『リンダキューブ』30周年。王道のアンチテーゼとして生まれたRPG。トラウマイベントはいまでもゲーマーの語り草に【今日は何の日?】

byカワチ

『リンダキューブ』30周年。王道のアンチテーゼとして生まれたRPG。トラウマイベントはいまでもゲーマーの語り草に【今日は何の日?】

100種類以上におよぶ動物を収集する要素にハマる

 1995年(平成7年)10月13日は、PCエンジンSUPER CD-ROM2用ソフト『リンダキューブ』がNECホームエレクトロニクスから発売された日。発売から30周年を迎えました。

 『リンダキューブ』は『
天外魔境II 卍MARU』などの王道RPGを手掛けたゲームデザイナーの桝田省治氏が王道のアンチテーゼとして制作したRPG。キャラクターデザインはアニメーターの田中達之氏で、本作にはペンネームのCANNABIS名義で参加しています。

 PCエンジンSUPER CD-ROM2で発売された後、1997年にプレイステーションで『
リンダキューブ アゲイン』、1998年にセガサターンで『リンダキューブ 完全版』というリメイクが発売されたため、こちらでプレイした人も多いかもしれません。
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 ゲームの内容は巨大隕石の衝突が迫る惑星ネオ・ケニアを舞台に、惑星に生息する動物を可能な限り捕獲し、惑星を脱出するというものになっています。制限時間はゲーム内時間で8年で、シナリオごとの条件を満たすと箱舟を飛ばすことが可能に。主人公は駆け出しのレンジャー隊員であるケン、ヒロインは幼なじみのリンダ。ケンは矢尾一樹さん、リンダは高山みなみさんが声を担当しています。

 動物を捕獲する手段は、フィールドやダンジョンでの戦闘、動物商から買う、罠で捕える、人からもらうといったさまざまな方法があります。動物は年数が経過すると絶滅したり、特定の状況でなければ出現しなかったりもするので、コンプリートを目指して試行錯誤する楽しさがありました。

 動物の捕獲は戦闘でHPを減らすことで可能になります。ただ、大きなダメージを与えると動物の身体がバラバラになって捕獲できないため、レベルを上げて戦えばいいというわけではないのがおもしろいところ。強すぎてもいけない、かといって弱いと負けてしまう……つまり、どのような戦略で捕獲するのかが重要になります。

 また、動物は箱舟に登録するだけでなく、加工して肉や装備品にしたり、(イヌの場合)猟犬として活躍させたりと多彩な用途が。ここも本作の戦略性を高める要素になっています。
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『リンダキューブ アゲイン』
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『リンダキューブ 完全版』
 本作はパラレルワールドのような関係になっている3つのシナリオが存在。シナリオAの“メリークリスマス”、シナリオBの“ハッピーチャイルド”、シナリオCの“アストロアーク”で、プレイステーション版とセガサターン版にはシナリオDの“ラストイヤー”も。なお、“パラレルワールドのような”と表現したのは、ループとも取れる設定もあるため。さまざまな部分に本作の謎を解き明かす情報があり、その情報を探すのも楽しみのひとつです。

 シナリオAはケンの生き別れの双子の弟であるネクが主軸となる物語で、シナリオBはサブヒロインであるサチコと彼女の父親であるエモリ教授が主軸になる物語が展開されます。ネタバレになるので詳しくは書きませんが、どちらもプレイヤーにトラウマを植え付けるようなショッキングな内容が……。とくに、シナリオAの「死体は捜すより作る方が簡単なのサ」やシナリオBの「サチコでどうだ?!」といったセリフはいまでもゲーマーの語り草になっています。

 シナリオCは動物の捕獲がメインとなっていますが、ケンがバナナの皮で滑って転んで1年後にようやく捕獲がスタートするというギャグっぽい展開。ただ、シナリオAやシナリオBで悲惨な目に遭ったキャラクターたちも幸せそうにしているのでプレイしていてほっこりできました。

 ちなみにリメイク版で追加されたシナリオDは、ケンとリンダが動物集めもしないで結婚生活を満喫していたためにタイムリミットまであと1年しかない状況。タイムトライアルのようなゲームが楽しめます。
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