2025年7月18日~20日にかけて開催されている、日本最大級のインディーゲームの祭典“BitSummit the 13th Summer of Yokai”(ビットサミット)。
同イベントにて、設立されたばかりのUZZ(うず)による『愛よさらば』の試遊台が出展されていた。UZZは、『ロリポップチェーンソー』、『王様物語』、『シャドウオブザダムド』、『BLACK BIRD』、『勇者ヤマダくん』、『RULE OF ROSE』、そして最近では、集英社ゲームズから発売された『ハテナの塔 -The Tower of Children-』を手掛けてきたゲームデザイナーの池田トム氏が2025年に立ち上げたゲームスタジオ。『愛よさらば』は、同社の初タイトルにあたる。
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同イベントにて、設立されたばかりのUZZ(うず)による『愛よさらば』の試遊台が出展されていた。UZZは、『ロリポップチェーンソー』、『王様物語』、『シャドウオブザダムド』、『BLACK BIRD』、『勇者ヤマダくん』、『RULE OF ROSE』、そして最近では、集英社ゲームズから発売された『ハテナの塔 -The Tower of Children-』を手掛けてきたゲームデザイナーの池田トム氏が2025年に立ち上げたゲームスタジオ。『愛よさらば』は、同社の初タイトルにあたる。
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『愛よさらば』は、“AI”דお絵描き”דノベル”という3つの要素をあわせもった一作。
本作の舞台となるのは100年後の未来。その未来では絵を描くことが禁止されており、AIが世界を平和に統治している。そんな世界に反旗を翻すべく立ち上がるというのがストーリーの骨子だ。反逆の手段は“絵を描く”ということ。そしてAIに反逆するのがAIという点もユニークだ。
本作では最初に8人の絵師からひとりを選び、それぞれ個別のストーリーを進めることになる。絵師によって難易度設定があるようだ。デモ版で選べたのは3人の絵師で、記者が選んだのは“謎のロボット絵師”。“どのように作られ、何をする気なのか、謎に包まれたミステリアスなロボット”だという。絵師ごとに、描きかたも異なっていて、今回記者が選んだロボットはレーザーだが、筆になっている絵師などもいるという。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47680/a177a9db106a194b5c7a745fae08c2fb7.jpg?x=767)
プレイヤーは、出されたお題にしたがって自由に絵を描き、“絵ゴコロ”が評価。一定の点数を超えると先に進めるという仕組みだ。まず出題されたのが“犬を書いてください”というもの。
「犬か!」と思わずのけぞる記者。誘われるままにゲームをプレイし始めた記者だったが、そういえば絵を描くという行為はどれくらいぶりであったか……。とりあえず「こんな感じだったかしら?」と描いた絵は、それはそれはつたないもので……。ところが意外なことに採点されてみると85点と基準をクリアー。「絵のうまい下手を見ているだけではないんです」とは、ゲームの紹介をしてくれた池田トム氏で、採点には独自の基準がある模様。
と、ほっとしたのもつかの間、つぎなるお題が。それは、“同じものを描いてください”というもの。「うーん、思い出せない……」と、頭を悩ませる記者。しかも与えられた時間がとても短いのだ。あっという間にタイムアップになることに……(工場で絵を描く産業用ロボットなので、皿に絵を描かされるという設定とのこと)。
そんな難問をなんとか突破すると、最後のお題として出されたのが、“自由なロボットを描いてください”というもの。ロボット! 「ロボットなんて、さらに久しく描いてないなあ……。しかも自由な?」と悩んだ記者は、脊髄反射のままにペンをさらさらと走らせる。「これがロボットだと言えるのだろうか」とも思いつつ、胸に“free”とも書いてみたものの、結果は基準点に足りずにもう一度やり直すことに。
リベンジ、とばかりに取り組んだ絵は、そこはかとなく昭和を思わせるテイストで、そんなところが評価された(?)のか、なんとか基準点をクリアー。そこでデモは終了となった。
そんな難問をなんとか突破すると、最後のお題として出されたのが、“自由なロボットを描いてください”というもの。ロボット! 「ロボットなんて、さらに久しく描いてないなあ……。しかも自由な?」と悩んだ記者は、脊髄反射のままにペンをさらさらと走らせる。「これがロボットだと言えるのだろうか」とも思いつつ、胸に“free”とも書いてみたものの、結果は基準点に足りずにもう一度やり直すことに。
リベンジ、とばかりに取り組んだ絵は、そこはかとなく昭和を思わせるテイストで、そんなところが評価された(?)のか、なんとか基準点をクリアー。そこでデモは終了となった。
何かの目的のために絵を描くという行為が本当に久しぶりで、思わぬところを刺激されたような楽しい気分に。得も言われる感覚を呼び覚まされるゲームだった。
独自の“絵ゴコロ”判定AIに自信
試遊後、ゲームデザイナーの池田トム氏にお話をうかがうことができた。
池田トム氏(いけだとむ)
UZZ ゲームデザイナー
――本作はどのような経緯から生まれたのでしょうか?
池田
AIについては、真面目に考えないといけないなと思っていました。AIを作ったのはゲームクリエイターみたいなものなのではないかと、どこかで勝手に想像を膨らませていたところがあって、なにかおもしろく消化させたいとはつねに考えていたんです。
AIが台頭してきたことで少しずつ仕事が奪われたりとか、時代が少しずつ変化してきたというのは、現場でゲーム作りをしてきて感じていたことでもありました。この先どうなるのかなと考えたのが、本作のきっかけです。
――いつころからそのような考えが?
AIが台頭してきたことで少しずつ仕事が奪われたりとか、時代が少しずつ変化してきたというのは、現場でゲーム作りをしてきて感じていたことでもありました。この先どうなるのかなと考えたのが、本作のきっかけです。
――いつころからそのような考えが?
池田
今年の1月です。1月ごろにふっと思いついて、「未来、絵を描くのが禁止になったらどうなるのか?」というのをIFの世界として考えました。
――おもしろい発想ですね。なぜ絵が禁止になるのですか?
――おもしろい発想ですね。なぜ絵が禁止になるのですか?
池田
そこがこのゲームのいちばんの本質のところで、そのミステリーを解くためにこのゲームはスタートします。なぜか100年後の未来は絵を描くのが禁止になっています。その代わりにAIが世界を平和に統治している。そんな感じのディストピアの世界をベースにしています。
そんな中で革命を起こそうとしてAIが立ち上がります。「AIに勝つぞ」「自由を勝ち取るぞ」と。タイトルの『愛よさらば』には、AIもかけられていますね。
――愛(ai)ですね!
そんな中で革命を起こそうとしてAIが立ち上がります。「AIに勝つぞ」「自由を勝ち取るぞ」と。タイトルの『愛よさらば』には、AIもかけられていますね。
――愛(ai)ですね!
池田
はい。「AIをやっつけるぞ」ということで革命が起きるわけです。それを起こすのもAIです。すごく複雑な世界観です。未来はまさにAI対AIの戦いになる。自由を勝ち取ろうとするAIと世界を統治しようとするAI、AI vs AIの世界観になります。その中でvs AIのほうに焦点を当てて、彼が取っている行動は「みんなで絵を描こう」というわけです。禁止になっている絵を描こうというのを掲げて、お話が始まります。
本作はけっこうスペクタクルな内容で、お話は過去の世界、未来の世界と、とても飛んでいきます。なぜかと言いますと、AIというのはディープラーニングしています。いろいろな知識の総合がAIなのです。縄文時代から始まり、いろいろな時代やいろいろな世界観がありまして、絵を描く象などもでてくるのですが、いろいろな絵師が出てきます。いろいろな絵師の話がキーとなって、未来のAIに影響を与えるというスペクタクルな内容です。
ですので、ゲームの内容も、いろいろな時代のいろいろな絵師のストーリーが発生します。
――まさにAIを駆使しているということですね(笑)。
本作はけっこうスペクタクルな内容で、お話は過去の世界、未来の世界と、とても飛んでいきます。なぜかと言いますと、AIというのはディープラーニングしています。いろいろな知識の総合がAIなのです。縄文時代から始まり、いろいろな時代やいろいろな世界観がありまして、絵を描く象などもでてくるのですが、いろいろな絵師が出てきます。いろいろな絵師の話がキーとなって、未来のAIに影響を与えるというスペクタクルな内容です。
ですので、ゲームの内容も、いろいろな時代のいろいろな絵師のストーリーが発生します。
――まさにAIを駆使しているということですね(笑)。
池田
ちなみに本作では“イベントモード”というものも考えていて、参加型のおもしろいものにしたいと思っています。SNSで盛り上がったり、AI対人間で絵のバトルをしてみたりとか……。
――開発の進捗状況はどうなっていますか?
――開発の進捗状況はどうなっていますか?
池田
4月からビルドを作り始めて、3ヵ月でここまできました。来年(2026年)の夏くらいまでにリリースできればいいなと思っています。iOSとAndroid、PC、そして任天堂のプラットフォームを考えています。“任天堂のプラットフォーム”と少しぼかしますが(笑)。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/47680/ac25b352040dff57b62d2e27df508aa38.jpeg?x=767)
――絵の採点をするシステムがユニークですね。
池田
僕らが独自で開発したシステムで、絵心を判定してくれます。このシステムは本当にがんばって作ったシステムで、うまい下手ではないんです。その人の絵心が反映されるという非常に複雑なものになっています。こういう曖昧で怪しげな技術が非常にいまらしいなと。
――どうやってシステムを構築したのか気になるところですね。
――どうやってシステムを構築したのか気になるところですね。
池田
うちは、絵心のある絵師がたくさんいるんですよ。納口龍司さんや倉島一幸さんなど最高のゲームクリエイターたちの絵を学ばせていて、彼らの線や、彼らのいいものとかが、学習材料になっていたりします。
一方で、それがすべてというわけではなくて、たとえば子どもが描いた絵とかも、すごくいい点数が出たりします。僕の娘が描いた絵は100ゴコロ取りましたね。今村孝矢さんの絵も100ゴコロでした。
――独自の判断基準がありそうですね。
一方で、それがすべてというわけではなくて、たとえば子どもが描いた絵とかも、すごくいい点数が出たりします。僕の娘が描いた絵は100ゴコロ取りましたね。今村孝矢さんの絵も100ゴコロでした。
――独自の判断基準がありそうですね。
池田
ここがすごく非常におもしろいところで、僕らも作っていてわからないし、言ってしまえば中のプログラミングもわからない。ですが、評価基準はかなり安定しています。ここらへんがすごい新しい未来の感じ。本当にAIらしいというか、人が中に入っているような、“謎の人が判定している”みたいなゲームになっています。
僕らとしては、いろいろな判定基準を入れています。「こういうものがいいですよ」というのを、“いいね”を押しているだけですね。
――おもしろいですね。
僕らとしては、いろいろな判定基準を入れています。「こういうものがいいですよ」というのを、“いいね”を押しているだけですね。
――おもしろいですね。
池田
UZZは、僕がこれから勝負する会社なのですが、いままでシューティングゲームやRPGとか、言ってみれば日本人が得意とするようなゲームばかり作ってきたのですが、ちょっと変えようかなと思っていて、先端技術、新しい先進技術と、いままでの僕らが得意とする世界観や独創性を入れてみて、新しい技術に対してどういうものが生まれるのかなというのを実験してみる会社。新しい横文字の怪しげなカタカナに飛びついてみて、そこに倉島さんや納口さんが得意とする絵とか、僕の得意とするストーリーなどを合体させて、何が生まれるかを試してみる会社なんです。
だから、変なものをいっぱい作ってやろうと思っています。
だから、変なものをいっぱい作ってやろうと思っています。
さて、UZZでは、『愛よさらば』開発にあたり、2025年7月18日よりクラウドファンディングCampfireを開始することを発表している。“同志”として本作を応援してくれる絵師の方々に協力してもらったリターンも用意しているとのことだ。気になる方はチェックされたし。