『たまごっちのプチプチおみせっち おまちど~さま!』レビュー。おすしを握って、手裏剣を投げて。体験会でいち早くSwitch2のマウス操作に触れてみた!
 バンダイナムコエンターテインメントより2025年6月26日に発売されたNintendo Switch用ソフト『たまごっちのプチプチおみせっち おまちど~さま!』、Nintendo Switch 2用ソフト『たまごっちのプチプチおみせっち おまちど~さま! Nintendo Switch 2 Edition』。本作は、今年9月に20周年を迎える『たまごっちのプチプチおみせっち』シリーズの最新作だ。

 同シリーズは玩具の
『たまごっち』に登場するキャラクターたちと“おみせやさんごっこ”ができるゲームで、いまも根強い人気を誇っている。
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 今作では、プレイヤーは“たまひこタウン”に祝賀祭を招致する“しょーちいいんかい”の委員長として、おみせやさんをおてつだいしながら街を盛り上げていくことになる。街には、はいしゃさんからラップバトルやさんまで、ユニークな12店舗が建ち並び、Nintendo Switch 2 EditionにはJoy-Con 2のマウス操作で遊ぶ“かくれが”的な3つのおみせが追加されているらしく……? 今回、そんな本作にいち早く触れられるメディア向け体験会に参加できたので、その模様をお伝えしよう。
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思わず熱中してしまう“おみせやさん”のお手伝い

 『たまごっちのプチプチおみせっち』シリーズといえば、たまごっちといっしょに、さまざまなおみせやさんをおてつだいできるゲームが秀逸 、というイメージがあったが、最新作はこちらの期待を軽く超えていた。おみせやさんはもちろんのこと、舞台となる“たまひこタウン”を歩くのも楽しくて、ついついはしゃいでしまった。

 今回の体験会では、Switch版、Switch 2 Editionに共通して入っている12店舗のうちの6つのおみせと、Switch 2 Edition専用の3店舗のうち、2つを体験できた。
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 まずは、たまひこタウンの通りから“はいしゃさん”へ向かうことに。体験会では各店舗がすでにアップグレードされた状態で、建物も大きくなっているのだけど、それにしても店がデカい! 街自体もかなり広いので、写真では大きさが伝わりにくいかもしれないが、たまごっちの頭身に合わせたリアルなサイズ感が新鮮だった。

 それぞれのおみせやさんには店長のたまごっちがおり、彼らのおてつだいをしておきゃくさまを満足させることが目標となっている。ここからはおみせやさんごとに見どころをお届けしていこう。

はいしゃさん

 これまでのシリーズ作品でも人気を博したおみせ、はいしゃさんでは、プレイヤーは画面下にならぶアイコンから、ドリルやピンセットなど適した道具を選んで治療することになるのだが、これがけっこう忙しい。虫歯の原因である“むしばっち”をつまんで捕まえたり、口内に唾液が溜まってきたらバキュームしたり……。
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 初回プレイでは時間をかけすぎて、患者が耐えきれずに帰ってしまった。そこで、今度はふたり協力プレイで治療を分担することに。こちらのはいしゃさんのように、今作ではおみせによってはおすそわけでオフラインのふたりプレイが可能なのだ。協力プレイでは、「私は赤い歯磨き粉を持っている」、「俺は緑の歯磨き粉を持っている」などと、道具がどちらか一方にしかないこともある。それこそがポイントで、声を掛け合う場面が自然と生まれるのが楽しい。また、ふたりプレイ限定で登場する大きな“むしばっち”をふたりがかりで持ち上げるという協力アクションもあった。
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ガレットやさん

 そば粉のクレープであるガレット作りは、生地の粉選びから始まる。お客さんの注文の見た目を参考に決めるわけだが「黄色の小麦粉? いやもっと濃いカレー味?」など微妙な違いを見極めなければならない場合もある。
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 粉をボウルで塩などと混ぜ混ぜし、生地をプレートに注ぎ込んだら、クレープ屋さんでよく見る、トンボという憧れの道具で薄くのばしていく。
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 おつぎは具材を乗せるのだが、乗せる順番で見た目もちゃんと変わるというのが細かい。ただ、モタモタしていると生地が焦げてしまうので手早く畳んで、お皿に盛りつけなければならない。その後のトッピングはプレイヤーのアレンジの腕の見せどころで、具材の配置などにもこだわれる。
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 このおみせやさんでは細かい工程のすべてをプレイヤーが行うのではなく、サクッと自動で進む部分があったり、操作が複雑すぎないのがいいなと思った。それでいて、生地をのばすアクションや、トッピングなどやり応えを感じる部分もしっかりある。
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 ちなみに、本作ではたまごっちたちの言葉が合成音声で再生されるのだが、作業中に聞こえる「シオ」、「マゼマゼマゼ……」、「ホウレンソウ」といったボイスが妙にかわいくて耳に残った。

めがねやさん

 今回プレイしたおみせやさんの中で、もっとも歯応えを感じたのがめがねやさんだ。視力検査までは順調にいくのだが、レンズ削りは細心の注意を払っていても「あっ!」と枠線をはみ出して削りすぎてしまう。レンズを回しながら少しずつ削っていけばいいと、頭ではそう思っていても、時間に追われると一気にキワまで攻めたくなってしまうのだ……。
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 レンズを元に戻すことはできないので、お客さんにはガッタガタに隙間の空いためがねをかけてもらうことになるのだが、それでも喜んでくれるのが心苦しい。
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ようふくやさん

 本作のようふくやさんは、おきゃくさまの注文に合わせて型紙や生地を選んでいく、いわゆるイージーオーダーのおみせだ。しかし、ときには「ポケットをつなげてウサギの耳に!?」なんてアヴァンギャルドなオーダーも舞い込むのが、いかにも『おみせっち』シリーズらしい。
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 また今回、幸運にもたまごっち星でいちばん偉い王様、ごっち大王がご来店くださった。たまひこ王子の缶バッジで推しアピールをしてらしたのが印象深かった。
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パーソナルトレーニングやさん

 ちょっとイマドキなおみせのひとつ、パーソナルトレーニングやさんでは、トレーナーとして、おきゃくさまにとってエクササイズがちょうどいい強度になるようコントロールしてあげるというおてつだいが体験できる。鍛えたい部位によってバトルロープやトレッドミルなどが選ばれるのだが、いずれのマシンもLボタン、Rボタンの連打の頻度で調整を行う。
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 これだけならスムーズなのだが、そこにおきゃくさまの汗をふいてあげるというアクションが挟まれるのがミソ。ボタンを押すのは一瞬だけれど、ペースが乱れやすくなるのがいいアクセントになっている。

 トレーニング後、たまごっちの小さな腕や脚がわずかにムキッとすることや、そもそも店長のシャイクっちが手動でマシンを動作させていたりと「フフッ」と笑ってしまうポイントもあった。
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まんがやさん

 まんがやさんでは、「こういうまんがが読みたい」というおきゃくさまの要望に沿って、2~3コマのマンガを制作する。やはり時代はデジタル作画ということで、描画ツール上で人物や描き文字、集中線などの効果を選んで自由に構成していくのだが、いざオチをつけようとするとこれがけっこう難しい。

 おそらく、オーダーにあるたまごっちやアイテムが入ってさえいれば、おきゃくさまは満足してくれるのだろうけど、にわかに自分に芽生えた作家魂が「こんなんじゃ納得できない!」と邪魔して、なかなか仕上げられなかった。
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 なお、描画ツールで選べるイラストパターンは豊富だが、食べ物やスポーツなどのお題に合わせてあらかじめ絞り込まれている。これがもし、あらゆるイラストから選ぶとなると相当の時間がかかって、おきゃくさまを待たせてしまうだろう。これらパターンの選びやすさが、サクサク遊べる気軽さにもつながっている気がした。

新感覚のマウス操作が楽しい、かくれが的なおみせ

 たまひこタウンの裏路地にひっそりとたたずむ、しゅりけんやさんと、おすしやさん。いかにもツウが通うかくれが的おみせといった雰囲気だ。こちらのおみせやさんはJoy-Con 2 のマウス操作でプレイするということで、体験会のテーブルには広めのマウスパッドが敷かれていた。
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しゅりけんやさん

 ショーでおきゃくさまを楽しませるしゅりけんやさんでは、Joy-Con 2を片方の手の平に包んでスタンバイ。この状態で、もう片方の手でJoy-Con 2のマウスセンサーをシュッとこすると手裏剣が飛んでいくという。
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 いざ、ショーが開幕! つぎつぎに現れるマトにめがけてJoy-Con 2 をこすると、手裏剣が一直線に飛んでいく。この直観的な操作と、パカッとマトが割れる演出の相乗効果なのか、自分がまるで忍のような気がしてくる。テーブルに肘をつくことで、エイムがぐんと安定したことも功を奏したようだ。
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 また、扇子や風呂敷とともにマトが出てきたり、鎖を壊して千両箱開けるなど、ショーの演出にもバリエーションがあるのが楽しい。
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風呂敷を破いてしまうと、マトの落下が速まるといった細かい部分も作り込まれている

おすしやさん

 おすしやさんでは、画面上部のおしながきを確認したらシャリを取ってネタをつかみ、合わせてにぎるわけだが、Joy-Con 2をお寿司に見立てて握るという操作にすっかり夢中になってしまった。Joy-Con 2のマウスセンサー部分をテーブルに当てて滑らせながら画面上の手を動かし、R(L)ボタンとZR(ZL)ボタンでにぎるなんて初めてのことに少し慌ててしまったものの、「あ、この手の形、寿司職人さんもこんな持ちかたしてた!」と、勝手がわかってくると「もっとにぎりたい!」と欲が出てくるほどに。
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 しかし、実際のようにお寿司はにぎりすぎても、にぎらなすぎてもいけない。また、おきゃくさまによってサビ抜き、サビありが異なり、ネタを乗せてしまった後からワサビを追加することはできないなど、本格的な仕組みがリアリティーを底上げしてくれている。
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おきゃくさまは、注文とは別にガリやお茶を所望することもある

 今回の体験では、にぎりの注文のみだったが、調理台にはネギトロやウニらしきもの、七輪もあったので、軍艦巻きや炙りなどもできるのだろうか。

たまごっちたちと触れ合う、たまひこタウン

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 本作はおみせやさんと同じくらい、たまごっちたちとの交流も充実している。先述のように、たまひこタウンは広いのだが、そのあちこちでたまごっちが思い思いに過ごしている様子が見られるのだ。しかも、おみせに出入りするたびに、ランダムで登場するたまごっちや場所が変わるので、いつも新鮮な気持ちで街歩きを楽しめる。
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 また、セリフがピンク色のフキダシになっているたまごっちに話しかけると、かくれんぼなどの遊びや、その子の固有イベントが発生する。本作に登場するたまごっちは100以上で、それぞれに2種類の固有イベントがあるというから驚きだ。
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 ここからは、それらイベントの一部や、街で見つけたおもしろいモノをピックアップ。
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広場にはたまひこ王子が乗ってきたUFOのレプリカが展示されている。乗りたーい!
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ようふくやさんに並んでいるごっち大王を発見! おみせが人気になると外に行列ができるようになる。
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街には名所や、フォトスポットもたくさん用意されている。たまごっちたちもハイ、チーズ☆
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拠点となるマイハウスでは、街の発展ぶりを確認できたり、操作キャラクターとなる“ふくいいんちょー”を交代できる。さらにアロマディフューザーの香りを変えることもできるとか……!? 
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ふくいいんちょーに選んでいないたまごっちは、街に出現することがある。まめっち一家がピクニックをしていたり、みみっちがクラスメイトと授業を受けている場面は必見だ
 今回の体験会ではすべての店舗を体験できたわけではないけれど、それでも思った以上の充実感があり、さすがは『おみせっち』シリーズの最新作だなと実感できた。それと同時に、ナイトプールやさんや、ラップバトルやさんなど未知数のおみせはどんな感触なのか、ますます気になって仕方がない。

 また、もっと各おみせやさんを極めてみたいという気持ちにもなった。とくにSwitch 2 Edition専用のおすしやさんは、もっと流れるような所作でプレイできるようになりたい……! 

 まだまだNintendo Switch 2をゲットできていない人も多いと思うけれど(筆者もまだ応募中)、Switch版からSwitch 2 Editionへとアップグレードできる有償パスもあるので、まずは基本の12店舗が遊べるSwitch版をプレイしながら待つのがよさそうだ。