『女神転生』のテイストを引き継ぎつつも独自の世界観を構築

『DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー』は『女神転生』シリーズの完全新作として制作されたRPG。エグゼクティブプロデューサーに岡田耕始氏、キャラクターデザイナーに金子一馬氏、プロデューサーおよびディレクレターに橋野桂氏といったメンバーが参加しているほか、アニメーターの板野一郎氏がイベントシーンの演出を担当していました。
フルボイスのムービーシーンも多く、シリーズ未体験の人でも入りやすい内容だったと記憶しています。とはいえ、『女神転生』らしい、歯ごたえある難度も健在。しっかり戦略を練らなければ全滅してしまう難しさでしたね。筆者は雑誌で本作の攻略ページを担当していましたが、何度もボスに倒された思い出が……。
本作は“トライブ”という派閥たちの争いが絶えないジャンクヤードを舞台に、エンブリオンという名の派閥に所属する主人公サーフたちが覇者のみが辿り着ける楽園ニルヴァーナを目指すストーリー。サーフたちは記憶喪失の少女であるセラと出会うなか、謎の光に貫かれて悪魔に。ほかのライバルたちを蹴落とし、敗者を喰らうことで強くなっていきます。
なお、本作は2部作となっており、続編の『DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー2』で物語が完結します。前編はめちゃくちゃいいところで終わるので、「え!? ここで終わり!?」と驚いた人も多いでしょう。続編の『2』が発表されたときはうれしかったですね。


エンブリオンのメンバーは、好戦的なヒート、心やさしいアルジラ、参謀のゲイル、ムードメーカーで明るいシエロたち。ヒートを演じる緑川光さんをはじめ、実力派声優ばかりなので彼らが本能と理性の狭間で葛藤しながら戦うシーンは心に響きましたね。また、物語の冒頭はキャラクターたちが感情に乏しいので、人気声優陣の意外な芝居も楽しめました。
敵対組織となるリーダーも小野坂昌也さん演じるハーリーQや伊倉一恵さん演じるジナーナ、置鮎龍太郎さん演じるバットなど、個性豊かで忘れられないキャラクターばかり。彼らはバトル前に悪魔の姿に変わりますが、そのデザインも先鋭的で明かされるのが楽しみでしたね。

敵を喰らって強くなるという設定はゲームシステムにも反映されており、敵を喰らって手に入れたAP(アートマポイント)を蓄積することで、新しいスキルを入手できる仕組みになっていました。
バトルシステムは『真・女神転生III』で登場したプレスターン・バトルを継承。いまではアトラスのゲームのスタンダードとなったプレスターン・バトルですが、このときはとても新鮮でした。また、本作では弱点を突くと行動回数が増えるだけでなく、相手を怯えさせることができて“ハントスキル”の威力が上昇。ハントスキルでトドメを刺すと多めにAPをもらうことができるので戦略性アリ。複数のスキルの組み合わせによって発動できる合体技“リンケージ”などもおもしろかったですね。
シリーズで人気の悪魔合体や仲魔システムを廃した作品でありつつも、高難度ながらバランスの取れたゲームは、のめり込める楽しさがありました。



本作をベースにし、2007年にフィーチャーフォン向けに配信された完全オリジナルRPGが、今年(2026年)4月16日にまさかの復刻! 『G-MODEアーカイブス+ DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー A's TEST Server完全版』として、Nintendo Switch、PC(Steam)で配信されています。チェックをしてみてはいかがでしょうか。













