おおよく来たな、冒険者のダンナ。ウチの自慢の酒と料理をたっぷり楽しんでいってくれ。寝床が必要なら奥に部屋もあるよ。ところでアンタ、ちょっとしたモンスター討伐のクエストに興味はないかい?
『Dungeons and Dragons: Long Rest Tavern』は、そんなファンタジー世界の酒場兼宿屋のオヤジ(またはおかみさん)になるゲームだ。2027年にPCで配信予定の本作のプレビュー版デモをプレイしたので、その内容をご紹介しよう。
基本はファンタジー酒場の経営シム
さて本作、基本的には酒場の経営シミュレーションゲームのようなものだと考えるとわかりやすいと思う。昼の間に素材から料理と飲み物を用意して、準備ができたら夜の営業の始まり。一日の冒険を終えたパーティたちがお客としてやってきて、用意したメニューから飲み食いしてお金を落としていってくれる。
しかしお客にはそれぞれ好みがあり、エール(ビール)と山盛りの肉があれば万事解決……というわけにはいかない。ソフトドリンクや気の利いたサイドディッシュが欲しい冒険者だっているし、上位レベルのパーティともなれば貧相な装飾では気分を害してしまうこともある。なので新たな食材による新メニュー開拓や内装工事も欠かせない。
もうそれだけでもずっとちまちまやっちゃうぐらい楽しい! だけどキモは本作があの『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(以下、D&D)のライセンス作品であるということ。なんというか世界設定とかのバックボーンに一本ビシッと背筋が通るみたいな所がある。脳内で「そろそろジャイアントクラブ・テンプラの季節かしらねぇ……あらやだ、バター切らしてたわ」ってムダにロールプレイしちゃう。

冒険者たちがランダムにやってきて、店にあるものから注文していく。好みのものがないと低評価に繋がるので、メニューの幅は広く持ちたい。

ドラゴンの頭とか飾って気分を出していこう。

料理や飲み物の仕込みは事前にやっておく方式。レシピを選んで素材アイテムを調理施設にセットすればオーケー。
ダイス片手に冒険だ!(昨日泊まった客がね)
そのD&Dの世界観が特に活かされているのが、宿を気に入って前夜に泊まったパーティを食材獲得のためのクエストに送り出せるというシステムだ。
テーブルトークRPG原作らしく、各クエストの成否はダイスロールで判定される。ダイスは1D20(※20面ダイスを1個投げる)で、出た目とパーティ構成と各メンバーの特性によるボーナスを足し、クエスト難度の値を超えたら成功。
でもダイスロールということは、「アウルベアは難度22だけどこのパーティはボーナスが10あるからいけんじゃない? よし、今晩はアウルベア料理だな!」と、取らぬアウルベアの肉算用をしていると”3”が出たりもする。でも「えー」とか言いながら代わりのメニューを考えるのもまた楽しい……。

宿泊パーティリストからどのパーティをどのクエストに送り込むか、それが宿屋の亭主としての腕の見せどころ。さぁ頑張ってもらいますよ、お客さんたち……ヒッヒッヒ。

D&Dとはちょっと違うルールを採用していて、大幅に上回って大成功すればモンスター食材がもりもり、ちょい足りなくても部分的成功でも食材を少し得られ、全然足りないと失敗でなんもなしな上、「あそこの宿でひでぇ目にあったぜ」とばかりに評判にも影響する、という具合。特定条件ではダイスを2個投げて大きい方の目が選択されるシステムも。
地味に遊んじゃいそうな良作の予感
ちょっと気になったのは、プレイした範囲では余った料理と飲み物が腐ったりはしなさそうなところ。ストックが倉庫を圧迫したりもしないので、とにかく作ってストックを溜めておくプレイができてしまう(というかそれが安牌)。
ずっと同じメニューを並べていると魅力値が下がっていくので適度にメニューを入れ替えていくんだけど、作り足してストックにあった料理を出す時はロールプレイとしてちょっと申し訳なくなったりもする。まぁガチガチに鮮度が決まってるのもめんどくさそうなので理解はできるのだが、とにかくそういうシステムのゲームということは理解しておくといいだろう。

調理用の施設を整備して、とりあえずガンガン料理作っちゃうのもアリ。
それ以外の部分では、ゲームを進めていくとNPCのライバルが出てきたり、ボーナスアイテムの錬金や素材の栽培など素材の入手・活用法を広げる新しいシステムが出てきたり、一方でスタッフの昇給や昇進、ボーナス能力の選択があったりと、なかなかじっくり遊べそう。

スタッフには向き不向きがあり、Perk的なボーナス効果も持つ。昇給を避けるためにあえて成長を遅らせる能力を取ることもできる。ヒドい!
ちなみに今回プレス向けに公開されたデモは「1時間程度の内容」と説明されていたのだが、気付けば5時間を超えて延々とプレイしてしまった。キーアートには本作と同じくD&Dを原作とするRPG『バルダーズゲート』シリーズでおなじみのミンスク&ブーのコンビも登場しており、この先どうなるのか楽しそうだ。
現状ではローカライズ言語に日本語が含まれていないのがちょっと残念だが、気になる人は「日本にもファンいるよ!」のアピールを込めてSteamのウィッシュリストに登録してみてはいかがだろうか。