
『スターフォックス64』のリメイク版

物語や世界観、複数のルートがあるステージ進行やギミックなどなど、基本的な部分は『スターフォックス64』を踏襲。そこに新たなチャレンジ要素の追加のほか、グラフィックなどをブラッシュアップしたタイトルとなっている。

純粋なシリーズ作としては2016年に発売されたWii U用ソフト『スターフォックス ゼロ』から約10年ぶりの新作。また、これまでも『スターフォックス64』はアレンジ・リメイクされていたが、今回は正統進化のフルリメイク作品となっている。
シリーズファンとしては「また!?」と思いつつも、やはり再始動してくれるだけでうれしいところ。“NINTENDO 64 Nintendo Classics”でオリジナル版が遊べるとはいえ、さすがに30年前の作品のため、いまのプレイヤーには遊びにくい部分もあるだろう。名作のよさをそのままに、すべてをイチから作り直したリメイク作となっていたので、まだ遊んだことがない人にこそオススメしたい。

新生スターフォックス!
天才科学者Dr.アンドルフが突如、星系の支配を企み宣戦布告。それに対抗すべく、防衛軍のペパー将軍は新生スターフォックスたちにその防衛を依頼するのだった。


簡潔に言うと、最後に敵の本拠地・ベノムへ乗り込み、ラスボスのアンドルフを倒しに行く話。オリジナル版でもストーリーはあり、ゲーム中の会話などからある程度の内容は把握できた。

本作ではブリーフィングシーンやムービーシーンが新たに追加されており、キャラクター性やドラマ性が大きくアップ。より映画的なシーン展開を楽しめるようになっている。
本作はステージ選択が分岐式になっているが、登場キャラクターたちが「ねぇ、あそこに行こうよ!」、「いやそれより作戦を優先すべきだ!」みたいな形でどちらに行くのか促してくれることもあり、なぜこの星に向かう必要があるのかよりわかりやすくなった。

また、『スターフォックス』シリーズといえば戦闘中の通信会話が豊富なのも魅力。本作でももちろんそこは用意されており、オリジナル版よりややセリフが異なったりするため、愛着を持っていた人ほど違和感があるかもしれないが、何なら通信量が増えまくっている印象ですごくにぎやかだった。

口調はキツいけどクールなツンデレであるファルコ、みんなのまとめ役であるペッピー、お調子もののムードメーカーのスリッピー。この3人のキャラクター性は、ファルコだけ落ち着いたかなという感じもするが基本オリジナル版とほぼ変わらない。



見た目についてはめっちゃくちゃリアルになったので、かわいらしさみたいなものは正直失われたなと思うところもあるが、遊んでいるうちにやっぱりカワイイ部分も見えてくるので、慣れていけばなじんでいくだろう。見た目がシブくなりすぎなウルフとかは難しいかもしれないが。でもカッコイイよ。


オリジナル版のフォックスは完全無欠のキャプテンといった感じで、大人びたキャラクターだった。本作のフォックスは新生チームのリーダーということもあってか、腕前は間違いないけれども若さゆえに軽口を叩いたりする、まだ未熟さが感じられるキャラクターに変更されていると感じた。このあたりの印象は好みも分かれると思うが、個人的には新生フォックスとして楽しめたところ。


また、オリジナル版は一部のシーンやセリフはギャグ色が強かったが、それらはだいたい無くなっていて、シリアス度がアップ。すべてが、とは言わないが思い出が強い人は残念に思うところもあるかも。

1周は短時間。やり込み度は高い!


オリジナル版から踏襲されているものとして、本作はかなりアーケードライクな作りになっており、1周プレイがだいたい30分~1時間前後と気軽に遊べる作りになっている。今回新たなムービーも挟まっているのでオリジナル版より少し長めになっているが、ムービー自体も短めにまとまっている印象。


そのため、昨今のタイトルとして見ると1周のボリュームはかなり短い。そのぶんリトライ性に優れており、ステージ内での分岐や隠し要素の発見、ステージ間でのチャレンジによるルート分岐などなど、1周だけではフォローしきれないくらい多彩な要素が盛り込まれている。



分岐条件はさまざまなほか、特別な条件を達成すると“勲章”がもらえることも。1周ごとに累計スコアも表示されるため、シューティングゲームらしいスコア稼ぎも熱い。



一部ルートの終盤だけ言ってしまうとスターウルフ戦→アンドルフ戦の流れの部分は難しくなっており、アンドルフに負けてコンティニューするとスターウルフ戦からリトライしなくてはならないという、昔ながらの作りになっている(残機使用ならば問題ない)。アンドルフはオリジナル版よりも強化されているため、ここは現代的に区切ってもよかったのかなと個人的には感じた。とはいえ、コンティニュー時のみ途中からイージー難度にも変更可能。ただしイージーは勲章が取れないなどデメリットもある。



白熱の戦闘機バトル


攻撃はレティクルに合わせて発射される通常ショット(レーザー)のほか、敵をロックオンして範囲攻撃できるチャージショット、アイテムを消費して放つボムの3種だけ。移動面の操作は豊富で、速度を調節するブレーキとブースト、敵弾を弾くローリングや、後ろに回り込む宙返りなどがある。

ショットの狙いは難しいが、ロックオンできるチャージショットさえ使いこなせればそれなりに戦えるほか、本作は敵を撃墜できなくともステージ自体は最後まで進められるので、そこまで詰まることはないだろう。

味方の3機と4人で出撃するのが『スターフォックス』シリーズの特徴で、仲間の通信に耳を傾ければルートの指示やアドバイス、ボス戦での攻略方法を教えてくれるなど、さまざまなシーンで役に立ってくれる。


味方にも耐久力があるのも特徴で、撃墜されてしまうとつぎのステージで出撃せず、お休みになってしまう。敵機に追われる味方を助けてあげるのも重要となる。また、いわゆるフレンドリーファイアがあるため、味方を誤射するとそれもダメージになってしまう。当たったときのリアクションは見どころではあるが、いきなり前に味方が飛んできたりすることが多々あるため、気を付けないといけない。
戦闘機を傾けて狭い場所を飛行したり、ブレーキや宙返りを使ってアイテム取得を狙うなど、『スターフォックス』らしい戦闘機アクションはそのまま。美麗で滑らかに動くアーウィンの姿は、非常にカッコイイので操作しているだけですごく楽しいところ。


懐かしの敵たちもだいたいそのままのイメージかつ、ビジュアルはアレンジされているというより美化されている感じ。ガンガン撃ちまくって壊れていく敵やフィールドなどはとても爽快で、3Dシューティングのよさがたっぷりと味わえた。



操作方法は上下リバースの変更が可能なほか、方向ボタンでの宙返り、Uターンをスティック&ボタン操作に割り振ることもできる(デフォルトではオフ)。ただし、残念ながらボタン設定の変更には対応していない。また、Joy-Con 2のマウス操作にも対応しているが、遊びがかなり変わるので本編とは別物かなと感じた。




さらなるやり込みチャレンジモード

ストーリーモードで攻略したステージのみ選択可能となり、そのステージに何度も挑めるステージセレクト的なモード。ハイスコアは記録されるので、スコアアタックとしても使用できる。ストーリーモードで称号を取るための練習にも使えるだろう。
チャレンジモードならではの要素として、ステージごとにお題が用意されており、それらを達成していくやり込み要素がある。すべて達成すると、マルチプレイ向けのアバターやテキスト資料などが解放されていく。

お題の中にはユニークなチャレンジも用意されているため、通常プレイでは狙わないような戦いかたが求められることも。同じステージとはいえ、またひとつ遊びが追加されているので、オリジナル版をやり込んだ人もさらに楽しめるだろう。各ステージ、チャレンジ難度はノーマルとハードの2種類。
対戦できるバトルモード
本作のバトルモードは完全別モノで、しっかり対戦できる作りになっているだけでなく、CPUとも対戦可能。オンラインまたはローカルでのおすそわけ通信によるマルチプレイにも対応している。

ルールはスターフォックスチームか、スターウルフチームに分かれて戦う4対4のチームバトル。そのためアーウィンだけでなく、ウルフたちのウルフェンにも乗れるのがうれしいところ。

勝敗は相手チームの機体や中立の敵機を倒すことで手に入るスコアを稼ぐというもの。ステージ(ミッション)ごとにギミックがあり、それらを中心に立ち回ることでチームが有利になっていく。エリアを制圧したり、貨物を輸送するなど、さまざまなミッションに挑みながら対戦をくり広げる。本編にはないアイテムもあり、5発同時発射されるミサイルや巨大なビームを放つプラズマブラストなど、バトルモード専用の武装も登場。


操作は本編のオールレンジモードと変わらないので、そのままの感覚で白熱のドッグファイトが楽しめる。少し残念なのはパイロットキャラクターの通信セリフがない点だが、そこはプレイヤーたちのボイスチャットや会話という形で通信してほしいんだろうなと感じた。

スターフォックスの世界に飛び込んでほしい!



全体的には『スターフォックス64』を丁寧に、そしてシリアス寄りにリメイクしている印象で、少し大人びて子ども向けの印象はなくなったフォックスたちの活躍が描かれている。名作3Dシューティングの味わい自体はより鮮麗されたので、当時以上の爽快感も味わえるだろう。


価格もパッケージ版は6480円[税込]、ダウンロード版ならば5480円[税込]と、昨今の新作としてはお手頃な価格となっているため、気になる人はぜひプレイしてみてほしい。














