スーパーコアゲーマーがクリエイターに突撃! 椿姫彩菜のゲームの話

タレントでコアゲーマーとしても知られる椿姫彩菜さんが、ゲームクリエイターの皆さんに“ならでは”の視点で切り込む連載企画。椿姫さんが注目するゲームのクリエイター、旬なクリエイターに対談形式でお話を聞いていきます。椿姫さんのゲーマー側に立った突っ込みに、クリエイターはどう応えるのか? どんなぶっちゃけトークが展開されるのか? 注目です。

  1. ファミ通.com>
  2. 企画・連載>
  3. スーパーコアゲーマーがクリエイターに突撃! 椿姫彩菜のゲームの話>
  4. “椿姫彩菜のゲームの話”第2回 カプコンの小林裕幸プロデューサーが語る『戦国BASARA』シリーズ開発秘話

“椿姫彩菜のゲームの話”第2回 カプコンの小林裕幸プロデューサーが語る『戦国BASARA』シリーズ開発秘話

2014-03-10 16:05:00

01

椿姫 先週に引き続き、今週も『戦国BASARA』シリーズの話題を小林Pさんに語っていただきます! 今回は、魅力的なキャラクターについてもう少し掘り下げていきたいんですが、やっぱりキャラクターや物語を生み出すときは、歴史的なエピソードがありきなんでしょうか? たとえば現実にも、「上杉謙信はじつは女性だった!」みたいな説があったりするじゃないですか?
小林P ああ、謙信はよく「性別はどっちなんですか?」なんて聞かれますけど、どちらでもないというのが公式見解です(笑)。話を戻すと、もちろん歴史的なエピソードは参考にします。でも、それがキャラクター作りや物語の出発点ではないキャラクターもいます。たとえば、『戦国BASARA3』の鶴姫と孫市は、「女性キャラクターをふたり足したい」っていう提案が出発点だったんです。
椿姫 へー! そうなんですか!?
小林P でも、戦国時代に活躍した人って、基本的には男じゃないですか(笑)。
椿姫 それは……そうなりますよね(笑)。
小林P で、いろいろと歴史を調べていくわけです。すると、現存する唯一の女性用胴丸を使っていた、鶴姫という女性が当時いたらしい、ということがわかって。じゃあひとりは鶴姫でいいね、と。もうひとりの孫市に関しては、そもそも孫市っていうのは雑賀衆の統領が継ぐ名前なんですね。だとすれば、女性が継いだこともあるだろうという推測をもとに調べてみたら、やっぱり女性がいたことがわかって。「ラッキー! いただき!」という流れ(笑)。

02
03

椿姫 なるほど(笑)。男性のキャラクターは、戦国時代を象徴するような人が多いのでわかりやすいとは思うんですが、作っているときから「このキャラクターは女の子に人気が出そうだぞ?」って、わかったりするものなんですか?
小林P わかるようになりましたね。『戦国BASARA4』に登場する島左近なんかは、もうデザインがアップしたときから「これはヤバイな」って思っていましたから。
椿姫 本当に左近様はカッコいいですよねー! 私もまんまと左近様にハマりました(笑)。
小林P でしょう? それはわかっていたから、プロデューサーとしては柴田勝家を推さなきゃいけないな、と思っていて。プロモーションムービーでの扱いとかを調整したりしています。『戦国BASARA3』のときは、徳川家康と石田三成でもやったし、古くは伊達政宗と真田幸村もそうやってバランスをとってきた。

04
05

椿姫 確かに! 私も最初は政宗様がいいなって思ったんですけど、あとから幸村の魅力みたいな部分がいろいろな面で伝わってきました! 宝塚の舞台も、主演は幸村でしたしね。そういうバランス感覚はすごいなあ。
小林P 人気のあるキャラクターを伸ばすやりかたもあるとは思うんですけど、ライバルに相当するキャラクターの魅力を伝えて、バランスを保つことが大事だと思うんです。たとえば、家康と三成だったら、家康の魅力があってこそ、彼に向かっていく三成のカッコよさが引き立つと思うんですよ。
椿姫 それは間違いないですね! ちなみに、そういうキャラクターの設定っていうのは、どうやって決めているんですか? 『戦国BASARA』シリーズって、すごくぶっ飛んだ設定が魅力だとは思うんですけど、どうやって考えるのかな? っていうのは素朴な疑問としてあって。
小林P 史実をある程度参考にしつつも、ネタ出しの会議を頻繁にやるという地道な作業ですよ(笑)。最近は、ディレクターの山本真が設定のほとんどを考えていて、僕の役割はその善し悪しだとか、プラスアルファの要素を足したり……という形になっています。どんなキャラクターにしても設定にしても、いちばん大事にしているのは、やっぱり「歴史を知らない人でも楽しめるように」っていう部分ですけれど。
椿姫 そうですね。キャラクターによっては、ストーリーをクリアーして振り返ったら「あれ? ほとんど歴史に触れてないぞ?」って人もいますからね(笑)。でも、それが『戦国BASARA』シリーズのいいところなんだなって思います。
小林P べつに歴史を教えようとしているわけじゃないですからね(笑)。歴史はテーマにしていますが、とにかくエンタテインメント作品として楽しんでもらいたい、というのが僕たちの目的なので。

06

椿姫 ここからは、最新作の『戦国BASARA4』についてお伺いしたいんですが、前作よりもアクション要素が強まっていますよね?
小林P 『戦国BASARA3』でアクションのベースになるものができたので、それを少し強めようという狙いはありました。もちろん、『戦国BASARA4』なりの世界観とかストーリーも楽しんでいただきたい部分ではあるんですけどね。ただ、よりアクションゲーマーは楽しめるけれど、アクションが苦手な人でもできる、という部分は重要視しています。戯画バサラ技なんていうものも追加しましたし。

07

椿姫 きちんと当たるとすごいダメージが出せますよね! 見た目も派手でおもしろいですし。最初は、「これまでのバサラ技とどう違うんだろう?」って思いましたけど。
小林P バサラ技との差別化は、こっちでもやっぱり悩んだところではあって。でも、結果的にあっていいシステムになったと思っています。しっかりヒットさせないとダメだけど、当てればボスにも有効ですからね(笑)。あとは、通常技も奥深くなっていて。たとえばこの動画なんかを見てもらえるとわかるんですけど……。

椿姫 なんだか、格闘ゲームのスーパーコンボ集みたい!
小林P 「こういうこともできるんですよ」っていう、お手本みたいな形を見せることも大事かな? って。みんなが彩菜ちゃんみたいに、コンボを考えられるわけじゃないので(笑)。ただ、奥はそれなりに深いんだよ、っていうことは伝えたかった。
椿姫 でも、そんなにコマンドは難しくないんですね?
小林P 練習は必要かもしれないけど、過度に難しくはしていないです。「これでも難しいよ!」っていう方もいるとは思うんですが、そこは武器強化や経験値でカバーできるようにはなっているので、安心していただけると……(笑)。
椿姫 今回追加された武器強化システムはすごく楽しいですね! やり込み要素が増えてくれたのは純粋にうれしいです。
小林P まあ、めんどくさい人にとってはめんどくさいシステムなんですけど(笑)。
椿姫 作っている人がそんな風に言わない!(笑)。ふつうに遊んでいるだけでも、けっこう素材はたまりますから、これから遊ぶ皆さんは安心していいですよー(笑)。


次回は『戦国BASARA4』の内容とともに
小林Pがゲーム業界を語る!
(3月14日更新予定)