本稿では、おもにハンズオンイベント自体や、ゲームプレイに関する感想などを中心にお届けする。別記事で開発者に行ったインタビューの内容や動画も掲載しているので、より深い部分が知りたい方は下記をチェックしてほしい。
Insomniac Gamesのおもてなしが半端じゃない!
Insomniac Gamesの社内にある『Marvel’s Wolverine』を体験できるプレイルームは、いくつかのメディアごとに分けられていたのだが、その部屋がすべて、同作に登場するロケーションをイメージした部屋に改装されていたのだ。会議室とかじゃないんかい! しかも、それはこのハンズオンイベントのための特設なんだそう。いや、世界中のメディアを集めるからって、気合い入れすぎでしょ! でも、そういうところがパーティー好き(という筆者の印象)のアメリカ文化なのかなあ? と思ったり。







この悪そう(!?)な面々がウルヴァリンの仲間なの?
そもそも論として、ウルヴァリンという主人公が、どんなキャラクターなのかを説明しておこう。ウルヴァリンは、人間離れした身体能力と、頭に銃弾を撃ち込まれても復活してしまうほどのヒーリングファクター(超回復能力)、そしてこの世界で最高硬度と言われるアダマンチウムの骨格と爪を持ったミュータントだ。Marvelの『X-MEN』シリーズの主要キャラクターのひとりであり、Marvelキャラクターの中でも屈指の人気を誇る。なお、アダマンチウムの骨格と爪は後天的に授かったもので、その経緯については作品ごとに設定が微妙に異なっていたりする。本作での扱いはまだ謎だ。

物語は、そんなウルヴァリンがテランバン島(コミック版ではインドネシア諸島にある人里離れた島)に向かうシーンから始まる。ハンズオンには我々日本語圏のメディアやインフルエンサーのため、わざわざ日本語版+日本語音声のものを用意してくれたのも心憎い気配りだった。まあ、ハンズオンに参加した半数は英語が理解できる人たちだったんですが(筆者は日本語オンリーなので助かりました&日本語音声の雰囲気もいい感じでした!)。
島に向かうヘリコプターを操縦しているのは、ミスティーク(※1)で、セイバートゥース(※2)も同乗。話は、ミュータントである彼らを保護していたエセックス(※3)が誘拐されたので、彼を助けるべくウルヴァリンたちは作戦行動を開始した、という流れ。



この時点で、「仲間がスゴい面子だな!」というのが筆者の感想。というのも、ミスティークやセイバートゥース、ミスター・シニスターといえば、『X-MEN』シリーズではヴィラン側の立ち位置が多いキャラクターたちなのだ。
アメコミではマルチバースが当たり前で、世界ごとに設定が異なるのは理解している。だが一般的に言えば、ウルヴァリンの仲間といえば、プロフェッサーX(※4)やサイクロップス(※5)、ストーム(※6)などのイメージだったので、完全に予想を裏切られた感じ。というか、ちょっとワクワクする。このハンズオンイベントはSan Diego Comic-Con 2026の直前で、そのタイミングではジーン・グレイ(※7)が仲間としていっしょに戦うという情報だけが先に出ていたから、ほかの仲間が彼らとは思ってもいなかったのだ。
- ※4 プロフェッサーX……本名はチャールズ・エグゼビア。『X-MEN』シリーズでは、世界を守るミュータントチームのX-MENや、ミュータントを育てる恵まれし子らの学園の創始者として描かれる。足が不自由で車椅子に乗っているが、世界でもトップクラスのテレパシー能力を持つ。本作にはたぶん出演しない。
- ※5 サイクロップス……本名はスコット・サマーズ。目を開けると、本人の意思にかかわらずオプティックブラストという破壊光線を発射してしまうので、普段は光線が漏れ出すことを防ぐための特殊なサングラスを装着している。X-MENのリーダー的存在だが、開発者へのインタビューの感触から予想すると、本作にはおそらく出演しない。
- ※6 ストーム……本名はオロロ・マンロー。飛行能力と天候を操る能力を持つミュータントで、『X-MEN』シリーズの主要キャラクター。コミックでは、ブラックパンサーと結婚していた時期もある。本作には出演しなさそう。

暴れるほどバトルが有利に!? ウルヴァリンらしさを演出するバトルシステム
ウルヴァリンは、敵の攻撃を彼らのアクションを見て、あるいは野生の本能で察知することが可能。これは『Marvel’s Spider-Man』と変わらないが、その攻撃をパリィすることで、さらなる攻撃につなげられる。ただ、序盤をプレイした感じでは、昨今のゲームほどパリィ前提という雰囲気でもなさそう。うまくキマれば気持ちいいし、バトルがちょっと有利になるという感じだ。
本作のアクション面で特筆すべき点は、レイジゲージとウルヴァリンならではの超回復能力にある。
まずレイジゲージとは何なのかという説明をしよう。敵を倒したり、パリィなどの戦闘行動を成功させたりすると、レイジゲージがチャージされる。ただし、攻撃などをしていないと少しずつレイジゲージは揮発していく。

このレイジゲージが一定量溜まっている状態であれば、まずコンボのダメージが強化される。さらに、体力がゼロになってダウンしても、ラストスタンドが発動し、ヒーリングファクターを使って体力を大幅に回復して、再び立ち上がることができる。このあたり、不屈のウルヴァリンのキャラクター性をゲームに落とし込めていてすばらしい。
そして、この仕組みがあるということは、体力が減ったときにビビって攻撃のテンポを緩めるのではなく、さらにガンガン敵を攻撃することが重要ということだ。レイジゲージが一定量あれば、体力を回復し、戦況を立て直せる可能性が出てくるのだから。(いい意味で)単純なウルヴァリンらしいシステムだ。ちなみに、スキルを使って体力を回復させることもできるし、敵の攻撃が一段落すると(1ウェーブが終わると)、勝手に体力は満タンになる。さすがのヒーリングファクターである。


さらに、レイジゲージが最大に到達すると、レイジレベル3という暴走状態に突入できる。暴走中は、溜めたレイジゲージがどんどん減っていくのだが、そのあいだは敵に近づいてL2+R2ボタンを押すと、ザコ敵なら瞬殺の大ダメージ攻撃(クリティカルストライク)がくり出せる。そして、その攻撃で敵を倒せばレイジゲージが溜まるので……レイジレベル3の発動中に敵を倒し続けることができれば、レイジレベル3を長く維持したまま戦えるのだ(ただし、敵を倒さない時間のレイジゲージの揮発も加速する)。これが、かなり爽快! その特性から、敵が山ほど出てきたときほど効果を発揮してくれるというのもいい。

どちらかといえば、ウルヴァリンは不器用かつ、そこまで頭脳明晰な感じでもない。戦闘では、無鉄砲に最前線で暴れ回るようなキャラクターだ。それがゲームシステムにちゃんと反映されているというわけ。もちろんゲームなのである程度の戦略性が求められるシーンもあるだろうが、「とにかく大暴れしてやりたいぜ!」みたいな人にはうってつけに思えた。
また、バトル時の演出面に関して言うと、「さすが年齢制限あり!」といったものだった。アクセシビリティでその度合いは調整できるものの、基本的には血みどろ上等! 武器が敵を切り裂く爪だからという理由もあるし、筆者はウルヴァリンが残虐ファイター的な一面もあると知っているので、このくらいの攻めた演出が丁度いいと感じた。
ただ敵を倒すだけでも楽しいけれど、それ以外の楽しい要素も!
テランバンでエセックスを救出してトラスク(※8)との因縁ができてしまい、その後に彼の開発したセンチネル(※9)のプロトタイプと戦うことになる、というのがハンズオンで遊べた中盤の流れ。


クソ巨大なセンチネルは、まだ制作途中ということもあり、上半身のみで攻撃を仕掛けてくる。これはいわゆるボス戦的なもので、交戦中に明らかになる、いくつかのバトルギミックが用意されている。あまり内容に触れるのも野暮だと思うので詳細な言及は避けるが、筆者の読み、そして『Marvel’s Spider-Man』シリーズをプレイした経験から言えば、本作の要所に通常のバトルとは異なる、こういったギミックありのボス戦が用意されていることだろう。

また、ハンズオンの後半にプレイできた部分では、逃げる敵を追いかけるチェイスバトル的な要素もあった。カメラ操作も含めて、ウルヴァリンの操作にある程度慣れていればそこまで苦労はしないだろうが、こういった単に敵を倒すだけのバトルとは雰囲気の異なる遊びが入れ込まれていることもInsomniac Gamesらしい部分だろう。

さらに“悪夢の扉”というチャレンジ要素も用意されているほか、画像としては用意されていないが、フィールドのあちこちを探索することで、酒瓶やコスチュームを集める収集要素もある。このあたりの、物語の本筋以外にさまざまな要素がある部分も『Marvel’s Spider-Man』シリーズを踏襲している感じだった。

総じて言えば、本作はInsomniac Gamesらしさを感じる作品であり、『Marvel’s Spider-Man』シリーズを楽しめた人なら間違いなくおもしろさを感じられるだろう、という印象だった。また、撮影不可だったので写真はご覧いただけないが、本作に登場するキャラクターやキーワードの解説も作中に収録されており、「あんまりMarvel作品のことは知らないんだけどなあ」という人でも楽しめるように配慮されていた点も気に入った。
本作は完全オリジナルの物語なので、ストーリーを進めながらキーワード解説を都度読めば、それでちゃんと背景も含めて本作の世界を理解できるものになっているはず。開発者的には「事前知識を得るために映画とか観なくていいです」と言っていたので、Marvel作品やウルヴァリンというキャラクターのことをよく知らない方は、あえて本作を終えるまで余計な知識に触れず「で、ほかの作品ではどう描かれているの?」という感じで映画を観たり、ネットで検索するほうが楽しめそうな予感もある。
2時間ほど確保されていた体験プレイの時間も、体感ではマッハで終了してしまった今回のハンズオン。何なら、まだもう少し遊んでいたかったのだが、開発者インタビューを行う時間も差し迫っていたため、後ろ髪を引かれる思いでゲームを終えた。筆者がMarvelファンということを差し置いても、かなりゲームとしてよくできている気がする!
スタジオツアーの最後には、主演と邂逅!
ハンズオンを終えた後、メディアチームはInsomniac Gamesのスタジオツアーに参加。200台近いカメラがセッティングされたフェイスキャプチャースタジオや、完全防音の室内に豪華なサウンドシステムが組み込まれたサウンドスタジオなどを見ることができたが、こちらは基本的に撮影厳禁。撮影が許されたのは、社内に作られたモーションキャプチャースタジオと、配信用のスタジオのみだったのが非常に残念!


役者やモーションアクターを会社に呼べば、演者を必要とするほとんどの開発工程を社内で済ますことができるのはイマドキでもあり、セキュリティー的な観点からも理にかなっていると感じた。日本も大手ゲームメーカーは近しい作りかたをしていると思うが、モーションキャプチャーまで社内でできる会社は、筆者の知る限りそこまで多くはないはずで。何より、ハリウッドから近いバーバンクでこの作りかたができるというのは、非常に恵まれた環境だと思った次第。
そして、スタジオツアーが終わった後、なんとリアム・マッキンタイア氏が登場。記念撮影に応じてくれた。「よければいっしょに撮影をどうぞ」という甘い言葉に誘われ、筆者もこれは役得と記念撮影をお願いすることに!
先行プレイ、インタビュー、スタジオツアーとみっちり詰まった取材日ではあったが、ゲームがおもしろかったのがなによりの収穫。発売までの残り約1ヵ月、いちMarvelファンとして『MARVEL Tōkon: Fighting Souls』を遊びながら、本作を待つつもりだ。












