ユービーアイソフトが2024年8月30日に発売予定のオープンワールドアクションアドベンチャー『スター・ウォーズ 無法者たち』。2024年6月8日にアメリカ・ロサンゼルスにて開催されたデジタルイベント“Ubisoft Forward”の直後に、クリエイティブ・ディレクターのJulian Gerighty氏にインタビューを行った。
本作は、Lucasfilm Gamesの協力のもと『ディビジョン』シリーズのMassive Entertainmentが開発を手掛ける、『スター・ウォーズ』シリーズ初のオープンワールドゲーム。
映画『スター・ウォーズ エピソード5/帝国の逆襲』と『スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還』の中間にあたる時期の銀河の裏社会が描かれ、プレイヤーは悪党ケイ・ヴェスとなって相棒のニックスとともに、銀河でその名を轟かせていくことになる。
本作でクリエイティブ・ディレクターを務めるJulian Gerighty氏は、『ディビジョン2』でもアソシエイト・クリエイティブ・ディレクターを担当したMassive Entertainmentの重鎮。デモプレイや最新映像の公開を踏まえて気になるポイントについて聞いた。
――ケイの腰で撃つガンアクションがいいですね。おもな武器はブラスターと拳(近接攻撃)になるのでしょうか?
Julian
はい。ブラスターには拡張可能なモジュールがあり、さまざまな効果が得られます。デモでは、普通のブラスターのほかに、スタンショットという麻痺効果があったと思います。そして、イオンモードはシールドにもドロイドにも最適です。特定の壁や洞窟、洞窟の口などを破壊できる大きな爆発を発生させるモジュールもあります。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/7787/a4efdd2f969559e8b1c92e99f32ded48e.jpg?x=767)
――ケイのキャラクター性や振る舞いについて、同じく(元)アウトローのハン・ソロを意識した点はありますか?
Julian
共通しているのは、悪党であり、帝国やシンジケート、反乱軍のために働いているのではなく、完全な自由を手に入れようとしている姿勢だと思います。そしてケイやハン・ソロはアウトローたちによく知られている点です。しかし、彼女は完璧ではありません。ハン・ソロはとてもクールで、自身のことをとてもわかっています。ケイはそうではありません。彼女はつぎからつぎへと悪い状況に陥っています。あるときはジャバ・ザ・ハットの前で「ここで何をすればいいの?」と尋ねます。かっこいいふりをして、自信があるふりをして。そういった部分は、彼女をより親しみやすい人柄にしていると思います。
――ニックスがとてもかわいいですね。スター・ウォーズ作品といえば、ドロイドの相棒がよく出てきますが、本作では生き物にした理由はなんでしょうか?
Julian
いくつか理由があります。ひとつは、愛らしくて少し醜く、それでいて獰猛な相棒がいることで、プレイヤーとの間に感情的な絆を作れると思ったからです。これは非常に重要なことでした。ケイが「そこに何が見える?」とニックスに話しかけると、ニックスは周囲の環境を読み取ってプレイヤーに伝えます。それが探索のスタートになるのです。ほかの理由としては、ケイのサポートです。ケイはフォースも使えませんし、すごく長い腕を持っているわけでもないです。そうなるとニックスの出番です。ケイはニックスを使うことで、手の届かないところにある物にアクセスすることができるのです。
――副操縦士のND-5も、どんなドロイドなのか気になっています。
Julian
ND-5を含めて、主人公たちをトリオにしたかったのです。ケイとニックス、ND-5といったように。彼がケイを見つけたとき、ND-5は多かれ少なかれ彼女の“ベビーシッター”でしたが、ND-5は暗い過去を持つドロイドです。そのことをが垣間見えるようなルックスにしたかったので、背中を丸めていて、コートに身を包んだ姿にしました。昔ながらのタフガイみたいな感じもあり、神秘的な面も持ち合わせていて、それでいて少し怖いキャラクターになりました。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/7787/a3fb5ed13afe8714a7e5d13ee506003dd.jpg?x=767)
――タトゥイーンやキジーミのほかに『スター・ウォーズ』作品に登場する惑星や場所はありますか?
Julian
カント・バイトにも訪れることができます。ジャングルの惑星アキヴァは、小説『アフターマス』で登場した星です。また、私たちはLucasfilm Gamesと共同で、本作オリジナルの衛星、トーシャーラを制作しました。
――オープンワールドで再現されたモズアイズリーに感動しました。タトゥイーンだけでどれくらいの広さがあるのでしょうか?
Julian
タトゥイーンは広いですね。比較対象として『アサシン クリード』を例にします。『アサシン クリード』にはメインゾーンが20以上あると思いますが、本作におけるそれぞれの惑星は、それのふたつか3つ分のゾーンの広さで構成されていると考えてください。
――サルラックもいますか……?
Julian
(静かにうなずきながら)その中のひとつを見たかもしれません。
――惑星と惑星のあいだもシームレスにつながっているのでしょうか? スペースシップに乗っているときやハイパードライブの際にロードを挟むのでしょうか?
Julian
ロードを挟まず、すべてがシームレスに移り変わっていきます。つまり、惑星の地表から空へ、そして宇宙へ飛び出してハイパードライブを行い、別の月や惑星の軌道に近づいて着陸まで、完全にシームレスです。特定の地点へはファストトラベルができるようにもなっています。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/7787/af99687dd719c4e8bc6a39e946c3d9ef7.jpg?x=767)
――シンジケートはどのような存在ですか? 帝国とも反乱軍とも取引しているのでしょうか?
Julian
シンジケートは非常に重要な存在です。『スター・ウォーズ』のアンダーグラウンドはこのゲームのテーマです。たとえば、トーシャーラでは、帝国は腐敗しいるためシンジケートと協力関係にあります。しかしほかの場所ではそうではないこともあります。一方で、反乱軍もあなたの冒険に関わるかもしれないし、そうでないかもしれません。しかしシンジケートは、あなたが面と向かって接することになる人々です。
――特定のシンジケートと取引をすると、別のシンジケートに敵対することになりますか?
Julian
そうなります。メインクエストの多くにジレンマがあり、プレイヤーが選択を迫られます。ある情報を盗んだときに、ハットに渡すのかそれともパイクに売るのか。前者を選べば、ハットからの評判は上がりますが、パイクからの評判は下がります。このような“評判システム”によって各組織との関係が築かれていくのです。
――評判によるメリットとデメリットを教えてください。
Julian
すべての惑星には、評判のいい人物だけが入れる専用の場所があります。タトゥイーンにはそういう人しか招かれない屋敷があるかもしれません。忍び込むことはできますが、正面から行くことはできません。また、特別な宝物や収集品、ユニークなアイテムを扱う商人がいます。あなたが優れた評判の持ち主なら、その派閥だけの装備や、特定のステータスを得られることでしょう。このようなメリットは、いい関係を築くための動機になるかもしれません。反対に評判が悪ければ、追われる立場になってしまいます。彼らは暗殺者を送り込むことでしょう。
――バウンティハンターに追われることもあるのですか……?
Julian
(ゆっくりうなずく)
――デモではガンプレイやドッグファイト、マップ探索、ステルスといった要素が楽しめました。ほかにはどのような冒険要素がありますか?
Julian
スピーダーやトレイルブレイザー(船)などを使って、ぜひとも本作の世界をすみずみまで探索してほしいです。オープンワールドにはさまざまなスポットやサイドクエストがあります。メインのストーリーから横道に外れて、それらを探すのもいいでしょう。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/7787/a2de40e0d504f583cda7465979f958a98.jpg?x=767)
――映像ではケイがアーケードゲームで遊んでいる場面がありましたね。ほかにもミニゲームが用意されていますか? たとえば、サバック(カード)やデジャリック(ホロチェス)はプレイできますか?
Julian
サバックはプレイできます。私がいままで見た中で最高のサバックに仕上がっていると思います。そのほかについては、アーケードゲームにレース、ギャンブルがあって……デジャリックはないですね。またの機会に(笑)。
――とくに音楽がすばらしいと感じました。映画のような雰囲気に合わせて作っているのですか?
Julian
音楽は『スター・ウォーズ』に合うように作っていて、もちろんジョン・ウィリアムズの雰囲気もあります。しかし、本作では悪党であり無法者のケイに焦点を当てていますので、いろいろな要素が含まれています。『スター・ウォーズ』らしい音を膨らませていったことで、壮大なものに仕上がりました。オーケストラの演奏はすばらしかったと感じています。
――『スター・ウォーズ』を観たことがない人に、本作のおもしろさをどう伝えたいですか?
Julian
惑星から惑星へと飛び回り、宇宙船で敵を倒し、惑星に着陸して取引を行い、カードをプレイする宇宙海賊を想像してみてください。どうでしょう? 『スター・ウォーズ』が好きかどうかに関係なく、これはあなたのためのゲームです。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/7787/afac4ef5554f69012fe38d2f1d4e245a6.jpg?x=767)
――おそらく、ゲームの中には映画ファンにとってのサプライズがいろいろと仕込まれているのでしょうね?
Julian
はい、たくさんあります。モズアイズリーから砂漠をスピーダーで走るのは、映画のロケ地をバーチャル観光しているようなものです。これだけでも映画ファンにとっては大きいことでしょう。
――リリース後にシーズン制やDLCの配信予定はありますか?
Julian
シーズンパスがあります。これには、ND-5に関することも含む、さまざまな探索のための大きな追加ストーリー拡張コンテンツが2種類含まれています。
![[IMAGE]](https://cimg.kgl-systems.io/camion/files/famitsu/7787/a8e19540167df4c7d121c59b3cb1aa4b3.JPG?x=767)