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『ギルティギア』の今後は「期待してていい」――“GUILTY GEAR×BLAZBLUE MUSIC LIVE 2011”開催
ゲーム●ゼネラルディレクターの石渡氏が『ギルティギア』の新展開に言及
アークシステムワークスは2011年1月22日、川崎CLUB CITTA'で“GUILTY GEAR×BLAZBLUE MUSIC LIVE 2011”を開催した。これは同社の看板対戦格闘ゲーム『ギルティギア』と『ブレイブルー』シリーズのサウンドコンポーザーを務める石渡太輔氏の楽曲をフューチャーしたミュージックイベントで、ユーザーリクエストによって両作品の人気楽曲をセレクトし、生バンドによるライブ演奏を披露したのだ。
ライブは両シリーズの歴史を描いたラッシュ映像からスタート。そして『ブレイブルー』シリーズから『CONTINUUM SHIFT』、『Rebellion』、『Gluttony Fang』の3曲がノンストップで演奏され、楽曲の激しさとともに会場も一気にヒートアップとなった。ちなみにバンド構成はドラム、ベースというリズム隊のほかにギターが3人、キーボード、ヴァイオリンという大掛かりなものに。荘厳かつメロディアスな石渡氏のサウンドをライブで再現するにはこれだけの人員をもってしなければ不可能というわけだ。
またこの日は『ブレイブルー』シリーズの出演声優による歌物楽曲も披露された。ノエル=ヴァーミリオン役の近藤佳奈子は『Stardust memory〜約束の場所〜』と『Love so Blue〜蒼の鼓動〜』を歌い、シシガミ=バング役の小山剛志は『烈風』と、さらにゲームでは影山ヒロノブが歌っている『お前の鉄槌に釘を打て』に初トライ。高いキーもこなして見事に歌いあげた。
▲以前行われた『ブレイブルー』のイベントでも『烈風』を披露した小山だったが、そのときは舞台終了直後で声が出ず不本意な内容になってしまったという。今回はそのリベンジという意味も込めて『烈風』を再び披露。 |
ライブの途中では曲間でMCを務めた石渡氏とマコト=ナナヤ役の磯村和美に、近藤と小山、そして『ブレイブルー』シリーズのプロデューサーを務める森利道を加えてトークショーも実施。事前にユーザーから募集した質問に登壇者たちが回答するという形で進行した。質問内容は『ギルティギア』、『ブレイブルー』の楽曲に関するものが中心で、石渡氏からは「『ギルティギア』の場合はロックンロールをキーワードにしていて、『ブレイブルー』はドラマ性が生まれ、歌ものにもなりそうなイメージで作っている」という両シリーズの楽曲の住み分けなどが明かされた。ちなみに、森氏が石渡氏に『ブレイブルー』の楽曲制作を依頼したとき、石渡氏はその住み分けに苦労しそうという理由から返事を渋ったという。しかし、「近所のカフェに連れていって「いいから作れ」と話しました(笑)」という森氏のアツイ説得(?)により了承したそうだ。
そのほか『ギルティギア』で初めて作った曲は? というファンにとっては非常に興味深い質問も。石渡氏いわく『ギルティギア』の構想は専門学校時代から温めていたもので、楽曲についてもそのころから作り始めており、その中で最初に完成させたのが“ミリア・レイジ”のテーマソングだったとのことだ。楽曲を作るうえで苦労する点も聞かれた石渡氏は、『ブレイブルー』では“ラグナ=ザ=ブラッドエッジ”のテーマソングに時間がかかったと回答。同氏のスタイルでは、主人公の楽曲のイメージを起点に音楽の世界観を広げていくため、必然的に時間がかかるのだという。
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石渡氏の楽曲は多くの音が複雑に重なり合って構成され、かつ基本的にはインスト。なので、それに詞を乗せて歌物にしたとき歌い手はかなり苦労するようだ。近藤は2008年の東京ゲームショーで初めて石渡氏の楽曲を歌うことになったとき「え、これ歌えない……息継ぎが間に合いません」と思ったんだとか。また小山も「本当に、なんて曲を書いてくれたんだ! と思う(笑)」と冗談まじりにその難しさを語った。
トークショーの最後では『ギルティギア』シリーズの今後について触れるひと幕も。石渡氏は「具体的なことは言えないですけど」としたうえで、「期待してていいんじゃない」とコメント。何かしらの新展開が進んでいることは間違いないようだ。
ライブ後半では『ギルティギア』、『ブレイブルー』シリーズの楽曲が交互に演奏されるという、アークシステムワークスファンにとってはたまらない展開。さらにアンコールの1曲目『Awakening The Chaos』ではコーラスも登場してラストに向けて会場を一気に盛り上げる。そして最後に演奏されたのは『ギルティギア イスカ』のエンディング曲『The Cat Attached to Rust』。アコースティックギターの音色で始まる同楽曲は、石渡サウンドらしいぶ厚い音の波の中から浮かびあがる美しいメロディーが印象的で、オーディエンスは気持ちをひとつにして頭を腕を全身を揺らしてステージ上の演奏に応えていた。
エンディングで石渡氏は「まさか実現するとは思っていなかった……どうでしたか皆さん! このコンサートは!」と感極まった様子で話し、「こんな大きな声援をもらえるなら、東京だけとは言わず地方公演もできればと思います!」と今後の展開についても前向きな意思を見せた。
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GUILTY GEAR×BLAZBLUE MUSIC LIVE 2011セットリスト
1.CONTINUUM SHIFT (BLAZBLUE CONTINUUM SHIFT OP)
2.Rebellion(ラグナテーマ)
3.Gluttony Fang(ハザマのテーマ)
4.noontide(ソルVSカイのテーマ)
5.Suck a Sage(チップのテーマ)
6.Rubble Song(AC版BLAZBLUE CONTINUUM SHIFT ENDING)
7.Stardust memory〜約束の場所〜
8.Love so Blue〜蒼の鼓動〜
9.烈風
10.お前の鉄槌に釘を打て
<トークショー>
11.Still in the Dark(ミリアVSザトーのテーマ)
12.Lust SIN(ジンのテーマ)
13.Get Down To Business(聖騎士団ソルのテーマ)
14.Condemination Wings(ツバキのテーマ)
15.Holy Orders III(Be Just or Be Dead)(カイのテーマ)
<アンコール>
16.Awakening The Chaos(ν-13-・Λ-11-のテーマ)
17.The Cat Attached to Rust (GUILTY GEAR イスカ ENDING)
●ライブ終了直後の出演者の声をお届け
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――本日のライブを終えてみての感想をお願いします。
森 成功という形でいいのかなと思います。本当にスタッフの皆様には感謝しております。とくにこのイベントを企画してくれたスタージャムさんには感謝の言葉がありません。またよかったら、こういうライブを開催したいと思います。
小山 僕は(『烈風』を)リベンジをするためにこの場へ来たのですが(笑)、できたかどうかはお客様が判断するところですが僕自身としては完全燃焼できと思っています。ただちょっと間を置くと「もうちょっと俺はできるんじゃないか」という気もしますので、また来年もこういった企画に参加できればなと思います。(森氏「1年も充電期間が必要なんですか?(笑)」)半年後でも大丈夫です、いや1ヶ月に1回くらいはリベンジしてもいいかな(笑)。それくらいの準備をしますので、いつでもお声掛けいただければ。
磯村 今回第1回目のライブということで、個人的に主人公キャラからの選曲が多かったと思っております。なので、次回はもうちょっとサブキャラにもスポットを当てていただいて……マコトはもちろんですが、ほかのキャラでもOKなので、つぎは私もリクエストを何通も送ろうと思います(笑)。またこういう機会があったら、みんなといっしょに盛り上げていきたいですね。
石渡 いまだ興奮冷めやらぬ状態で、感無量という言葉に尽きるかなと思います。お客様の盛り上がりを見て感動したので、まだまだ楽曲もありますし、これから新しい作品もあるのかな? なんてところでどんどん曲を作っていきます。そして2回、3回と新たなライブを開催し、また地方のほうにも行きたいかなと考えています。
近藤 開始当初からお客さんのテンションがハンパなくて、すごく緊張していたんですけどステージに立ったらお客さんの熱気とバンドの演奏が支えてくれたので歌うことができました。まだ歌っていない曲もありますので、また次回開催があったときは歌わせてもらえるとうれしいなと思います。
――石渡さんの曲を生演奏するのはかなりたいへんだと思うのですが、本日のライブでの完成度はどうでしたか?
石渡 あ、人間ってやればできるんだな、って感じでした(笑)。人間工学とかいろいろ言われているけど、がんばれば人間ってなんでもできるじゃん、そのうち空も飛べるんじゃないか……と思うくらい非常に完成度が高く僕自身も満足でした。
――演奏するコツというのはあるのでしょうか?
石渡 控え室でキーボドのYUHKIさんと話したときに「まさしく石渡ワールドで、ハッとするようなメロディーがある」と言ってもらいました。だから演奏するコツというのはないんですけども、演奏した人によれば自分のテンションを入れると失敗するので完コピーするしかないようです(笑)。体に叩き込まないと無理みたいな。
森 最後は気合と根性と愛ですね!
――今回のライブが開催されたきっかけはなんだったんでしょうか?
石渡 8年くらい前に『ギルティギア』単独のライブはやらせてもらったことがあるんですが、それからだいぶ経って曲も溜まってきたときに、いつも音楽でお世話になっているスタージャムさんからライブの話をいただきました。そのときは収録中で、バンドのメンバーは「バカなこと言って」という感じだったのですが(笑)、トントン拍子でお話が進んでいつの間にかやることになっていました。でも超絶テクニカルなメンバーに集まっていただいて無事開催することができましたね。
――今日のライブで作曲へのモチベーションが高まったと思いますが、今後挑戦してみたいジャンルなどはありますか?
石渡 けっこう僕も頑固なので、同じような系統でさらなる高見を目指していきたいなと。あとは歌物という点で本格的に洋楽のようなものを作れないかな、とも思います。
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