2024年8月29日にスクウェア・エニックスから発売予定のアクションRPG『聖剣伝説 VISIONS of MANA(ヴィジョンズ オブ マナ)』(以下、『聖剣VoM』)。近年の『聖剣伝説』シリーズは、リメイク作品やリマスター作品がリリースされ、シリーズとしての息吹は続いていたものの、完全新作はなかなかリリースされていませんでした。今回、約17年ぶりの家庭用ゲーム機向け完全新作となる本作の登場に、心を躍らせているファンも多いはずです。
各プラットフォームにて配信されている体験版で、本作のだいたいの雰囲気を掴んだ人も多いと思いますが、体験版では味わえない要素も複数あります。今回、あらためて冒頭から物語が大きく転換するシーンまでプレイできたので(約20時間)、体験版では味わえない要素を中心に、『聖剣VoM』が持つ魅力をお伝えしたいと思います。
※本記事に掲載している画面写真は、カメラの距離を“遠い”に設定して撮影したものです「やっぱりこれだよな」と思う、『聖剣伝説』らしい展開でグイグイ引き込まれる物語
まずは『聖剣伝説』シリーズとして重要な、物語について。こちらはネタバレを避ける形でお伝えしますが、『聖剣伝説』らしさを感じる“考えさせられるテーマ”だという印象です。この世界の人々は、世界に満ちる“マナ”を循環させるために、御子に選ばれて魂をささげることを喜びと感じるのが当たり前ですが、主人公のヴァルと彼の幼なじみのヒナは、冒険を重ねる中でその不文律に疑問を抱き始めます。そこに舵を切るまでの展開は鉄板ながらも胸を打たれたし、仲間がそろってからの新展開は「この先どうなる?」という引きがあり、物語への没入感は高かったですね。
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そんな物語のおもしろさに拍車をかけていたのが、道中で仲間となるヒナ以外のキャラクターたち。彼らはマナの属性のようにそれぞれの個性が確立されていますが、尖り過ぎておらず、冒険中の掛け合いなども和気あいあいとしていて、パーティーの一体感がすごく和みました。とくに草人のジュリは、ゆるい口調と独特のオーラがすごく好みで、『聖剣伝説』らしさが強く感じられるキャラクターでいちばん好きです。
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また、アナグマ、ニキータ、サボテン君、ブースカブーのような、シリーズを象徴する人気キャラクターたちが要所で登場し、物語に華を添えてくれます。単に顔出しをするだけでなく、システム的な役割も担っている点(たとえばアナグマは、フィールドにあるクマミツを集めて持っていくと、アイテムと交換してくれる)も、よりいっそう愛着が沸くのでよかったです。
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自然描写が美しいロケーションの探索が熱い
つぎに語りたいのは幻想的で美しい世界。本作は探索できるロケーションがかなり用意されており、それぞれがしっかり広さがあって冒険感が味わえる点は満足でした。『聖剣伝説』らしい色使いやオブジェクトの配置がなされていて、どこを切り取っても絵になるグラフィックは推しポイントのひとつでしょう。
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ロケーションは高低差を感じさせる雄大な場所が多く、一見行けそうになくても、二段ジャンプや回避を組み合わせると移動できる箇所があるなど、創意工夫のしがいがあるデザインになっているのが好みですね。そういった苦労の先にはご褒美(宝箱や、後述する“精霊の住処”)があるし、エリアマップはプレイヤーの探索に合わせて開示されていくタイプだけに、隅々まで踏破したくなりました。
また、精霊器(各属性の精霊の力が込められたアイテム。後述するクラスチェンジなどにも影響)を使ったギミックも「お!?」と思わせるものが多く、使用可能な場所を見つけて試す前のドキドキ感がイイ感じ。写真は木の精霊器で巨大な花を咲かせ、それに乗って対岸に移動しているシーンです。
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ロケーション内はファストトラベルのポイントが豊富に用意されているので、広くても移動のストレスを感じない作りなのは好感触。“竜脈”を利用すると、前に立ち寄った場所にもカンタンに戻れる仕様なのもありがたいですね。
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中盤以降はできることが増えてスピーディ&爽快感が増すバトル
物語と並んで本作の屋台骨となるバトルは、ロケーションの移動中に敵と接触することで開始。シームレスに始まるのでストレスはありません。戦いは通常攻撃と特殊攻撃をくり出しながら、特技や必殺技を使っていく、『聖剣伝説』シリーズらしさを踏襲したスタイルです。
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使える武器やアクションはクラスごとに異なります。クラスは、精霊器を装備することで変化。たとえばヴァルの場合、精霊器なしのクラスであるモリビトのときは片手剣でサクサク攻撃でき、ルーンナイト(風の精霊器を装備したときのクラス)ならば、剣の振りは遅いが高威力&広範囲の大剣で攻撃するなど、クラスによって使い勝手が大きく変わります。攻撃間隔が短いクラスであればコンボをガンガン決められるし、威力重視の武器のクラスならば、動きは遅めなものの、一撃で大ダメージを与える快感が味わえるというわけ。
もう少しクラスについて詳しく解説しましょう。本作は全部で8属性の精霊器が登場し、キャラクターごとに8つのクラスが用意されています(仲間は5人なので計40クラス存在)。たとえば、片手剣を使う剣士のモリビトをベースにするヴァルは、精霊器を装備することで、ロード(火)やイージス(月)のような盾系や、ウェポンマスター(土)やソードマスター(木)のような剣士系のクラスが選べる形です。現段階で公開可能な各キャラクターのクラス一覧を画像をお見せします。
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どのクラスもキャラクターのイメージから逸脱しないデザインで、新たな精霊器を手に入れるたびに「つぎは、なんという名前のクラスで、どんな衣装だろう」とワクワクさせられましたね。というわけで、お気に入りのクラス(キャラクター)をピックアップします。
ひとつは、遠距離攻撃が可能なモートレアのサムライ(木)。こちらは通常攻撃を溜めることができ、抜刀からの居合斬りが遠隔攻撃に。「サムライといえばこう!」というスタイルがビビット来ました。また、ダッシュしながら前方を斬りつける攻撃もスピーディでお気に入りです。
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ふたつめは、ラピやポロンを召喚できるジュリのハーメルン(風)。召喚での攻撃はユニークながらも強力で頼れるし、10秒ごとに5%のHP回復効果が発動するアビリティ“アンビエント”が便利。パーティーにいるだけで安定感が増すので、スカラー(水)のエレメントボード(後述)でヒールウォーターを習得させてからハーメルンにクラスチェンジして、回復役を一手に任せるなんて戦いかたもおもしろいですよ。
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特技(いわゆる魔法のようなものが多いです)はエレメントボードで習得する、もしくはアビリティシードを装備することで使用可能になります。エレメントボードで習得した特技は、クラスを変えても引き続き使えるので、基本的に新クラスを獲得したら特技を覚えておくことをオススメします。一方、エレメントボードで習得するアビリティは、該当ジョブのときにのみ発動する形です。
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また戦闘中は、攻撃したり攻撃を受けたりすると必殺技ゲージが溜まり、ゲージがマックスになると、ド派手な演出とともに強力な必殺技が発動できます。ただしゲージは、キャラクターごとにストックされるものではなくパーティー共有なので、操作キャラクターを、戦況に合った必殺技を持つ仲間にチェンジしてから発動することが大事です。
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ここまで紹介してきたように、さまざまなアクションを組み合わせて戦っていく『聖剣VoM』のバトルですが、いちばんのだいご味は、強力な属性攻撃や追加ダメージを狙える精霊器。精霊器で攻撃すると、MP回復効果がある光の玉が出現し、特技で消費したMPを回復できるため、特技でガンガン攻め続けることもできます。その結果、バトルはスピーディーに展開して、攻撃の爽快感も増していくのです。
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たとえば水の精霊器は、勢いよく水流を発射して攻撃する。
とはいえ、本作はあくまでアクションRPGであり、そこまでスタイリッシュに目まぐるしく動き回るわけではありません。でも、これくらいのテンポ感で戦うバトルが『聖剣伝説』らしくて好みですね。自分は難易度ノーマルで進めているのですが、中盤に差し掛かり、精霊器の数が増えてアクションの幅が広がるころには、少し敵の強さが物足りないくらいに感じるほど、気持ちよく戦えるまでになりました。
バトルの手触り感については以上ですが、残りはバトルに関連した個人的な推しポイントをチョイス。まずは初めてクラスチェンジする際に入る着替えの演出で、とくにカリナやパルミナの衣装は、セクシーかつカッコよさを兼ね備えたデザインでお気に入りです。着替えた後は、その姿がイベントシーンにもしっかり反映される点もGOOD。
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つぎはストーリー進行上で発生するボス戦。こちらは弱点部位を狙えたときのスマッシュ感が気持ちいいし、敵の大技(地面に予兆マーカーが表示)を華麗に避けきったときの達成感がよく、相手の攻撃バリエーションの豊富さもあって「つぎはどんな奴と戦えるんだろう」とボス戦が楽しみになりましたね。ちなみに本作のバトルは、全滅するとセーブデータからのやり直しになるため、ボス戦前でのセーブは必須ですよ。
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高難度のバトルや収集系のやり込みもバッチリ用意
いわゆる寄り道となるやり込み系。もちろんこちらもバッチリ用意されています。まず、“ネームド”と呼ばれる強敵を倒しての魂石集め。魂石は集めると強力なアビリティシードと交換できるため、強くなるための足掛かりとなります。
ここでちょっと注意。バトル中に、逃げるつもりはなかったのに逃走エリアに意図せず触れてしまい、ネームドのHPが全回復してしまった……という苦い経験があるので、戦闘エリアの境界線には気を配りましょう。
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そしてバトルチャレンジ系コンテンツの精霊の住処も、かなりの数が用意されていてやり込み心をくすぐります。挑戦するには対応した精霊器が必要で、小と大の2種類があり(大のほうが難しい)、クリアーするとアイテムなどがもらえるというものです。クリアー条件は制限時間内に敵を全滅させること。なかなか難しいので、ある程度育成を進めてから挑戦してみてください。
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バトル以外のやり込みとしては、世界各地に隠れているサボテン君を見つけて集めていく、サボテン日記のコンテンツもはずせません。サボテン君らしいノリで記された日記の楽しさもさることながら、サボテン君を見つけた数に応じてご褒美が発生するので、オールコンプリートを目指したいですね。
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「これは調整してほしい」と思うちょっとした残念ポイントもあえて語ります
ここまでいろいろ魅力を語りましたが、最後はやり込んでいくと気になった点をいくつか列挙したいなと。まずは戦闘後のリザルト表示中は、ほかの入力操作を受け付けない点。メニューを開いたり、ピックル(高速移動が可能な生きもの)に乗ったりしたい場合など、ワンテンポ待たされるのが地味にストレスに……。
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そのピックルも移動しながら呼び出しができたり、一瞬で降りたりすることができたら、もっと使い勝手が上がるのにと思いました。冒険が進んだいまは、ピックルをあまり使っていないのが現状です(汗)。
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とはいえ、列挙したこれらの要素はアップデートで改善される可能性がありますし、本作が『聖剣伝説』らしいシリーズ最新作を求めていたファンの心に刺さる作品であることは間違いありません。マナが満ちる世界での新たな冒険譚を、ぜひその目で見届けてください。