
2Dプラットフォームアクションゲーム『Neva』は、世界的に高い評価を受けた『GRIS』を手掛けたスペインのNOMADA Studioによる新作。日本時間の10月16日よりプレイステーション5/プレイステーション4/Xbox Series X|S/Nintendo Switch/PCで配信開始で、今回PCレビュー版をプレイしたので、その内容をご紹介しよう。(2024年10月16日午前10時45分追記: 対応機種にプレイステーション4を追加)
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ネヴァとの絆、そして大自然と巡りゆく季節の物語
このゲームの主人公は、雄大な自然に包まれた世界を旅していく女剣士のアルバと、タイトル名にもなっているオオカミのネヴァ。どうやらこの世界は黒いドロドロとした闇をまとった存在に侵食されているらしく、アルバとネヴァはその拡大を食い止めるために戦っているようなのだ。
ゲームは夏から春までの4つの季節をそのまま章立てとしており、アルバとネヴァが四季をまたいでくり広げていく冒険が、『GRIS』同様にセリフやテキストをほぼ使わず、壮大な情景描写とキャラクターたちのふるまいだけで展開されていく。
ゲームは夏から春までの4つの季節をそのまま章立てとしており、アルバとネヴァが四季をまたいでくり広げていく冒険が、『GRIS』同様にセリフやテキストをほぼ使わず、壮大な情景描写とキャラクターたちのふるまいだけで展開されていく。
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さて映像などを見ると、キャラクターのデザインなどからジブリの『もののけ姫』などの作品をイメージする人も多いだろうと思う。実際、クリアーまでプレイしてみてもその影響は確かに感じられる。
でも「ジブリに影響された」と謳うインディーゲームは山のようにあるが、本作のそれは単に見た目や雰囲気、自然保護的なテーマといったものの表面的な模倣に留まらない。美麗なイラストが動いているかのようなNOMADA Studioのアートと琴線に触れまくるBerlinistによるサウンドが、そこにオリジナル作品としてのしっかりとした説得力を与えている。
でも「ジブリに影響された」と謳うインディーゲームは山のようにあるが、本作のそれは単に見た目や雰囲気、自然保護的なテーマといったものの表面的な模倣に留まらない。美麗なイラストが動いているかのようなNOMADA Studioのアートと琴線に触れまくるBerlinistによるサウンドが、そこにオリジナル作品としてのしっかりとした説得力を与えている。
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ネヴァを思わず撫でたくなる!
ゲームとしての作りは2Dプラットフォームアクションゲームで、プレイヤーは基本的にアルバを操作することになる。パズルアクション的な側面もあり、主に自動で移動するネヴァとともに障害を乗り越え、敵と戦って先を目指すのだ。
正直、スタートの夏の段階ではネヴァは完全に仔オオカミなので、ミスってジャンプにビビっているのを励ましたり、蝶々や木の実などの周囲のモノに気を取られているのを引き戻したりしてフォローしてやらないといけない。ネヴァに声掛けしたり撫でたりするボタンを頻繁に押すことになるだろう。
正直、スタートの夏の段階ではネヴァは完全に仔オオカミなので、ミスってジャンプにビビっているのを励ましたり、蝶々や木の実などの周囲のモノに気を取られているのを引き戻したりしてフォローしてやらないといけない。ネヴァに声掛けしたり撫でたりするボタンを頻繁に押すことになるだろう。
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でも季節が変わるにつれ、この関係性が段々と変わっていくのがたまらない。雑魚敵程度は勝手に倒すようになったり、アルバを助けるアクションを習得したりして、ネヴァは徐々に探索や戦闘に欠かせない存在になっていくのだ。ゲーム的に撫でなくていい場面でも難所がひと段落するたびに撫でたくなる。
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また、成長に応じてネヴァへの声掛けも、最初は「ネヴァちゃん、そろそろ先に行きましょうね」とか「ネヴァ偉いね!」といったようなトーンの優しいものだったのが、やがて敵をくわえて離さないネヴァに「もう大丈夫だからね」となだめるような時期を経て、やがて戦闘中に「ネヴァ、今お願い!」と、ともに戦う相棒としてのそれになる。これらをすべて「ネヴァ~♪」「ネヴァ?」「ネヴァ!」といったようなトーンの違いだけで表現しているのもなかなかスゴい。
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しかしそういった中で、どうやらタダのオオカミではなく神秘的な力を持っていることがわかってくると、畏れのようなものを感じてちょっと複雑な気分になってきたりもするのがなかなかニクいところだ。
結構細かなジャンプアクションを要求される設計
ところで、アクティブな戦闘があることは移動アクションに特化していた『GRIS』との大きな違いだ。操作はボタン連打で出る三連コンボとジャンプと回避ぐらいでシンプル、さらに一定ヒットで体力が回復するシステムがあったり、そもそも1セクションが終わるたびに全回復できたりするのだが、雰囲気重視のインディーゲームとナメるのは危険かもしれない。
最初のうちは相手の攻撃を避けたら三連コンボを当てているだけでいいが、次第に二段ジャンプやドッジ(エアーダッシュ的にも使える)などの移動アクション、さらにマップギミックやネヴァの特殊アクションなどをフル活用して立ち回らなければいけなくなっていく。
最初のうちは相手の攻撃を避けたら三連コンボを当てているだけでいいが、次第に二段ジャンプやドッジ(エアーダッシュ的にも使える)などの移動アクション、さらにマップギミックやネヴァの特殊アクションなどをフル活用して立ち回らなければいけなくなっていく。
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またプラットフォームアクション自体の難度も『GRIS』から上がっている。ジャンプ→エアーダッシュ→ネヴァ発動で仕掛けを起動→二段目のジャンプで着地、みたいなことをやらされるのはザラだ。
しまいには鏡写しのように反転した像を見ながら戦わなければいけなくなったり、敵が移動パズルの謎解きのキーになったりもするので、「アクションが苦手だけど雰囲気と物語だけでも味わいたい」という人は、難度が下がって死亡もなくなる”ストーリーモード”でプレイするのを検討するといいだろう。
しまいには鏡写しのように反転した像を見ながら戦わなければいけなくなったり、敵が移動パズルの謎解きのキーになったりもするので、「アクションが苦手だけど雰囲気と物語だけでも味わいたい」という人は、難度が下がって死亡もなくなる”ストーリーモード”でプレイするのを検討するといいだろう。
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正直に言うと、『GRIS』からアクション要素がかなり強化されているのは、個人的にはほどよいやりごたえを感じつつも「このスタジオの強みはもうちょっと幅広い人にアプローチできる事なのに、ちょっと普通のアクションゲームに寄っちゃったのはいいことなのか?」と思わないでもない。
だが決して作品としての完成度が下がったわけではなく、むしろ表現の質は全体的に上がっていると思うし、ネヴァはかわいいし、ストーリーはエンディングまで満喫した。クリアーまではほどよくリトライをしつつ4時間前後といったところ。
ちなみにジャンプアクションが得意な人は、追加目標的な探索要素も用意されている。クリアーした章を後からロードし直すこともできるので、腕に自信があるならコンプリートを目指してみるといいだろう。
だが決して作品としての完成度が下がったわけではなく、むしろ表現の質は全体的に上がっていると思うし、ネヴァはかわいいし、ストーリーはエンディングまで満喫した。クリアーまではほどよくリトライをしつつ4時間前後といったところ。
ちなみにジャンプアクションが得意な人は、追加目標的な探索要素も用意されている。クリアーした章を後からロードし直すこともできるので、腕に自信があるならコンプリートを目指してみるといいだろう。
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