古今東西のスーパーロボットたちの夢のコラボレーションを展開する、『スーパーロボット大戦』シリーズ最新作『スーパーロボット大戦Y』(スパロボY)が、2025年8月28日にNintendo Switch、プレイステーション5(PS5)、PC(Steamにて発売された。
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4年ぶりの新作となる本作はゲームエンジンを一新。すべてをブラッシュアップしつつも、“いつもの『スパロボ』”の魅力が詰まった一作となっているという。
本記事では、『スーパーロボット大戦Y』のプロデューサー戸澗宏太氏とディレクターの小椋亙氏へのインタビューをお届け。発売を迎えた本作への思いや今後の展開などについて訊いた。
過去にカードゲーム事業の『スーパーロボット大戦Vクルセイド』などを担当。ゲーム事業には『スパロボY』よりプロデューサーとして携わる。
おもに『第3次スパロボα』からシリーズに関わり、『魔装機神』シリーズなども担当。本作ではディレクターとして、ゲーム内容全般の統括を行う。
――『スパロボY』がいよいよ発売となりました。いまのお気持ちはいかがでしょうか。
戸澗
やっぱり「お待たせしました」という気持ちが強いです。お待たせしたぶん、おもしろいゲームに仕上がっていますので、ぜひ楽しんでいただきたいです。
――ユーザーと開発者が直に接する試遊会を開催されていましたが、こういったイベントを開催したのには、どういう意図が?
戸澗
もともと試遊版をユーザーの皆様にプレイしていただく計画がありました。せっかくプレイしていただくなら、トークイベント的なものをやったほうが喜んでいただけると思ったので、これらをセットにしようと。自分が本作で『スパロボ』のプロデューサーをさせていただくということで、お客様の顔を直接見てみたかったというのも理由のひとつでした。
――試遊会に参加者した方からの反応と、イベントの感想をお聞かせください。
戸澗
参加された方からはとても温かい感想を多くいただきました。その声援が開発の励みになるとともに、リアルイベントのよさをあらためて認識しましたね。
――本作ではゲームエンジン(※)を刷新したというのは既報の通りですが、UI関連もリニューアルされ、非常に見やすく、遊びやすくなった印象があります。
戸澗
そう思っていただけるのは非常にうれしいです。前作の『スパロボ30』の際にいただいた意見を取り入れながら改善を行ったり、キャラクターゲームという原点に立ち返ったグラフィカルな表示のしかたと表示情報の整理により、はじめて『スパロボ』を触る人が理解しやすい形での表現に整えなおしました。
小椋
試遊会でも画面の操作に対してどういった意見が出るのか不安でしたが、皆さん、違和感なくプレイできたと言っていただけたので、とりあえずは安心しています。
――熟練のファンの方になると、かなり鋭い意見が多そうですね。
戸澗
本当にコアなファンの方ばかりだったので、戦闘アニメやユニットのパラメーターを熱心に見て、笑顔で楽しんでいただいる方がほとんどでした。
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――その様子が想像できます。「スキルの倍率はどうなった!?」みたいな人も多かったと予想するのですが。
戸澗
そうですそうです。
――自分もいちファンとして気になるところです(笑)。本作では前作から引き続き、タクティカル・エリア・セレクトが採用されています。自由度の高いプレイを楽しんでほしいという意図から続投となったのでしょうか。
戸澗
前作でいただいたご意見を分析しており、「自由度が高すぎてメインシナリオが把握できない」、「作品どうしのクロスオーバーが薄い」といった声が挙がっていることは承知しています。
ですが、自分の好きな作品のシナリオを優先してプレイしたり、育成マップを集中してプレイできたりと、メリットが多い魅力的な仕組みだと思っているんです。そこで、本作ではチャプターごとにメインシナリオの見どころを作り、物語中盤以降は自由度を絞って物語に集中できるようにするなどしてミッションのバランスを改良しました。
小椋
前作は自由度が高いゆえに、サブミッションや戦線ミッションをやっているうちに、「何のために戦っているんだっけ?」と思ってしまうことが多かったので、チャプターごとに目的のようなものを設定しました。さらに、必ず通るメインミッションに物語の軸を通すことで、戦う意味が明確になるようにしています。
――いいところは活かしつつ、より物語が楽しめるようになったと。
戸澗
今回のシナリオは時系列的にもかなりわかりやすくなっていると思います。
――前作では部隊の強さにあわせて敵のレベルが変化する仕組みでしたが、こちらは?
小椋
本作も『スパロボ30』と同様に、味方にあわせて敵のレベルが上がります。前作ではその影響でかなりレベルが上がりやすかったのですが、本作ではそのバランスも調整していますので、育成の楽しみと歯ごたえのある戦闘を両立したバランスになっているかと。
ミッションごとに敵のレベルを固定にする案もありましたが、味方が強くなりすぎると簡単に倒せてしまうので、おもしろくなかったんです。最終的には、タクティカル・エリア・セレクト方式なら、味方にあわせて敵も強くなるシステムはセットで入れるべきだなというところに落ち着きました。
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――『スパロボY』にもオリジナルのキャラクターと機体が登場しますが、なかでもエーアデントが重要な存在として物語に関わると予想しているのですが、いかがでしょうか。
戸澗
今回はエーアデントとエチカが物語の軸になっていて、主人公はエチカを守る存在として活躍してくれます。
小椋
主人公の立ち位置として、これまでにないアプローチができたと思っています。また、エチカの成長もキーワードとして物語では描かれています。
――ゲームエンジンや体制の刷新を行った『スパロボ』開発チームですが、今後の展開も気になるところです。
戸澗
まだDLCのリリースもあり、開発も完了しているわけではないので、正直なところ、次回作のことはまだキチンと話をまとめていません。いろいろなところでお話していますが、これまでと同じように1年に1本新作を出すことは難しいと考えています。
ですが、一日でも早く新作を皆様にお届けできるようにがんばりたい一心ですので、まずは『スパロボY』を遊んでいただき、今後についてはお待ちいただければと思います。自分個人としては、初の『スパロボ』シリーズのプロデュースを任せていただいたので、まずはこれをやり切るべくがんばりたいです。
――DLCをすべてリリースすることを全力でと。小椋さんはいかがでしょうか。
小椋
自分もまだまだ『スパロボY』にかかりきりですが、次回作以降の目標としては、本作のフィードバックを受けて、評価していただけた部分は残しつつ、変えるべきところは大胆に変えていきたいと思っています。
やっぱり同じものが続くとどんなにおもしろいゲームでも飽きてしまいますので、“伝統の継承と新たな進化”をテーマに、今後も『スパロボ』の開発を行っていきたいです。
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――『機動戦士ガンダム 水星の魔女』Season1のように物語がまだ完結していない段階の作品も登場していますが、『スパロボY』は単独で完結する作品なのでしょうか。
戸澗
はい。『スパロボY』本編でシナリオが完結するように作っております。
――『スパロボ』はタイトルにアルファベットが使われることが多いですが、そろそろ使える文字がなくなりそうですね……。
戸澗
お気づきになられましたか。そうなんです。枯渇した後はどうしようかみたいな話はすでに出始めていますが、アイデアレベルでは、必ずしもアルファベット1文字じゃないといけないというわけではないので、『IMPACT』や『UX』のような例もありますし、響きやカッコよさを考慮して、ベストなタイトルを考えたいです。
小椋
『スパロボV』では、サブタイトルに漢字を使おうという案もあったんですよ。
―― 漢字が!? いったいどんな文字を?
小椋
ボツになったのでそれは内緒なんですけど、そういった案が出るくらいなので、あまりアルファベット1文字に固執しない雰囲気はありますね。
――今後は一風変わったサブタイトルがつく可能性もありそうですね。
小椋
断言はできないですが、まだ何も決まっていないので、くり返しになりますが今後をお楽しみに! ということに。
――承知しました。いよいよ『スパロボY』がファンの手に届きますが、ぜひ、最後に熱血・必中・直撃なコメントをお願いします!
戸澗
まずは4年間お待たせして申し訳ございませんでした。既存のファンにも、新規の方にも楽しんでいただける安心の『スパロボ』に仕上げていますので、ぜひ久しぶりの『スパロボ』家庭用最新作を味わっていただければと思います。
小椋
前作から、いいところは伸ばして、改善すべきところは改善するというのを、すべての要素で実施しました。前作を遊んだ方は、「ここが変わった」みたいな変更点も見つけて楽しんでいただけるとうれしいです。
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