今日は『AC04』の誕生日だ。勝利をプレゼントしてくれ!


『エースコンバット』シリーズのジャンルは“フライトシューティング”。リアルに描かれた戦闘機に乗り、爽快感溢れるドッグファイトを堪能できる内容だ。2026年10月2日には最新作『エースコンバット8 ウイングス・オブ・シーヴ』(ACE8)が発売日を迎える。
それでいて、フライトシミュレーター寄りのリアルな路線ではなく、“ストレンジリアル”と呼ばれる架空の世界設定に舵を切った。世界各国の実在の航空機が編隊を組んだりドッグファイトをくり広げつつも、架空の国どうしによる“大陸戦争”が描かれる。じつに『エースコンバット』らしい作りだ。
なお、本作のストーリーや世界設定について話すと非常に長くなってしまう。公式チャンネルの“ナゲッツの「エースコンバット」世界史解説-大陸戦争篇 (AC04)”を参照してほしい。



筆者はそれまでシリーズ作にはほとんど触れておらず(シリーズのルーツとなるアーケードゲーム『エアーコンバット』を少し遊んだくらい)、ファミ通の記事を書くために『AC04』をプレイしたのが実質的に初の『エースコンバット』体験となった。
当時の筆者は航空機の知識がほぼ皆無で、フライトシミュレーターもあまり触れてこなかったため恐る恐るプレイを始めたのだが、すぐにすんなり操縦できるようになった。というのも、“機体を右か左に90度ロールさせてピッチアップすれば旋回”という点だけ覚えたら、あとは自由自在に飛べるようになったからだ。実在の戦闘機やシミュレーターならこんな簡単にはいかない。さすが“フライトシューティング”を謳うだけはある。


序盤のミッションで戦いかたのコツを身に付け、本作の象徴であるミッション8“ソラノカケラ(SHATTERED SKIES)”にたどり着いたころにはすっかり本作の虜になっていた。本ミッションは“コモナ宇宙基地”を防衛するという内容で、登場する敵は航空機のみ。ちょうど操作に慣れたころでのドッグファイトに特化したミッションが用意されるというのは、とてもいい塩梅だ。余談だが、筆者はこのミッションのBGMがめちゃくちゃ好き。
つぎからつぎへと敵機を撃墜。敵のエース部隊“黄色中隊”も退け、“コモナ宇宙基地”を守り切ったことで自分自身の腕の上達を実感。その過程で「黄色が煙を噴いている! 誰がやったんだ?」(味方の無線)、「いま俺を撃ったヤツを確認してくれ」(敵の無線)と敵味方入り乱れた無線会話が飛び交うことに新鮮な感覚を覚えた。味方から称えられ敵から畏怖される演出が、とてもいい気分にさせてくれた。

さらに武功を立て続け、最終ミッションにたどり着いたころ、プレイヤーは自機と同じリボンのエンブレムをあしらった“メビウス隊”を率いるまでに成長。対して、黄色中隊のエースたちを失いすっかり弱体化した敵軍は「たいへんだ! 敵は全部リボン付きだ」としどろもどろに。そんな敵味方の無線会話を聞いていると、得も言われぬカタルシスが感じられた。
こうした英雄体験は、のちのシリーズ作にも受け継がれていくことになる。


ミッション幕間に用意されている、ストーリーの見せかたもおもしろい。イラストと語り(いわゆる紙芝居的な演出)によって物語が進んでいくのだが、中立国“サンサルバシオン”に住む少年の視点で描かれる。しかもその少年が目にするのはプレイヤーではなく、敵である“黄色中隊”の面々。
プレイヤーの活躍で物語が進行するほど、黄色中隊は仲間を失い敗走を重ねていく。爽快なドッグファイトの裏側で、戦争とは何かを考えさせられる重厚なテーマが用意されていることに驚かされた。
ちなみに、本作の演出・脚本を手掛けたのは、アニメ『BLACK LAGOON』や映画『この世界の片隅に』で知られる片渕須直監督。監督はその後のシリーズ作もいくつか手掛け、最新作『ACE8』でも脚本を担当している。

登場する架空兵器の話もしておこう。『エースコンバット』シリーズには架空のトンデモ兵器が毎作登場するのだが、『AC04』の“ストーンヘンジ”はとくにインパクトが大きかった。
これはもともとは兵器ではなく、地上に落ちて来る小惑星を迎撃するために作られた超大型砲台だったのが軍事利用されるようになったというシロモノ。列車砲なんか目じゃないデカさの砲台が8基も設置されている光景を見たとき、衝撃を通り越して神々しさすら感じた方も多いのではないだろうか。
ちなみにストーンヘンジは『エースコンバット7』で再登場を果たす。そちらでは敵ではなく、守るべき対象という立場なのがおもしろい。


とはいえ、のちのナンバリング作品は“ストレンジリアル”の世界を共有している。もし、最新作『ACE8』の作中で『AC04』の舞台の一部を見かけることがあったら、「過去にこの場所で別の戦いがあったんだ」くらいに感じていただきたい。

















