『ノロイカゴ ゲゲゲの夜』試遊リポ。色褪せたサラリーマンが牛鬼から逃げ惑う協力脱出サバイバルホラー。鬼太郎が主人公じゃないワケをプロデューサー直撃【TGS2024】

byつくね伯爵

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『ノロイカゴ ゲゲゲの夜』試遊リポ。色褪せたサラリーマンが牛鬼から逃げ惑う協力脱出サバイバルホラー。鬼太郎が主人公じゃないワケをプロデューサー直撃【TGS2024】
 幕張メッセにて開催されていた東京ゲームショウ2024(TGS2024)で、2025年にSteamで配信予定の『ノロイカゴ ゲゲゲの夜』をプレイしてみました。本作のプロデューサーと開発者の方にもお話を伺えたのでその模様をリポートします。

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屋敷に集うシックなサラリーマン

 『ノロイカゴ ゲゲゲの夜』はアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』を原作とした本格的協力脱出サバイバルホラーです。白黒で強いコントラストが特徴的な和風ホラーらしい雰囲気となっています。

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 プレイヤーは鬼太郎やねこ娘といった主要キャラクターではなく、何の力も持たない一般人を操作します。試遊では地味めなサラリーマンたちが協力し合って脱出を目指すことに。

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マッチング画面。
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みんなたたずまいがシブいね。

 舞台は妖怪が巣食う屋敷で、プレイヤーは6つの“鎧”を制限時間内に破壊することで脱出できます。ただし、そのためにはフィールド上で刀を入手→霊水で刀を清める→清められた刀で鎧を破壊という少々面倒な手順が必要。これを牛鬼といったプレイヤーを襲ってくる妖怪から逃げながら、迷路のような屋敷を彷徨い実行しなくてはいけません。

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清めた刀を持って鎧の前にやって来ました。
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このマッチでは僕がファースト鎧破壊。やったね!

妖怪“牛鬼”が怖くて強い!

 このゲーム、牛鬼が強すぎます。我々プレイヤーはすぐダウンしますし、画面に飛び出して来たりとしっかりと怖がらせてくれるサービス精神も持ち合わせているのです。いっしょにプレイしていた来場者の方たちも牛鬼に襲われるたびに「ギャー、ワァァー」と身体をビクッとさせて驚いていました。
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 また、画面左上の“呪い”ゲージが溜まると妖怪が凶暴化するので、走るのは控えなくてはならないのはもちろん、押入れに入るのを見られたら攻撃されてしまいます。全員がダウンするとゲームオーバーになるので要注意。

 屋敷には妖怪をひるませる“リモコン下駄”や、呪いゲージを減らす“お札”も用意されています。ただ、刀といっしょには持てないのが悩ましいところ。

 丸腰ならばどうにかして逃げるか、押入れに隠れなけくてはいけません。妖怪は足音を立てて移動するので耳を澄ましてプレイしましょう。

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土下座じゃないです。おじさんがおじさんを助け合う様子。倒れた仲間は近づいてRT長押しで助けることができます。
 

 牛鬼や屋敷の雰囲気がホラーとしてちゃんと怖いことはもちろん、協力ゲームとしての要素の削りかたも恐怖を助長させていています。このゲームはマップ表示や地図に該当するアイテムがない。だから、刀や牛鬼の位置をしっかりとボイスチャットでコミュニケーションを取る必要があるのです。

 試遊でも「刀を持っていきます、あああ~牛鬼がぁぁ」、「どの辺りですか?」、「ここで、やられました!」、「どこ(笑)」といった、見事なチームワークを発揮していました。

 4人で協力してなんとか鎧を4つ破壊できましたが、ノーマル牛鬼でも強いのに凶暴化すると手におえません。助け合ったものの全滅してゲームオーバーに。ふつうに怖いし盛り上がるので製品版もプレイしたくなる試遊でした。

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牛鬼がプレイヤーを全滅。

ホラーゲームとして海外展開も視野に

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左からトイジアムの藤田峻輔氏、東映アニメーションの田中耀平氏。

 ホラーゲームとして確かにおもしろかったのだが、どうして鬼太郎を主人公にせず色褪せたサラリーマンたちが逃げ惑うサバイバルホラーを作ろうを作ろうと思ったかが気になる……。会場にいた東映アニメーションのプロデューサー・田中耀平氏と、本作を制作するトイジアムのプロデューサー/ディレクター・藤田峻輔氏にお話を伺ってみました。

――『ノロイカゴ ゲゲゲの夜』を作ることになった経緯を教えてください。

田中
東映アニメーションはこれまで自社が作ったアニメーションをもとに、別のゲーム会社さんがゲームを作るといった形で展開していました。ただ、自社でもゲームを作ろうということで4年前から部署ができて、『金色のガッシュベル!! 永遠の絆の仲間たち』などのモバイルアプリを展開していました。ただ、Steamで単品販売するゲームを作るのが本作が初めてです。

――どうして今回サバイバルホラーというジャンルに挑戦したのでしょうか?

田中
そんな中、『Gift』をなど開発したトイジアムさんとつながりました。そちらのプロデューサー兼ディレクターの藤田さんにいろいろ企画をいただいて、その企画案のひとつだったサバイバルホラーをゲームにしたらおもしろそうと思い進めていきました。

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――遊んでみて、もちろん楽しかったのですが。基本的におじさんと妖怪しか出ないゲームなので「攻めてるな~」って謎に感心していました。
田中
そこは本当に攻めました(笑)。ただ私たちはどう活用したらIPが輝くのかを模索していますし、幅広い方に遊んでいただきたい思いはあります。『ゲゲゲの鬼太郎』というIPはすごく特殊でして、認知度は高いのですが出てくる妖怪たちについては詳しく知られていません。なのでいわゆるキャラゲーにしてしまうと、お客さんの層を狭めてしまう可能性があります。

 世界的にホラーゲームは人気で、ゲーム実況などでも盛り上がりはあります。『
鬼太郎』の妖怪の怖さに特化して完成させて、海外展開ではジャパニーズホラーゲームとして押し出していきたいという狙いがあります。ちなみに、海外での認知度は高くないので、もしかしたら初めて『鬼太郎』にふれるのがこのゲームになるかもしれません。

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試遊では、冒頭のムービーで鬼太郎がチラッと登場するのみだった。
――なるほど、ジャパニーズホラー的な雰囲気や味付けはすごく濃い体験でした。
藤田
まずはちゃんと怖いホラーを作ることに真正面から取り組みました。今回の試遊では妖怪による驚かしでしたが、いろいろなことをやりたいなと思っています。

――プレイヤーが妖怪になる非対称ゲームでなく、協力脱出にした理由などはあれば教えて頂きたいです。

藤田
もちろん、非対称ゲームも選択肢にありました。無防備な一般人になって逃げるガチなホラーであり、鬼太郎がヒーローとして助けてくれるという側面を描きたかった気持ちもあります。ただ、鬼太郎は操作はできないという、ちょっと捻った鬼太郎と妖怪の見せかたをしたいということ優先しました。


 というのも、あくまで無力な人間になるというのがスタートのコンセプトです。なのでコンセプトに沿っていくと妖怪を操作する非対称ゲームにはならなかったですね。

――なるほど、試遊では牛鬼が強すぎて全滅してゲームオーバーになってしまいました。マップがないので手こずったのですがこれは仕様でしょうか?

藤田
そうですね。マップがないからこそボイスチャットでコミュニケーションを取り合ってほしいという狙いがあります。協力して、鎧を破壊して脱出してほしいです。ゲーム性に慣れてちゃんと連携できるようになると3人でもクリアー可能ですから。ぜひ製品版などで挑戦してください。

――本日はお忙しい中ありがとうございました。

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集計期間: 2025年04月30日14時〜2025年04月30日15時