『TRPG ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』(以下、『TRPG アーマード・コア6』)を遊ぶと、以下のような体験ができます。
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アセンブル(愛機のカスタマイズ)で頭を悩ませたり、
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自機がスタッガー状態になって悲鳴をあげたり、
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強敵に勝利したカタルシスに酔いしれたり。
遊ぶのに必要なのはペンとサイコロ。戦況が描画されるのは紙の上。でも遊び心地はたしかに『ARMORED CORE VI FIRES OF RUBICON』(以下、『アーマード・コア6』)なのである。『TRPG アーマード・コア6』は、ファンが深く頷けるほどの原作らしい楽しさが詰まっていた。
このTRPGは2025年2月20日発売。価格は4950円[税込]。原作ファンもTRPGファンも、この体験リポート記事を読んでお待ちください。
621が僚機を伴いルビコンへ。スリーマンセルの部隊で敵を討つ
『アーマード・コア6』についてはいまさら何を言うでもない。惑星ルビコン3で巻き起こった資源戦争――コーラルを巡る戦いを背景に、プレイヤーは強化人間“C4-621”として“アーマード・コア(AC)”を駆り戦場へと身を投じる、ハイスピードメカアクションだ。
惑星ルビコン3に渦巻く野望と奇妙な人間関係、戦闘の爽快感、そして何より豊富なパーツで機体を自分好みにカスタマイズする“アセンブル”の要素が人気を博し、世界的なヒットを飛ばした1作である。
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そんな本作が、サイコロや会話などにより物語を進めていくアナログゲーム“TRPG(テーブルトップ/テーブルトークロールプレイングゲーム)”になった。曰く、アクションが苦手でもできる『アーマード・コア6』。それこそが『TRPG アーマード・コア6』。
元よりアナログゲームも『アーマード・コア6』も好きな筆者・オクドス熊田は、編集者であるミス・ユースケの「メディア向けの体験会、行く?」という話にふたつ返事で承諾。ふたり揃って都内某所の体験会会場へ向かった。そのときの様子をお伝えしよう。
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ミス・ユースケが持っているのがいわゆるルールブック。この中に『TRPG アーマード・コア6』のすべてが書かれている。読むだけでわくわくする。卓上には立体物がたくさん並ぶ。
『TRPG アーマード・コア6』はAC3機=プレイヤー3人でのプレイが推奨されているため(足りない場合はデータ管理が簡単な僚機で補われる)、他メディアの方と同じ卓を囲みさっそくプレイ。ゲームマスター(進行役)は、このゲームを知り尽くしたグループSNEの方にお願いすることに。
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愛機はルールブック内にあるサンプルのキャラクターシートから選ばせてもらった。筆者は原作『アーマード・コア6』でも愛用していた四脚をチョイス。中距離が得意なACだ。
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ミス・ユースケは接近戦が得意な二脚の強襲型AC。AP(耐久力)は低いが機動力、火力ともに優秀な機体。
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同卓の方は、ピーキーな機体を選んだ我々を気遣ってか、オールラウンダータイプの二脚ACを選択。
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今回は選ばれなかったが、タンクもいる。もちろん、これはあくまでサンプルキャラクターであり、最初から自分好みのアセンブルを構築可能だ。
遊ぶのはサンプルシナリオである“密航”。原作における最初のミッションで、惑星ルビコン3へと降り立った密航者……621が、惑星で活動するためのライセンスを入手するまでのストーリーを追体験できる。
オクドス熊田
AC3機いますけど、621は誰なんですか?
ゲームマスター プレイヤーの中からひとり“621役”になる方を決めていただき、その方以外は僚機という扱いになります。主人公のACが破壊されたらミッション失敗です
僚機の設定は“買収した企業傘下のAC使い”でも“惑星にいた流れの傭兵”でも、好きな設定をつけてもいいとのこと。ということで今回は“もしものときのため、ハンドラー・ウォルターが事前に送り込んでいた予備”みたいな設定にした。621A、621B、621Cが揃う愉快なパーティーに。
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これはあくまで『アーマード・コア6』のシナリオに準拠したサンプルシナリオにおける設定。もちろん各々が考えた設定に従って新たなルビコンの物語を紡いだっていい。
目につくものは片っ端から殲滅。サーチ&デストロイで進む我らが621小隊
部隊の人員が揃い、いよいよミッションスタート。ハンドラー・ウォルター(に扮する案内役)が目的を告げる。今回は“戦闘区域を潜り抜け放棄されたACをハッキングし、ライセンスを奪うこと”だ。
ということで、ミッションはいきなりバトル用のマップからスタートする。雑魚敵がうろちょろするマップを進み、放棄されたACが転がる場所まで行かなくてはならない。
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このマップを動き回ってミッションをこなしていく。なお、上にいるコマはすべてルールブックに載っているので、コピーして使うのが吉。ページを切って何冊も買う手もありますよ。
大量の敵に囲まれた目的地のマーカーを見て、ぽつりとひとりの男が呟いた。
ミス・ユースケ
全部倒すか。そのほうが楽そうだし。
オクドス熊田
やっちまいましょう。
この瞬間、この小隊の目的が決まった。見敵必殺。サーチ&デストロイ戦法の始まりである。俺たちはAC戦に飢えている。同卓の方は「うん。それでいいよ」と納得してくれた。あざっす! 俺たちみんなぶっつぶしたいんす!
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こういうマップは横から映すとなんかかっこいい。(左)/……と、撮影していたらなんか覗かれた。楽しいのではしゃいでいる。(右)
『TRPG アーマード・コア6』では、ターン開始時と自身の行動前に“ENダイス”を振る。6面ダイスをそれぞれの機体に設定された数だけ振り、手札のような形で獲得。それらをあらゆる行動――攻撃、回避、移動などのリソースとして使っていく形式だ。行動を選ぶ前に全部のリソースが決定するため、そこからの行動をシステマチックに組み立てることができる。
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ルールブックにはわかりやすい漫画による解説も載っている。
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筆者の四脚タイプは、ENダイスを振る量が少ないものの(ターン開始時に3個、手番開始時に2個)、多くの数を保持したままにできる(最大5個)という特性がある。
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ミス・ユースケが使う強襲型はたくさんENダイスを振れる(ターン開始時に4個、手番開始時に3個)けど、保持できる数が少ない(最大4個)。アセンブルによってリソースの使いかたも変わる。「リソースをがんがん使っていくのが性に合ってる」とはユースケの弁。
つぎにターン内での行動順を決定。これは全員にトランプを2枚ずつ配り、数字が大きい順に行動していく。配られたトランプのうち、数字が小さいほうはそのまま捨て札にする(オペレータに返す)ため、基本的には1ターンに2回動くことはない。
……が、Aを引いた場合は別だ。Aは捨て札にはせず、そのまま追加の行動権として扱うことができる。つまりはAを引いたときだけ2回行動が可能なのだ。
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Aを引いて自慢げなミス・ユースケ。2回行動へのやる気が伝わってくる。「全員ぶっつぶす」と言ってました(本当はもっと物騒な言葉を使っていたけど、いろいろな方面に配慮した表現にしています)。
自分の手番で使うのは、はじめに振ったENダイス。ACはそれぞれの行動に動かすために必要な出目が書かれており、その出目の数以上のダイスを使用すればオーケー。
たとえば移動に必要な出目が4だとして、その出目以上のENダイスを持っていれば移動可能という感じ。ちなみに手元に4以上のENダイスがなかった場合でも、組み合わせて4以上(1と3など)になるよう使えば行動可能だ。
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このENダイスの所持状況だと「4以上の出目は3つあるし3回は移動できるか」という感じ。
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攻撃時は命中の判定を振ることはなく、攻撃の種類によってダメージも固定。回避はENダイスを使用して敵の総ダメージ量(この表でいうHit数)を下げる、という使い方になる。
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筆者の使う四脚は、回避ができなくなる代わりに常時Hit数を下げる“ホバリング滞空”という専用スキルを持つ。こういったスキルの使用もENダイスを使用して行う。
シンプルに出目の高さを要求される行動もあれば、“ゾロ目のENダイスを2個”や“連番のENダイスを3個”などの行動もある。単純に出目が高ければいい、というわけじゃないのがこのゲームのおもしろさだ。
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筆者のACに搭載されていた“VP-66LR”は、攻撃するのに連番のENダイスを使う。たとえENダイスが1と2しかなかったとしても使えるのが頼もしい。
ひと通りのルールを理解した我々は、瞬く間に敵をサーチ&デストロイ。筆者の駆る四脚AC“ヴォクドス(621B)”のレーザーライフルが敵を貫き、ミス・ユースケの軽量二脚“パピヨン”が軽やかに接近してパルスブレードで敵機を撫で斬りに。遠い敵はオールレンジ対応可能な主人公機、621Aの“クアッドゥオル”がミサイルで撃墜。
ゲームマスターの「ミッションの目的忘れてませんか?」という冷ややかな視線を横から受けつつ、『アーマード・コア6』の序盤らしい、ACのスペック差を見せつける圧倒的な戦闘を堪能したのだった。
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蹂躙とはまさにこのこと。大いに笑いながら侵略していく。みんなでゲラゲラ笑いながら遊ぶのもTRPGの醍醐味である。
そしてようやく、本来の目的であるハッキングへ。指定の場所に行き、ゲームマスターにハッキングする旨を伝えて、6面ダイスを2個と機体ごとの補正を使って判定を行う。今回は8以上の数値を出せば成功とのことだ。
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ミス・ユースケ
熊田くんのAC、めっちゃハッキング補正高いじゃん。
オクドス熊田
ほんとだ。4以上出せば成功ですね(ダイスを振る)。
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オクドス熊田
おい!
ミス・ユースケ
お手本みたいな出目を出すね君は。
ゲームマスター 大丈夫ですよー! ENダイス以外の判定は“精神負荷”を使えば振りなおせます。
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なお報酬金は減る。ほかにもリペアキットの使用など、報酬金を減らす代わりにクリアーを手助けしてくれる要素がいろいろとある。
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この後、ミス・ユースケが何の補正もついていないパピヨンで無理やりハッキングを行い、4回分の精神負荷を使用してゴリ押すという事件も。度重なる負荷を超えた後の顔は、憔悴しきっているようにも、どこか晴れやかなようにも見える。
そんな運頼みのわちゃわちゃ感もTRPGの醍醐味。『アーマード・コア6』らしさを堪能しつつTRPGの楽しさもしっかり味わいつつゲームは進行。
……ちなみに我々が苦戦している中、クアッドゥオルを駆る621Aはそつなく残りの箇所すべてのハッキングを成功させていた。やはり主人公はこの人に任せて正解だったと言える。
すべてのハッキングを終えた我々の前に、1機のヘリが立ち塞がる。最初の壁こと、惑星封鎖機構の“大型武装ヘリ”だ。
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最初の武装だとかなり苦労する例のあいつ。やっぱりいるよね! と全員のテンションも上がる。
ボスはもちろん超手ごわい。通常の雑魚敵が1ターンに1回しか行動できないところ、なんと大型武装ヘリは3~4回行動可能、さらに敵の攻撃を回避する能力持ち。そしてすべての武装が、初期装備のプレイヤーには致命傷になりうる火力を持っている。
会話も必然的に熱くなり、
ミス・ユースケ
パルスブレードで突貫する!
オクドス熊田
じゃあ僕も前に出て援護します! ターゲット分散させましょう!
621A
自分は高所(ダメージにボーナスが乗るマス)取れそうなので、そこからミサイルで狙ってみます!
なんて戦術的なやり取りも交わされるように。「いまのENダイス状況で、自分はどう動くべきか?」という考えを巡らせながらボスの打倒へと挑む。
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大型武装ヘリは、攻撃可能な位置にいる敵をランダムで指定して狙ってくる。筆者の機体は耐久力に余裕があったので、自分も攻撃範囲に入れば装甲の脆いパピヨンを守れると踏んで接近。
このボスの厄介な点は、攻撃の当たる“部位”が分かれていること。コア、右翼、左翼、尾翼の4部位があり、攻撃の命中箇所はダイスを振って決める。つまり効果的にダメージを与えられるかは運次第で、戦闘中はずっと「いい部位に当たってくれ!」と祈りが欠かせなかった。
ちなみに部位ごとにAP(耐久力)が設定されており、すべて削り切れば破壊。一定量を削ると “スタッガー状態”となり、行動不能に陥れることができる。
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強力な敵やプレイヤーのACには部位の概念があり、APはそれぞれ10刻みで設定されている。10に届かないダメージなどはそのまま切り捨てられる仕様だ。たとえば25ダメージの場合は、20ダメージと同じ扱いとなる。
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AP関連で重要なのが“Line”の概念。横1列がすべて削られると“スタッガー状態”になる。武装ヘリの目の前でスタッガー状態になったときの絶望たるや。
この戦闘では近接戦闘を得意とするミス・ユースケのパピヨンが大活躍。敵のガトリングを受けながらも果敢にパルスブレードで切り込み、そのたびに離脱するヒット&アウェイ戦法が大ハマり。最後には超至近距離からのブレード+ショットガンのコンボでコアを爆発四散させた。
やはりヘリにはブレード。『アーマード・コア6』仕込みの戦術が炸裂した瞬間である。
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吠えすぎて顔が長くなるミス・ユースケ。移動と回避用のENダイスを残しながら戦い、引くべき場面ではキッチリ距離を取るなどの戦術眼も光る戦いかただった。
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なお、パルスブレードで攻撃するには “ゾロ目のENダイス”が必要。ボス戦に入る前からゾロ目をほぼ切らさない豪運もすごかった。
道中の雑魚は軽くあしらい、それでいてボス戦ではきっちり苦戦し、乗り越えた先に最高のカタルシスがあった。大型武装ヘリの火力は圧倒的だが攻撃パターンはやや単調なので、そこにつけいる隙がある。それを読み切ったときの興奮は、まさに『アーマード・コア6』。
大型武装ヘリは強敵だ。ただ強いだけでなく、バランス設定の巧みさが光る。というのも、我々の攻撃はことごとくコアから外れており、ついには右翼、左翼、尾翼を完全破壊。ランダム要素には敗北し続けていたのである。
それでも最後には勝てた。つまりこれは、“運がどれだけ悪くても、しっかり戦術を立てて挑めば勝てるチャンスはある”ということにほかならない。遊んだのはボス1体だけではあるが、それでもバランス調整の的確さに唸らされる1戦だった。
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全部位ぼろっぼろの大型武装ヘリ。“部位を破壊すればスタッガー状態になる”、“すでに破壊した部位に攻撃が当たった場合はより大きなダメージが入る”など、ランダムでありながらもプレイヤーの努力を消さないような作りになっていた。
最後はもちろん報酬タイム。(意味もなく)雑魚を大量に倒したことで大量の弾薬を消費したため、大幅に減額(報酬の1/6くらい)されたものの、やっぱりボス戦は楽しい。「あそこのプレイが~~」や「あの武装が強かった~~」など、充実感を味わいながら感想戦を楽しむ。
こういった仲間とのコミュニケーションは、複数人でシナリオを攻略できる『TRPG アーマード・コア6』だからこそ。戦闘の後味は原作通り。その味を誰かと共有できる、なんて部分は原作以上なのではないかと思う。
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ゲームマスターが電卓を叩く様子を待つ……このどきどきもTRPGの醍醐味。
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報酬の収支表はこんな感じ。弾薬やAPの損害など、『アーマード・コア6』のリザルトでも見た項目がたくさん。
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報酬で手に入れられる“コーム”は経験値のようなもの。一定以上の数が集まれば部隊のレベルが上がり、より多彩なパーツをアセンブルできるようになる。
今回はサンプルキャラクターでの体験だったためアセンブルは未経験だが、データを見る限り“そうとう深い沼”であることは理解した。
なにせ、『アーマード・コア6』に登場した武装がほぼすべてデータとして入っているのだ。組み合わせの数も膨大で、ルールブックを眺めながら「つぎはあれを試して……」なんて考えているだけでも1日が潰せそうなぐらいである。
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ルールブックに載っている膨大なデータをひたすらに眺める。こういう時間がいちばん楽しい。
いま終わったばかり(しかも体験会)なのに、頭の中にはすでに「早くつぎのセッションがしたい!」なんて考えが頭を埋め尽くす。この体験会を経ての超個人的な感想ではあるが、間違いなく「買いたい!」と思えるタイトルのひとつであったことを報告しておこう。……ああ、はやく自分の機体を組みたい!
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……我慢できなかったので、家に帰って『アーマード・コア6』で今回のサンプルで使った機体を再現。発売までのあいだは、このACに乗ってまたルビコンに降り立つのもいいかもしれないな。
「TRPG未経験でも判断で迷わないように」。著者・加藤ヒロノリ氏インタビュー
体験会後、本作の著者である加藤ヒロノリ氏(文中では加藤)にインタビューする機会が設けられた。
――ゲームデザインを進めるにあたって、最初に決めていた方向性はなんだったんでしょう。
加藤
『ELDEN RING TRPG』などで採用していた“スタミナダイス”を「原作再現だ!」と喜んでいただけていたので、まずはそういう原作らしさを再現しようと考えていました。ただ、まったく同じように再現するよりは、ちょっと変えてちょっと変えて……とくり返していったら、気づけばわりと違うものになっていきました(笑)。
本作では手番の最初に行動するためのダイスをすべて振るので、事前に行動などを決定しやすい。すごくスピード感のあるシステムになってよかったんじゃないかなと思います。
――全体としてGMレス(ゲームマスターなしで進行する)のセッションもできそうな気がしました。
加藤
できなくはないと思いますね。
――かなりシステマチックですよね。対話で判断する部分が少ないので、よりボードゲーム的というか、GMの負担が小さいように思えます。そのあたりは意図されているのでしょうか。
加藤
ゲームマスター初心者でも、ルールブックを読み上げればきちんと裁定ができるようにしたくて。ゲーム原作だからこそ、「TRPGは知らないけどやってみたい」という人が入ってくると思いますし、できるだけ判断に悩まずゲームの進行ができるよう作りました。
――書いてあるとおりにやればできる、というのもコンセプトのひとつだと。
加藤
そうですね!
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――本作は以前「『BATTLETECH』の系譜じゃない?」とSNSで話題になったことなどがありました。実際、影響は受けられているのでしょうか。
加藤
あとがきにも書いてるんですけど、じつは僕、『BATTLETECH』を遊んだことがないんですよ(笑)。ルールブックも持ってなくて、友人からちょっと借りてパラパラと目を通したくらい。あと、同じ会社(グループSNE)の『エムブリオマシンRPG』。あれも触ったことがなくて。だからたぶん、そういう影響は受けていないと思います。
――結果的に似ちゃった、みたいな感じなんですね。
加藤
そうですね。なんなら開発の途中までは、戦闘用のマップもかなり簡易的な4マスだけのものを使っていましたから。
――ちなみに、今作のようなマップを作ったきっかけは?
加藤
後半のシナリオを製作途中に、やってみたらおもしろそうだなと思いまして。ただ、個人的なポリシーとしては、敵をフルオートで動かしたいんですよね。でもそれはマップ戦闘だと難しい。どうにかその動きとマップ戦闘を両立できる方法はないかと試行錯誤して、いろいろ試していって……最終的に「これのほうが『アーマード・コア』っぽくない?」と。なのでその時点で全部のシナリオを書き直しました。締め切り1ヵ月前くらいの話ですね。
――『アーマード・コア』らしさで言えば、欠かせないのがアセンブルの要素だと思います。再現するにあたって印象に残っている部分はありますか?
加藤
最初はゲームに準拠して、すごーく細かいシートを作ってみたんですよ。でも「毎回やるのは嫌だな」と、思ってしまうほどしんどくて(笑)。つぎは30種類くらいのACを用意して、乗り換えていくようなシステムも試したんです。ただそれも「おもしろいけど、『アーマード・コア』じゃない」となりまして。やっぱりアセンブルは取り入れる必要があるなと。
そこからうまい具合に引き算をして、めんどくさがりな僕でも耐えられるレベルのものをテストプレイしながら探っていった感じですね。
――たしかに。パーツの性能はシンプルになっていながらも、組み合わせの楽しさは残っているように感じました。
加藤
デッキ構築系に近いものがあると思います。慣れてくるとFCS(攻撃補助)とARMS(腕部)のアセンブルで特定の武器に特化したようなACも作れるようになったり、重量負荷やEN負荷も考えながら組む必要があったり、いろいろな要素は入れ込んでいるんですが……そんなにめんどくさくない感じで実装できていると思います。
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――APが10刻みだったり、全体的に計算のたいへんさは省かれているようにも感じました。
加藤
できるかぎり小学生でも簡単にできるようにしたいなと。僕の頭がそれくらいなので(笑)。
――フロム・ソフトウェア原作のTRPGは3作目ですが、その点に関してはいかがですか。
加藤
僕自身も作ってるうちに進化してると感じています。何ならいま『DARK SOULS TRPG』をきれいに作り直したいという気持ちもありますし。
――すごく難しいでしょうけど、仮に実現するようでしたら楽しみです。今回は原作のストーリーを追体験できるサンプルシナリオを遊ばせていただきましたが、掲載シナリオのボリュームについて教えていただけますか。
加藤
チャプター3までですね。アイスワーム戦までを収録しています。
――でもパーツやエネミーのデータはかなり後半のものも載っていますよね。そのあたりはプレイヤーに任せる形なのでしょうか。
加藤
『アーマード・コア6』自体、企業関係の話などゲームマスターが工夫すればいろんな遊びを考える余地があるタイトルだと思います。なのでサンプルシナリオとしては原作の序盤までにして、あとは皆さんで自由に作ってもらうようにしたほうが喜ばれるんじゃないかなと思いました。
――パーツがあるから自由にやってね! と。
加藤
自分の好きな『アーマード・コア6』を遊んでほしいです。こういう遊び方も楽しいよ! と、いろいろと書いてありますので、ぜひ。
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――原作が好きな人であれば無限に遊べそうなくらいにコンテンツがありますもんね。そんな『アーマード・コア6』ファンへ向けてのメッセージをお願いします。
加藤
このゲームなら、アクションが苦手な方でもできる! という感じでしょうか。ゆっくり考えられますし、システム的にも遊びやすいんじゃないかと思います。『アーマード・コア6』が好きな方であれば、遊んでいただければ好きになってもらえるんじゃないかなと!
初めてTRPGに触れて「ゲームマスターをやってみよう!」という方にも遊びやすいシステムになっていますので、ぜひとも一度触れていただきたいですね。