『ブルーリフレクション カルテット』発売から約2ヵ月が経過したいま、岸田メル氏と開発チームに『燦』再構築や10年目の集大成を改めて聞く

『ブルーリフレクション カルテット』発売から約2ヵ月が経過したいま、岸田メル氏と開発チームに『燦』再構築や10年目の集大成を改めて聞く
 コーエーテクモゲームスから2026年7月30日に発売されたNintendo Switch 2、Nintendo Switch、プレイステーション5(PS5)、PC(Steam)用ソフト『BLUE REFLECTION Quartet: 少女たちのキセキ』(以下、『ブルリフ カルテット』)。
広告
共通パーツ画像
 本作には、下記のシリーズ4作品を収録。
  • 『BLUE REFLECTION 幻に舞う少女の剣』(以下、『幻』)
  • 『BLUE REFLECTION RAY/澪』(以下、『澪』)
  • 『BLUE REFLECTION SUN/燦』(以下、『燦』)
  • 『BLUE REFLECTION TIE/帝』(以下、『帝』)
 さらに、キャラクター相関図やフローチャートなどを確認できるデータベース“REFERENCE”や関連イラストを閲覧できる“GALLERY”機能も搭載されている。

 ファミ通.comでは、発売からおよそ2ヵ月が経ったこのタイミングで、開発チームとキャラクターデザイン・シリーズ総監修を務める岸田メル氏にインタビューを実施。『燦』の家庭用ゲーム向け再構築、8名の追加参戦、“REFERENCE”の制作など、4作品を1本にまとめた舞台裏を聞いた。

岸田メル 氏(きしだ める)

イラストレーター。『アーランド』シリーズのキャラクターデザイン、テレビアニメ『BLUE REFLECTION RAY/澪』のキャラクター原案などを手掛ける。『BLUE REFLECTION』シリーズには企画段階から参加し、全作品でキャラクターデザイン・総監修を担当。本作でも監修やパッケージイラストを手掛けた。(文中は岸田)

『ブルリフ』10年目に4作品を1本へ。高速化・イベントスキップも導入

――『ブルリフ』シリーズ4作品を1本にまとめる今回の企画は、どのような経緯から生まれたのか改めてうかがいます。制作が決まったとき、岸田さんはどのように受け止めましたか?

岸田
 『燦』がサービス終了した時点で、『ブルリフ』の新しい展開は難しいのかなあと思っていたので、率直にうれしかったです。プレイヤーの方と同じ気持ちかもしれませんね。

――高速化やイベントスキップなど、プレイアビリティの向上が図られています。これらの機能を入れた狙いや、原作からバランスを調整した部分はありますか?

ガスト開発チーム 『ブルリフ 帝』が発売された2021年当時と現在を比べると、ユーザーがゲームプレイに求める快適性の水準は大きく高まっていると感じています。本シリーズの魅力的なキャラクターや世界観をストレスなく楽しんでいただくためには、快適性の確保はマストだと考えました。バランスについては基本的に原作を尊重し、当時のままとしています。
『ブルリフ カルテット』アニメ『澪』再構成&8名追加参戦の開発秘話。発売から1ヵ月あまりが経過したいま、岸田メル氏と開発チームに『燦』再構築や10年目の集大成を改めて聞く

『澪』は全24話からシナリオを再編集。『燦』は『帝』ベースでメインストーリーを再構築

――『澪』のストーリーを再編集し、主要キャラクターを3Dモデル化してゲームとして遊べるようになっています。アニメ映像の完全再現ではなく、“3Dゲーム”として再構築するにあたって、もっとも苦労した部分はどこでしょうか?

ガスト開発チーム もっとも苦労した部分は“シナリオの再編集”です。本作の『澪』と『燦』は、“複雑すぎる『ブルリフ』シリーズの世界観をわかりやすくする”という大きな目的を達成するために、原作のシナリオを再構成してゲーム化しております。テレビアニメ版は2クール全24話とボリュームがあったため、その中からどこをピックアップし、どういった流れでゲームに落とし込むかという点が非常に難航しました。
『ブルリフ カルテット』アニメ『澪』再構成&8名追加参戦の開発秘話。発売から1ヵ月あまりが経過したいま、岸田メル氏と開発チームに『燦』再構築や10年目の集大成を改めて聞く
――3D化されたキャラクターのモーションや、新規追加されたプロローグ・エピローグ、ショートストーリーについて、とくにこだわった部分や、ファンに見てほしいところを教えてください。

岸田
 瑠夏が新規モデルなので、『澪』を気に入ってくださっている方には、陽桜莉と手をつないで移動するシーンを味わっていただけたらと……! プロローグ、エピローグについては、『ブルリフ』シリーズをひと連なりでわかりやすく理解できるようになっています。新規イラストもぜひ楽しんでください。
『ブルリフ カルテット』アニメ『澪』再構成&8名追加参戦の開発秘話。発売から1ヵ月あまりが経過したいま、岸田メル氏と開発チームに『燦』再構築や10年目の集大成を改めて聞く
――スマホ/PC向けだった『燦』を家庭用ゲームとして再構成する際、バトルや育成システムを大きく調整されていますが、『帝』のシステムに寄せた狙いをうかがえますか?

ガスト開発チーム 『燦』のバトルシステムを検討している最中に、『帝』でも全キャラクターをプレイアブルにしようという大胆な起案が開発内でありました。『燦』のバトルの雰囲気を壊さないよう留意しつつ、各要素を整理し、『帝』のバトルシステムとの共通化を図りました。

――サービス終了で遊べなくなっていた『燦』の物語を、家庭用ゲームとして再構築し、手元に残せる形にしたことへの思いをうかがえますか?

岸田
 シリーズがいろいろな形で展開できた反面、トータルで世界観を味わいにくくなっていた部分もあったので、それが1本のソフトとして表現できることはとてもうれしく思っています。初めての方にとってはとっつきやすくなりますし、以前からシリーズを応援してくださっている方にとっては振り返りやすくなっているので、こういった形でまとめることができて、よかったなと。
『ブルリフ カルテット』アニメ『澪』再構成&8名追加参戦の開発秘話。発売から1ヵ月あまりが経過したいま、岸田メル氏と開発チームに『燦』再構築や10年目の集大成を改めて聞く

『澪』、『燦』から8名が追加参戦。瑠夏は“月/湖”をモチーフに調整

――『澪』、『燦』から8名の少女が追加参戦し、『帝』では異なる作品の少女たちが一堂に会する夢の共演となりました。キャラクターどうしの掛け合いやフォトモードでの注目ポイントはどのあたりでしょうか?

ガスト開発チーム 『帝』での追加キャラクターにイベントなどはないのですが、戦闘での組み合わせや、フォトモードでの妄想(?)をぜひ楽しんでいただけたらと思います。
『ブルリフ カルテット』アニメ『澪』再構成&8名追加参戦の開発秘話。発売から1ヵ月あまりが経過したいま、岸田メル氏と開発チームに『燦』再構築や10年目の集大成を改めて聞く
――8名の追加キャラたちの性能や技演出の調整で、力を入れたポイントを教えてください。

ガスト開発チーム 『燦』のメンバーについては、原作を尊重しつつ演出などを調整しています。システムこそ違いますが、演出などを可能な限り再現することで、プレイヤーの皆さまに当時の『燦』の思い出を呼び起こしていただきたいという思いがありました。『澪』の瑠夏についてはキャラクター性をしっかり出しつつ、本作の戦闘システムになじむようにデザインしました。スキル名は、相棒の陽桜莉が“太陽/光”といった明るい要素で構成されていますので、それと対になるように“月/湖”といった静けさを感じられる要素で構成しています。
『ブルリフ カルテット』アニメ『澪』再構成&8名追加参戦の開発秘話。発売から1ヵ月あまりが経過したいま、岸田メル氏と開発チームに『燦』再構築や10年目の集大成を改めて聞く

“REFERENCE”は膨大な設定を整理。相関図の見やすさを徹底調整

――時系列のフローチャートや相関図が見られる“REFERENCE”、イラストを鑑賞できる“GALLERY”なども新たに用意されていました。“REFERENCE”の制作では、どのような点に苦労されましたか。

ガスト開発チーム 制作過程の資料も存在するため、まずどれが正確な情報なのか、どこまでをピックアップし、どの関係性を取り上げたるのかなど、膨大な情報を整理するのにかなり時間を要しました。見た目に関しても、とくにキャラクター相関図はいかに見やすく整えるか、試行錯誤を幾度となく重ね、ようやく現在の形に落ち着きました。
『ブルリフ カルテット』アニメ『澪』再構成&8名追加参戦の開発秘話。発売から1ヵ月あまりが経過したいま、岸田メル氏と開発チームに『燦』再構築や10年目の集大成を改めて聞く『ブルリフ カルテット』アニメ『澪』再構成&8名追加参戦の開発秘話。発売から1ヵ月あまりが経過したいま、岸田メル氏と開発チームに『燦』再構築や10年目の集大成を改めて聞く

新規歌曲は水野マリナさんを起用。シリーズ10年目に語る“雰囲気”へのこだわり

――『ブルリフ カルテット』として4作品をまとめたタイトルを制作するにあたり、岸田メルさんとのやり取りで印象深かったエピソードがあればお聞かせください。
ガスト開発チーム 本作は原作の移植と再構築というところで、基本的には開発側で制作したものをご監修いただく流れでした。歌曲に関しては新規制作ということで、楽曲の雰囲気や歌い手さんの声質など、いろいろとご意見をいただきました。とくに声質に関してはサンプルをご提案いただきつつ選考を重ね、最終的に水野マリナさんが「イメージ通り!」となりました。曲と歌詞も含め、シリーズの集大成としてふさわしい、非常によい曲を作っていただけたと思っています。

――『ブルリフ』というプロジェクト全体を振り返り、開発チームからいま改めてファンに伝えたいメッセージはありますか?

ガスト開発チーム 『幻』の発売から10年目となる今年、集大成として『カルテット』を発売することができました。発売後、たくさんの方がプレイしてくださり、私たちもその感想を読ませていただいて、本当にありがたく思っています。原作の展開時に時系列が前後するなど、わかりにくくなりがちだった部分も含め、このシリーズの世界観をより理解しやすくして、いま一度楽しんでいただきたい。まだ触れていない皆様にも新たに興味を持っていただきたい。そんな思いもあり、バラバラの単品ではなく、4本を1本にまとめるという形で制作いたしました。岸田メルさんがデザインしたたくさんの魅力的な少女たちの青春を、原作の発売当時からシリーズを追ってくださっている方にも、これから初めて『ブルリフ』に触れる方にも、ぜひいっしょに体験し、見届けていただけたらうれしいです。

――最後に、岸田さんご自身は、『ブルリフ』シリーズでどのようなものを表現してきたと感じていますか?

岸田
 『ブルリフ』で表現してきたものを、改めて何かひとつのメッセージとして言葉で説明するよりも、作品を通して感じていただくものなのかな、と思っています。総監修の僕は、決して悪い意味ではなく『ブルリフ』のことを“雰囲気ゲー”だと思っていて、その“雰囲気”を作るために骨身を惜しまずに頑張りました。思い返せば、いちばん初めに企画を立ち上げたとき、独特な雰囲気のゲームが作りたいというところからスタートしているので、そういった意味では目的が達成できたのではないかと感じています。ぜひ、『ブルリフ』にしかないその“雰囲気”をあらためて体験していただけたらと思います。そして、そんな『ブルリフ』の空気を愛してくださっている皆さま、本当にありがとうございます!
『ブルリフ カルテット』アニメ『澪』再構成&8名追加参戦の開発秘話。発売から1ヵ月あまりが経過したいま、岸田メル氏と開発チームに『燦』再構築や10年目の集大成を改めて聞く『ブルリフ カルテット』アニメ『澪』再構成&8名追加参戦の開発秘話。発売から1ヵ月あまりが経過したいま、岸田メル氏と開発チームに『燦』再構築や10年目の集大成を改めて聞く『ブルリフ カルテット』アニメ『澪』再構成&8名追加参戦の開発秘話。発売から1ヵ月あまりが経過したいま、岸田メル氏と開発チームに『燦』再構築や10年目の集大成を改めて聞く『ブルリフ カルテット』アニメ『澪』再構成&8名追加参戦の開発秘話。発売から1ヵ月あまりが経過したいま、岸田メル氏と開発チームに『燦』再構築や10年目の集大成を改めて聞く
      この記事を共有

      本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

      週刊ファミ通最新刊
      週刊ファミ通表紙
      購入する
      ebtenamazon
      電子版を購入
      bookWalker

      特集・連載