NieR:Automata(ニーア オートマタ)』と世界観を共有する『舞台 ヨルハ』。2014年10月に初公演、2015年に『ヨルハ Ver1.1』、2018年に『音楽劇 ヨルハVer1.2』、『舞台 少年ヨルハVer1.0』、2019年に『舞台 ヨルハVer1.3a』が上演。その『舞台 ヨルハVer1.3a』をベースとした最新舞台作品『舞台 ヨルハVer1.3aa』が2020年3月、渋谷で公演……される予定だった。だが、新型コロナウイルス感染症が拡大している状況を踏まえ、公演の中止が決定。

 『舞台 ヨルハVer1.3aa』は、3月29日(日)のニコニコ生放送にて配信される、“ニーア10周年の10時間やっちゃう生放送”の一環として、無観客公演が有料配信されることが決定した。

 本稿ではその配信用の舞台収録に先駆けて行われた最終リハーサルに立ち会うことができたので、その模様をお届け。

いつもと違う雰囲気の中、最終リハーサルが行われた。

 いつも行われるゲネプロであれば、メディアや関係者、招待者で座席が埋まり、本番さながらの最終リハーサルが行われるが、この日は関係者だけが間隔を空けて座っているという形でのリハーサル。ステージを動き回る足音や演者の声も、ふだんの舞台以上に会場に響きわたる。

 スタッフの方々はもちろん、役者の方々も数ヵ月前から準備してきた舞台が公演直前のタイミングで中止せざるを得ないことは、致しかたないとは言え、断腸の思いだったはず。でも、最終リハーサルではそうした感情を表には出さず、舞台に集中していた姿がすごく印象的。

 終演時には、万雷の拍手とはいかないものの、関係者からいろいろな思いが詰まった熱い拍手が会場に響く。

 多くの観客の前で上演されないのは残念だけれど、この特殊な状況下でも演じられる舞台は、ある意味“特異”。配信ならではの演出や、普段の舞台撮影では使われないレールカメラ撮影もされており、3月29日配信の『舞台 ヨルハVer1.3aa』は特別な『舞台 ヨルハ』になりそう。数年後、『舞台 ヨルハVer1.3aaaaaaaa』が上演されるころには、「2020年の『舞台 ヨルハVer1.3aa』の舞台は、あれはあれで味わい深いものだったなぁ」と歴史の目撃者っぽく振り返ることができるかもしれない。

 舞台自体は、前回以上に完成度が高く、キャストの多くは昨年の『舞台 ヨルハVer1.3a』と同じということもあって、それぞれ役柄がしっくりきているというか、こなれた感があり、キャラクターを自分のものにしていた印象。空間を彩って空気感を演出するライティング、映像演出は濃くなって迫力もアップ。音楽はより劇中曲っぽいアレンジになっており、聴き覚えのないイカすイントロから、耳慣れた『NieR』メロディーにつながって、さらに燃えるものに。GEMS COMPANYの赤羽ユキノと長谷みことが生歌唱する劇中歌『ガダルカナル』と『ノルマンディー』は演者のダンスも相まって、今回のハイライトのひとつだ。

 内容もこれまでと若干違っており、レジスタンスにジャッカスの存在を確認。アネモネがいない分岐の物語となっている。

 ということで、いろいろな意味で注目の舞台は3月29日の19時40分開始予定。

舞台 ヨルハVer1.3aa配信ページ
https://live2.nicovideo.jp/watch/lv324824251

番組視聴チケット代金
《プレミアム会員限定価格》2,500ニコニコポイント(税込 2,500円)
《一般価格》3,000ニコニコポイント(税込 3,000円)

 ここからは、そんな『舞台 ヨルハVer1.3aa』の最終リハーサルの模様を写真でどうぞ! 

物語

遠い未来。
突如襲来したエイリアンと、彼らが繰り出す兵器「機械生命体」によって地球を侵略された人類は、月へと逃れていた。

地球を奪還するため、人類側はアンドロイド兵士による抵抗軍を組織。
膠着した戦況を打破するべく、衛星軌道上に存在する人類軍の防衛拠点からは、新型の男性アンドロイドだけで編成された実験部隊「ヨルハ」が投入される事になる。

地上で戦い続けるレジスタンス部隊との邂逅……立ちはだかる幾多の敵と罠……
過酷な戦いの中、司令部がヨルハに託した新たな「可能性」とは――。

新しき者と旧(ふる)き者。それぞれが僅かな希望を抱き、機械生命体との決死の戦いに挑むのだった。

映像演出も何だか濃い。
レジスタンスともヨルハとも違う雰囲気を醸し出す、須賀さんの説得力ある雅なオーラ。
こちらが黒貴さん演じるジャッカス。『NieR:Automata(ニーア オートマタ)』のジャッカスともまた性格が違うような……。『NieR:Automata』でアジを食わせようとするサイコパスなところは共通している。
このシーンの哀愁はどの『ヨルハ』でもグッとくる……。
ギター:後藤 貴徳氏
バイオリン:白須 今氏
パーカッション:福岡 高次

出演キャスト(敬称略)

宮城紘大/二号
綾切拓也/四号
木村優良/十六号
小南光司/二十一号
紅葉美緒/ローズ
黒貴/ジャッカス
古賀 瑠/リリイ
菅野勇城/ガーベラ
神坐慶/ダリア
矢野たけし/デイジー
笠原織人/司令官
佐藤智広/ワカバ
田中宏輝/赤い少年
須賀京介/アコール

アンサンブル
伊与田良彦/林宏樹/沓掛龍一/梅田祥平/小田峻平/齋藤大希/織田俊輝/慶洲/河合国広

ボイス(収録出演)
あきやまかおる 安元 洋貴

演奏
ギター:後藤 貴徳
バイオリン:白須 今
パーカッション:福岡 高次

スタッフ
原作・脚本:ヨコオタロウ
演出:松多壱岱
音楽:岡部啓一(MONACA)

主催:舞台ヨルハ製作委員会
制作協力:ボルテージ
企画協力:スクウェア・エニックス MONACA
制作プロデューサー:
小林 諸生(シーメディア)
プロデューサー:
関谷 マコト(ILCA)、松多 壱岱(DEARSTAGE)、鈴木 正博(アリスインプロジェクト)、東川 真之(SANETTY Produce)、大関 真(スーパーエキセントリックシアター)
エグゼクティブ・プロデューサー:齊藤 陽介(スクウェア・エニックス)、岩崎 拓矢(ILCA)