【青鬼新作】『禁足地 -青鬼の窟-』横スクロールアドベンチャーになっても青鬼から逃げまわる恐怖は健在! 薄暗い廃校に存在するブルーベリー色のアイツから逃げろ
 『RPGツクール』などのソフトウェアを使用して一般ユーザーが作成したフリーゲーム。これまでにないアイデアを採用したゲームが楽しめたり、練り込まれたストーリーが読めたりと、さまざまな魅力のあるゲームを無料で楽しめるのが魅力のゲーム文化だ。

 令和となった現在でも多くのファンに愛され続け、ゲーム文化のひとつとして定着していることは、読者諸君ならすでにご存知のことと思う。

 そのなかでも、恐怖の対象から逃げまわる“チェイス”の要素に重点を置いたフリーホラーゲーム
『青鬼』は、わかりやすいゲームシステムとシンプルながら恐怖度満点の演出が話題となり、「フリーホラーゲームといえばコレ」と言われるほどの人気を獲得したタイトルだ。

 ゲーム実況シーンでもさまざまなストリーマーにプレイされ、数々のプレイヤーの絶叫を引き出してきたことも、記憶に新しいのではないだろうか。

 その『青鬼』を題材とした新作ゲーム『
禁足地 -青鬼の窟-』が、いよいよ2025年8月29日に発売となる。対応プラットフォームはNintendo Switch、PC(Steam)。
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 本稿では、この『禁足地 -青鬼の窟-』のプレイレビューを掲載。ゲームシステムの解説や“『青鬼』らしさ”が味わえる恐怖演出など、ゲームの魅力を紹介していく。

 青鬼のあのインパクト抜群の姿と追いかけられる恐怖は健在! 9月11日までは990円で購入できるセールも開催しているので、シリーズファンなら、いますぐにSteamストアページをチェックしよう。
Switch『禁足地 - 青鬼の窟 -』(マイニンテンドーストア)
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異形の青鬼から逃げまわる恐怖! おなじみのBGMも!

 本作はオリジナル版とは異なり、横スクロールタイプのアクションゲーム。昭和の面影を残す廃校、越知岩尋常(おちいわじんじょう)小学校に迷い込んでしまった少女ひまりと、突如現れた謎の和人形こまりを操作して、仲間と合流して廃校から脱出するのが目的となっている。
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 ひまりは、物語冒頭で身動きが取れない状況になってしまう。そのひまりの体にこまりが憑依して、こまりがひまりを操る形で探索を行っていくことになる。
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ひまりは言葉も発することができない状況だが、ひまりとこまりは心のなかで会話を行うことができる。
 プレイヤーは、ライトを片手に薄暗い廃校を探索し、脱出するための手掛かりとはぐれた仲間を探すことになる。

 建物は廃校になってかなりの年月が経っているらしく、荒廃しており、雰囲気はバツグン。誰もいないはずなのに誰かがいるような、ザ・ジャパニーズホラーな恐怖感を楽しむことができる。
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 あまり言及するとネタバレになるのでほどほどにしておくが、いわゆる“ジャンプスケア(見ている人をビックリさせるような恐怖演出)”もあり、歩いていても油断はできない。その恐怖感を最大限に味わうため、ぜひヘッドフォンをして、音量高めでプレイしていただきたいところだ。

 また、本作の最大の特徴が青鬼とのチェイスシーンだ。オリジナル版の『青鬼』と同様に、建物のなかには強大な顔と青い体をした異形の“青鬼”が徘徊しており、見つかってしまうと追いかけっこが始まる。青鬼に捕まってしまうと問答無用でゲームオーバーになるので、ダッシュで逃げまわる必要がある。
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 ただし、本作はマップが切り換わるタイミングでオートセーブが行われており、ゲームオーバーになっても直近のデータからすぐに再開できるのが親切。セーブしていなかったので最初からやり直しということにはならないので、安心してプレイしよう。ただし、追いかけてくる青鬼はめっちゃ怖い。
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チェイスが始まると、オリジナル版と同じ“あの”BGMが流れる演出もニクい。オリジナル版をプレイしたことがある人なら、懐かしさを覚えるかも?
 青鬼は、さまざまな音や光に敏感に反応するのも特徴。足音やライトの充電をするときの音を発すると、青鬼はひまりに向かってダッシュで接近してくる。近くに青鬼がいそうな場合は、忍び足をしたりライトを消したりして静かに通り過ぎることが必要だ。

 ライトのバッテリーはすぐに減ってしまうのだが、充電音はかなり大きく、通路で行うとすぐに青鬼に見つかってしまう。ライトがない状態で歩きまわるのは非常に危険なので、充電はこまめに行いたい。しかし、充電すると身の危険が……。このジレンマをどう攻略するのかが、本作でのプレイヤーの腕の見せどころだ。
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ライトをつけない状態だと手掛かりを調べられないし、無灯火で走るとコケてしまうことも。青鬼に追いかけられている最中にコケてしまったら……!?
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危険を承知で通路で充電するか、室内などの安全な場所で行うか。悩ましいところ。
 建物は行き止まりになっている場所もあるが、基本的には回遊できる設計になっているため、追い詰められてゲームオーバーになることは少ない。序盤から建物のマップは入手しているので、形状を覚えておけば、逃げるのがそれほど難しくない難度だと感じた。
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通路には隠れ場所も点在しているので、ここに隠れてやり過ごすのもありだ。
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ただし、青鬼に見つかっている状態で隠れても……!?

こまりが頼れるしかわいいし

 本作でキーマンとなるのが、人の言葉をしゃべって動くこまりの存在だ。前述のとおり、こまりは物語冒頭でひまりに会い、ひまりの体を操る形で脱出に協力してくれる。

 なぜ和人形が動くのか、なぜひまりの協力してくれるのか。その謎を解き明かすことも、本作の目的のひとつとなっている。
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 このこまりさん、怪異とは思えないほどの良識人で、かなりのロジカルシンキングの持ち主。つぎに何をすればいいのか指示を明確に出してくれるので、上司にしたい怪異ランキングナンバーワンの座を欲しいままにしていそうなキャラクターだ。

 さらに、「~~~なんだよ」というしゃべりかたも非常にかわいい。しかもフルボイス。ホラーゲームなのでプレイヤーを怖がらせる仕組みが重要だが、こまりがいるおかげで若干怖さが薄れている気がしなくもない。
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ひみつ会議にて、つぎにするべきことを提示してくれる。問題点を洗い出して並べ、ゴールから手段を決定する。ミーティングが得意な和人形。
 こまりはひまりへの憑依を中断し、和人形に戻った状態で動きまわることもできる。ひまりでは入れない狭い場所に入って障害を取り除くようなシーンもあり、ありとあらゆる場面で頼れる存在だ。ただし、和人形の状態では30秒しか動けないので、制限時間までにひまりの体に戻らなくてはいけない。焦らず正確に立ちまわる必要がある。
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扉の穴に入り、中を探る場面も。
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こまり状態になると、ふだんは見えないものが見えてしまうことも? この霊はいったい……?

謎解き要素もプレイのスパイスに

 探索中には、脱出の手掛かりのほか、この廃校にまつわる資料が手に入ることも。青鬼とは何なのか、この廃校では過去に何があったのか。その謎を探ることも本作を楽しむための重要な要素になっている。

 さまざまな場所を探してまわりたいが、暗い場所は怖いし青鬼に見つかる危険もある。危険を承知のうえでどの程度まで探索するのか。それによって物語の展開が変化することもあるので、くり返しプレイしてさまざまな展開を見届けたいところだ。
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 誰もいないはずの建物で青鬼に見つからないように脱出の手掛かりを探すという、オリジナル版の魅力を丁寧に横スクロールアクションへと落とし込んでいる本作。

 青鬼に追いかけられているときの恐怖演出はオリジナル版へのリスペクトを感じ内容になっており、理不尽でもなく簡単でもなく、絶妙なバランスだとプレイして感じた。

 本作は、こういったジャンルのゲームに慣れている人なら、10時間ほどでクリアーできるくらいのゲームボリュームとなっている。追いかけられる恐怖、薄暗い場所を歩きまわる恐怖は、コンパクトながら存分に味わえるはずだ。
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負傷した仲間に肩を貸して歩く場面も。走れないので青鬼に出会わないようにしないと危険だ。
 かつて『青鬼』を心ゆくまで楽しんだプレイヤーにも、何かしらのホラーゲームをプレイしたいというホラーファンにも、さまざまな人に遊んでほしい『禁足地 -青鬼の窟-』。9月11日まではセール価格となり1000円でお釣りがきてしまうお買い得な内容になっているので、いまのうちにとりあえず購入しておくというのもあり。

 フリーホラーゲームの枠を飛び出し、グラフィックがパワーアップしても、あの不気味で一度見たら忘れないインパクトバツグンの見た目は健在の青鬼。プレイヤーをどこまでも追いかけてくるブルーベリー色のアイツとの懐かしの追いかけっこを楽しみたいなら、ぜひプレイしてほしい。

 公式サイトによると、「動画・画像の投稿に関するガイドラインは設けておりません」とあるので、実況プレイのネタにもおすすめ!
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探索中にプレイする脳トレ的パズル。連動して動く左右のコインを同時に鳥居のマスまで移動させれば仕掛けを解除できる。このミニゲームが個人的にはかなりツボで、ホラーの幕間にチルが味わえるオアシス的空間に早変わり。もっとプレイしたい。

商品概要

  • タイトル:『禁足地 -青鬼の窟-』 
  • 価格:1320円[税込]
  • 対応機種:Nintendo Switch /PC(Steam)
  • ジャンル:ホラーアクションアドベンチャー
  • プレイ人数:1人
  • 言語:日本語、英語、簡体字、繁体字
Switch『禁足地 - 青鬼の窟 -』(マイニンテンドーストア)
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