2026年9月4日に発売予定の『鬼武者 Way of the Sword』。リリース日が目前に迫る中、ひと足先に製品版相当のバージョンを遊ばせていただけたので、たっぷりとレビューしていく。 シリーズ最新作ではあるが、物語的なつながりはなく予習は不要。万人に強くおすすめできる、和の王道アクションゲームだった。コレはおもしろい!

紫式部も登場する、“いとあはれ”な物語
簡単に本作や『鬼武者』シリーズについて解説
『鬼武者』シリーズは、これぞカプコンという大胆な味付けで歴史上の人物が活躍する剣戟アクション。2026年1月末に25周年を迎えたが、じつはメインタイトルの新作が発売されるのは約20年ぶり。

待ちに待った完全新作! ちなみに、『鬼武者』と『鬼武者2』は、リマスター版が発売済み。
主人公は宮本武蔵。フェイスモデルは三船敏郎氏!
これまで、『鬼武者』シリーズでは、金城武氏、松田優作氏、ジャン・レノ氏といった名優が主役に起用されてきた。本作の主人公は、伝説の剣豪である宮本武蔵。フェイスモデルとして、昭和のサムライスターである三船敏郎氏に白羽の矢が立った。

ちょっと抜けた表情を見せることもある、若武者の武蔵とベストマッチ。
物語はゼロからのスタート。本作から入ってオーケー
久しぶりの新作ということもあり、物語は従来作とまったくつながりがない。一方で、主人公が身につける鬼の篭手、敵勢力の幻魔といった世界観を象徴するキーワードは引き続き登場。これらがどういった役割を果たすのか、シリーズファンも新鮮な気持ちで楽しめる。

シリーズの代名詞でもあったシステム“一閃”は、もちろん本作にも登場。過去作の“バッサリ感”のキャッチフレーズを覚えている方も多いハズ。
どのキャラクターも味が濃くて最高
「まずはアクションの感想から」と言いたいところだが、キャラクターの人間性やドラマの部分もたいへんおもしろかったので、最初にそちらについて語っていきたい。

主人公の宮本武蔵は、あることをきっかけに鬼の篭手を身につけ、幻魔と戦うことになる。鬼の篭手には、鬼の佳人という美女が宿っており、彼女に導かれて小野篁、出雲阿国らと知り合う、というのが本作のプロローグ。


ネタバレは避けたいので言葉は選ばせていただくが、幻魔との戦いを描く本作の物語は、剣の道を追求する武蔵の成長譚でもある。武蔵と仲間、ライバルである佐々木巌流、そして幻魔を率いる者たちの濃密なドラマからは目が離せなかった。

鬼の佳人(声:遠藤綾)がずっと篭手から応援してくれてうれしい
鬼の佳人は、基本的に篭手の中から周囲の様子を見ており、ある意味では武蔵とは一心同体。幻魔との戦いが始まると「お気をつけて」、「ご武運を」と言ってくれたり、一閃を決めたら「お見事!」と褒めてくれたりする。

遠藤綾さんのファンということもあるが、とにかくモチベーションが上がる。
単身で幻魔に挑む武蔵(プレイヤー)だが、鬼の佳人がつねに見守ってくれているというのは、とても心強い。「鬼の佳人が応援してくれるし、がんばるぞ!」という気持ちにすらなる。

「そうだ 京都、行こう」的な側面も
本作のおもな舞台は京都で、体験版でも訪れられる清水寺を筆頭に、六道珍皇寺や安井金比羅宮など、現存する多くの名所も登場する。加えて、作中では京都にまつわる伝承、物語などをモチーフにした要素も多く用意。そういった読み物を集める寄り道要素もある。

事前のメディアツアーでは、京都の街を案内していただけた。その模様は発売後に公開予定。
幸い、筆者は修学旅行でも京都に行ったことがあったので、見覚えのある地名や施設名も多く、ゲーム内でその場所を訪れるだけでもうれしくなる。大胆に脚色されている部分もあるが、登場人物も含めて日本の文化や歴史に改めて触れられる点も、本作の魅力のひとつと言える。

攻めと受け、どちらも気持ちいいからクセになる
近年、多くのアクションゲームに標準搭載されている感のあるジャスト回避、パリィの気持ちよさは、多くの方が味わったことがあると思う。敵の攻撃を華麗にいなして反撃する、というのはとても爽快だ。
本作の剣戟アクションでもジャストアクションは重要なファクターではある。ただ、幻魔と斬り合っていると、ジャストアクション頼みではない、『鬼武者』らしいカプコンならではのこだわりに気づかされる。

本作にも、おおよそみなさんが想像するであろうジャスト系のアクションは搭載。そちらについては、システマチックな解説になるのでのちほど。
すさまじい進化を遂げた“バッサリ感”
キャッチーなので、つい記事でも多用してしまう“バッサリ感”というフレーズ。25年が経ったいまでも、『鬼武者』に期待されるのはこの唯一無二の爽快感。開発チームの方々も、新作でそれをどう表現するか苦心されたと思う。

本作では、その答えが存分に堪能できる。まずは、究極のカウンター技である“一閃”や敵をひるませた後の“崩し一閃”。煌めく剣筋とともに幻魔をスッと両断する手応えのよさは、ほかでは味わえない。

敵のリアクションとサウンドが“受け”の快感を増幅
受け流し(ジャスト防御)に成功した際の演出も気持ちがいい。個人的には一閃よりもこちらのほうが気持ちよさでは上と言っても過言ではない。武蔵が刀で相手の攻撃を受け止めつつ、ねっとりとした演出とともにいなしていく。その様子は、アクションゲームの醍醐味である、臨機応変に対応できたときの達成感を存分に味わわせてくれる。

スローモーションになる演出や武器と武器がこすれ合う音も気持ちいい。
背後からの攻撃を受け流した際も、瞬時に武蔵が敵のほうへ向き直るのではなく、背後に刀を伸ばし、そのまま前方へ受け流すなど、モーションの豊富さにも驚かされる。何気なく遊んでいると気づきにくいが、あらゆる場面で武蔵も敵も自然な動きを見せてくれる点にも注目していただきたい。

攻撃を受け流された敵が手を止めずに再度攻撃しようとしてくることがある。敵の動きから「あ、まだ攻撃がくるな」と初見でも察せることがあるのはすごい。
考える時間も与えてくれる豊富な駆け引き
武蔵も幻魔も、ゲームの進行に合わせてアクションの幅が広がってくる。つねに一閃や受け流し、弾きなどのジャストアクションを意識して立ち回るのは集中力の維持がたいへんだ。
しかし、本作には“鍔迫り合い”や“相子剣戟”といった、タイミング重視ではない駆け引きも用意されているほか、崩し一閃時に攻撃部位を選ぶ猶予があるなど、適度に脳を休める間も設けてくれている。テンポを損なうことなく、緊迫感のある長時間の戦闘を楽しめるわけだ。

鍔迫り合いや相子剣戟などのシステムについては後ほどご紹介。
倒し方にもこだわりたくなるボス戦
遊んでいてもっとも楽しかったのが、ゲームの節目で発生するボスとの戦い。こちらは記事冒頭の動画を見ていただくのが早いが、ボス側の攻撃手段が多彩で、どう対処すればいいかを考えながら立ち回るのがとにかく楽しい。


いわゆる死にゲーではないので、初見で勝てるボスもいた。しかし、泥臭く勝つよりも“あの攻撃を受け流してみたい”、“掴み返しを成功させたい”という欲求が湧いてくるのがおもしろいところ。筆者はあえてトドメを刺さずに負け、リトライで連戦したりもしていたが、本作には鍛錬の間というボスとの再戦ができる場所もあるのでご安心を。

アクション紹介(攻撃編)
さて、ここまで一閃や掴み返しなど、本作のアクションシステムについて解説せずに感想を述べてきたので、攻撃編、受け編、鬼武者の力編に分けてアクションを紹介していく。
片手攻撃・両手攻撃
攻めの起点となる通常攻撃。片手攻撃のほうが動作が機敏で当てやすいが、威力は両手攻撃のほうが上。ボタンを連打すると連続攻撃ができ、片手攻撃と両手攻撃のコンビネーションも可能。

一閃
攻撃を受ける直前に、片手攻撃、もしくは両手攻撃ボタンを押すと発動するカウンター技。ダメージはすさまじいが、タイミングがとてもシビアで、失敗すると攻撃を受けるリスクがある。

連鎖一閃(要能力強化)
一閃に成功した際、カウンターの斬りが当たる瞬間に攻撃ボタンを押すと、近くにいる敵に向かって一閃をくり出せる。タイミングはさほどシビアではない。

能力強化によって、最大連鎖数を増やせる。
力動と崩し一閃、連続崩し一閃
“力動”とは魂と肉体の結びつきのことで、ゼロになると少しのあいだ無防備な状態を晒すことになる。敵の力動は攻撃を当てる、受け流しで壁やほかの敵にぶつける、弾きなどのアクションで減らせる。そして、ゼロになった敵に近づいて攻撃ボタンを押すと、強烈な“崩し一閃”をお見舞いできる。

体力ゲージの下の赤いゲージが力動。武蔵にも力動ゲージは存在し、互いの力動は時間の経過で回復していく。
崩し一閃を実行した際、ほかにも力動がゼロの敵が近くにいると、自動でその敵をロックオン。スローモーションになっているあいだに攻撃ボタンを押すと、その敵に急接近して立て続けに崩し一閃をお見舞いできる。

強敵への崩し一閃
強敵に対して崩し一閃を行う際は、どの部位を攻撃するかを選択できる。攻撃部位の色によって効果は変わり、赤い印の場所はダメージ優先、紫の場所は魂の放出量優先となる。

敵によっては選択した部位を破壊できることもある。
相子剣戟
攻撃した際、武蔵と敵の武器がぶつかりあうと発生することがある。片手攻撃で発生した場合は両手攻撃ボタン、両手攻撃の場合は片手攻撃ボタンを押すと、一方的に打ち勝てる。


どっちを押したか忘れた場合、間違えた方を押していても少しのあいだ打ち合いが続く。打ち合いのあいだに押すボタンを切り替えれば勝てる。
鬼ノ剛弓(要物語進行)
溜め撃ちで威力を上げられる便利な遠距離攻撃。鬼の力を発現させたものなので、矢の制限はなく好きなだけ撃てる。刀では狙いにくい部位を攻撃したり、探索中のギミックの起動に使ったりと、いろいろな使い道がある。


アクション紹介(受け編)
敵は、武蔵の攻撃を受けてもひるむことなく反撃を仕掛けてくることが多い。受けをマスターしなければ、回復が追いつかずに負けてしまうだろう。
防御
刀を使って防御する。全方位に対応でき、長押しで防御姿勢を維持できる。ただし、敵の攻撃を防ぐたびに力動が減っていくので、多用するとピンチを招くことになる。

受け流し
敵の攻撃を受ける直前に防御すると、自身の力動ゲージを消費することなく攻撃を防げる。武器攻撃を受け流した場合は、敵の隙を生み出すことができるほか、その敵が設置物などにぶつかると力動を大きく減らせる。

敵に生じる隙が大きいほど、武器の火花も激しくなり、手応えも増す。
弾き(要能力強化)
敵の攻撃を受ける直前に相手方向に左スティックを倒しつつ防御を行うと、弾いて力動を大きく減らせる。また、飛び道具を弾けば、相手方向に跳ね返せる。

気焔状態(要能力強化)
受け流しに成功すると“気焔ゲージ”が溜まり、満タンになると気焔状態になって攻撃力がアップする。また、弾き成功時に削れる力動の量も増える。

鍔迫り合い
受け流しや弾きに成功すると、鍔迫り合いになることがある。攻撃ボタンの連打で押し返すことができ、鍔迫り合いに勝利すると受け流しと弾きの両方の効果が得られる。

少し急ぎめにポチポチ攻撃ボタンを押すだけで勝てるのでありがたかった。
見切り回避
敵の攻撃を受ける直前に回避ボタンを押すと、通常の回避よりも安全に攻撃を避けられる。また、敵の体術攻撃を見切り回避した際は、直後の攻撃が“追撃”に変化して、力動を大きく減らせるようになる。

見切り連斬(要能力強化)
能力強化で“見切り連斬”を習得すると、見切り回避成功時に“見切りゲージ”が溜まるようになる。これが最大まで溜まると、見切り回避後に“見切り連斬”という強力な攻撃をくり出せる。見切りゲージは、敵の体術攻撃を見切り回避するとより大きく溜まる。

掴み返し
敵の掴み攻撃は、掴まれる直前に回避ボタンを押すと“掴み返し”で反撃できる。掴み攻撃は防御や受け流しでは防ぐことができないので、敵が予備動作として青いオーラを発したら、回避ボタンを押す準備をしよう。


回避不能攻撃への対処
一部の敵は、見切り回避や一閃ではやりすごせない回避不能攻撃を仕掛けてくることがある。予備動作としてピンク色のオーラを発するので、受け流し、もしくは弾きで対処するのがベスト。防御は可能だが、力動ゲージが大きく減ってしまう。

アクション紹介(鬼武者の力編)
鬼の篭手を持つ武蔵ならではのアクションで、ストーリーの進行によって徐々に種類が増えていく。
魂の吸収
幻魔が放出した魂を吸収する。赤魂は能力強化や取引に用い、黄魂は体力回復、青魂は鬼力ゲージの回復効果がある。一度に多くの魂を吸収したほうがお得だが、敵が魂を吸収することもある点に注意。

能力強化によって、攻撃している最中でも魂吸収ができるようになる。
鬼ノ武具
鬼力ゲージを一定量消費し、選択中の鬼ノ武具を使って攻撃する。選べる鬼ノ武具はゲームを進めると増加。攻撃範囲が広いもの、力動を大きく減らせるものなど、それぞれが得意とする役割が異なり、能力強化での性能アップも可能となっている。

眼覚醒(要物語進行)
隠されたものを顕現させられる能力。強化によって近くに落ちているアイテムの位置が視認しやすくなるほか、敵の破壊可能な部位なども視認できるようになる。


腕覚醒(要物語進行)
道を塞ぐ瘴気の壁を破壊できる能力。また、敵の防具や盾を破壊できる腕覚醒【打壊】という技も使用可能。強化によって、樽や壷などを投げられるようにもなる。


脚覚醒(要物語進行)
特定の壁を走って移動できるようになり、通常では届かない場所へ行ける能力。強化すれば、攻撃を受けて吹き飛ばされたときに受け身を取れるようにもなる。

完全覚醒(要物語進行)
鬼武者としての力をすべて解放した状態。覚醒中は一閃に成功しやすくなるほか、つねに気焔状態となり、魂も自動で吸収する。完全覚醒ゲージが最大のときに発動でき、ゲージがゼロになると通常状態に戻る。



覚醒中は鬼ノ武具は使えないが、奥義が使用可能。奥義使用時も完全覚醒は解除される。
自分のペースで遊びやすいプレイサイクル
あくまでも剣戟アクションをメインにしつつも、育成、街やフィールドの探索、クエストなどの要素もしっかりと盛り込まれており、遊びごたえは十分。しかも、ストーリー進行を急かされないワイドリニアな作りになっているので、自分のペースで楽しめた。


徐々に行動可能範囲は拡大
武蔵の拠点は洛東(京都の街)にある六道珍皇寺。基本的にはここを起点として幻魔の討伐に向かうことが多い。ストーリーの目的地に向かうタイミングはプレイヤーに一任されていて、それまでは洛東や清水寺など、訪れたことのある場所は好きなように探索できる。

セーブやファストトラベルのポイントでもある破魔鏡。これにアクセスすると街中の幻魔も復活。

洛東では幻魔を発生させる“獄窓”があちこちに出現。幻魔と戦いたくなったら獄窓を探すのがよさそう。獄窓を封じると強化用のアイテムも手に入るので。
すぐに目的地に向かってもいいが、幻魔を斬りながら洛東を探索して武器や能力強化のためのアイテムを集めたり、クエスト(街の人からの頼みごと)をこなしたりしてもいい。ここは、ユーザーのプレイスタイルによって進めかたが大きく変わりそうな部分。


物語を進めると紫式部からの依頼も受けられるようになる。
筆者はやれることはすべて終わらせてから物語を進めたいタイプ。ストーリーを進めてボスを倒し、六道珍皇寺に戻ったら、解放された場所を探索、発生しているクエストを消化、という感じで遊んでいった。ちなみに、最終的には全装備の強化、能力習得を達成できた。

能力強化はリセットが可能
少し物語を進めると、破魔鏡で装備や能力強化ができるようになる。武器強化はアイテムを消費しての段階式で、能力強化はツリー形式。能力強化には赤魂やアイテムが必要となるが、初期化を実行すれば赤魂やアイテムが返還される。ちょっとこの能力を実戦でお試し、ということがセーブデータを分けたりせずに試せてうれしかった。

基本能力強化に使う力石、特殊能力強化に使う鬼石はかなりの貴重品。

ちなみに、破魔鏡では武蔵たちの見た目の変更ができる。
結論:たいへん高い満足度が得られた
今回、製品版を心ゆくまでたっぷりと遊ばせていただいたが、スリルと爽快感にあふれたアクションはもちろん、ストーリーや探索といった要素もとても楽しかった。


どのキャラクターもすごく魅力的。
いちばん印象に残ったのはやはり個性豊かなボスたちとの戦い。動画作成のため、なるべくかっこよく戦ったつもりだったが、見直してみると「もっとこうできたな」というポイントがいくつも見つかるし、すぐに再挑戦したくなる。

一閃や受け流しなどのジャストアクションはもちろん大事だが、それだけに頼っておらず、いろいろな角度からプレイヤーの対応力を問うてくる感じがたまらない。拡張アップデートされた体験版で、その一端に触れることもできるので、気になった方はまずはそちらを遊んでみていただきたい。