
『テイルズ オブ ザ テンペスト』は『テイルズ オブ』シリーズ初のニンテンドーDS用ソフトとして発売されたタイトル。当時は据え置き機と携帯ゲーム機のふたつのメインストリームを作るという開発の狙いがあり、本作は「コンパクト化した『テイルズ』はどうなるのか」というアプローチで制作されています。クリアーまでのプレイ時間は10~15時間くらいで気軽に遊べつつも物語のスケールは壮大。タイトルもメジャー感を出すために“世界で起こりうる争乱”、“激しい出来事”という意味を込めて『テンペスト』となったそうです。
ストーリーは、“ヒト”と“レイモーン(獣人)”という種族間の対立と共存を描くというもの。主人公のカイウスが自身の出生の秘密を知り、差別や偏見に立ち向かいながら仲間との絆を深めていく過程は胸を打ちます。物語はスピーディーに進むので描写不足のように感じる部分もありますが、スーパーダッシュ文庫から発売された小説版は、キャラクターの掘り下げも丁寧なので機会があれば読んでみてください。プレミア化していて入手するのが難しかったりもするので、再販や電子版の配信などが行われるとうれしいですね。


パーティーキャラクターには、ヒトとレイモーンの民のハーフである主人公のカイウスと、彼の幼なじみで勝ち気な性格をしたヒロインのルビアが登場。さらに辺境の小国の王子であるティルキス、レイモーンの民である大男のフォレスト、教会の僧侶であるアーリアの3人が仲間として加わります。
敵キャラクターとしては、異端審問官のルキウスとロミー、黒騎士団の団長であるアルバート、ルキウスの父で教皇であるヴィンセント、国王であるアレウーラ8世が立ち塞がります。ネタバレになるため詳細は伏せますが、仮面で顔を覆っているルキウスはとても重要なキャラクター。後にソーシャルゲーム『テイルズ オブ ザ レイズ』では『テイルズ オブ ザ テンペスト』15周年アニバーサリー単独イベントでプレイアブル実装され、ファンを驚かせましたね。
『テイルズ オブ ザ テンペスト』は初のニンテンドーDSでの発売ということもあり、カートリッジの容量的な問題もあってボイスは少なかったもののカイウス役の高城元気さんやルビア役の門脇舞さん(現在は門脇舞以さん)、ルキウス役の斎賀みつきさんなど豪華声優陣が熱演していました。戦闘はボイス付きで展開するので迫力がありました。


そんな本作のバトルは“3on3-LMBS(スリーオンスリー・リニアモーションバトルシステム)”。複数ラインを切り替えながら戦う方式で、ニンテンドーDSのタッチスクリーンとダブルスクリーンを生かした設計が特徴でした。特技から必殺技、奥義へと強力な技につなげていくのが気持ちよかったですね。また、カイウスとフォレストはストーリーを進めることで獣人化が可能に。使用すると戦闘力が上がるため頼りになりました。
ニンテンドーDSの機能を生かしたシステムはシリーズおなじみの“料理”にも。タッチスクリーンを使って材料を切ったりかき混ぜたりするミニゲームが存在します。ミニゲームに失敗すると食材を失ってしまいますが、リアクションがおもしろいのでそれが観られるだけでも得した気分に(笑)。



同じくニンテンドーDSで発売された第2弾の『テイルズ オブ イノセンス』と第3弾の『テイルズ オブ ハーツ』はプレイステーション Vita(PS Vita)でリメイクされましたが、残念ながら本作はリメイクされていません。
現在、『テイルズ オブ』シリーズはリマスタープロジェクトが進行中で過去のさまざまなタイトルがリマスターされているので、本作も現行機で遊びやすくなってくれるとうれしいですね。

















