
2025年5月24日(土)、25日(日)に同会場で開催された“学園アイドルマスター The 1st Spotlight Star”(以下、“Spotlight Star”)が各アイドルのソロでのパフォーマンスにフォーカスしたライブだったのに対して、本公演は複数人のアイドルでの歌唱にフォーカスすることをコンセプトに掲げている。全アイドルが揃った状態でどのような“ハーモニー”を聴かせてくれるのか、この日をいまかいまかと心待ちにしていたプロデューサーも多いはず……! 本記事ではそんなライブの模様をお届けしよう。
- 長月あおい(花海咲季役)
- 小鹿なお(月村手毬役)
- 飯田ヒカル(藤田ことね役)
- 七瀬つむぎ(有村麻央役)
- 花岩香奈(葛城リーリヤ役)
- 伊藤舞音(倉本千奈役)
- 湊みや(紫雲清夏役)
- 川村玲奈(篠澤広役)
- 薄井友里(姫崎莉波役)
- 松田彩音(花海佑芽役)
- 春咲暖(秦谷美鈴役)
- 陽高真白(十王星南役)
千奈と広の日常が詰まったデュエット曲『みちなるひろがる』が初披露! ゲストも参加する2ndシングルの各曲に会場が湧いたDAY1
そしていよいよライブがスタート。最初は『アイドルマスター』(『アイマス』)シリーズのライブ恒例となった提供の読み上げから。『学マス』と縁の深い各企業への感謝の叫びが飛び交うなか、特別協賛のQualiArtsには盛大な歓声と拍手が巻き起こった。アプリ『学マス』の開発を担当している同社に対するプロデューサーたちの信頼がひしひしと伝わってくる。
十王邦夫学園長(声:大塚明夫さん)による開演の挨拶。「仲間とともに立つことは心強くも難しいこと」というひと言からも、筆者個人的にはアイドルたちの修練の日々を想起してすでに目頭が熱くなってしまった。根緒亜紗里先生(声:古賀葵さん)による諸注意が終わるといよいよ始業のチャイムが鳴り響く。一時間目が始まる前のザワザワとした環境音、そして定刻になったときの緊張感、そして高まる鼓動――。“Spotlight Star”とは違い、ステージを照らし出したふたつのスポットライト。そして、流れたのは豪奢で壮大なOverture。“Spotlight Star”のOvertureがアタックの強いエレクトロサウンドだったこともあり、なかには「ぜんぜん違う!」と驚いたプロデューサーも多かったのではないだろうか。
そして、ついに幕が開いた一時間目。ステージの画面に映し出されたのは、舞台裏で手を重ねて気合いを入れるRe;IRIS(花海咲季役の長月さん、月村手毬役の小鹿さん、藤田ことね役の飯田さん)。3人が歌うのはもちろん、初星コミュ最終章でも重要な意味を持つ楽曲『雨上がりのアイリス』だ。高らかに歌い上げる小鹿さん、楽しそうに踊る飯田さん、そしてふたりを繋ぐかのようにパフォーマンスをする長月さんという“調和”のパフォーマンスは、ハーモニーをコンセプトにした同ライブのトップバッターとしてこれ以上ないほどの人選だ。とにかく楽しそうに歌う姿がは感動的を通り越して、1曲目なのにライブがクライマックスと錯覚をしてしまうほど……。会場一体で行なったワイパーにすっかり心を満たされてしまったプロデューサーも多いはず。
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しかし、ここで休ませないのが『学マス』。続いてステージに登場したのは、七瀬さん、湊さん、薄井さん。「サマーマ!」という掛け声とともに、陽気なメロディや水泳用のホイッスルが聞こえてくると会場は一瞬にして夏の空気に染まる。そう、珠玉のサマーチューン『キミとセミブルー』だ。同曲は“学園アイドルマスター DEBUT LIVE 初 TOUR”(以下、“初公演”)でも披露されてきたこともあり、歴戦のプロデューサーにとっては思い出深く、ライブで盛り上がるのは折り紙つき。過去のライブに比べて、ステージが広いこともあって、この日はパフォーマンスのスケールも大幅にアップ。3人のアイドルたちが青春全開で飛び跳ねる姿に、もう夏がやってきたのか錯覚してしまう。これだけ激しい振りつけなのに、歌声の安定感が一切失われない点も見事というほかない。
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3曲目は小鹿さんによる手毬の2ndシングル『アイヴイ』。手毬の心情をも内包するかのようなロックなナンバーだが、ハーモニーをコンセプトにするライブで急にソロ曲が来たことに多くのプロデューサーは驚いたはず。データを重視するプロデューサーであれば、すぐにでもそのデータを投げ捨てていたことだろう。しかし、ここでも初星学園はギミックを仕掛けていた。なんと2番のAメロからステージには陽高さんが登場。背中合わせになりながらも見事なハーモニーを響かせる。元中等部トップアイドルと一番星に輝いたアイドルが背中合わせで歌う姿はあまりにも強烈で、筆者もその圧倒的な歌声にはただただ感嘆するほかなかった。
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そこから一転、バトンを渡されたのは川村さんによる『光景』。魚群が優雅に泳ぐ神秘的な楽園をモチーフにした映像をバックスクリーンに映し出しながらも、歌う姿はまさに神秘の塊そのもの。「わたしのまつ毛の向こうのあなたたち、を」と歌うときのこちらを見据えるような川村さんの目もすべてを吸い込むような引力を秘めていた。同曲の見どころのひとつでもある、間奏でのコンテポラリダンスもキレキレ。袖をひらひらと舞わせながらクラシックバレエのような動きでステージを跳ねまわる川村さんのパフォーマンスを見ていると、篠澤広が女神と呼ばれるようになった経緯までもが納得できてしまうようだ。
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5曲目は飯田さんによる『世界一可愛い私』。お客さんを楽しませることを何よりも心得ていることねらしい楽曲で、タイトルとは裏腹に自己肯定感が低いことねがモノローグで独白するようなラスサビ前も同曲の見どころのひとつ。起伏にとんだ楽曲だからこそ、ラスサビの爆発力はものすごく、この曲のコール&レスポンスを楽しみにしていたというプロデューサーも多かったことだろう。実際、この日の会場のボルテージの高まりかたもとんでもないものがあった。筆者個人的にはコール&レスポンスを続けながらも「生きててよかったって思った」という歌詞を歌ったときの飯田さんのパフォーマンスにはグイッと心を引き込まれてしまった。
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ここで最初のMCに突入し、登壇者それぞれがアイドルたちのセリフとともに挨拶。ライブビューイングのプロデューサーに向けてカメラパフォーマンスをするひと幕も(川村さんは最前列で妙な動きを……)。小鹿さんは周りからも『雨上がりのアイリス』から『アイヴイ』までのあいだの早着替えについてもさっそくツッコミが入っていた。
6曲目はゲーム内の季節イベント“ケーキが結ぶフレンドクリスマス”でもおなじみの楽曲『White Night! White Wish!』。同曲のパフォーマンスには飯田さんに加え、花岩さん、松田さんが参加した。『キミとセミブルー』で真夏になったかと思いきや、今度は真冬に季節が移り変わるということで立川ガーデンホールもなかなかすごいことに……。同曲の魅力といえば、なんといってもアイドルの王道を行くようなキュートの振りつけ。合間にウィンクをしたり、キュートなステップをしたりと正統派のかわいさが詰まっている。また、振りつけの最中に3人でいちゃいちゃをしたりとソロのライブでは見られないような動きがあった点も見逃せない。楽曲としてもかなりの高音が続く箇所や転調など難度が高いのにも関わらず、3人の歌声は一切清らかさを失うことなく、幸福感で会場を満たしていた。
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続いてステージに登場したのは、川村さんと伊藤さん。「ふたりで歌う楽曲……?」と会場も騒然となったのが、ここでサプライズ披露されたのは新曲『みちなるひろがる』だ。曲名や歌詞にも“ちな”(千奈)と“ひろ”(広)が入っているなど、このふたりのカラーをたっぷりと取り入れた一曲に。伊藤さんの元気でかわいらしい歌声と、川村さんの不可思議でどこか浮世離れした歌声がミックスされたことで、まさにメルヘンで神秘的な未知の世界に繋がってしまったかのようなワクワクした気持ちになってしまう。一方で、振りつけにはふたりの日常風景を意識した動作も多く、まるで耳打ちをするようにかわいらしく歌ったり、鏡合わせになって歌ったりと寸劇調のやりとりが目にも楽しい。一方で、ハモりながらもあのコミカルな動きをするのは絶対にものすごい難度だと思ってしまう(アイドルとしてのふたりが初星学園入学時の最下位とブービーだったとはなかなか信じられない……)
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8曲目は薄井さんによる『clumsy trick』。薄井さんのパフォーマンスの魅力といえば、なんといっても笑顔でうれしさを全開にはしゃぐところ。お姉ちゃんとしての色っぽくて艶やかな面だけでなく、無邪気で子どもっぽい莉波の性質もしっかりとにじませているのは“匠”の領域だ。もちろん、カメラ内蔵のトルソーもステージには登場出演。カメラに向かって甘えるという演出も健在で、この日も彼女の色っぽいアプローチが多くの弟くんの脳内に焼きついたことだろう。
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9曲目はことねの2ndシングルである『Yellow Big Bang!』。のちのMCではクレヨンで書いたような地球の上で全部丸ごと幸せにするようなイメージで歌うということを飯田さんも明らかにしていたが、とにかく元気が爆発するようなコール&レスポンスも楽しい楽曲だ。しかし、今回の楽曲ではそれだけでは終わらない。2番からは伊藤さんがステージに登場すると、続けざまに薄井さんまでもソロ曲の枠をはみ出してきてトリオでの歌唱に。カラーの違う3人での歌唱は、楽曲の持つ楽しさにより多層的な魅力を加えていたように感じる。
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10曲目は『ENDLESS DANCE』。“初公演”にて披露されたこともある楽曲で、決して“いい子のアイドル”というイメージをさせない鮮烈な楽曲に仕上がっている。今回は初陣公演に参加した3人でのパフォーマンスということで、それぞれがバチバチと火花を散らしながらダンスバトルをくり広げるひと幕も。とにかくオーラの強い3人のパフォーマンスということもあり、その蠱惑的な歌声とダンスがあっとういう間に会場のボルテージを天高く引き上げていったイメージだ。
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MCでは、小鹿さんに舞台袖で泣いていたと明かされる川村さん。新曲の『みちなるひろがる』を歌えたことがかなりうれしかったようで、じつは本番中も涙をグッと堪えていたそう。伊藤さんも心から楽しんで歌えたと満面の笑顔で語っていた。小鹿さんは『アイヴイ』について、星南(陽高さん)がサプライズで登場したときの歓声を聴いたときにニヤリとしたそう。ラスサビは「歌で戦ってやる」というバトル感とライバル感を意識したそう。会場から「かっこよかった~」という声を受けてはにかむ姿もどこか手毬とシンクロして見えてしまう。
11曲目は陽高さんによる『小さな野望』。星南の心情を綴った、あまりにもドラマティックかつ壮大な楽曲だ。剣舞と組み合わせたミュージカル調でのパフォーマンスは“Spotlight Star”で披露されたときも衝撃的だったが、この日はパフォーマンスにさらにキレが加わっているように筆者は感じてしまった。本来ならば息継ぎすら難しいはずの同曲をバテることなく、感情を全開にして笑顔で歌いあげる姿はまさに一番星に輝いたアイドルとしての風格と気品にあふれている。とりわけ、ラスサビの全力感は誰もが無心で目を奪われてしまうような迫力があり、「形にして 声に出して ああ 歌にしたい」と歌いあげたあとには自然と歓声と拍手が巻き起こった。
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12曲目は麻央の2ndシングル『Feel Jewel Dream』。落ち着いた大人のエレクトロサウンドを基調にしながらも、サビでは明るいメロディでキラキラと輝き出すような二面性が大きな魅力だ。この曲では、2番から春咲さんが参加。小悪魔的な歌いかたをする美鈴と、正統派な王子様としてのかっこよさを見せる麻央との対比がお見事。マジメな麻央と素行不良の美鈴との親和性がここまで高いとは筆者は予想していなかった。もちろん、ふたりの歌声のシンクロ具合もお見事というほかない。
そして、春咲さんはそのまま『ツキノカメ』を披露。バラードのように穏やかに静かに始まったかと思いきや、サビに入ると赤いスポットライトが目立つようになり、「さよなら」というひと言を皮切りに情熱的で攻撃的なパフォーマンスに切り替わる。目線も鋭く、妖艶な笑みをたたえながら歌う春咲さんの姿は、秦谷美鈴というアイドルの底知れぬ魅力を写し取っているかのようだ。「私は私でいたいから」という歌詞のあとの恍惚とした表情や袖をなびかせながら舞台を支配するかのように踏むステップ、そのすべては威厳にあふれていて、サウンドクリエイターのミフメイ氏による重低音のサウンドと合わさって、完全に舞台を掌握していた。
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14曲目は、新曲『SUGAR FLAVOR』。麻央と莉波という3年生コンビによるラブソング。ふたりのハモりがとにかく洗練されていて艶やか。低いパートと高いパートを切り替えることで、ふたりの多層な魅力を表現。のちのMCでも苦楽をともにしてきたふたりが歌えることへのうれしさを爆発させていた。
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MCでは、『Feel Jewel Dream』についての感想も。もともと美鈴と麻央はあまり絡みがなかったので「ダンスバトルをしてください」と言われてキャストのふたりは驚いたそう。とくに春咲さんは、「Don’t stop the music」という七瀬さんのパフォーマンスが好きすぎたせいで、ゲストの自分がやってしまっていいのかと不安になったと語っていた。
15曲目は花岩さんが歌う『白線』。“Spotlight Star”のDAY1ではトップバッターを飾った花岩さんと同曲だが、今回はライブの中間地点にひと筋の線を引くこととなった。リーリヤならではの一生懸命さを滲ませながらも、一方でどこかのびのびと歌うその姿はとにかく魅力的だ。コール&レスポンスでも「メイビー!」や「ロックユー!」といった大歓声が空間を満たし、会場一体となって楽しんでいることがわかる。クライマックスの「あいしているよ~」という絶叫には、花岩さんの全力がこもっているようにも感じた。
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続いて伊藤さんによる『Wonder Scale』。“Spotlight Star”でも披露された同曲のパフォーマンスは、ステッキを持ってミュージカルのように踊りながらかわいい歌声を披露する姿が童話的で、ステージを眺めているだけでも心が浄化されるよう。たとえ、千奈がアイドル魔法学園の生徒と言われても違和感が生まれないぐらいだ。伊藤さんのパフォーマンスは安定感があるだけでなく、物語に起伏をつけるような感情表現も見事で、手拍子を煽りながらも会場を華やかな魔法で包み込んでいく。クライマックスで大型スクリーンを使って魔法をかける演出はまさに感動的で、倉本理事長や倉本家のメイドたちが観ていたとしたらおそらく笑顔が止まらなかったことだろう。曲の後には会場からも「ブラボー」という賞賛の声援が起こっていた。
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17曲目は松田さんの『グースーピー』。こちらは先週サプライズで披露されたばかりの佑芽の“じゃんけん”をテーマにしたいわゆる電波曲だ。『学マス』ではまだこういったジャンルの楽曲を歌うアイドルが多くないこともあり、佑芽が元気でかわいらしい歌声を武器にその世界を開拓しているように感じる。ちなみにラストのジャンケンの結果はライブごとに違うようで、この日はグーを出していた(パーを出したプロデューサーの勝ち)。つぎにライブで披露されるときには……と想像してみるのも楽しそうだ。
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佑芽からバトンタッチをする形で、ステージに登場した長月さんは咲季の2ndシングル『Boom Boom Pow!』を披露。かっこよくもかわいらしい咲季の魅力を余すことなく表に出したダンスミュージックだ。ほかのアイドルの2ndシングルに続き、この曲に参加したのは湊さん。同じ1年1組のアイドルとしても咲季と清夏は縁が深く、ダンサブルなイメージという点でも共通するふたりだが、キャストふたりの歌声の相性も抜群! もちろん、『Boom Boom Pow!』には元から清夏が参加していたのではないかと錯覚するほどに楽曲との相性もピッタリだ。サビで湊さんが歌っているときに、長月さんがフェイクパートに回るなど、ソロ曲としての歌唱ではできなかったパフォーマンスを見せてくれたのもプロデューサーとしてはうれしかったことだろう。
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19曲目は七瀬さんによる『Fluorite』。曲名のもととなっているのは、さまざまな色合いを含む鉱石フローライト。加熱すると発光することから“蛍石”とも言われる石で、麻王の多面的な魅力を表現するのにもピッタリの曲名と曲調だろう。神秘的で美しい曲入りから、レーザーライトを背にしながら訥々と心に語りかけてくるような歌声は聴いているだけで魂が浄化されるよう。間奏の壮大なモノローグ、そしてすべてを解放するかのようなまぶしいサビは彼女らしい輝きにあふれていた。
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そして、20曲目は湊さんによる『Tame-Lie-One-Step』。運動量のすごいステップに加えて、サビでの自分の内心を打ち明けるようなラップ。“Spotlight Star”のMCでも会場と一体になって歌うことについて触れていた湊さんだが、この日のコール&レスポンスの完成度も高く、ライブならではの魅力がさらに底上げされているように感じた。もちろん、盛り上げ上手のムードメイカーという“清夏”の個性も乗せているので見事というほかない。
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続くMCでは、松田さんが初めての回し役に挑戦。さっそく『Boom Boom Pow!』での長月さんと湊さんのパフォーマンスに興奮したと語ると、ふたりも「超楽しかった!」、「心強かった!」と満面の笑顔に。一方で6曲目の『White Night! White Wish!』の話になると、それを受けた花岩さんからは「冬をおろした」という名言(迷言?)が飛び出し、『学マス』MC恒例のふわふわした空気が漂っていく。ちなみに長月さんは配信コメントを目にしていたようで、歌唱した3人(飯田さん、花岩さん、松田さん)が新信号機と言われていたことにも言及。乗り気の松田さんと花岩さんに対して、「うちのことねを持っていかないでよ!」と鋭いツッコミをさく裂させていた。
ライブもいよいよ後半戦。21曲目は、広の2ndシングル『コントラスト』だ。曲名そのままに白と黒、モノクロとカラフルという対比構造をテーマにしたゲーム内でのライブ演出が印象に残っているというプロデューサーも多いことだろう。この日のライブもそれを踏襲しているのか、モノクロな出だしからは想像できないぐらい、サビではカラフルな花が咲き誇るというコントラストがあまりにも美しい。さらに2番からはステージに花岩さんが乱入。衣装の色合いもふたりで黒と白でコントラストになっているほか、振りつけもステージと1階と2階で対称になるように組み立てられており、あまりにも芸術性が高い。花岩さんは川村さんの神秘的かつどこか無機質で不可触のパフォーマンスを壊さないどころか、その絶妙なパフォーマンスでその魅力を倍加させていた。じつをいうと筆者は広をメインに育成するプロデューサーだが、正直、広の曲はデュオで歌うのは難しい(だからこそ女神的な神秘性がある)と思っていた。しかし、その既成概念をこのステージで見事に打ち破られた感覚がする。
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22曲目は、松田さんによる『The Rolling Riceball』。人前でライブをするのは立川ステージガーデンが初めてだという松田さんだが、“Spotlight Star”でのパフォーマンスよりもさらに笑顔が見せる時間が増えた印象もある。元気で突き抜けるような楽曲を歌わせたら天下一品の佑芽だが、ときおり見せるパワフルな歌声が好きというプロデューサーも多いことだろう。もちろん、このステージでも巨大なおにぎりを食べるパフォーマンス(松田さん考案の振りつけ)も健在だった。
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階段を割って退場した松田さんとハイタッチをしながらバトンを受け取ったのは長月さん。花海姉妹の絆を感じさせつつもソロ曲『Fighting My Way』を披露。過去のライブでも幾度となく披露されてきた同曲だが、歌声もダンスにも余裕を感じさせるぐらいのオーラがみなぎっている。おなじみとなった(カメラに向けての)キックアクションもキレキレで、センターアイドルとしての風格を否応なく感じ支えられてしまう。スクリーン上に映し出されたボックスには、事前に収録したという自身のダンスパフォーマンスの影が映し出されるという演出もあり、ひとつのステージとして見てもあらゆるこだわりが詰まっていることを感じさせられた。
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24曲目は小鹿さんによる『Luna say maybe』。『学マス』ではレアなスタンドマイクを導入してのパフォーマンス。マイクを握りしめながら全力で歌いあげるという、心に届けるような全身全霊のパフォーマンス。手毬のストーリーでは手毬が途中で息切れするという話も出ていたからこそ余計に実感するが、最後まで安定感のある歌唱を続けるのは簡単ではない。初公演があったとはいえ、1stライブでそれをやってのけるアイドルたちには頭が下がる。
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そして、満を持してここでBegrazia(十王星南役の陽高さん、花海佑芽役の松田さん、秦谷美鈴役の春咲さん)による『Star-mine』。それぞれの個性を打ち消すことなく、全力でぶつけ合う貫禄の一曲。歌い出しから強烈な艶やかさで空間を掌握する春咲さん、元気な歌声とラップを披露することで華やかさを見せる松田さん、凛とした歌声で一番星としての矜持を感じさせる陽高さん。それぞれが一番を目指すアイドルであることを譲らない姿勢をパフォーマンスという形で3人のキャストが見事に表現してみせる。
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26曲目は季節イベント“ハロウィン狂想曲”と紐づく『仮装狂騒曲』。YouYubeでのMVが830万回再生を超えるなど非常に注目を集めている楽曲で、アイドルたちの軽快なラップとホラー系トゥーン感のある楽しい雰囲気が心に残る楽曲だ。この日の3人のパフォーマンスも見事で、わちゃわちゃとガイコツやゾンビをモチーフとしたダンスを踊りながら、会場を興奮と熱狂の渦へと巻き込んでいく(客席にもゾンビのように手を挙げるプロデューサーがいて、会場が一体となっているのは間違いない)。今回はマイクを片手に持ってのパフォーマンスだったので、筆者はいつかヘッドセットを使って全力でゾンビダンスをするアイドルたちの姿も見てみたいと欲が出てきてしまった。
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そして、27曲目は『標』。耳なじみのある旋律をベースにする初星学園の校歌だ。歌詞に登場する単語はいわゆる校歌らしく威厳にあふれたチョイスだが、締めが「総喝采(イェーイ!)」という点はさすが初星学園というべきか。校歌にソロのフェイクパートがあるのも初星学園ぐらいだろう。ちなみにこの日、フェイクを担当したのは春咲さん。冒頭の挨拶で「今日は雨ですが本気を出します(※親愛度コミュにおいて、美鈴は曇りじゃないと本気を出さないと語る)」と語ったのはこの布石でもあったわけだ。
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MCでは、各曲についてのコメント。『仮装狂想曲』については「Begraziaを脅かすぐらいのゾンビになりました」という伊藤さんの迷言も飛び出した。伊藤さんといえば、「つぎが最後の曲です」という説明に「いま来たばっかり」と会場のレスポンスがあると「嘘つき~!」と叫ぶというおなじみの儀式があるが、今回は伊藤さんが直接言うのではなく、絶叫でBegrazia組を指名。3人に言わせるという新たなスタイルを打ち出してきた。これも進化なのだろうか……。
そして、ライブ本編の最後を飾る楽曲は『初』。もはやイントロを聴くだけでマイホームに帰ってきたような安心感のある同曲だが、1stライブという場で歌われるのを聴くとやはり感動もひとしお。この1年間がいかに濃密な軌跡だったかということを再確認させられるようだ。
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その後、十王邦夫学園長とあさり先生による挨拶とお礼が。そしてこれからも続く学園生活に向けて、各種お知らせが発表された。主な内容としては、-初陣公演-東京追加公演決定、コミックマーケット106出展決定、Harmony Star公演記念パック販売、プレミアムミッションパスのリニューアルなど。さらにこれまでリリースされた楽曲のMVがスクリーンに映し出されたあとに「2025年6月3日、0:00アイドルマスターチャンネル」という謎の告知が……。はたして、どんな新展開が待っているのだろうか。
アンコール後の1曲目は季節イベント“夏宵フェイスオフ”と紐づく『冠菊』。エレクトロ要素の入った和風ポップスで、夏の夜の楽しくもどこかはかなげな光景を想起させてくれる。それぞれが情緒のある歌いかたをするなかでも凛とした表情を崩さない花岩さん、艶やかな色気を醸し出す長月さん、とにかく楽しそうな笑顔を見せる飯田さんと、三者三様のカラーが感じられた。のちのMCでは、飯田さんが今回のライブに向けて楽曲のライブやTRUE ENDなども見返したと語っていたが、この『冠菊』に関しても表情などをしっかりと研究していたそうだ。
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アンコール2曲目は初星学園のアイドルたちが揃って披露する『ミラクルナナウ(゚∀゚)!』。とりわけ目に留まるのはどこかコミカルでキュートな振りつけ。途中にはフリーの箇所もあるのか、自由形でそれぞれ泳ぎ出すところも……。ライブも最終盤なのに息切れすることなく全力でパフォーマンスを続けるアイドルたちを前に、プロデューサーたちもペンライトを全力で振って盛り上げ続ける。
最後の挨拶ではライブに関する想いをコメント。いかに自分が楽しいか、そして修練の場になっているのかということを口にしていた。この4日間の公演が初ライブとなる松田さんも「先週が終わってからずっと今日が楽しみだった」と語っていたことからもそれはひしひしと感じられる。ちなみに小鹿さんからは同ライブでは欠かせなくなった(?)イヤリングの紛失情報も。本番中は一回も落とさなかったものの、ライブ前に一度破壊したうえにリハーサルの最中に落として春咲さんに拾われてドヤ顔で「これ、なーんだ?」と言われたという逸話が……。期待を裏切らない報告にプロデューサーさんからは爆笑が巻き起こっていた。
そして、いよいよ最後の楽曲『Campus mode!!』。改めて聴いても同曲はBPMが速いうえに歌詞が詰まりすぎているため、歌唱は非常に困難。これがアイドルの共通曲であるということ自体もすごいが、笑顔で見事に歌い継いでいくアイドルたちの姿を見ていると『学マス』の勢いを感じずにはいられない。筆者個人的には、星南会長を演じる陽高さんが「まだまだ伸びしろあります!」という歌詞を楽しそうに歌う姿が毎回グッと来てしまう。
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アイドルたちが盛りだくさんなファンサービスで会場を盛り上げて退出したあと、学園長、あさり先生による一丁締めでこの日のステージは終幕となった。
ここからは筆者の個人的な印象で恐縮だが、『学マス』のライブはプロデューサーたちの抑えてほしいツボをしっかりと押さえたうえで、さらに予想していなかった方向からサプライズを仕込んでいることが大きな魅力だと感じる。とくにこの日は3曲目の「ここでソロ曲?」と思わせてからのデュエット歌唱という演出には興奮を隠せなかった。演出が見事なのはもちろん、各アイドルたちのパフォーマンスも瑞々しくも華々しく、これが1stライブということもついつい忘れてしまうぐらいだ。これでまだまだ伸びしろがあると思うと、恐ろしくもワクワクしてしまう。
立川ステージガーデンでの1stライブはいよいよ“学園アイドルマスター The 1st Period Spotlight Star”DAY2をもって千秋楽となる。締めの挨拶で多くのアイドルが「明日(6月1日)も楽しみにしてほしい」と口にしていたことからも、まだまだ『学マス』はDay2にとんでもない秘密兵器を隠しているのかもしれない(初星学園ならやりかねない)。ぜひとも期待して待ち続けたい。
“学園アイドルマスター The 1st Period Spotlight Star DAY1”セットリスト(敬称略)
- 1. 雨上がりのアイリス(Re;IRIS:長月あおい、小鹿なお、飯田ヒカル)
- 2. キミとセミブルー(七瀬つむぎ、湊みや、薄井友里)
- 3. アイヴイ(小鹿なお、陽高真白)
- 4. 光景(川村玲奈)
- 5. 世界一可愛い私(飯田ヒカル)
- MC
- 6. White Night! White Wish!(飯田ヒカル、花岩香奈、松田彩音)
- 7. みちなるひろがる(伊藤舞音、川村玲奈)
- 8. clumsy trick(薄井友里)
- 9. Yellow Big Bang!(飯田ヒカル)
- 10. ENDLESS DANCE(長月あおい、春咲暖、陽高真白)
- MC
- 11. 小さな野望(陽高真白)
- 12. Feel Jewel Dream(七瀬つむぎ)
- 13. ツキノカメ(春咲暖)
- 14. SUGAR FLAVOR(七瀬つむぎ、薄井友里)
- MC
- 15. 白線(花岩香奈)
- 16. Wonder Scale(伊藤舞音)
- 17. グースーピー(松田彩音)
- 18. Boom Boom Pow(長月あおい)
- 19. Fluorite(七瀬つむぎ)
- 20. Tame-Lie-One-Step(湊みや)
- MC
- 21. コントラスト(川村玲奈、花岩香奈)
- 22. The Rolling Riceball(松田彩音)
- 23. Fighting My Way(長月あおい)
- 24. Luna say maybe(小鹿なお)
- 25. Star-mine(松田彩音、春咲暖、陽高真白)
- 26. 仮装狂騒曲(小鹿なお、伊藤舞音、川村玲奈)
- 27. 標(初星学園)
- MC
- 28. 初(初星学園)
- MC
- EN1. 冠菊(長月あおい、飯田ヒカル、花岩香奈)
- EN2. ミラクルナナウ(゚∀゚)!(初星学園)
- EN3. Campus mode!!(初星学園)