『仁王3』α体験版レビュー。オープンフィールドになった戦国死にゲーは、止めどきのない探索×骨太バトルの連続が魅力! マルチプレイで複数人での探索にも対応

by西川くん

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『仁王3』α体験版レビュー。オープンフィールドになった戦国死にゲーは、止めどきのない探索×骨太バトルの連続が魅力! マルチプレイで複数人での探索にも対応
 2025年6月5日に発表された、コーエーテクモゲームスのダーク戦国アクションRPG『仁王3』。対応ハードはプレイステーション5(PS5)、PC(Steam)で、発売は2026年初頭を予定している。開発はコーエーテクモゲームスのTeam NINJAが務める。

 発表と同時に、2025年6月18日まで体験できる“
『仁王3』α体験版”が配信された。本記事では体験版を実際にクリアーまで体験したプレイレビューをお届けしよう。なお、先行試遊(1時間ほどプレイ)の感想とそれを踏まえたインタビューもあるので、併せてチェックしてみてほしい。
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舞台は戦国時代だが……?

 主人公の名前は徳川竹千代と決まっているが、キャラクタークリエイト式で性別や見た目などは自由に変更可能。このあたりは『仁王2』から引き続き、採用されている要素。体験版では残念ながらプリセットのみ選択でカスタムはできない。
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 徳川竹千代といえば徳川家康と幼名と同じなのだが、どうやら家康とは別の存在のようだ。体験版の範囲では、主人公がどのような設定になっているのかはいまのところ不明。やはり無口系だがセリフは一応発することがあるので、英語しか話せない設定(ウィリアム)や、言葉が話せない(秀千代)ようなキャラクターではないようだ。
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 体験版の範囲では武田信玄や本多忠勝などの有名武将も確認できるほか、ステージ中で直虎の文字もあった。おそらく井伊直虎のことだと思われるので、徳川家康四天王的な人物たちも関わってきそうだ。このあたりのファンタジーと歴史が絡む、『仁王』シリーズらしい解釈はやはり気になるところだった。
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“武田の赤備え”こと、山県昌景の姿も。タイムリーに赤いガ〇ダムかと思った。
 ちなみに体験版で遊ぶ章の名前は“2章 戦国”である。これまでならば“〇〇篇”などと名付けられた章区切りで、戦国時代の日本地図からステージを選んでいた。マップ名、章の名前に“戦国”と書かれてしまうと、別の時代に行くのだろうか? と勘ぐってしまう。とはいえ、『仁王2』のダウンロードコンテンツの時点で平安時代に行ったりしていたので、とくに不思議でもないのだが。
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オープンフィールド戦国死にゲー!

 『仁王3』の大きな変更点は、これまでのように複数あるミッションを選択し、リニアに進むステージを攻略する形ではなくなり、ミッションひとつが巨大なオープンフィールドとなったこと。ミッション1個の中に多数のステージが内包されているようなイメージだ。

 これまでは道順に進んで各ステージを攻略していたが、攻略の面でアプローチが多方向から仕掛けられるようになったほか、攻略順を自分で選べるのが大きな違い。
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 また、オープンワールドではなく“フィールド”とあるように、フィールド自体はさほど広くない(少なくとも体験版を遊んだ範囲では)。広すぎないが、かといって狭すぎもしない、アクションゲームに最適なサイズ感になっている。
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 細かな違いで言うと、本作よりジャンプが新登場。が、ジャンプを駆使した探索要素はそこまでない。これまであった梯子で登る場所が一部ジャンプになったな、というくらい。たまにジャンプじゃないといけない場所や、ちょっとしたアスレチックもあるが、『Rise of the Ronin』のようにビュンビュン飛び回る必要はない。また、壁登りもないので『Wo Long: Fallen Dynasty』ほど高いところに登ることもなかった。
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 段差を一応登ることもできるが登れる場所自体は多くはない。登れそうなスポットがたくさんあるので試したくなるが、慣れると大半は登れないことがわかってくるだろう。「この箱は登れるな」と次第に、ジャンプすべき場所を理解するようになる。
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落ちたらマグマに焼かれるようなジャンプアスレチックがいくつかある。
 また、“奇譚”というサブミッションもある。これまでサブミッションはミニステージのような感じだったが、フィールド内で受注して依頼をこなすものに変わっている。今回体験できたのは、“幽霊の願いを叶える”というものだった。
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 幽霊がそのまま自分に憑いてくる状態で進行。そのため、願いを叶えたらその場で達成された。依頼者のもとに報告へ行く手間がなかったので、全体的にはストレスフリーなオープンフィールド体験を目指しているように感じた。

 また、光っているポイントを調べるとアイテム入手とともに残留思念からセリフが聞こえてくるのは、シリーズおなじみの要素。オープンフィールドになった本作では、残留思念の存在がより効果的に際立っている。前作までも、死の目前の状況が語られることはあったが、本作の場合は周囲の情報や探索のヒントがあり、より広範な情報が得られる。
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膨大すぎるステータスが悩ましい、レベルアップの仕組みや装備変更のガチャガチャ感も、シリーズそのまま。
 これらの調べるポイントは、いままでも道標のひとつでもあった。本作はそれに加えて、道標のヒントのように細かなアムリタ(シリーズのキーアイテム。ゲーム的にはお金・経験値)が多数置かれている。これがまるでコインを拾い集めるような感覚で楽しく、ほんのりとしたルート誘導にひと役買っている。

 そしてフィールドは、いくつかのエリアで区切られている。エリアごとに探索度があり、探索レベルを上げるとステータス効果などのボーナスが得られる。エリアの攻略で主人公を強化するだけでなく、探索でも主人公の強化を図れる仕組みだ。
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マップ探索度を上げると、開けていない宝箱の位置もわかるようになるので、とても便利。
 そもそも『仁王2』までは、武器や各術を使い込むことでスキルポイントが取得でき習得していくものだった。スキルポイントはアイテムでも入手できたが、本作ではスキル獲得がすべて探索に紐づくようになった。
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 シリーズの代表的な“木霊”を探す収集要素はフィールド全体効果になっているので、いままで以上に恩恵を受けやすい。“木霊”と同じような効果を持つ“六地蔵”もあるが、こちらはおそらく全体数も少なく、かつ見つけるのもたやすい。
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 『仁王2』で人気を博した妖怪“すねこすり”は、いままでは撫でると戦闘要員として戦ってくれたが、本作では追いかけることでアイテムを手に入れることができる、アスレチック的なコンテンツに変化している。
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 新妖怪の“千々古(ちぢこ)”は、オコジョ的な鞠のような妖怪。空中をフワフワと浮いているので、それを的当て遊びとして弓矢などで射抜くと撫でることができる。撫でるモーションの感じは、『Rise of the Ronin』らしさをものすごく感じた。
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千々古。カワイイ。ちなみに現実での千々古は、妖怪というか怪談のひとつのような感じで、妖怪かと思ったら「ふつうに鞠でした」みたいなオチのある話。それが本作ではマスコット的な妖怪に!
 また、一部は敵が集結した拠点となっており、すべて倒す制圧クエストのようなものも存在する。探索要素の種類はたくさんあるが、数自体はスキルポイント獲得の要素を除くと、体験版の範囲ではものすごく多いわけではなかった。あくまでバトルアクションのオマケくらいのイメージ。いい意味で、探索過多ではないのがちょうどいい塩梅だと感じた。

 なお、体験版で遊べたのは戦国フィールドの3エリアだけで、ほかのルートは塞がっていて行くことはできなかった。が、マップを見た感じ3エリアは戦国フィールドの末端といった感じで、全体の1/10くらいに見える。製品版ではより広大なフィールドが待っていそうだ。ファストトラベルも存在し、各社がファストトラベル地点になっている。
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体験できた3エリアのマップ。その外側にはもっとエリアが広がっているように見える。しかも、“2章 戦国”マップなわけで。

プレイフィールはそのまま、無限に続く旅

 まとめると、基本的には過去作のステージ進行とプレイフィールはいい意味でそこまで変わらなかったことに驚いた。違いは多々あるのだが、基本は『仁王』シリーズを遊んでいる感覚とほとんど同じなのだ。いままでは正面から行くしか基本できなかったところ、裏から、または横からステージを攻略できるため、攻略の幅が少し広がったくらい。

 実際にやることは敵との骨太な戦いと、光るポイントや宝箱などを道中探しながら進むことにあり、じつのところいままでの
『仁王』シリーズの楽しさはそのまま。敵からジャンジャンドロップする装備を付け替えたりしながらフィールドを進んでいく魅力は、まったく失われていない。
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 遊び込んで感じた最大の魅力は“ステージ選択式じゃないので、区切りがなく止めどきが本当にない”こと。強敵を倒した、重要な装備・スキルを発見した、エリアの達成度を最大まで上げた、などなど区切りはもちろんあるのだが、ミッション選択画面に戻されるのではなく、そのままフィールド体験が続くので「じゃあつぎはこっちに行こう」と、戦いと探索に終始明け暮れてしまうのだ。
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ボスを倒したときのゴッソリ装備ドロップは、ハクスラ感の強いおなじみの要素。
 体験版は最後に現れる大ボスを倒せばクリアーとなり、体験版周回プレイのような形でクリアー後の世界に戻される。体験版なのに、しかも3エリアしか体験していないのに、フルフルで探索しきれば5~6時間は余裕で遊べるボリュームとなっていた。製品版のボリュームは恐ろしいことになりそうだ。

 ちなみにクリアーするまで「フィールドの移動速度、遅くない?」と筆者はプレイしながら感じていた。おそらく、同じように感じた人も少なくないだろう。安心してほしいのは、体験版をクリアーするとフィールド移動速度が劇的に上がる“疾風駆け”を習得する。
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 クリアー後にはなるが、快適なフィールド移動も用意されているので、よりストレスなく探索が捗る。なお、クリアー後はより高難度ミッションが遊べるだけでなく、“称号”といったおなじみのシステムなどの細かなシステムも解放されるので、さらにやり込めるようになっている。
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新要素・地獄

 リニアなステージ攻略型ではなくなったので、では何を目標にするのかというと、基本はストーリーに合わせて“地獄”を祓うというゴールを目指すゲームになっている様子。
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マップで見たときに、地獄を祓っていないと完全に隠されてしまう(といいつつ、ちょっとポーズ解除で見えたりするのは体験版だからだろうか)。
 体験版の最終エリア、つまりゴール地点も“地獄”と呼ばれる新要素となっている。地獄は『仁王2』でいう“常闇”のようなもので、敵が強くなりこちらにデメリットがたくさんある危険地帯だ。頻繁にあるわけではなく、フィールドに“小地獄”といったバトルミッションのような場所があり、物語の目標最終地点が本番となる“地獄”という流れ。
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 なお、体験した範囲では“地獄”エリアはオープンフィールドといった感じではなく、これまでのようなリニアなステージ進行にかなり近い。入り組んではいるが、“あるある”な後ろからじゃないと開けられない扉、落とさないといけないハシゴなど、ショートカットを解放しながらステージを攻略していく感じ。

 地獄のデメリットは、スムーズに攻略が進むと気にならないが、攻撃を食らうと最大体力がどんどん減っていくのがいちばん大きい。敵を攻撃することで最大値は回復するものの、沼にハマればまさに地獄。“常闇”のように妖怪技が強化されるなどの逆メリットが存在する点も変わらないが、ステージ全体がずっと地獄状態で進んでいくので、ある意味“常闇”よりも厄介かも。
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遠くに目標である地獄と化した地点が見えるのは、オープンフィールドだからこその体験。
 “小地獄”は、地獄と条件は同じだが、出現するいくつかの敵たちを倒していけば達成となる。落命せずに倒せば短時間で終わるので、いままでのサブミッションに近いイメージだ。達成すると、守護霊の能力が解放されるなどの恩恵があるので、なるべく地獄に挑む前に挑戦したい要素になっていた。

 育成面では地獄でしか手に入らない“地獄武器”が登場。攻撃力は高いが、通常のフィールドでも攻撃を食らうと最大体力が減ってしまう、ハイリスクハイリターンな武器だ。また、スキル攻撃の“武技”が付いていて、地獄武器を使い込んで習得しないと解放できない要素もある。
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なお、敵が出す常闇自体は存在する。

オープンフィールドをマルチプレイ!

 せっかくなので今回はマルチプレイも体験。“常世同行”ではストーリー(オープンフィールド)か、ミッション(地獄に挑むもの)を複数人で協力プレイできる。

 ミッションは地獄の始まりから終わりまで達成すればクリアーとなるが、ストーリーを選択するとオープンフィールド体験から地獄の終わりまで、すべて複数人でプレイ可能だった。ミッションを選んで進めていくのは
『仁王2』と変わらないが、オープンフィールドをマルチプレイできるのは新要素になっている。

 
『Rise of the Ronin』はオープンワールドタイトルだが、残念ながら同期型のマルチプレイはステージ選択式で、オープンワールドをみんなで探索する、といった体験はできなかった。『仁王3』はそこをフォローしており、今回体験できる3エリアを各プレイヤーが好きなように探索できた。
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 プレイヤーそれぞれかなり離れて行動することも可能だが、社で拝む、ボスに挑む、小地獄に挑戦するなどの場面ではホストのプレイヤーのもとにワープする仕組みになっている。また、一部重要な探索物はホストのみが調べられるような仕組み(すねこすりなど)。

 遊んでみると、やはり難度はガクっと下がる。骨太な戦いというよりは、爽快アクションに変化するので「高難度ゲームは苦手」といった人も安心して遊べるゲームに変貌するのは、いままでと同じなのでご安心を。ただ、一部場所は出現する敵種や敵数がマルチプレイ用に増加するなど、ただ単純に難度が下がるわけではなかった。

 気軽にプレイヤーを呼び出したり、参加したりする“まれびと招喚”も健在なので、マルチプレイで遊びたい、助けがほしいといったときには利用してみよう。
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3人でザクザク斬ってるだけでボスを倒せたので、倒せない敵相手には気軽に活用してみよう。

『仁王』らしい手触りのいいアクション

 さて、肝心のバトルは『仁王』シリーズの魅力そのものをしっかりと引き継いでいる。素早い通常攻撃や強攻撃などを使い分けながら、立ちふさがる敵を倒していく体験はこれまでと同様の楽しさがある。手触りよく、スピーディーに立ち回れるTeam NINJAらしい操作感は、やはり健在だ。
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プレイ開始時にチュートリアルもあり、本作のアクションがざっくり体験できる。
 最大の特徴は、プレイヤーが“転心”で瞬時に“サムライスタイル”か“ニンジャスタイル”に切り替えて戦えるシステムになったこと。『仁王2』の主人公は半妖だったので、妖怪をフィーチャーしたアクションが特徴だったが、だいたいの要素は別の形で踏襲されたまま、『仁王3』ならではのアクションに落とし込まれている。

 敵の赤く光る攻撃に合わせて使う
『仁王2』でのカウンター的なアクションだった“特技”は、スタイルチェンジする“転心”に変更。身体を回転させた際に、相手の攻撃を弾くようなカウンターアクションになった。ちなみに、スタイルチェンジせずに“転心”をするといったスキルもある。

 アムリタゲージを溜めることで発動できた“九十九武器”(
『仁王』)、“妖怪化”(『仁王2』)は、本作では“九十九化身”といった名前のシステムになった。使用感としてはだいたい同じで、見た目もガラリと変わるので妖怪化に近い。代わりに、九十九化身もサムライとニンジャで性能の違いがある。
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九十九化身は完全に変身ヒーローのような感じに。かっけえ!
 『仁王2』の守護霊技は、妖怪化したときに使える切り札のさらなる奥の手みたいな感じだった。本作では専用ゲージの霊力を消費して放つ、もうひとつのスキル攻撃といった感じ。装備した守護霊に応じて技は変化し、さらにサムライ、ニンジャによって発動する技も異なる。

 守護霊技に必要な霊力は気軽に溜まるゲージで、妖怪の気力上限を削れる特徴がある。守護霊をそのまま召喚するような形ではなく、使い勝手のいい小技として用意されている印象を受けた。いうなれば、ゲージを使ったEX武技という感じ。ちなみに体験版では使えない守護霊技がもう1個用意されているので、召喚するバージョンもあるのではないかと予想する。
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ほかのプレイヤーなどを協力NPCとして呼び出せる“すけびと”も健在なので、使いたい人は頼ってみよう。
 なお、妖怪の技を放つ“妖怪技”と、いわゆる魔法的な陰陽術(陰陽スキル)は、形は変わったがもちろん健在。妖怪を倒すと確率で“魂代”をドロップすることがあり、これを社に持ち帰ると妖怪技か陰陽スキルに割り振れる。
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 陽の装備欄に装着すると、妖怪技の使役符が使用可能。陰の装備欄の場合は、その魂代によって効果の異なる陰陽スキルの札が使えるようになる。魂代の使い道が2種類になったので、より集め甲斐が増したように感じた。また、フィールドには強化された“地獄憑き”妖怪が点在し、これを倒すことでその妖怪の魂代が強化され使役符が使用可能になる。こちらも探索要素のひとつになっているのが、うまい調整だなと感じた。
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 といった具合に、アクションはものすごく多い。てんこ盛りなところにさらに追加でアクションが増えたので、もうやれることがメチャクチャある。操作としても難しいゲームに感じてしまうかもしれないが、じつのところ『仁王』シリーズは、1個のアクションだけにこだわってプレイしてもクリアーできるようなタイトルだ。

 たとえば、“サムライスタイルで、大太刀の上段しか使わない”みたいなプレイでも十分戦える敷居の低さと、やり込めばものすごいムーブで立ち回れる、高いアクションの自由度も据え置きだった。このあたりのバランス感も健在なので、いままで苦手ながらに遊んでいた人もご安心を。

 ちなみに、ジャンプができるようになったのでジャンプ攻撃が追加されている。また、武器はこれまで2種類同時装備し戦闘中に持ち替えたりもできたが、体験版ではスタイルごとに武器1種のみ装備する仕組みだった(近接武器、遠距離武器を各スタイル1種ずつ)。一応戦闘中にポーズメメニューを開けば武器変更もできなくはないが、好きな武器2種ではなくなったので少しだけ自由度が減った要素かなと感じていた。
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武技も忍術も、それぞれスタイル&武器ごとにカスタム欄が分かれている。

サムライスタイル

 サムライスタイルはこれまでの『仁王』シリーズとほぼ同じで、各個撃破に向いているような性能。回避性能は低いが、攻撃力とガード能力が高い特徴がある。体験版で装備できたのは刀、大太刀、槍。
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 また、シリーズでおなじみの“残心”で気力(いわゆるスタミナ)が回復できる。攻撃の後にR1ボタンを押すと“残心”となり、シャキンと鳴る効果音とともに、攻撃に使用した気力が一定量回復する。『Rise of the Ronin』でいうと“閃刃”に近いシステム。

 敵がたまに地面にバフ&プレイヤーデバフ効果のあるエリア“常世”を出すことがある。このエリアの付近で“残心”をすると常世を消せる“常世祓い”が可能だ。これらは、これまでのシリーズ作品と何ら変わらない。

 新要素として、いわゆるスキル攻撃の“武技”を強化する“技研ぎ”が使えるようになった。攻撃や防御をすると技研ぎゲージが溜まっていき、最大になったときに強攻撃や武技を放つと、威力が上がり気力消費ゼロでくり出せる。技研ぎ発動中は武技と武技をつなげることも可能なので、オリジナルコンボを組み立てられる。ここぞというときに畳みかけられるほか、武技が気軽に活用しやすくなった。
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技研ぎゲージは、画面右下、構えアイコン中央にある。最大まで溜まると武器自体も白く光り出す。
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技研ぎ状態で武技を発動。気力消費なしでくり出せるのが非常に便利。
 また、武器ごとの構えを変更できる。構え変更はニンジャスタイルにはない要素で、バランスのいい中段、攻撃力が高いが隙の大きい上段、威力は低いが手数の多い下段と使分けが可能だ。なお、構え変更はデフォルトではできず、スキルになった。残心と同時に構え変更しながら攻撃する“冬月(とうげつ)”といった新しい要素もある。

 スキルのひとつとして、いわゆるジャストガードの“捌き”が登場。捌きに成功すると気力が回復するほか、技研ぎゲージ&忍術ゲージ(詳細は後述)も回復する。敵の赤く光る攻撃はガードできないのはそのままだが、成功すればより強固なガードを固められる。

 体験版のバランスではサムライスタイルはかなり強く、というかガードがメチャクチャに強い。装備品やステータスにもよるところではあるが、パッシブスキルで“ガード時も残心できる”も追加すれば、ガードで気力がほとんど減らない状態で立ち回れた。
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サムライスタイルは強固なガードがとても強い。

ニンジャスタイル

 全体的な気力消費が少なく、素早い連撃が得意と、まさに忍者らしい性能。空中攻撃も浮遊するかのような連撃を叩き込めたりする。体験版で使用できた武器種は、忍二刀、鎖鎌、手甲鉤。忍二刀は前作までの二刀に近く、手甲鉤は手甲に近い(モーションはかなり違う)。

 また、回避性能が高く、素早く距離を離したり無敵時間を利用した回避をスピーディーにおこなえる。なお、空中回避もできる(体験版クリアー後)。
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 スキルを習得すると、いわゆるジャスト回避の“見切り”も使用できる。見切りに成功すると、気力と技研ぎゲージ&忍術ゲージが回復する。さらに通常よりも無敵時間の長い回避となるので、敵の連撃もうまく扱えば回避だけでいなせるようになる(敵の赤い攻撃には発動しない)。

 敵の背後を攻撃した際、サムライスタイルより威力が高い特徴があるので、細かく動き回りながら敵の背後を狙って立ち回ることを得意としている。ニンジャスタイルに、構え変更はない。

 大きな特徴のひとつが、“忍術”が使用できること。これまでのように消費アイテムをアイテム欄に装着するのではなく、専用の忍術の装備欄が登場。手裏剣や爆薬などを投げるといった特別な効果のある忍術が使用できる。
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 これまでは消費アイテムを社で補充する形で使用していたが、先述した“忍術ゲージ”が溜まると、各忍術が戦闘中でも補充できるようになった。忍術ゲージは基本的に、敵を攻撃すると溜まる(スタイル問わず)。

 忍術はそこまで威力は高くないのでダメージ稼ぎには使えないが、ちょっとした立て直しに使ったり、攻撃属性を利用したりするなど、使い勝手は悪くない。本作では空中に浮かぶ敵なども存在するため、遠距離武器で狙いにくい敵だろうと気軽にロックオンをして忍術で遠距離攻撃できるのも強み。
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 また、ニンジャスタイルは“残心”ができず、気力回復は時間経過のみ。代わりに、移動アクションの“霞”が使用できる。攻撃後に素早く回避のような動作をし、敵の目の前に一瞬だけ影のようなものを残して、攻撃目標を逸らすことができる。使い勝手としては気力消費のないステップ回避といった感じで、攻撃→霞→攻撃→霞……と続けるだけでも、近距離で細かく立ち回れることがわかるだろう。
 
 ただし残心と違い気力回復できず、“常世祓い”もできない。“常世祓い”できないのは最大のデメリットで、敵が妖怪の場合、攻撃しながら常世祓いを狙えないので、気力が切れがちになってしまう(常世の効果のひとつが、プレイヤーの気力回復を遅らせること)。
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 残心と違って超気軽に発動できるのが“霞”なので、常世払いができたら強すぎるのは、まあ理解できる。とはいえ、やや窮屈な印象も受ける。いまのところの成長要素でできないだけで、もっと育てていけば別の形でニンジャスタイルでも“常世祓い”ができるようになるのだろうか?

 アクションの幅広さがニンジャスタイルはものすごく、使いこなせば変幻自在な動きで敵を翻弄できる。敵を二段ジャンプで踏みつける“踏みつけ”は、ほかのアクションと絡めると、大型の敵ならば空中で踏みつけを再度発動でき、ずっと空中から攻撃することもできる。
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公式アンケート開催中!

 ほかにも細かな新要素は数多くあり、たとえば探索などでスキルを習得すると、2種のスタイル、共通スキルの3項目に分かれて、パッシブスキルを装着できる。スキルにはコストがあり、スキル容量の許す限り好きなパッシブスキルを得られる。スキル容量も探索で拡大していく。
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 スキルの内容はかなり強力なアクションを追加するものや、プレイヤーを補助してくれるものなどさまざまあるが、基本的にはマニアックな内容になっているので、利用したからといって劇的に変わるわけではない。が、ゲームが進んでいくとパッシブスキルがたくさん重なり、より自分好みのビルドを組めそうな予感。

 “血刀修羅”という、もはや体験版で戦えるボスよりも強いレベルの強敵が現れる“血刀塚”の進化版も登場するなど、いままでの要素もさらにパワーアップ。全体的には要素てんこ盛りだった
『仁王2』に、さらに要素が足されてものすごいことになっているのがわかる今回の体験版だった。
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 細かい点でいうと敵の強さのバランスがかなりまちまちであったり、ボスもそこまで難敵ではなく、骨太な戦いを求めてる人には物足りないであろう印象も。そのあたりは、まだまだ開発中のバージョンなのだなと感じた(α体験版ですからね)。
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妙な強さを誇る新妖怪・野槌。
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馬頭鬼との戦いに、懐かしさを感じた人もいるのでは。
 個人的には、フィールドの高低差ダメージは必要ないのではと感じていることや、敵が落下して逃げる(というかドロップアイテムを失う)点、ガード不能(投げ系)の予備動作が一部分かりにくいなど、ものすごく些細な部分で気になる点はあるが、概ね大満足。

 全体的には体験版だけでも
『仁王3』の目指している方向性、そして詰め込まれたゲーム性がバッチリと体感できた。公式サイトのアンケートではα体験版に関する感想を求めているので、気になる人はぜひ改善してほしいことや、「ここがおもしろかった!」といった意見を送ってみよう。
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クリアー後に解放されるミッションを達成すると、愛の付いた兜が貰える。装備自体は以前からあったが、直江兼続の出番がある?
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