2025年5月31日にYouTubeライブにて配信された “サカつくSHOWCASE” にて制作が発表された、『 プロサッカークラブをつくろう!2025 』(サカつく2025)。 同番組が発信された会場のセガ本社では、メディアや来場者に向けた『 サカつく2025 』の試遊や、久井克也氏(同作プロデューサー)と宮﨑伸周氏(『 サカつくRTW 』プロデューサー。『サカつく2025』の制作にも深く関わる)へのインタビューが行われた。これらの取材で判明した『サカつく2025』の情報をお届けする。 VIDEO
腰を据えて理想のチーム作りが楽しめそうな“サカつくモード” 試遊の話に入る前に、まずは“サカつくSHOWCASE”で発表された、『サカつく2025』の概要について触れておきたい。 本作はプレイステーション(PS5)、プレイステーション4(PS4)、PC(Steam)、スマートフォン向けのスポーツ育成シミュレーション。2025年内のサービス開始を目指して現在開発が進められており、基本プレイ無料タイトルとしてリリース予定だ。
ゲーム内には“サカつくモード”と“ドリームチームモード”のふたつのゲームモードが収録されており、今回試遊ができたのは“サカつくモード”の序盤。プレイヤーがサッカークラブの全権監督としてチームの運営、選手の強化、試合の采配などを行なっていくモードだ。ゲーム序盤では、ホームタウン選びやユニフォーム作成といったマイクラブを立ち上げるまでの設定から、練習メニュー決定、試合パートの観戦&采配までが体験できた。
『サカつく2025』のメインメニュー画面。プレイヤーは“全権”監督という立場なため、練習や試合中の采配はもちろん、クラブの資金繰りや人事に関する決定も行っていく。
マイクラブを設立したあとの運営→育成→試合というサイクルをくり返してゲームを進めていく流れは、かつてコンシューマーゲームとして展開されてきた『サカつく 』シリーズそのままで、シリーズ経験者なら「あのサカつくが帰ってきた!」と10〜30年前を思い出して感慨に浸れるレベル。 個人的にはスケジュールを進行させていくとわりと頻繁に選手やコーチスタッフ、秘書との会話イベントが発生し、状況が変化していく(選手の能力値アップ、クラブに臨時収入が入る、サポーターが増える、etc……)ところにも古きよき『サカつく』らしさを感じた。 試合(日程進行)の合間には大小さまざまなイベントが発生する。
一方で運営、育成、試合、すべてのパートに、『サカつく2025』ならではの新要素も盛り込まれていることも確認できた。 クラブの運営パートで目立っていたのは“投資”という項目。ここでは自分のクラブを拡大していくための施策を打つことができるようで、試遊では地域への奉仕活動やサイン会といったサポーター数を増やすタイプと、限定ユニフォームの販売のような、資金が得られる投資が用意されていた。
実際のサッカーでファンサービスの一環として行われている施策が並ぶ、“投資”コマンド。
育成とチーム作りで印象的だったのは、ゲーム開始時にスター選手をふたりだけチームに組み込めるというシステム。これは“サカつくモード”で育てたチームをベースに対人戦を楽しむ“ドリームチームモード”と連動していて、“ドリームチームモード”で回せるガチャで手に入れた選手を“サカつくモード”に送り込めるという仕組み。 実力がたしかでチームの軸になれる選手がいる状態でゲームを始められるため、従来の『サカつく』よりも戦えるチームを作り上げるまでにかかる時間を短縮できそうだ。
チーム強化の基本となる全体練習。
クラブの中心として育てたい選手には、トレーニングカードを使った特別練習を行うとより効率的に能力を伸ばせる。
選手によっては覚醒や会話イベントなどの発生で、急激に能力が伸びることも。
最後に試合パートだが、こちらはフォーメーションに関する指示が従来のシリーズから大きく進化していた。まずフォーメーションを攻撃中と守備中、2種類設定できるようになったうえ、試合中に選手のポジションを微調整する指示を出すことも可能だった。うまく使いこなすにはピッチ上の選手の動きやボールの流れなどを見極める必要がありそうだが、成功すれば従来の『サカつく』よりも「俺(監督)がチームを勝たせてやった」感を味わえそう。 また、年々進化している現代サッカーの戦術を表現する演出としても、攻守別々のフォーメーション設定&ポジション微調整は機能しているようにも感じた。
監督として選手のプレーを見守る試合パート。
試合中にフォーメーションの指示ができるようになったため、これまでの作品よりも試合に介入している感は高い。
プロデューサーインタビュー ここからは試遊とあわせて行われた『サカつく2025』プロデューサーの久井克也氏、『サカつくRTW』プロデューサーの宮﨑伸周氏のインタビューをお届け。サカつくSHOWCASEや試遊だけではわからなかったゲームの仕様や、今後の展開などについて語ってもらった。
宮﨑伸周氏(左)と久井克也氏(右)。
――『サカつく2025』の開発はいつごろから始まったのでしょうか?
久井
宮﨑と企画を立ち上げたのは4年ぐらい前ですかね。コロナ禍でオンラインでしか打ち合わせできない中で、新規のタイトルを作り上げていくのはなかなか大変でした。みなさんにお見せできるところまで持っていけたことが感慨深いです。
宮﨑
『サカつく』らしさって何なんだろうといったことや、コンシューマーゲームと無料ゲームの折り合いをどうつけていくかについてはかなり密に話し合いましたね。
久井
最初からコンシューマー機を含めた、マルチプラットフォームを考えていたわけではなかったです。しかしゲームの体験としてはコンシューマーライクな『サカつく』を提供するっていうのは最初から確固たるコンセプトとして決めていました。
宮﨑
4年前だとスマホの性能的にやりたいことができるかどうか不透明な部分はあったんですけどね。でも今このタイミングならそろそろいけるなと。 ――今回タイトルに“Powered by FOOTBALL MANAGER”と記載されていますが、どのような形で『FOOTBALL MANAGER』が『サカつく2025』に関わっているのでしょうか?
久井
基本的にはデータベースですね。『 フットボールマネージャー 』にはかなり緻密で膨大な選手データの蓄積があるので、グループ会社ですし密に連携させてもらっていく中で、過去の『サカつく』の課題でもあったデータの正確性、昔の『サカつく』だと「この選手の利き足ちがくね?」みたいなことがあって、なんとかしたいけど、我々のリサーチだけでは限界があると。 せっかくグループ内にいいデータベースがあるなら使いたいと相談したら快諾していただき、どうせ使うなら名前を出したほうがいいと。グローバルに展開していく中で、フットボールマネージャーの知名度を拝借したいという狙いもあります。 ――基本プレイ無料のタイトルですが、課金要素はゲームのどのような部分に関わってくるのでしょうか? 久井
基本的にはドリームチームモードで回せる選手ガチャと練習効果を高めるトレーニングカードになっています。ガチャで引いた選手はサカつくモードの方で使うと成長していって、ドリームチームモードの選手名鑑的なところに登録されていくので、育てて強くなった選手で自分だけのチームが作れるというサイクルになっています。 ――スタミナ消費など、サカつくモードをただ遊ぶ際に課金が必要になることはありませんか?
久井
コンシューマーライクにサカつくモードをプレイするだけであれば、課金しないと使えないような機能はありません。ただ、ガチャから登場する選手はサカつくモード内でスカウトできる選手よりは強めですし成長幅も大きいので、使ったほうが勝ちやすくはなると思います。 ――本作はワールドワイドで展開していくということもあり、日本以外のホームタウンを選んでゲームを始めるプレイヤーも多くなるかと思います。Jリーグのクラブ以外でゲームを始めた場合はどのような流れでゲームは進んでいくのでしょうか?
久井
最初はローカルな地域の監督からキャリアを始めて、その後よりレベルの高いリーグへステップアップできるという仕組みにしています。そのため最初に選べるのは日本のJリーグや韓国のKリーグ、香港のリーグなど、アジアのクラブが中心です。いま挙げた韓国、香港のクラブは実名で収録されていることもあり、日本のクラブを選んだ際と同じような感覚でホームタウンを選ぶことができるようになっています。 一方でタイやインドネシアなどはライセンスの関係で残念ながらリーグを丸ごと収録できなかったこともあり、東南アジアリーグという括りでまとめています。そしてヨーロッパのクラブでゲームを始めたいという人には、ベルギーリーグに参戦できるようにしています。 ――過去の『サカつく』ではアンバサダーやパッケージのビジュアルに選ばれた人、例えばイビチャ・オシム氏などは、ゲーム内にもプレイヤーにアドバイスをくれる存在として出演されていました。今回アンバサダーに就任した本田圭佑さんにも、同じような役回りを期待してもいいのでしょうか?
宮﨑
はい。その点は期待していただいてもらえればと。
久井
ただ、本田さんはオシムさんのようなアドバイザーとしてではなく、選手として出演してもらう感じです。実際の本田さんのキャリアを辿っていくような活躍をゲーム内でも描けたらと思っています。 ――ということは、どこのクラブでサカつくモードを始めても、本田選手が加入してくれるイベントが発生するといった感じなのでしょうか?
久井
イベントで加入というよりは、ゲームをリリースした際に全ユーザーにプレゼントするつもりで動いています。
宮﨑
本田さんに限らず、登場する選手たちのドラマ要素は力を入れている部分ではあります。シミュレーションゲームって小難しい印象があるので、そのイメージを払拭して、間口を広げられたらと思っています。サッカーゲームのRPGを遊んでるみたいな感覚を目指したいですね。 ――過去作だと石油王がライバルチームを買収してケンカを売ってくる、みたいなイベントもありましたよね。そういうストーリーに起伏をつけるようなイベントも用意されているのでしょうか?
久井
石油王ではないですが、いやらしい敵みたいなキャラクターは登場します(笑)。あとは今の時代にあわせたイベントなんかもけっこう入れていて、たとえばゲームを進めていくとインフルエンサーみたいなキャラクターが登場して、最初は批判的な情報ばかり拡散するんですよ。ただ、監督が結果を出していくとむしろ味方になっていくみたいな、連続性のあるイベントも楽しめるようになっています。 ――試遊版は序盤のプレイということで確認しようがなかったのですが、『サカつく』シリーズではおなじみの光プレーも要素としては入っているのでしょうか?
宮﨑
もちろん入ってます。 ――選手どうしの連携線も『サカつく』では重要だと思いますが、こちらも今まで通りなのでしょうか? となると、ガチャで引いた選手と自分のチームスタイルが噛み合わなくて残念な気持ちになる……みたいなことも起こりそうですが。
久井
連携線については、どんな選手どうしでも試合に出し続けていればそれなりに繋がっていくようにはしています。ただ、フォーメーションコンボなど、チーム全体を強化する要素を突き詰めていくと、能力が高くてもスタメンから外れていく選手というのは出てくるかなと思っています。
最後にサカつくSHOWCASEのフォトリポートをどうぞ セガ本社にて行われた、『サカつく2025』のお披露目会“サカつくSHOWCASE”。番組は2部構成で行われ、第1部には元日本代表の本田圭佑氏が登壇。『サカつく2025』のアンバサダーに就任することが発表された。
宮﨑伸周氏(左)久井克也氏(中)とのトークセッションでは「セガサターンやドリームキャストのころからやっていた」という、本田氏の『サカつく』歴や、現在本田氏が運営に携わっているEDO ALL UNITEDにまつわる“リアルサカつく”話が展開された。
ゲーム内に実装される予定の本田“選手”の3Dモデルや、練習の強化に役立つトレーニングカード。本田氏からは「もうちょっと髪型をかっこよくしてほしい(笑)」とのリクエストが飛び出していた。
番組の第2部には、芸能界きってのゲーマーとしておなじみ、伊集院光さんが登壇。
テスト版の『サカつく2025』を先んじてプレイしているという伊集院さん。自身が育成しているクラブ、アーペ荒川で起こったイベントを熱く語って『サカつく2025』の魅力をアピールした。「荒川区で一生懸命サッカーをプレイ&ファンサービスをするメッシ」がとくにお気に入りとのこと。
番組の最後にはクローズドβテスト参加者の募集&実施、マンチェスター・シティとのコラボ、ユーザー参加型の企画、“サカつくをつくろう!”の始動なども発表された。
[2025年6月4日15時40分修正]
一部正式表記に誤りがあったため、該当の文章を修正いたしました。読者並びに関係者の皆様にご迷惑をおかけしたことをお詫びいたします。