2027年に発売予定の『ロックマン』シリーズ最新作『ロックマン:デュアル オーバーライド』。 現地時間2026年8月26日より開催されたドイツ・ケルンのゲームイベントgamescom 2026にて、本作がプレイアブル出展。国内ではイベントに先駆けてメディア向けの試遊会が行われた。
その後、プロデューサーの南谷洋行氏、ディレクターの生田真也氏、『ロックマン』シリーズプロデューサーの和泉真吾氏へのメディア合同インタビューを実施。本記事ではその模様をお届けする。
※記事内の画像は開発中のものです2027年はロックマン40周年。“ここは絶対に完全新作を出すしかない”と熱が高まる
――『ロックマン11 運命の歯車!!』から、久しぶりの第12作に相当する最新作となりますが、本作の開発に至った経緯はなんでしょうか。
和泉
『ロックマン11』が出てからかなり長いあいだお待たせしていました。そのあいだも、何もしていなかったわけではなくて、いろいろな挑戦や試行錯誤を続けていた期間はありました。
さらに2027年がロックマン40周年というタイミングもあり「ここで是が非でも完全新作を出すべきだろう」という機運が社内で高まっていきました。35周年に新作を出せなかったという心残りもあります。そこから開発メンバーの熱がさらに高まっていったこともあって、新しい挑戦をしていこうということでベストな体制を整え、今回の開発にかなり力を入れて取り組んでいます。
――タイトルが『ロックマン12』ではなく、『ロックマン:デュアル オーバーライド』となった理由はなんでしょうか?
和泉
ナンバリングを重ねていくと、新規の方が触れるにはハードルが高く感じてしまいます。私たちも、シリーズファンの方はもちろん、これから新しく始める方にも遊んでいただきたい気持ちを強く持っていて、新鮮な気持ちで挑戦してほしいという意図から、『ロックマン』+『サブタイトル』という形で『ロックマン:デュアル オーバーライド』になりました。
南谷
加えて今回は新しい要素にもチャレンジしている、単なる『ロックマン11』の続編ではない、という形で名付けています。
――タイトルにもある“オーバーライド”は、ロックマン側の能力として紹介されていますが、試遊中、ボスもオーバーライドを使っているような場面(?)がありました。敵も同じような能力を持っているということでしょうか。
南谷
これはまだ詳しく言えない情報ですね……(笑)。オーバーライドというシステムは本作の設定にも少し関わるところがあります。“デュアル”というワードも複数の意味があるので、今後の発表や製品版を楽しみにしていただきたいです。
インタビューのあと、gamescom 2026開催のタイミングでブルースのプレイアブル参戦が発表されている。新作はふたりの主人公が選べる“デュアルヒーロー”とのことだ。
――本作でも2D横スクロールアクションという形式を引き継いでいますが、『ロックマン11』から操作感や細かいところで変わった点はありますか?
生田
基本的なロックマンの操作は変えていません。変えてしまうと従来のファンが操作しづらく感じる可能性があるため、そこはそのままにしていますね。
カスタムチップを使った遊びや、今回導入したオーバーライドが新しい要素となります。プレイヤーが能動的にアクションをするとオーバーライドが使いやすくなる仕組みにしているので、テンポよく遊んでもらえるように作っています。
南谷
過去シリーズの歯ごたえは踏襲しつつも、操作感まわりは過去作のファンからのフィードバックを反映し、より遊びやすい形を目指しています。ロックマンとカスタムチップの組み合わせは、プレイヤーのアクション部分を上達させていくだけでなく、チップを活用してクリアーできるような補助機能としても作っています。
生田
ユーザーの選択肢を増やせるようにチーム内で考えて取り入れました。

――試遊版では3種類のカスタムチップが用意されていました。製品版ではほかの効果もあるのでしょうか。
生田
試遊版だけの仕様として3種類のチップセットを用意しましたが、製品版ではゲーム中に入手していく形でどんどんチップが増えていきます。任意のタイミングで使えるもの、装着しているだけで何らかの効果が発動するもの、ダメージを受けたときなどいろいろなチップを用意しています。

試遊版は生存重視、火力重視、サポートなしといった、それぞれ効果を持ったチップセットが用意されていた。
3ステージ構成はちょっとずつ進んでいけるような狙い
――試遊版では1ボスにつき3つのステージが用意されていました。従来のロックマンは1ステージを最初から最後まで進んでボスにたどり着く構造でしたが、今回の設計に変わった理由はなんでしょうか。
生田
プレイヤーの選択肢を広げたい、というのがまずひとつの理由です。ステージをクリアーするといったん選択画面に戻り、別のボスのステージを遊ぶことができます。いろいろなステージをつまみ食いしながら遊んでいくうちに、使えるチップがどんどん溜まっていき、やがて難しいステージに挑戦……という風に、遊ぶ幅を広げることを意識してこの仕組みを入れました。
基本は1、2、3ステージと順番にクリアーしていく流れで、最後にボスが待ち受けています。
南谷
3分割のステージ構成によって段階的に成長できるので、いきなり高いハードルにぶつかって詰まる、みたいな流れも軽減できているとも思っています。

――ライフエネルギー(体力)のゲージが、縦ではなく横に伸びたデザインになっていたのも印象的でした。シリーズのアイデンティティーとして残すもの、変えるものはどう判断されたのでしょうか。
生田
まず、ボスのUIはまだ調整中で試遊版が最終形ではありません。今回、ひとつ変えたのはボスの体力です。本作ではボスによって体力が異なる設計にしています。
大きいキャラクター、小さいキャラクター、背の高いキャラクターなどがいるなかで、体力がすべて同じというのは少し不自然に感じることもありました。過去作にとらわれすぎなくていいんじゃないかという発想から来ています。
UIのゲージについても、昔は4対3の画面比率を前提にしていましたが、いまでは画面がワイドになっているので、画面端に縦ゲージを置いても見づらくなってしまうんじゃないか? と思ったんですよね。新しい仕組みも関わりますし、いっそのこと変えてもいいんじゃないかとか、過去作の概念にとらわれずに、いまベストな形はどうかということを念頭に制作しています。

『ロックマン11』のゲーム画面。過去作シリーズのように、縦に伸びる体力ゲージ。

『ロックマン:デュアル オーバーライド』のゲーム画面。ロックマンや敵の体力が横に伸びるデザインになっている(※開発中のものです)。
――試遊版はロックマンの残機表示がありませんでした。これは製品版でも同じでしょうか?
生田
そこは試遊版だけの仕様になります。ほかにもステージごとの難度設定などを検討していますが、詳しいことはまだお伝えできない状況です。
新ボスのトゥインクルガールは最初に生まれた
――今回登場するボス“トゥインクルガール”は、『ロックマン9 野望の復活!!』のスプラッシュウーマン以来の女性型ロボットボスになります。このキャラクターが登場した経緯を教えていただけますでしょうか。
和泉
過去作の詳しい経緯まではすべて把握しているわけではないですが、前の時代はロボットヒーロー=男の子というイメージも強かったと思います。でも、いまは女の子のヒーローもふつうにいますし、キャラクター性も出しやすいという側面もあり、バリエーションを広げるひとつの方向性として採用しています。
生田
デザインの幅が広がるのは本当にいいことだと感じています。先ほどの話と同じように過去作にとらわれすぎず、自由な発想でキャラクターを考えました。
南谷
“女の子キャラを出そう”というより“魅力的な敵ロボットを出す”という目標に向かって考えたとき、自然と生まれてきた感じがしますね。
生田
そうですね。トゥインクルガールはいちばん最初に作りました。スタッフみんな思い入れが深いです。今回は全ボスにモーションキャプチャーを使っているので、動きが生き生きしている点にも注目してほしいです。


――ボスとステージはどちらを先に作られたのでしょうか?
生田
ボスを考えてからステージを作っています。トゥインクルガールは博覧会テーマで花火がバンバン打ち上がるような、キャラクターに合わせたステージデザインを意識しました。
南谷
『ロックマン』シリーズはゲーム性が評価されているだけでなく、キャラクターたちも好きなファンがもちろんいると思いますし、ロックマンもボスも魅力的に描くように注力しています。


過去に発表されていたボスたちのシルエット(最後のひとりはデザインコンテストの応募作品から採用予定)。
40周年を見据えたファンサービス
――試遊のステージ2で、アストロマンの複製ロボが登場してビックリしました。40周年という節目に向けた歴代ネタを盛り込む意識があったのでしょうか。
南谷
2027年のロックマン40周年を目標に考えたとき、ファンの皆さんにどうやったら喜んでもらえるかを考えまして、昔遊んだことのあるボスや、人気のボスと再び戦えたら喜んでもらえるんじゃないかと思い、採用しました。
ステージが3分割になったことで、各ボスの最後のエリアには新ボスがいて、真ん中には過去作のキャラを登場させることができました。ゲームの仕様とうまくマッチしたかなと。『ロックマン』を初めてやるユーザーにも、過去作を遊ぶきっかけになっていただけたらうれしいです。

生田
ロックマンにすごく思い入れのあるスタッフがたくさんいるので、そういったところには積極的に取り組んでいます。
――そう聞くと、つぎの新情報もいろいろ気になりますね。
南谷
ファンであればニヤリとするような要素も織り交ぜて展開していくので、楽しみにしていてください。

限界を超えた力を引き出す“オーバーライド”
――本作の新システム“オーバーライド”はどのような経緯で生まれたのでしょうか。
南谷
『ロックマン11』にダブルギアシステムがあったことも踏まえ、本作ではなにができるのか……象徴的なシステムを考えてオーバーライドを実装しました。見た目も強そうで楽しい、使っていて爽快感があり、ボス攻略にも役立つ新システムを目指しました。
――パワーを解放して全力で戦う感じがいいですね。
生田
ボスを倒して特殊武器を入手したときにロックマンの見た目が変わる要素がありますが、それとは別に変形して強くなるのもシンプルにカッコいいですよね。あと、オーバーライド発動のシーンは短い演出の簡易版にも切り換えられます。個人的には何度見てもカッコいいので、つねにフル演出でプレイしていますね(笑)。



――オーバーライドはチャージショットが強くなったり、ピンチのときに自動で発動したりすることもありましたが、具体的な強化内容について教えてください。
生田
まず、通常のバスターが強化されます。チャージは2段階あり、1段階目がダブルチャージショット、最大まで溜めると強力なファイナルチャージショットが撃てます。自動発動はチップによる効果ですね。ピンチのときに自動でオーバーライドが発動するチップを選択していると、あのような動きになります。そういうところも含めて、チップセットでどのように攻略するか試行錯誤しながら楽しんでほしいです。


――特殊武器の“ジェットスティンガー”もかなり強く感じましたが、こちらは調整前のものでしょうか?
生田
特殊武器はまだ調整中です。ただ、積極的に使ってほしいという想いがありますし、特殊武器はこれまでのようにボスへの弱点になるので、“こいつを使えば倒せるぞ”という体験を味わっていただきたいですね。

試遊版に登場した特殊武器“ジェットスティンガー”。

ジェットスティンガーは前方へ突進し、当たった敵を画面外までふっ飛ばせる。空中ダッシュっぽい移動手段としても使える。
――本作はさまざまなプラットフォームで発売予定ですが、たとえばNintendo Switch 2のJoy-Con 2操作といった、ハードに合わせた特別な遊びかたはありますか?
南谷
ゲーム体験においては、すべてのプラットフォームで同じものを目指しています。たとえばSwitch 2ならではのジャイロ操作など、ハードに特化した操作は現時点では考えていません。解像度やフレームレートなどの詳細なスペックは現在調整中のためまだ答えられませんが、いずれのプラットフォームでもロックマンの魅力が伝わる映像体験を目指して開発しています。
――過去に発表されたボスキャラクターデザインコンテストの最優秀作品の発表時期はいつごろでしょうか。
南谷
できるだけ広く発表できる場を目指して現在準備中なので、もうしばらくお待ちいただければと思います。
結果はどうなる? ボスキャラクターデザインコンテスト
ゲーム内ボスのデザインをユーザーから募集するボスキャラクターデザインコンテスト。“吸引アーム付きロボット(仮)”というお題をベースに、約1万件の応募デザインが集まった。
記事執筆時点では優秀賞6作品まで決まっており、この中から開発チームが最優秀作品1作品を選び、ゲーム本編にボスとして登場させる予定だ。






優秀賞6作品一覧
『ロックマン: デュアル オーバーライド』概要
- 商品名: ロックマン: デュアル オーバーライド
- 発売予定: 2027年
- 対応ハード: Nintendo Switch 2 、Nintendo Switch、PlayStation5、PlayStation4、XBOX Series X|S、XBOX on PC、XBOX One、Steam、Epic Games Store
- CEROレーティング: 審査予定
- ジャンル: アクション
- 公式サイト
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