Aaron Keller(アーロン・ケラー)
『オーバーウォッチ』VP&ゲーム・ディレクター。
10年愛され続けた理由は、クラス最高峰のゲームプレイと希望に満ちた世界観
もうひとつは、私たちが作り上げた世界観です。『オーバーウォッチ』のユニバース、そこに住むヒーローたち、それらが象徴するすべてはすばらしいものだと私は信じています。近頃、ダークな世界観の作品も多くなっている中、『オーバーウォッチ』の世界は希望に満ちています。“戦う価値のある未来”というスローガンのもと、そんな世界を描いている点も、私たちが非常にユニークなポジションを築けている理由です。
そして、ここ数年で私たちがとくに注力してきたのは、コアプレイヤーへの配慮です。今年のように一度に5人のヒーローをリリースし、年間で10人を追加するといった大きなイベントだけでなく、ゲームに開発したシステムや質を向上させる改善も行っています。なぜなら、私たちはゲームをプレイしてくれているプレイヤーにとって、可能な限り最高の体験を提供したいからです。

つぎの大きな発表となるスポットライトイベントは2027年2月を予定していますので、ぜひ楽しみにしていてください。
――『オーバーウォッチ』はキャラクターそのものへのファンの愛着が非常に強いゲームですね。ゲームバランスと“そのヒーローらしさ”が衝突したとき、どちらを優先しますか?
競技性の高いゲームがバランスを大きく欠いてしまうと、“開発者はもはや慎重な管理者ではない”と見なされてしまいます。結局のところ、それが私たちの役割だからです。私たちはこのゲームを作りましたが、もはや私たちのものだけではありません。何年もこのゲームをプレイしてきたコミュニティが存在し、彼らが愛するこのゲームがあります。私たちが継続的にバランス調整を行い、可能な限り競技性を保つために最善を尽くしていることに対して、彼らが自信と信頼を持てるようにしたいのです。
幸いなことに、私たちの開発チームには非常に優秀でクリエイティブなスタッフが揃っています。そのためストーリー側はかなり柔軟で、ゲームプレイ上の変更に対しても魅力的なシナリオを生み出すことができます。
新ヒーローのドクトリンが好例ですね。彼は実際の吸血鬼ではありませんが、吸血鬼というファンタジーを体現したキャラクターです。『オーバーウォッチ』のヒーローデザインがもっとも成功するのは、ビジュアルや物語、そしてゲームプレイのすべてが噛み合い、プレイヤーが直感的にそのキャラクターの魅力を理解できた瞬間だと考えています。
私たちのチームは皆、ストーリーチームもゲームプレイチームも、非常に密に連携して作業しています。そのため、お互いに大きな影響を与え合っています。ドクトリンを吸血鬼の原型に沿って作ることを決めたとき、ファンタジーを追求するためにゲームプレイも一部変更されました。私たちが作る最高のヒーローというのは、物語、ビジュアル、そしてゲームプレイのすべてが、そのヒーローがどうあるべきかというファンタジーを支え合っているときだと思います。

とくに彼女の“ステルス”や“ハック”は、対戦相手にとってストレスや不快感の原因になりやすいアビリティでした。しかし同時に、これらは彼女の世界観やキャラクター性にとって不可欠な要素です。そのため、これまでのリワークでは彼女のアイデンティティを損なわないよう、これらのアビリティを残す方向で調整してきました。
ですが今回、彼女をサポートロールへと移行させることで、ステルスとハックの魅力を維持したまま、対戦相手のストレスを大幅に軽減することに成功しました。アルティメットでのハックもアビリティを阻害する形で残しつつ、よりよい対戦環境を実現しています。
私たちが期待しているのは、ソンブラのファンがサポートになっても“ソンブラらしさ”を感じてプレイできることです。もちろんまったく同じプレイフィールにはなり得ませんが、対戦相手にとってはフラストレーションが減り、味方チームにとっては彼女の貢献が可視化され、より心強い存在になると考えています。これまでは彼女が影で素晴らしい活躍をしていても味方から見えにくい場面がありましたが、これからはより一体感を持って戦えるはずです。

しかし、数百人規模の開発チームであっても、特定の国での暮らしや特定の生き方について、直接的な経験を持っていない場合があります。
そうしたテーマやヒーローを取り上げる際は、入念なリサーチと深い洞察が不可欠であり、非常に大きなタスクとなります。避けるわけではありませんが、『オーバーウォッチ』として正しい方法で表現しなければなりません。例としてライフウィーバーやベンチャーの開発時には、多くの専門家やコンサルタントを招き、繊細な部分まで細心を払って表現するよう努めました。
――アプリゲーム『Overwatch Rush』については進捗はいかがでしょうか? インドネシアやマレーシア、フィリピンではプレイ可能ですが、今後日本でプレイできる可能性はありますか?
――Netflixでの『ディアブロ』アニメ化が発表されましたが、『オーバーウォッチ』のアニメ化は……?
――そのときを楽しみにしています! 最後に、『オーバーウォッチ』が10周年を迎えた今、もっとも大切にしていることと、日本のファンへのメッセージをお願いします。
10周年という節目において、私自身エキサイティングに感じていることはたくさんあります。中でももっとも誇りに思っているのは、今年私たちが達成してきた数々の成果です。私たちは『オーバーウォッチ』史上最高の1年にするべく、チーム一丸となって限界に挑み続けてきました。そして今、まさにその熱気の中にいます。
もうひとつお伝えしたいのは、今年私たちは1年をかけた壮大なストーリー展開を行っているということです。この物語のフィナーレを飾る特別なシネマティックを準備中ですが、間違いなくすばらしい出来栄えになっています。ぜひ期待して待っていてください!

















