸いです。ボックスに預けられるポケモンの数がいっきに1000匹増えますし、バトルチーム数も15枠増加します。メンバーシップ専用ミッションも解放されるので、報酬で各種チケットなどを手に入れられます。また対戦中に聴ける戦闘曲の種類も今後さらに追加予定です。ほかには+スターターパックもお買い得なのでおすすめです。
『ポケモンチャンピオンズ』プロデューサー・星野正昭氏インタビュー。ポケモン&持ち物の追加タイミングやシングルバトル公式大会の開催など新情報公開! 時間切れ時の引き分けについても言及
――もう買えるものは当然全部買ってるんです……! ただ何となく安心してよさそうな気配は感じ取れました。ぜひ未来永劫、我々ポケモンバトルプレイヤーの面倒を見続けてくださるようよろしくお願いします。それでは最後に、ファンの方々へメッセージをお願いします。

星野
 『ポケモンチャンピオンズ』は誰もが世界一のチャンピオンになる可能性を秘めたゲームです。無料で十分楽しめる作品ですので、皆さんの挑戦をお待ちしております。まずは現在開催されているレギュレーションM-Aでのメガシンカ環境を楽しんでいただきつつ、徐々に参加出来るポケモンや持ち物を追加していきますのでどうぞご期待ください。本作はプレイヤーの皆さんとともに育っていくタイトルだと思っておりますので、未来永劫、ゆっくりと温かい目で見守っていただければ幸いです。

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