『明末:ウツロノハネ』先行体験レビュー。ジャスト回避で技を強化しド派手な連撃をくり出して戦う、骨太でスタイリッシュなソウルライク・アクションアドベンチャー。古代中国の壮大さと作り込まれた世界観は圧巻

byQマイン

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『明末:ウツロノハネ』先行体験レビュー。ジャスト回避で技を強化しド派手な連撃をくり出して戦う、骨太でスタイリッシュなソウルライク・アクションアドベンチャー。古代中国の壮大さと作り込まれた世界観は圧巻
 505 Gamesより2025年7月24日に発売予定となることが明らかにされたソウルライク・アクションアドベンチャー『明末:ウツロノハネ』(みんまつ:ウツロノハネ)。対応ハードはプレイステーション5、Xbox Series X|S、PC(Steam/Epic Games Store)。

 『明末:ウツロノハネ』は、怪物を生み出す謎の疫病に蝕まれる女戦士“無常”が、病に抗いながらみずからの過去に向き合っていく姿を描いたストーリーが展開される。細部まで作り込まれた奥深い世界観と物語、ソウルライクを体現する骨太なゲーム性、装備やスキルツリーによって構築できる多彩なビルドが魅力の一作だ。

 今回は先行体験会でひと足早く本作をプレイする機会を得たので、記事担当ライター・Qマインによるプレイレビューをお届けする。なお、今回プレイしたビルドはテスト版のため、製品版と仕様が異なる可能性がある点にご留意いただきたい。
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古代中国の壮大さと作り込まれた世界観は圧巻、日本語ボイスに対応しているのも最高!

 物語の舞台は戦乱と混沌が渦巻く明代末期の蜀。明は中国の王朝で、その末期ということなので、ざっくり1600年ごろのお話になる。本作の蜀では、各地で派閥争いがくり広げられる一方、怪物を生み出す呪いの疫病“羽化病”が蔓延している。まさに、暗黒の時代である。
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 主人公は、記憶を失った女戦士の無常。羽化病にかかっている彼女は、自身の記憶と羽化病の真実を探るために、戦乱と混沌が渦巻く蜀を旅することとなる。
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彼女が本作の主人公・無常だ。読みかたはそのまま“むじょう”である。
 蜀は広大なオープンワールドで構成されており、当時の中国を忠実に再現した景色が一面に広がっている。人工物や自然は細部まで丁寧に作り込まれており、フィールドの探索も存分に楽しめる。環境音の聞こえかたや影の描写もリアルで、明代末期の蜀を目と耳の両方で体感できる作りとなっている。もはや、ちょっとした観光シミュレーションゲームと言っても過言ではない。とはいえ、フィールドには敵がひしめいているため、景色に見とれているとあっという間に倒されてしまうのだが……。
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フィールドには多彩な装備やアイテムがある。探索すればするほど、キャラクターの強化につながっていく。
 そんな本作には、日本向けのローカライズに加えて日本語ボイスも実装されている。個人的には、これが本当にありがたい! 海外のゲーム、とくに中国産の作品では、読みかたのわからない漢字が頻繁に登場するため、字幕を読んでいても設定や状況がスルッと頭に入ってこないことがある。

 また、“ソウルライク”というジャンルのゲームは、戦闘中にかなりの集中力を要するため、プレイヤーの脳への負荷も大きい。そのため、せっかく興味深い話が展開されていても、字幕を読むのが億劫になってしまうこともあるのだ。しかし本作では、日本語ボイスのおかげで、視覚に加えて聴覚からも世界観や設定を自然に理解できる点が非常にありがたい。
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ジャスト回避“須羽”によって戦略の幅が広がり、爽快感が増すアクションを体感できる

 冒頭から触れているとおり、本作は現代のゲームを代表するジャンルのひとつであるソウルライクだ。
 
 敵は総じて手強く、ゴリ押ししようとすれば、ザコ敵相手でも大ダメージを受けることになる。とくにボスは、技のバリエーションが豊富で、攻撃にいやらしいディレイ(攻撃のタイミングを遅らせること)もあるため、かなりの歯応えがある。ソウルライクに自信のあるプレイヤーであれば数回で突破できるだろうが、そうでない場合は、苦戦を強いられることも多いだろう。
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 また、敵に倒されると育成に必要なポイントがフィールドに落ちてしまい、回収に失敗すると大きな損失となる。このほか、フィールドの各所に設置された休憩ポイントでは、ファストトラベルや能力強化、体力回復・回復アイテムの補充(※ザコ敵は復活)といった、“ソウルライク”に欠かせない要素がしっかりと用意されている。こうした基本を丁寧に踏襲しているため、ソウルライク経験者であれば、少しプレイするだけでゲーム性をすぐに理解できるだろう。
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 本作のキモとなる戦闘では、敵の攻撃を見極めて回避しつつ、隙の少ない弱攻撃や高威力だが隙の大きい強攻撃(長押しで溜め強攻撃に派生)、特殊なエネルギーを消費して放つ法術(魔法のようなもの)、武器スキル、流派スキルなど、多彩な手段を駆使して戦うことになる。
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 こうしたアクションも、ソウルライク作品におけるお約束に則っており、法術を除く各種攻撃や回避行動をくり出す際にはスタミナを消費する。攻撃を欲張ればスタミナ切れで回避ができずにダメージを受けてしまい、逆に回避ばかりに頼れば攻撃する余力がなくなる。いずれにしても、スタミナの管理が何よりも重要となる。

 前述の通り、本作は攻撃手段が非常に多彩で、どの技を使って敵にダメージを与えるかといった戦闘時の選択肢も豊富だ。同じ武器を使っていても、プレイヤーの選択によってプレイスタイルが大きく変わる。また今回の先行体験会では、片手剣、槍、斧という3つの武器種を使えたが、本編にはさらに多くの武器種が登場するとのこと。そのため、アクションの幅はかなり広そうだ。
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武器によっては受け流し(ガード)のアクションも存在する。ただしガードできない攻撃もあるため、基本的には回避を軸にしながら戦うことになる。
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敵を連続で攻撃したり、背後から溜め攻撃を仕掛けたりすると、敵がダウン状態になる。この状態の敵に対して、正面か背後から弱攻撃を行うと、特殊な演出を伴う攻撃“破刹”をくり出せる。
 さらに、多彩なアクションによる戦闘に深みを与えているのが、本作最大の特徴である“須羽”(すわ)システムだ。本作では敵の攻撃をタイミングよく“瞬身”(ジャスト回避)でかわすと、須羽と呼ばれるエネルギーがひとつ溜まる。これを消費することで、威力やエフェクトが強化された法術、武器スキル、流派スキルをくり出すことができるのだ。
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 須羽によって強化された攻撃で効率的にダメージを与えられ、戦闘時の爽快感が一気に高まる。そのスタイリッシュな演出も相まって、自然と「難しくても敵の攻撃動作を覚えて、瞬身を狙おう」という意識が芽生える。
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ちなみに、瞬身が成功すると、音とエフェクトによって現在の須羽の蓄積数を教えてくれる。蓄積値が多いほど瞬身時のエフェクトが派手になり、自然とプレイヤーのテンションも上がっていく。
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 個人的に、“死にゲー”とも言われるソウルライクでは、ボス戦が最大の醍醐味であると同時に、ユーザーの心が折れやすいポイントだと感じている。敵の動きを覚え、死闘の末に勝利したときの達成感は格別だが、覚えることにばかり気を取られてしまうと、戦闘そのものを楽しむ余裕がなくなってしまう。本作はその点、ジャスト回避と須羽のおかげで「気持ちよさを追求していたら、いつのまにか勝てていた」といった感覚で遊べる作りになっている。“難しさ”が売りのソウルライクで、こうしたポジティブな体験ができるのは非常に大きな魅力だ。

アクション以外の要素も豊富! とくにビルドシステムはかなり奥深そう

 今回の先行体験会では須羽以外にも、本作の核となるシステムの一端を体験することができた。まずは育成システムの “斗転星羽”(とてんせいわ)。キャラクターのレベルを上げたり、スキルツリーを解放して新たな技の習得や既存アクションの強化を行ったりできるシステムだ。スキルの数はかなり多く、いろいろな方向にキャラクターを強化できる。
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 つぎは装備の存在だ。本作には多彩な武器種に加え、セットボーナスを持つ防具(頭、胴、腕、足の4部位)、同時に3つ装備できるアクセサリーの“玉佩”(ぎょくはい)、特殊効果を備えたユニーク武器、武器に装着して性能を向上させる“御言葉”などがある。このように、装備だけでもかなりのボリュームがあり、先ほどの斗転星羽と組み合わせることで、幅広いビルドと戦闘スタイルを楽しむことが可能だ。
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 最後はプレイヤーの習熟度に応じて、試練と報酬をもたらす“心魔”システムだ。人型の敵を倒したり、敵に倒されたりすると、心魔値が上昇。その状態で敵に倒されると“心魔降臨”が発動し、フィールドに心魔と呼ばれる強敵が出現する。
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ボスほどではないが、なかなかの手練れ。華麗な剣技や血の光線など、技の種類も多彩だ。
 心魔降臨状態では、無常に何らかの効果が付与される。今回の体験会では、“能力が上昇し、被ダメージ効果が増加する”が発動していた。恐らく、無常の能力が上がる代わりに、受けるダメージが増えるというものなのだろう。

 心魔を倒すと上記の効果が消えて、特別なアイテムをゲットできる。心魔降臨の効果によっては、あえて心魔を倒さずに、その効果をうまく活用して戦うというプレイスタイルも楽しめそうだ。
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心魔が現れると、このような演出が表示される。
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心魔の討伐に成功すると、心魔降臨の効果が消える。

ソウルライクの新星! 今後の続報に期待したい

 『明末:ウツロノハネ』は、王道ソウルライクに瞬身、須羽、斗転星羽、ビルドシステム、心魔などの要素を追加して新たな魅力と独自性をもたせた“ソウルライクの新星”とも言える作品だ。なかでも瞬身と須羽は秀逸で、苦戦してヤキモキしがちなボス戦の攻略過程を、極上の爽快感が味わえる体験へと昇華させる可能性を秘めたシステムとなっている。
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 また、攻撃パターンは豊富でありながら過度に複雑ではなく、「強いけれど、何度か挑めば勝てそう」と思わせてくれる絶妙なバランスの難度に仕上がっている点も印象的だ。アクションが好きな人であれば、得意・不得意を問わず楽しめるだろう。

 ソウルライク・アクションアドベンチャー『明末:ウツロノハネ』は2025年7月24日に発売予定。発売までにはまだ少し時間があるものの、今後さまざまな情報が解禁されるはずなので、続報に期待したい。
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『明末:ウツロノハネ』

  • 対応プラットフォーム:プレイステーション5、Xbox Series X|S、PC(Steam、Epic Games Store)
  • 発売日:2025年7月24日発売予定
  • 発売元:505 Games 
  • 開発元: Leenzee Games
  • 価格:プレイステーション5パッケージ版/7260円[税込]、ダウンロード・通常版/各7260円[税込]、ダウンロード・デラックスエディション/各8250円[税込]
  • 対象年齢:CERO 18歳以上のみ対象
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先行予約特典は“黒白無常の衣装セット”。衣装2セット x各5点、武器1種類、スキル強化アイテム1種類。
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『デジタルデラックスエディション』は、ゲーム本編に加えて、衣装4種類、武器4種類、スキル強化アイテム1種類が同梱。一部アイテムは、後日単品での発売を予定しているとのこと。
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集計期間: 2025年05月01日05時〜2025年05月01日06時