取材で海外に行った時の個人的な密かな楽しみが、情報番組とかソープオペラ(昼ドラ)とか教育番組とか、現地の昼間のテレビを適当に流すこと。異文化のよくわかんないノリを楽しんで、晩飯までの時間をヒマ潰しするのだ。 しかし、突然Nintendo SwitchやPCが未知の異世界の番組を受信し始めたらどうだろう? どうにも古臭いスペースドラマや、やぼったいディスコ音楽のミュージックビデオに面食らいながらさらにチャンネルを回すと、液体に浮かんだ脳みそと会話するマッドサイエンティストの科学情報番組や、“サイキック天気予報”が紛れ込んでくる。……なんなんだよコレ? 『 Untitled Goose Game 〜いたずらガチョウがやって来た!〜 』などで知られるインディーパブリッシャーPANICの新作『 Blippo+ 』は、そんな “銀河の果ての異世界からの電波を受信してしまうテレビシミュレーター” だ。2025年9月23日にNintendo SwitchおよびPCで配信予定(※ともに日本語非対応だがSwitch版の国内配信も行われるとのこと)。 VIDEO
チャンネルを回して番組を見るしかない、ウォーキングシムならぬウォッチングシム 「テレビシミュレーターってどういうことなの?」と不思議に思う人もいるだろうが、コレが本当にそのまんま。プレイヤーが主体的にできることと言ったら、各局よくわかんないショート番組ばっかやってるチャンネルを回すだけだ。
ひとつの番組は数十秒の長さで、いくつかのプログラムがループして配信されている。チェックしたい番組がある時は早めにチャンネル合わしとくといいかもね。
サイキック天気予報は明日の念波の状況をお伝えしてくれる。
BOREDOMEではヤングたちのダルくてフレッシュなトークを放送。今日のテーマは「我々の星の電波が届いちゃってるらしい異星人はどんな姿だろう?」。指とか超いっぱいあるかもね。
一覧が見たければEPG(電子番組表)にアクセスしたり、字幕を表示したければ英語・ブラジルポルトガル語・簡体字中国語でオンにしたり、モノクロの1bitカラー(後述)にしたり、情報チャンネルで超古典的な掲示板機能にアクセスしたりはできる。でもそれ以外のアドベンチャーゲーム的な謎解きのための選択などはない。 つまりこれは、ウォーキングシムならぬウォッチングシムなのだ。 ダラダラとチャンネルを回して番組を見ているとやがて新たなデータが届き、番組内容が更新されるという仕組みになっているので、“わからないものをわからないなりに楽しむ”というスタンスに慣れていないと若干キツいかもしれないが、ひとまず適当に見ていこう。 それぞれの番組で放送される内容はほとんどバラバラだが、映像の向こう側はひと繋がりの世界なのだからまったく無関係というわけでもない。「あれ、この単語さっきも出てきたよな?」とか「この人、あの番組に出てたあいつだよな?」といった具合に、徐々にバラバラのピースから繋がりが見えてくるだろう。 筆者は今回PC版を先行プレイしたのだが、この放送電波を介した未知との遭遇体験が独特すぎて面白い。特に海外ノリのパロディ映像が好きな人にはたまらないだろう。というか筆者がそうなのだが。
インタビュー番組に出てきた、放送ネットワークの偉い人らしき人。
BUSHWALKERは、工具を持って森の中を進んでいく一人称視点映像が淡々と流れる番組。なんかこえーよ。
WERF'S TAVERNはスペースドラマっぽい内容。(……それとも彼らにとっちゃぁ現代劇なんだろうか?)
Playdate版が先行配信中。Mac版の配信予定も 実は本作はPanicの携帯ゲーム機“Playdate”の公式ゲームのシーズン2の一部としてすでに配信されており、全11週にわたって展開された物語がフィナーレを迎えたばかり(本記事の執筆段階ではまだPlaydate版の“再放送”が始まっていないのでクレジットとNG集しか見られない)。 そちらでは1bitカラーだった番組がカラーになり、データの巻き戻し機能なども備えたものが今回発表されたPC/Switch版となる。ちなみに同時発売になるかは微妙なものの、Mac版も登場予定とのこと。
音楽面のこだわりはやたらと強く、「音楽番組で流れてそうな80sのディスコサウンド」とか「不安定な映像の中から聞こえてきそうなニューウェーブ」とか、やたらリアル
FEMTOFAXはデータ通信でアクセスできる情報サービス。出会い系掲示板に残されたメッセージとかも読めるヨ。