本記事ではそんな制作の裏話を中心に、イベントのリポートをお届けしていく。まずは会場の様子からどうぞ!
今回のコラボにかける両社の熱い想い
関わったすべての人が、それぞれの思い出や作品に対する愛、『FF』への個人的な想いを込めて取り組んだというコラボセットの制作。ファンの期待に応えるものというのはもちろん、「10歳の自分が、夏の間ずっと夢中になって遊び続けるようなものを作る」ことを目標にして、制作が進められたという。
一方で、スクウェア・エニックス側のプロデューサーを務める市川翔一氏も、ゲームが話題の中心だった12歳のときに『MTG』と出会い、熱中したというエピソードを披露。つねに『MTG』が生活の中にあったと語る市川氏は、「自分の運や未来を信じることはとても重要。それ以上にその結果をたぐりよせるための準備が大事だ」ということを『MTG』から教わったという。
『FF』シリーズの敵や武器、魔法がテーマのパックも
さらに、シリーズの各時代を象徴する4つの統率者デッキも登場。『FF6』はピクセルアート時代を代表する作品、『FF7』はプレイステーション1時代の金字塔、『FF10』はプレイステーション2時代の代表作、『FF14』はMMORPGという新たな形で世界中のファンから親しまれている作品として、統率者デッキに落とし込んでいるという。
そして今回のイベントの目玉でもある“Secret Lair”の3種のドロップも公開。日本では6月10日に発売予定で、期間限定での販売に。こちらもノンフォイルの通常版に加えてフォイル版(コレクター版)も用意されているとのこと。ここからは3つのドロップの特徴をザキール氏や市川氏のコメントとともに紹介していく。
“Secret Lair x FINAL FANTASY:Game Over”
- 「セフィロスの“絶滅の星”、アーデンの“法務官の掌握”など、『MTG』プレイヤーならピンときますが、絵だけ見てもそれぞれのキャラクター性を表現したアートになっています。これらのカードを使って、ボスになり切ってスペルを使ってもらえたらより楽しめるんじゃないかなと思っています」(市川氏)
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Secret Lair x FINAL FANTASY:Weapons
- 「たとえばクライヴの持つ剣・インヴィクタスの刃には、若き日のクライヴの姿が写り込んでおり、無尽のメカニズムが絵で表現されている。ティーダのフラタニティは、真理と正義の剣として登場し、増殖を促す、彼のカードデザインと絶妙にかみ合っている。クラウドの象徴的な武器・バスターソードは“梅澤の十手”として登場。メインセットのクラウドに装備すれば、一撃ごとに最大4つのチャージカウンターを得ることができる」(ザキール氏)
- 「主人公の相棒とも言える剣がデザインされていて、どれも『FF』のストーリーの中でともに戦った武器で、強力かつ、アートも唯一無二なものになっている。ティーダたちだけでなく、ユウナやガイアなどのキャラクターたちのカードも、いま活躍しているカードがテーマになっており、“Weapons”という名前にふさわしいセットになっていると思います」(市川氏)
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Secret Lair x FINAL FANTASY:Grimoire
- 「私のお気に入りはサンダー。『MTG』でいうと稲妻ですが、稲妻はたくさんのアートが存在するカードですが、きっとこのカードが手に入ったら私のお気に入りは“ビビの稲妻”になるんだろうなと思っています」(市川氏)
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なお、“Secret Lair”バンドルの特別プロモカードとして、“金粉の水蓮”が登場。このカードはミッドガルドの教会で咲くエアリスの花をモチーフにして描かれている。販売期間中にいずれかの“Secret Lair”バンドルを購入した人に配布される特典とのこと。
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チョコボやモーグリ、召喚獣のカードも世界初公開
『FF9』からは“桃源郷の探求者、チョコ”が登場。“鳥”のクリーチャーとの相性がバツグンだ。
- 「“鳥”のカードはこのカード単体でもアドバンテージを生み出す優秀なカードだが、複数の鳥クリーチャーと組み合わせることで真価を発揮する。チョコボをテーマにした統率者デッキを作りたい人にとっては夢のカードになると思う」(ザキール氏)
- 「まさかチョコボが統率者のアーキタイプになる可能性があるとは思ってもいなかったのでビックリしました。ですが、思い返してみると、古来から『MTG』で活躍していた“極楽鳥”という鳥タイプのクリーチャーもいました。もしかしたら昔から『MTG』と『FF』の掛け合わせの相性はよかったのかもしれないなと思います。このカードは強力なクリーチャーですので、たくさんの鳥で総攻撃を仕掛けて、まさに“ここ掘れチョコボ”のようにボーナスをいっぱい得るといったプレイをしていただければなと」(市川氏)
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モーグリをテーマにした“モーグリの奮闘”は、『FF6』でモーグリたちがティナを救い出すシーンを描いたカードだ。
- 「『FF6』でモーグリたちが勇敢に立ち向かうシーンが記憶に残っている方も多いと思います。まさにピンチをしのいだ後に、モーグリたちが心強い援軍になってくれる。そんなシーンを『MTG』を再現できるカードになっています。また、本セットのカードには、ゲーム内の特定シーンを強く意識したものもあります。ぜひ入手した際に、アートの細かい部分にも注目してもらえると楽しい発見があると思います」(市川氏)
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『FF』シリーズではおなじみの“召喚獣”もカードで登場。今回、紹介されたのはリヴァイアサンだ。召喚獣は、“英雄譚・クリーチャー”として戦場へ顕現。戦場に出ていられる期間が限られている。リヴァイアサンの場合は、戦場に出たときに“海の怒り”が発動し、海クリーチャーでないものをすべて戦場から取り除く効果を持っているという。次ターン以降は、自身を含む海クリーチャーでダメージを与えた場合にカードをドローすることが可能。ただし、3ターン目に召喚獣が時間切れとなり、戦場から離脱するとのこと。この召喚獣のカードは、ザキール氏のお気に入りの種類でもあり、『FF』と『MTG』のゲーム性を融合させた要素だと考えているという。
- 「召喚獣は『FF』にとってとても重要で、すごく大切な存在。最初に『MTG』で召喚獣をやりたいと言ったときに、ただの強力なクリーチャーになっちゃうんじゃないかという心配がありました。ただ、結果としてはそれが杞憂だったなと。一時だけ顕現し、強力な効果を発揮して、ときには共闘してくれるという召喚獣を、このシステムで本当にうまく表現できていると思います。『FF』のバトルの中でも召喚獣の使いかたというのが選択肢にもありますが、それを『MTG』のプレイで再現できる。早く皆さんに体験していただければと思っています」(市川氏)
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さらに、『FF』を代表するアートを『MTG』に落とし込んだ“継承史カード”も発表。継承史カードは、“ドビンの拒否権”や“リスティックの研究”といった『MTG』のカードの効果はそのままに、『FF』シリーズの屈指の名シーンやアートをカードに落とし込んだものだ。
- 「スクウェア・エニックスにとっても、各タイトルを代表する本当に大事なアート。このアートをどのカードに落とし込むかは、何度もコミュニケーションを取ってきました。カードのパワーレベルはさまざまですが、結果として、どれもがそのアートを愛する方が活かせるような形にできたと思います」(市川氏)
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竜騎士がジャンプした後の光景がカードで表現!?
板鼻氏は、今回のコラボに参加するという話を聞いたときは、「『MTG』のルールを覚える前に、美しいアートがいっぱいあるゲームという印象が強くて、ゲームを遊ぶ前にアートブックを買って眺めていた時期がありました。そんな世界的なゲームに自分が参加できるという話をいただいたときに、うれしさよりも驚きが先行して、絵を描き始めてからジワジワと喜びを実感してきました」という感想を述べた。
一方でもともと『MTG』のプレイヤーで、仕事終わりに会社の仲間と集まって遊んでいて、徹夜でプレイしたこともあるという松田氏は、スクウェア・エニックスの社員としてというよりも、『MTG』と『FF』のいちファンとしてドキドキ、ワクワクしながら話を聞いたという。
板鼻氏が手掛けたのは“迷える黒魔道士、ビビ”のイラスト。最初は頼りないビビだが、さまざまな出会い、試練を乗り越えていくうちに成長していくビビの強さを表現したカードになっている。表情がなく、引っ込み思案なキャラクターで、最初はどのように描くのかを悩んだという板鼻氏。そこで「冒険を進めていく中で、自分の力が仲間の役に立てるということにわかってきたあたりのビビ」にしようと思いつき、描いていったという。
しかし、戦っているだけでは「ビビはこんなにアグレッシブだったかな?」と疑問が生じ、悩んだ末に「ブリ虫(※)にビックリしているというストーリーがつけられたら、いい絵が完成するのでは」と思い立ち、いまの絵ができあがっていったようだ。
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松田氏が手掛けたのは“苦悩の竜騎士、カイン”。カインといえば『FF4』に登場するキャラクターで、カードでも“ジャンプ”の能力を再現。そして戦闘ダメージを与えるたびに、次ターンに相手のコントロール下に移ってしまうという、『FF4』でのカインの物語を表現したような性能になっている。
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最初にこのカードの性能を見た市川氏は「初期パワーが2というのも意味深ですね。これがわかるひとはなかなかニッチなファンだと思います(笑)。」と前置きしつつ、カードが自分の場所に帰ってきたら「おれは しょうきに もどった!」という声が聞こえてきそうだなと感じたとか。
ただし、「使いこなすのが難しいのでは?」という懸念もあったようで、ウィザーズ・オブ・ザ・コーストのスタッフに相談したところ、「ちゃんと使えたらとっても強力なんだよ。そこまで心配なら僕がカインを主軸にしたデッキを作って市川さんを倒してあげるよ」と返答をもらい、リリース後に対戦を楽しみにしているカードだということも明かした。
『FF4』のカインというキャラクター、そして竜騎士というジョブ自体も好きだったという松田氏は、当時『FF4』をプレイしたときに感じた「上空に飛んで行ったカインがいま何を見ているんだろう?」という疑問をベースに、それを自分なりに表現したアートを描いていったという。
「竜騎士がジャンプした後にどんな世界が広がっているかというのを見せるのは、このアートが初公開かもしれないですよね」という市川氏に対して、松田氏は「(『FF』の)公式ではないですけど、公式っぽい感じになっちゃいましたね(笑)」と返答していた。
『FF4』はもともと2Dドットで表現されたゲームで、それを『MTG』のカードに落とし込んでアートを描くかというのが大きな課題だったと語るザキール氏。最初にカードのアートを見たときに「ピクセルアートをこういう形で表現してくるのか!」と驚いたそうだ。
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発売後の再販にも期待できそう!
また、今回のプロジェクトで難しかったことを尋ねる質問では、ザキール氏は「スクウェア・エニックスは長い歴史を持つゲーム会社。それだけ求められる品質やファンの期待値の水準が高く、ウィザーズとしてもその期待に応えなければならないと感じました」として、通常のセットよりも開発期間が1.5倍ほどに膨れ上がったという。開発期間の延長はウィザーズ内でも話し合いが行われたようだが、『FF』はとても大切なIPで、スクウェア・エニックスは大切なパートナーである、そしてファンの期待に応えるためにも、期間延長を決断したという。
スクウェア・エニックス側で苦労した部分は、市川氏は「苦労した部分というより、我々の課題だった」と前置きをしつつ、修正箇所を伝えるときに言語化が難しかったことを挙げていた。たとえばスクウェア・エニックス内では「『FF7』っぽくない」が言語外で伝わるというが、それをうまく言語化してウィザーズ側に伝えるのが苦労したという。ここは「ウィザーズ側がトライ&エラーをくり返してくれて、結果的に素晴らしいアートに着地できました」と答えていた。
逆に、楽しかった部分は、「ウィザーズの方々が、『FF』という作品の中でのキャラクター性を汲み取って、それを『MTG』のルールに落とし込んでくれている。これは『MTG』ファンとしての私、そして『FF』プロデューサーである自分という両面から見ても整合性があり、そのマッチングが本当に楽しかったです」と市川氏が喜びをあらわにしていた。
6月27日~29日開催のトーナメントでは野村哲也氏が描くプロモカードが配布!
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